介護職で手取り30万円以上稼げる?具体的な方法は?【介護職監修】

キャリアアップ
2023/06/14

介護職で手取り30万円以上稼ぎたいと思う人は多いのではないでしょうか?
低賃金と言われる介護職ですが、実際に手取りで30万円以上稼いでいる人もいます。

本記事では、介護職が手取り30万円以上稼ぐ条件や方法、介護職の手取り額の現状などを紹介します。
また、実際に介護職で手取り30万円稼いでいる人の声も集めました。

筆者である私も、介護職経験10年を迎えるあたりで、手取り30万を超えました。
私自身の経験も踏まえて、具体的な方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

介護職が手取り30万円以上稼ぐ条件

介護職が手取りで30万円以上稼ぐ条件について、以下の項目ごとに考えていきましょう。

  • 総支給額と年収
  • 保有資格と経験年数
  • おすすめの施設形態

それぞれ詳しく解説していきます。

総支給額と年収はいくら?

手取り額は、総支給額から所得税の割合や扶養家族の有無によって異なります。
そのため、正確な金額を計算することは難しくなっていますが、総支給額の75〜85%が手取り額になると言われています。

仮に手取りが総支給の80%と想定すると、以下の式で手取り額が計算可能です。

(手取りの金額)÷(80%)=(総支給額)
→(30)÷(0.8)=(37.5)

したがって、介護職が手取り30万円稼ぐためには、総支給で37万5千円以上は必要です。

これを年収に換算すると(37.5×12=450)で、450万円以上が手取り30万円の基準となります。
あくまで一例ですが、参考にしてみてください。

保有資格や経験年数は?

手取り30万円を稼ぐために必要な、資格や経験年数について見ていきましょう。

厚生労働省が発表したデータによると、経験年数と保有資格による月収は、以下のようになっています。

勤続年数 平均月収
1年 277,350円
2年 287,560円
3年 299,970円
4年 300,180円
5〜9年 311,970円
10年以上 342,490円
保有資格 平均月収
資格なし 271,260円
介護職員初任者研修 300,510円
実務者研修 302,330円
介護福祉士 328,720円
社会福祉士 363,480円
介護支援専門員 362,290円

金額は総支給額です。参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要|厚生労働省

当然ですが、さまざまな資格を取得し、経験を積み重ねることで、収入も上がっていくでしょう。

上記はあくまで平均のため、手取り30万円に必要な資格と経験年数について正確な情報を出すのは難しいです。

私の場合は、介護福祉士と介護支援専門員の資格を取得し、経験8年ほどで手取り30万円を超えました。
ひとつの参考にしてみてください。

おすすめの施設形態は?

続いて、施設形態ごとの平均月収の違いを見ていきましょう。

施設形態 平均月収
介護老人福祉施設 328,120円
介護老人保健施設 323,770円
介護医療院 290,140円
訪問介護 286,920円
通所介護 275,670円
通所リハビリテーション 326,940円
特定施設入居者生活介護 313,160円
小規模多機能型居宅介護 267,470円
認知症対応型共同生活介護 287,670円

金額は総支給額です。参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要|厚生労働省

こちらもあくまで平均の金額です。
特養(介護老人福祉施設)から有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)に転職して、手取り30万円を超えたケースもあります。

また、認知症対応型共同生活介護は平均の総支給額でも30万を下回っていますが、実際には手取り30万円以上稼げるという声もありました。

施設ごとの給与については、以下のケアきょうYouTubeでも解説しているので、ぜひご覧ください。

▼関連動画

介護職の手取り額の現状

では、介護職の手取り額の現状について解説していきます。

  • 現在の介護職の平均給与
  • 自分の手取り額の適正度
  • 今後手取り額が上がる可能性

以上3つのテーマから、介護職の手取り額について考えていきましょう。

現在の平均給与はいくら?

厚生労働省の調査によると、現在の介護職の平均給与は「323,190円」です。

参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要|厚生労働省

上記は総支給額のため、手取り30万円は平均より上ということがわかります。
ただし、さまざまな処遇改善によって、介護職の給与は年々増加傾向です。

今後も介護職は、資格を取得したり経験を積んだりすることで、自分の手取り額を上げていけるでしょう。

自分の手取り額の適正度チェック3ステップ

自分の給料の適正度をチェックする方法があり、それが以下の3ステップです。

  1. 給与明細を確認する
  2. 平均給与と比較する
  3. 加算の取得状況を確認する

詳しい内容は、以下の動画で解説しているので、ぜひご覧ください。

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今後手取り額が上がる可能性は?

介護職の給与は今後も上がる可能性が大きいと言えます。
なぜなら、現在の総理大臣である岸田首相も、たびたび「介護職の処遇を改善する」と明言しているからです。

参考:岸田首相「介護職の処遇改善を進める」「公的価格を改善する」所信表明演説で明言|JOINT介護

しかし、次回2024年の介護報酬改定で、改定率がマイナスになることが予想される中で、介護職の給与アップについては疑問が残ります。

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しかし、介護職のさらなる人材不足が懸念されるため、政府としても処遇を改善せざるお得ない状況が続くため、今後の動向に注目しましょう。

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介護職で手取り30万円稼ぐ方法

ここからは、介護職で手取り30万円稼ぐ方法を紹介します。
具体的な方法は、以下の7つです。

  1. 資格を取得する
  2. キャリアアップする
  3. 夜勤専従で働く
  4. 同じ職場で長く働く
  5. 給与交渉してみる
  6. 給与が高い職場に転職する
  7. 副業をする

一つずつ詳しい内容を見ていきましょう。

1.資格を取得する

介護職で手取り30万円以上を目指すのであれば、介護福祉士の資格取得は必須です。

先述の内容からもわかるように、無資格と介護福祉士保有者では、月収に5万円以上の差があり、介護福祉士の取得は収入アップの大きな柱となっています。

ケアマネジャーや社会福祉士などの資格もあわせて取得することもおすすめします。
なぜなら、資格手当がもらえることと、会社からの評価が上がり、基本給アップにもつながるからです。

介護職で手取り30万円以上を目指すなら、さまざまな資格取得にチャレンジしましょう。

2.キャリアアップする

先ほどの資格取得と重なる部分もありますが、キャリアアップまたはキャリアチェンジをしてみるのもひとつの方法です。

たとえばケアマネジャーの資格があると、介護リーダーとしての経験は、その先の管理職への道も開かれます。
急なキャリアアップは難しいですが、コツコツ経験や知識を積み上げていけば、給与アップにつながっていくでしょう。

▼関連動画

3.夜勤専従で働く

手取り30万円を目指したいなら、夜勤専従という働き方もおすすめです。

主に都心にはなりますが、高い施設であれば、夜勤1回3万5千円というところもあり、以下のとおり手取り30万円を稼げます。

月11回×3万5千円=38万5千円
(※31日の月であれば最大で11回の夜勤が可能)

夜勤業務が苦でない人の場合、働き方のひとつとして選択してみてもいいでしょう。

夜勤専従の手取り額については、以下の記事でも詳しく解説しています。

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4.同じ職場で長く働く

すぐに給与アップするわけではありませんが、勤続年数を重ねることで確実に手取り額は上がっていきます

たとえば、定期昇給で毎年3,000円〜5,000円アップすれば、10年で5万円ほどアップします。
また、その間に資格を取ったり役職を経験したりすれば、さらに手取り額は増えるでしょう。

厚生労働省のデータでも、勤続年数を重ねることで給与が上がることはわかっていますし、勤続年数10年以上の介護福祉士に対して、月額8万円相当の給与アップを目的とした処遇改善も行われています。

なお月額8万円という数字はあくまで目安であり、処遇改善の使い方は事業所に任されているのが現状です。
詳しくは、以下の動画をご覧ください。

▼関連動画

5.給与交渉してみる

ある程度の勤続年数もあり、周囲からの信頼も得られている場合は、給与交渉してみるのも一つの方法です。

ただし、ただ給与を上げてほしいと伝えても難しいでしょう。

効果的な給与交渉は、これまでに残してきた実績や、今後取り組みたいことを具体的に伝え、会社への貢献度や将来性をアピールすることです。

これからも現在の会社で長く働きたいという場合は、給与交渉により自分が必要とされているか確かめてみるのもいいかもしれません。

6.給与が高い職場に転職する

このまま今の会社にいても給与が上がらないと感じた場合は、転職をして給与アップを図る方法もあります。

給与アップに効果的な転職のタイミングは、以下の3パターンです。

  • 新たな資格を取得した時
  • 職場で1年以上役職を経験した時
  • 給与の上がり幅が小さくなってきた時

介護施設は全国にさまざまな種類があり、給与形態もそれぞれ違います。
今の施設で正当な評価をされていない場合でも、他の施設に行くと必要とされ給与アップにつながる可能性もあります。

介護職が効率的に手取り30万円を目指すには、転職は大きなきっかけになるでしょう。

7.副業をする

副業の場合は、介護職自体の手取り額は増えませんが、確実に今より収入アップが可能です。

たとえば、介護職で手取り25万円稼げているなら、副業で5万円稼げれば手取り額は30万円を超えます。
副業を推奨している企業も増えている中で、介護業界でも個人による働き方改革が求められていくでしょう。

なお介護職におすすめの副業については、以下の記事で紹介しています。

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介護職で手取り30万円に関するリアルな声

介護職で、実際に手取り30万円以上稼いでいる人はいるのでしょうか?

稼げている人と稼げてない人、それぞれのSNS上で集めてみました。

手取り30万円を目指す際の、参考にしてみてください。

手取り30万円稼げない人の声

平均月収を大きく下回っている人がいることを考えると、やはり事業所による給与の格差がかなりあるようです。

手取り30万円稼いでる人の声

都心を中心に介護職でも手取り30万円以上稼いでいる人はいるようです。
ちなみに私の場合は、地方でも手取り30万円を達成しているので、都心で働くことが絶対条件ではありません。

介護職で手取り30万円は決して難しくない

介護職で手取り30万円は、十分現実的な数字です。
なぜなら、実際に稼いでいる人がいるからです。

さらに大手介護企業の「ベネッセスタイルケア」や「SOMPOケア」では、大幅な処遇改善により、手取り30万円稼げることを明文化しています。

介護人材のさらなる不足により、給与の改善は急務と言えます。
そのため、介護職で手取り30万円以上稼ぐ人は、今後増えていくことが予想されるでしょう。

介護職の手取り額に関するよくある質問と回答

介護職の手取り額に関するよくある質問は、以下の3つです。

  • 手取り30万円の内訳はそれぞれいくらですか?
  • 介護福祉士保有者ですが手取り20万円は低いですか?
  • 転職時の給与交渉はどのようにすればいいですか?

では、それぞれの質問に回答します。

手取り30万円の内訳はそれぞれいくらですか?

実際に、手取り30万円を稼げている私の例を紹介します。
内訳は以下のとおりです。

内容 金額
基本給 230,000円
夜勤手当 40,000円(夜勤1回8,000円)
資格手当 20,000円
処遇改善加算 40,000円
住宅手当 15,000円
家族手当 30,000円
時間外手当 5,000円
合計 380,000円

およその金額です

処遇改善加算が月によって多少誤差があったり、夜勤の回数も5回以上の場合もあったりするため、毎月金額は違いますが、おおよそ以上のような金額です。

介護福祉士保有者ですが手取り20万円は低いですか?

地方でいわゆる田舎のような場所であれば、手取り20万円、またはそれ以下もあり得ます。

ただし毎月の給与は高くなくても、賞与が年間で4ヶ月以上支給され、年収が400万円を超える場合は、とくに低くないでしょう。

介護福祉士を持っていながら、手取り20万円以下で年収も300万円台であれば、転職を検討してもいいかもしれません。

転職時の給与交渉はどのようにすればいいですか?

転職時の給与交渉は自分で行うこともできますが、正直言いにくいのではないでしょうか?
そんな人におすすめなのが、転職エージェントに代わりに給与交渉をしてもらう方法です。

事前にエージェントの担当者に、希望給与を伝えておけば、書類審査や面接などの採用過程で、タイミングを見ながら給与交渉をしてくれます。

まとめ

介護職で手取り30万円稼ぐことは一見難しそうに感じますが、誰でも実現可能です。

そのためには、資格の取得や経験を積むことで、少しずつ給与アップを図っていく必要があります。

また介護職以外の職種を経験したり、さまざまな施設で働いたりして、より効率的に給与を上げることができるでしょう。

ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、介護職で手取り30万円を実現させてください。

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