介護職に将来性はある?成長産業と謳われるその理由も紹介します!

介護職仕事紹介
2021/12/29

介護職は成長産業!将来性あるその理由を調査!

日本は超高齢化社会に突入しており、今後ますます介護を受ける人が増えていく事が予測されています。しかし、同時に介護業界の人材不足は深刻な問題であり、介護業界の求人倍率は他の職種に比べ、3倍ほど高いとも言われています。

ただでさえ人手が足りていないのに、過去に介護職で働いていたにも関わらず、何かしらの理由で退職してしまいそこから介護職に復帰しない方が多い事も大きな問題です。

このように人が集まりにくい介護業界の長く働き辛い職場環境や、低賃金の問題を解決するために国も様々な対策を行いました。その取り組みは現在も続けられており、介護業界はどんどん良い方向に変化していっているのです。

増え続ける高齢者と人材不足

厚生労働省の2015年度の調査によると、要介護(要支援)認定を受けている人は約450万人 となっています。今後その人数は高齢者が増えると共に当然どんどん増加していくでしょう。

しかし、同じく厚生労働省の調査によると介護に従事している人の数は2015年度の時点では約183万人 です。介護人口の増加に対応していく為には約5万人足りない という結果が出ています。

圧倒的に足りていない介護職員の人員確保に向けて、国は「介護職員処遇改善加算」という制度をはじめ、介護職の賃金向上に乗り出しました。

年収が低いと言われている介護業界の賃金の底上げを狙った制度です。また、平成29年度の調査では介護職員の離職理由に「出産、育児と仕事が両立できない」という理由が19.7%を占めてました。その事にも対応し、事業所内に保育施設を整備、運営するための基金も新たに作られました。

この他にも、将来的に介護職に就きたいという学生、何らかの理由で介護職から離れてしまっている方の復帰、介護職を目指す学生の為の就労支援などがあります。支援は多岐に渡り、早急な人材確保の為に、外国人研修生を介護人材として育てる取り組みも行われています。

このように他の分野に比べてかなり手厚い待遇がされている介護職ですが、今後もこの流れは続いていくことが予想されます。

更に年収が上がる?介護職員等特定待遇処遇改善加算とは?

平成29年度になり、新しく「介護職員等特定待遇処遇改善加算」が創設されました。少し複雑な制度ではありますが、簡単に言うと条件を満たした事業所が申請すると技能と経験のある職員の給与が上がる制度です。

経験10年以上(この10年以上の基準は事業所によって違います)ある職員が月給8万円以上アップまたは年収440万円以上になるか、全職員に再分配するのかなど事業所によって考え方は違います。経験と技能のある職員が離職していかないように、再び賃金を底上げしようとする動きが出てきたのです。

勤める事業所によって差があるのは確かですが、介護職員の賃金はこのような動きにより、昔に比べて大きく改善されました。働きやすく、長く働ける職場作りを国が後押しするようになったのです。介護業界の需要の高さが続く中で、今後もこの動きは続いていくでしょう。

男性の介護職にも将来性はあるの?今後のキャリアプラン例を紹介!

介護職の7割は女性ですが、男性職員が定着しにくかった理由には介護や保育など女性が家庭で行ってきた職業は避けられやすく、低賃金だった事があります。しかし、賃金の問題も年々改善されており、キャリアパス制度という制度が設けられた事でステップアップする為の道のりも分かりやすくなりました。

キャリアパス制度は介護業界全体の質を向上させ、キャリアアップを目指す時の指針になる制度で、勤務年数に応じた研修があります。積極的に参加していく事で更に将来性は高まっていくでしょう。

介護職の入口、介護初任者研修、介護実務者研修

実は介護職は無資格でも勤務することができます。しかし、やはり専門的知識が必要になる場面は多く、何も知識がないまま介護業界で勤務することは実際は難しいでしょう。介護資格のない人が最初に取得しておきたい資格が、介護初任者研修、介護実務者研修です。

数日間~数週間の間、研修を行っているスクールに通い、修了試験(スクール独自であり、受けるスクールによって内容は変わります)を受ける事で資格を取得する事ができます。介護初任者研修は旧ヘルパー2級資格にあたり、介護実務者は旧ヘルパー1級相当です。また、介護初任者研修と介護実務者研修を同時に取得できるスクールもあります。

夜間スクールなどもあり、比較的取得しやすい資格ですが、ヘルパー資格の時よりも学ぶ内容は増えています。高齢者の身体や精神面の変化や、かかりやすい病気やその症状を知る事で確実に仕事はやりやすくなるでしょう。また、無資格で介護の仕事をする場合は賃金も低くなり、できる業務も限られてきます。介護業界でキャリアアップを目指すには必ず必要な資格です。

まずは介護福祉士を目指す

介護職員初任者研修や実践者研修を修了したら、次に目指すのは介護福祉士です。3年以上介護職に従事し、介護実務者研修を修了する事で受験資格を得る事ができます。介護福祉士を取得する事で資格手当や賃金のベースが上がるので年収も上がり、できる仕事の幅も増えていきます。

介護福祉士は更新制ではないので、一度取得すれば一生の資格です。そしてキャリアパス制度により、介護福祉士の上に位置づけられる認定介護福祉士も新たに設けられました。まだまだ新しい資格ですが、これから普及していく事は間違いないでしょう。

また、介護福祉士を取得することでサービス提供責任者と生活相談員になる事ができます。この2つは介護保険制度上の名前です。サービス提供責任者は、職員の指導、現場のスケジュール管理トラブル対応ができる人物を指し、生活相談員はケアマネジャーや家族と連絡を取り、入所までのスケジュールの管理をしたりする仲介役です。

キャリアアップの第一歩として介護福祉士を取得したらぜひ、仕事の幅を広げるためにも、次のステップに進むためにも目指してみて下さい。

実務経験を5年積むことで目指せるケアマネジャー

介護福祉士を取得し、実務経験5年を経る事で次はケアマネジャーを目指せるようになります。介護を行う上で必要な計画書の作成や要介護者、その家族と様々な介護サービスや行政との橋渡しをする大切な仕事です。

ハードワークのイメージが強い介護ですが、ケアマネジャーの主な仕事はケアプランの作成でデスクワークになります。給与は大幅にはアップしませんが、その先を目指すのならば取得しておいた方が良いでしょう。

更に専門性を高めていきたいという希望がある人には、日本ケアマネジメント学会が設立した認定ケアマネジャーという資格もおすすめです。知識をより深め、専門性の高い業務をこなしたい場合には、ケアマネジャー取得後に社会福祉士を目指すという道もあります。

事業所の施設長・介護部門の部長などの役職を目指す

最終的にはこのポジションを目指して努力していくのがおすすめです。新しく自分で介護事業を起こす人もいます。この段階になると、役職手当はもちろんですが、経験年数で賃金が変わってくることが多い業界なので年収も上がります。

そして、経験年数を重ね、ベテランになった時に介護の新しい担い手を育てることも大切な役割です。ユマニチュードをはじめ、昔には知られていなかった新しいケアの方法など、介護業界の常識はどんどん変化してきています。正しい知識と経験に基づいた指導を行い、新人を育てる事も大切な役割です。

介護に携わる他の資格の取得を目指す

介護に関わる仕事には介護士、介護福祉士、ケアマネジャーの他にも沢山の資格があります。リハビリに特化している作業療法士や理学療法士や、看護の面では看護師、医療方面では医師や薬剤師の資格があります。大学を卒業しなければ取得できない資格もありますが、専門学校を卒業する事で取得できる資格もいくつか存在しています。

キャリアアップの選択肢の1つとして、これらの資格にチャレンジしてみる事もいいでしょう。作業療法士、理学療法士、看護師は夜間の専門学校もあり、勤務を続けながら取得する事も場合によっては可能です。リハビリ職や看護師などの資格は介護の中でも賃金が高い仕事になります。

これらの資格を取得する際には、今までに重ねた実務経験は多いに役立ちます。当然、カリキュラムの中には実習が含まれており、現場を知っていると知らないとでは大きな差ができるのです。介護業務に必須である、多職種連携の要になる人材を目指していくのもいいかもしれません。

10年後の介護業界・介護職はどうなるの?

現時点でも介護業界はかなり需要の高い職業だと言えますが、10年後には更に需要が高まります。 なぜなら、団塊世代が後期高齢者の年齢を迎えるからです。

介護ロボットの導入がされる、などの予想もありますが、介護には人ではないと難しい感情の理解、触れ合う事で症状が落ち着く事も考えると人ではないと難しい部分が沢山あります。そのため、介護人材の需要が低くなる事は考えづらいのです。

それだけではなく、少子高齢化、核家族化が進むにつれて更に在宅介護は難しくなります。そういう背景もあり、介護業界全体の収益は平成17年以降、増加する一方です。 今後もこの事情は改善される見込みはないため、介護業界はまだまだ伸びしろがある業界と言えます。

古い介護業界のイメージは暗く、閉鎖的なものでした。しかし、介護業界の常識はどんどん変化しています。身体を酷使しない介助方法や、介護用品の発達や虐待や介護倫理の普及によって職場改善をしている事業所も多くなりました。介護業界はこれからますます発展していくでしょう。

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