【比べてみよう】介護職の給与、3つの適正度チェック!
今回は、「ご自身の給与が適正なのか」、確認する3つのステップをご紹介します。
「周りと比べて、自分の施設が適正な給与なのか?」を確認する方法です。
地域別の給与や、自分の施設が加算をもらっているかも、紹介していきますので、最後までお楽しみください。
チェックした結果、「実は良かった」という方は、ぜひ今の職場に残るべきですし、「実は悪かった…」という方は、他の職場も検討すると良いと思います。
ステップ1:給与明細の見方
まず、給与明細をしっかり理解する必要があるので、解説していきます。
皆さんはご自身の給与明細をしっかり読んだことがありますか?意外と見ていない、という人も多いのではないでしょうか?
給与明細は、自分の額面給与はいくらで、保険料・税金を払った結果、手取りはいくらになるのか?を記載したものです。
具体例で見ていこう!
給与明細は、一般的にこのような形式になっています。
確認するべきポイントは、大きく分けて、「勤怠」「支給」「控除」です。
まずは「勤怠」に関してです。
こちらは、出勤日数などを記載する部分です。自分のシフトとあっているのか、確認しましょう。
次に「支給」です。「総支給」と記載されることもあります。「額面給与」と言うこともあります。
支給は、その月の基本給と各種手当が入ります。
資格手当、夜勤手当や、処遇改善加算、特定処遇改善加算は単独の項目があることが一般的です。
最後に「控除」です。
ここは、税金や年金、健康保険などの金額が記載されています。また、食事などが出る施設では、夕食代などの項目があることもあります。
最終的に支払われる「手取り」は、「支給から控除を引いたもの」になります。
まず、給与明細を見て、ご自身がどのくらいもらっているか確認しましょう。
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ケアきょう求人・転職の無料相談ステップ2:平均との比較
周りと比べて自分の給与が高いのか、低いのか。気になりませんか?
職種別データ
介護労働安定センター発表の「令和元年度 介護同労実態調査結果」を確認してみましょう。
ここでいう給与は「所定内給与」というものです。
総支給から月ごとに変動する「夜勤手当」、「休日出勤手当」などを除いたものになります。全国平均では介護業界の給与は次のようになっています。
職種 | 給与平均 |
---|---|
介護職員 | 21.6万円 |
ホームヘルパー | 21.7万円 |
サービス提供責任者 | 24.9万円 |
ケアマネ | 26.0万円 |
生活相談員 | 25.3万円 |
看護職員 | 27.2万円 |
地方別データ
この数字は、「正社員」で「月給で支給」されている人の「所定内給与」になります。
地方差もあるので、地方ごとの平均値はこちらです。
関東、近畿が比較的高く、東北、九州・沖縄が低い結果になっています。
地方 | 給与平均 |
---|---|
北海道 | 221,722円 |
東北 | 208,413円 |
関東 | 253,002円 |
中部 | 236,461円 |
近畿 | 242,357円 |
中国・四国 | 221,802円 |
九州・沖縄 | 210,912円 |
都道府県別データ
都道府県別には、このようになっています。
東北の平均給与では、宮城県が高く、関東の中では東京都が最も高いです。
中部地方では、愛知県が高く、近畿の中では、大阪府が最も高いです。中国・四国では広島県が高く、九州・沖縄地方では福岡県が高いという結果です。
都道府県 | 給与平均 |
---|---|
北海道 | 221,722円 |
青森県 | 196,527円 |
岩手県 | 205,337円 |
宮城県 | 223,247円 |
秋田県 | 201,633円 |
山形県 | 207,771円 |
福島県 | 217,386円 |
茨城県 | 234,186円 |
栃木県 | 228,764円 |
群馬県 | 238,932円 |
埼玉県 | 250,404円 |
千葉県 | 249,923円 |
東京都 | 274,650円 |
神奈川県 | 254,682円 |
新潟県 | 225,508円 |
富山県 | 228,095円 |
石川県 | 227,649円 |
福井県 | 238,033円 |
山梨県 | 232,836円 |
長野県 | 231,844円 |
岐阜県 | 243,183円 |
静岡県 | 238,798円 |
愛知県 | 251,884円 |
三重県 | 234,775円 |
滋賀県 | 237,815円 |
京都府 | 237,176円 |
大阪府 | 247,332円 |
兵庫県 | 242,500円 |
奈良県 | 244,622円 |
和歌山県 | 225,351円 |
鳥取県 | 217,264円 |
島根県 | 210,251円 |
岡山県 | 228,545円 |
広島県 | 231,197円 |
山口県 | 228,445円 |
徳島県 | 216,274円 |
香川県 | 225,702円 |
愛媛県 | 208,146円 |
高知県 | 221,335円 |
福岡県 | 216,948円 |
佐賀県 | 208,367円 |
長崎県 | 203,421円 |
熊本県 | 207,508円 |
大分県 | 214,131円 |
宮崎県 | 205,096円 |
鹿児島県 | 214,848円 |
沖縄県 | 207,466円 |
これらの数字は、介護業界全体の従事者になるので、サ責や生活相談員の給与も含まれています。
介護職単体となると、これより多少低くなるくらいかと思われます。お手元のご自身の明細とぜひ比較してみてください。
これと同じ、もしくは上だという人は、その地域の介護職の給与平均を超えています!
ステップ3:加算の取得状況を確認する
こうした給与の違いはどこから出ているのでしょうか?
特に、平均よりも下回っている方は、ぜひチェックしてみて下さい。
給与が低くなりがちな理由は、いくつかあります。
①事業所に十分な利用者がいない・稼働率が低い
介護事業所の売上は、基本利用者の人数に比例します。ですので、例えば、空いている部屋がたくさんある老人ホームは収益性が低く、給与も低くなりがちです。
転職の際は、ぜひ施設の見学・面接の際などにチェックしましょう。
②保険外収益など、利用者一人あたりの単価が低い
先ほどと同じですが、収益が給料の源です。
保険以外のサービスを行っている分、仕事は大変になりますが、収益性が高くなります。
そういったサービスをうまく組み合わせて入る施設では、その分売上が上がり、給与に反映されることがあります。
逆に、介護サービスのみで収益を上げることには限界があり、うまく言っていない場合、給与が伸びない……ということになることもあります。
③経営者ががめつく、搾取している
売上が上がっているが、給料には反映させない……というパターンです。
しかし、そういった施設からは従業員も逃げていくことが多く、こちらの理由は、以前よりも少なくなってきた印象があります。
④ご自身の経験が浅い、保有資格がない
この理由の場合は、経験を積んだり、資格を取ることをまずは意識していきましょう。
現状、介護は経験がかなり大きく給料に関係していきます。
最近では、それ以外を考慮するべきだ!という話も出てきていますが、まだまだメインではありません。
将来のことを考えて、今から、得意分野等を作っておくこともいいかもしれませんね!
⑤加算を取っていない
介護事業所を運営する上では、追加でもらえる売上である「加算」が重要です。
この「加算」をしっかり取っている事業所は、収益に余裕が出ますし、取っていない事業所は、カツカツになってしまいます。
また、処遇改善加算などは、原則、介護職の給料に直結する加算です。
しっかりと加算を取得しているか?確認することも重要ですね
加算の取得状況の確認方法
この重要な加算、自分の施設がしっかり受け取っているか、皆さんは把握していますか?
なかなか自分の職場で聞きづらいですし、転職の面接時などでも質問するのは難しいですよね。
実は、特にお給料にとって重要な、処遇改善加算や特定処遇改善加算を取得しているか、確認する方法があります。
インターネットがあればすぐにできるので確認してみましょう!
ちなみに、加算のルール自体は複雑ですので、例えば、処遇改善加算などに関しては過去の記事なども参照して下さい!
今回は、以前ケアきょうで訪問させて頂いた東京都渋谷区の特養「杜の風」さんを例に探してみます。
- こちらの「介護事業所・生活関連情報検索」を開いてください。
- そして、真ん中のマップからお住いの都道府県をクリックします
- 画面が変わったら、「介護事業所を検索する」をクリックします。こちらのキーワード検索にご自身のお勤めの施設を記入し、検索を押します。
- 検索結果から、該当する施設を探しクリックします。
- 画面が移り変わると、色々な情報が出てくると思います。こちらのページを下にスクロールしていきます。
- すると「介護報酬の加算状況」があります。
- こちらをクリックし、下にスクロールすると、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)などと記載されている部分があります。ここを確認しましょう。
- 杜の風さんでは、介護職員処遇改善加算の(Ⅰ)を取得していることが分かります。
今回、特定処遇改善加算がなしとなっているのは、更新が間に合っていないからだと思われます
こんな風に調べると、皆さんの施設で、どんな加算を取得しているかを確認出来ます。
もし、加算を受け取っているのに、毎月の給与明細に記載されていなかったり、支給されていない場合は、適切な対応をしていなかったり、かなり偏った分配をしている可能性があります。
時折、現在の給与だけを見て転職を望まれる方もいますが、加算をしっかり取得&支給している施設は、比較的「良い施設」の可能性があり、転職した結果、むしろ悪い結果になることもあります。
こうした情報も踏まえながら、落ち着いて決めていきましょう。
まとめ
今回は、「周りと比べて、自分の施設が適正な給与なのか?」を確認する方法をご紹介しました。
- 給与明細を読んで、ミスがないか、自分の総支給はいくらなのか確認しましょう。
- 地方別・資格別の給与平均値と比較して、自分の給与が多いのか、少ないのか確認しましょう。
- 加算をもらっているのか、手当が支給されているのかを確認しましょう!
資料
- 事業所における介護労働実態調査結果報告書
給与平均:表V-2(2)①【労働者】所定内賃金(事業所状況別)(問30⑨)
介護サービスごと:表V-2(2)①【労働者】所定内賃金(事業所状況別)(問30⑨)
地域別:表V-2(2)【労働者】所定内賃金(月給の者、日給の者、時間給の者)(問30⑨)
資格別:表V-2(2)② 【労働者】所定内賃金(労働者属性等別)(問30⑨)
賞与実施の有無:表Ⅲ-10(1) 正規職員の「賞与制度」の有無と実施状況(問23)
賞与の額:表V-2(3)①【労働者】賞与<月給の者>(事業所状況別)(問30⑩) - 給与明細の見方
- 処遇改善加算、特定処遇改善加算をもらっているか?
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