介護職員初任者研修とは?研修内容や資格取得方法などを詳しく解説【介護福祉士監修】

資格取得
2022/12/15

「介護職員初任者研修って何?」
「研修の内容が知りたい」
「どうすれば資格を取れるの?」

本記事では「介護職員初任者研修」に関する以上のような疑問に、お答えしていきます。
これから介護職員初任者研修の資格取得を考えている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。

介護職員初任者研修とは?

介護職員初任者研修は、2013年4月の介護保険改正後にスタートした資格です。
初任者研修の誕生により、介護人材のキャリアパスが明確化されました。

現在では介護士の基礎的資格として、多くの人が介護職員初任者研修を介護職としてのキャリアのスタートとしています。
では、介護職員初任者研修の中身を紐解いていきましょう。

介護職に必要な基本的知識が学べる

介護職員初任者研修は、今まで介護の仕事をしたことない人でも理解しやすい内容になっており、講義以外にも実際に体を動かして学ぶ実技演習によって、介護現場で活かせる実践力を身に付けることができます
介護の仕事は主に、以下の2種類から成り立っています。

  • 掃除や洗濯などの生活支援
  • 食事、入浴、排泄のお手伝いをする身体介護

介護職員初任者研修では、以上のようなスキルを講義と実技演習を繰り返しながら学んでいきます。

介護職員初任者研修を取得してできることは?

介護の仕事は無資格でも可能ですが、訪問介護に関しては、この介護職員初任者研修の資格を取得していないと働くことができません。

また介護施設の場合でも、無資格では介護福祉士を持つ職員の指示なしで身体介護は行えないと規定されています。

介護職員初任者研修を取得していれば、特に制限もなく身体介護が行えます。
介護未経験者は、介護職員初任者研修を取得することで、安心して現場の業務を開始することができるでしょう。

実務者研修との違いは?

介護職員初任者研修は、似たような資格として実務者研修とよく比較されます。
実務者研修は、介護職員初任者研修のような基礎知識だけでなく、より実践に活かせるスキルや医療的ケアなど学べる内容になっているのが大きな違いです。
喀痰吸引などの高度な実技の講習も含まれ、初任者研修より高度な内容です。
実務者研修に関しては、以下のケアきょうYouTubeチャンネルでも解説しているので参考にしてみてください。

▼参考動画

介護職員初任者研修の資格取得方法

介護職員初任者研修について簡単な理解ができたところで、続いては資格の取得方法を解説していきます。

「働きながら取得できるの?」
「どういった研修内容?」
「費用はいくらかかる?」

など、さまざまな疑問があると思いますので、この項ではそれぞれの疑問に分かりやすく答えていきます。

働きながらでも取得できる?

介護職員初任者研修は、働きながら取得できます
多くの介護職は、休日を利用して研修を受け、働きながら資格取得を目指しています。

実際にオフラインで講義を受けるスクーリングがありますが、毎週曜日を固定したコースや、土日・夜間のコースなど働きながら受講しやすい工夫がされています。

実際にコースを決める際は、職場の上司と相談して休みを合わせる必要があります。
会社としても資格取得を推奨してるので、休みの相談も快く受け入れてくれるでしょう。

▼参考動画

初任者研修カリキュラムの内容は?

介護職員初任者研修の内容は、以下の表のように、130時間の講習で組み立てられています。

科目 時間
職務の理解 6時間
介護における尊厳の保持・自立支援 9時間
介護の基本 6時間
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間
介護におけるコミュニケーション技術 6時間
老化の理解 6時間
認知症の理解 6時間
障害の理解 3時間
こころとからだのしくみと生活支援技術Ⅰ 基本知識の学習 12時間
こころとからだのしくみと生活支援技術Ⅱ 生活支援技術の学習 53時間
こころとからだのしくみと生活支援技術Ⅲ 生活支援技術演習 10時間
講義の振り返り 4時間
合計 130時間

これらは自宅とスクーリングの学習時間を合わせたものです。
各カリキュラムの修了ごとに筆記試験があります。

資格取得にかかる費用は?

介護職員初任者研修の費用は、安いものであれば3万円台、高いもので10万円近くするものもあります。
スクールによって費用に違いがあるのは、スクールの立地やサポート体制の違いなどがあるからです。

では、お得に介護職員初任者研修の資格を取る方法はあるのでしょうか。
詳しくは次の項で解説していきます。

▼参考動画

お得に受講する方法はあるの?

介護職員初任者研修をお得に受講する方法は、主に以下の4つです。

  • ハローワーク経由で申し込む
  • 自治体の資格取得支援を利用する
  • 勤務先の資格取得支援や研修を活用する
  • 各スクールのお得なキャンペーンを利用する

以上のような制度を利用すれば、条件付きではありますが無料で介護職員初任者研修の資格を取得することができます。
詳しい内容は、最寄りのハローワークや自治体、職場やスクールに問い合わせみましょう。

自分に合ったスケジュール調整が重要

介護職員初任者研修を各スクールで受講する場合は、自分のスケジュールに合ったコースを選択することが重要です。

最短の取得を目指す場合は、週3〜4回コースを選べば1ヶ月程度で修了することができます。
ただ働きながらの取得を考えると、週1〜2回コースを選ぶほうがいいでしょう。

大切なのは焦ることなく体調面も考慮しながら、余裕を持った受講スケジュールを立てることです。

介護職員初任者研修の講座やスクールを選ぶ際のポイント

続いては、介護職員初任者研修の講座を選ぶ際のポイントを解説していきます。
費用面はもちろんですが、スクーリング時の通学手段や振替受講など、さまざまなことを考慮しながら自分に合った講座を決めていきましょう。

無理なく通える場所にあるか?

まず1つ目が、講座が「無理なく通える場所であるか」ということです。

費用が安くても交通手段が車でしか行けない場所であれば、通学に大きなストレスを感じてしまいます。

ただ駅近など立地がいい場合は、その分値段も高い傾向にあります。
通学に時間がかかっても少しでも安いほうがいいという方は、自分が納得いく形で見つけてみてください。

〇〇(あなたの住む地域名) 介護職員初任者研修」で検索すれば、複数の講座が出てくるので、立地や費用などを確認しながら選ぶといいでしょう。

振替受講は柔軟に対応可能か?

介護職員初任者研修を受ける際、体調不良や自己都合でどうしても参加できないことがあるかもしれません。
そんな時に、振替受講が可能で柔軟に対応してくれるかを、事前に確認しておくといいでしょう。

基本的に振替受講は無料で対応している場合が多いですが、中にはレンタルスペースなどを利用して開講している講座もあります。
そういった講座は値段は安くても、振替受講がいつになるか分からないなどのデメリットがあるので知っておきましょう。

就職サポートや相談はしやすいか?

介護職員初任者研修を取得したら、すぐに介護施設で働き始めたいという人もいるでしょう。
すでに働きながら受講してる場合はいいですが、そうでなければ、資格取得後の就職サポートがあると助かります

中には、施設を運営している法人が開講している講座もあり、そのまま採用面接まで案内してくれる場合もあります。
同法人で資格取得したことで採用面でも有利になるので、気になる方は相談してみるといいでしょう。

介護職員初任者研修を取得するメリットは?

介護職員初任者研修を取得することは、介護の基礎を学べるといったこと以外にも多くのメリットがあります。
ここでは、介護職員初任者研修を取得するメリットを、さまざまな視点から解説していきます。

介護の基礎が学べる

介護職員初任者研修は、以下のような介護に必要な基礎知識を学べます。

  • 介護の基本
  • 介護における尊厳の保持・自立支援
  • 介護サービスの理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解

カリキュラムから一部抜粋

特に「認知症」や「障害」に関しては、基本を理解することが適切な介護をする上で必要不可欠です。
資格を取得することは大切ですが、同時に学ぶ過程が現場で生きてくることを理解しておきましょう。

現場での自信につながる

介護の仕事は無資格でもできます。
しかし、資格がなく勉強もしてない状態で働いていると「本当にこれでいいのだろうか?」という疑問が出てきます。

介護職員初任者研修で介護の基本を学んでいれば、現場で迷ったときも自信を持って判断することができます。
資格取得までに学んだことが、現場での判断基準になるというわけです。

認知症対応で困ったとき、入浴介助で拒否されたとき、食事介助が排泄介助がうまくいかないとき、さまざまな場面で介護職員初任者研修での学びが役に立つでしょう。

求人の選択肢が増える

介護は、無資格未経験でも採用してくれる事業所が多くあります。
しかし、そういった事業所でも資格を持っているかどうかで採用率は変わってくるでしょう。

筆者はかつて介護の経験はあったものの無資格、同時に面接を受けた方が有資格者だったために、不採用になった経験があります。
また資格があることで、無資格よりも好条件で採用されます。

資格がすべてではありませんが、資格があることでプラスの評価になることは間違いありません。
自分の希望した事業所で働くためにも、介護職員初任者研修の取得は重要と言えます。

キャリアアップの土台になる

介護職員初任者研修は介護の基礎的資格です。その後に続く、実務者研修や介護福祉士などの土台といってもいいでしょう。

介護の基礎を学んだ上で現場に入り、実践を通じて成長していきます。
もし介護職員初任者研修で学ばず、各施設の介護しか知らない状態だと、間違った介護を覚えたままキャリアを歩んでいくかもしれません。

最初が肝心という言葉があるように、介護士のキャリアでもはじめに正しい介護を学んでおくことはとても重要と言えるでしょう。

介護以外の場面でも活かせる

介護職員初任者研修のカリキュラムでは、介護施設以外でも活かせるスキルを学ぶことできます
例えば以下のようなスキルです。

  • 体の不自由な方の着替えや整容
  • 目が見えない方の歩行介助
  • 腰に負担のかからない移乗介助
  • シーツ交換、ベッドメイキング等

このようなスキルは、街中で困っている障害を持った方のサポートや病院内でのサポート業務、ホテルや飲食店などで高齢者や障害がある方の対応にも活かせます。
また、親族で介護が必要な方がいる場合でも、身に付けたスキルは大いに役立つでしょう。

介護職員初任者研修から介護福祉士を目指す手順は?

介護職員初任者研修を取得するメリットとして、キャリアアップできるとお伝えしました。
ここでは、介護職員初任者研修を取得してから、介護の国家資格である「介護福祉士」を目指す手順を解説していきます。

介護福祉士については、以下の記事でも解説しています。

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介護福祉士の受験資格は?

まずはじめに、介護福祉士の受験資格を確認しておきましょう。

  • 介護現場での実務経験3年以上
  • 450時間以上の実務者研修を修了
    (または、介護福祉士養成施設または福祉系高校を卒業する)

介護職員初任者研修があると有利になる?

介護福祉士国家試験を受験するには、実務者研修の修了が必須条件です。

では、介護職員初任者研修を取得してから介護福祉士を目指す場合は、どういった流れになるのでしょうか。
手順は以下の通りです。

  1. 介護職員初任者研修を取得
  2. 介護現場で3年間の実務経験を積む
  3. 働きながら実務者研修を取得
  4. 介護福祉士国家試験を受験
  5. 試験に合格し社会福祉振興・試験センターに登録後に資格取得となる

そして、介護職員初任者研修を取得してから実務者研修を受講すると、450時間のうち130時間の履修科目が免除され、時間や費用の負担を減らせます。

また、実務者研修は初心者には難しい実践的な内容も多く含まれているため、介護職員初任者研修で介護の基礎を固めてからのほうが、スムーズに学ぶことができるでしょう。

介護の基礎知識が介護福祉士にも活きてくる

介護職員初任者研修で学んだ介護の基礎は、介護福祉士の国家試験でも活きてくるでしょう。
なぜなら、介護福祉士国家試験の内容は125問と膨大な数が出題され、正解を導き出すには介護の基礎知識が重要だからです。

3年間の実務経験を積みながら、コツコツ介護福祉士取得を目指すことを考えると、介護のことをまったく知らない状態で仕事を始めるよりも、基礎資格である介護職員初任者研修から取得することで、つまずくことなく国家試験対策ができるでしょう。

介護職員初任者研修に関するよくある質問

最後に、介護職員初任者研修に関するよくある疑問に対して、現役の介護福祉士である筆者がお答えしていきます。
介護職員初任者研修の取得を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

初任者研修のテストって難しいですか?

A. まったく難しくないことがほとんどです。
介護職員初任者研修の修了試験は、受講する講座内容を理解しておけば問題なく合格できるレベルです。
また、試験前には講師の方がどういった試験内容であるか教えてくれることもあるようです。

多くのケースでは選択式の問題に回答し、7割程度合格すれば合格します。
講座をしっかり受講し、与えられた課題をしておけば誰でも合格できるので安心してください。

初任者研修って通信講座だけで取得できますか?

A. 通信講座だけで取得することはできません。
介護職員初任者研修は「講義と演習を一体的に実施すること」と厚生労働省が公式に定めており、通信の学習上限時間は40.5時間と決まっています。
最低でも90時間ほどは、通学して講座を受ける必要があることを知っておきましょう。

参考:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」

実務者研修があるのになぜ初任者研修があるのでしょうか?

A. 実務者研修は、国家資格である介護福祉士を目指す上で必須の資格です。
そのため、カリキュラムの内容も、実践的で初心者には難しい内容と言えます。

それに対して介護職員初任者研修は、介護未経験でも分かりやすく理解できるような内容で、介護の基本を学ぶためには最適な資格です。
介護職員初任者研修は介護福祉士取得までは考えてないけど、介護の基礎を学んで介護士として働きたい人のための資格という位置付けです。

初任者研修の資格って期限はありますか?

A. 期限などはなく、一度取得すれば更新なしで使い続けることができます。

同じ介護系の資格では「介護支援専門員(ケアマネ)」や「認知症ケア専門士」などは、数年ごとの更新研修を受ける必要があり、時間や費用など負担を感じる人もいるでしょう。

ただ更新研修があるからこそ、新しい知識や技術を学べます
介護職員初任者研修は更新研修はありませんが、年々アップデートされる介護方法や介護保険制度について、自ら勉強しておくことが重要と言えます。

初任者研修は何歳からでも受けられますか?

A. 介護職員初任者研修は、原則中学卒業後であれば受講できます。

年齢の上限もなく、まさに老若男女問わず学べる研修となっています。
夏休み期間などでは介護現場をめざす高校生が学校単位で申し込むこともあるようです。

また、他業種から転職した50代以上の方が受講していることも珍しくありません。

まとめ

今回は、介護職員初任者研修について、以下のようなことを解説してきました。

  • 介護の基礎知識や技術が学べる
  • 取得方法はさまざまな選択肢がある
  • お得な制度を利用すれば無料で取得可能
  • 給与アップなどのメリットも数多くある
  • 介護福祉士を目指す上での土台的資格になる

これから介護の仕事を始めたい方はもちろん、将来の親の介護に活かしたい方など、介護職員初任者研修のニーズは多岐にわたります。
ぜひ本記事を参考に、介護職員初任者研修の資格取得にチャレンジしてみてください。

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