【2024年最新】介護福祉士国家試験の概要と合格するためのポイントを解説
2024年(第36回)介護福祉士国家試験の時期が刻一刻と近づいてきました。
介護現場で働く介護職にとって、唯一の国家資格である介護福祉士はキャリアアップにおいて非常に重要な資格です。
今回も多くの方が受験されることが予想されます。
本記事では、2024年(第36回)介護福祉士国家試験の概要をはじめ、介護福祉士国家試験に向けた取り組みや効果的な学習方法などを紹介します。
受験予定の方はもちろん、将来介護福祉士の資格を取得しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
2024年(第36回)介護福祉士国家試験の概要
2024年(第36回)介護福祉士国家試験の概要は、以下のようになっています。
項目 | 内容 |
---|---|
試験の申し込み期間 | 令和5年8月9日(水)〜9月8日(金)まで |
試験日 | ・筆記試験:令和6年1月28日(日) ・実技試験:令和6年3月3日(日) |
試験地 | 北海道や東京、沖縄など35都道府県 |
受験資格 | ・3年以上介護等の業務に従事し、実務者研修を修了した者 ・介護福祉士養成施設を平成29年4月以降に卒業した者など |
受験手数料 | 18,380円 |
合格発表 | 令和6年3月25日(月)14時 |
さらに以下のようなことにも触れていきます。
- 試験科目の内容
- 過去5年間の合格点と合格率
- 申し込みの流れ
では詳しい内容を見ていきましょう。
試験科目は11科目
介護福祉士国家試験は、以下の11科目で構成されています。
- 人間の尊厳と自立(2問)介護の基本(10問)
- 人間関係とコミュニケーション(2問)コミュニケーション技術(8問)
- 社会の理解(12問)
- 生活支援技術(26問)
- 介護過程(8問)
- こころとからだのしくみ(12問)
- 発達と老化の理解(8問)
- 認知症の理解(10問)
- 障害の理解(10問)
- 医療的ケア(5問)
- 総合問題(12問)
全125問で、1問1点で125点満点です。
解答はマークシート方式となっています。
過去5年間の合格点と合格率
介護福祉士国家試験の過去5年間の合格点と合格率は、以下のとおりです。
合格率 | 合格点 | |
---|---|---|
2022年度(第35回) | 84.3% | 75点 |
2021年度(第34回) | 72.3% | 78点 |
2020年度(第33回) | 71.0% | 75点 |
2019年度(第32回) | 69.9% | 77点 |
2018年度(第31回) | 73.7% | 72点 |
合格点は125点満点の60%程度を基準とし、毎年問題の難易度に応じて補正されます。
また、11科目群のすべてで得点していることが必要で、1科目でも0点があると、合計点が合格点に達していても不合格です。
申し込みの流れ
介護福祉士国家試験の申し込みには、以下2つの方法があります。
- 郵送
- インターネット
はじめての受験、または過去に受験したが確定した証明書を提出していない方は郵送での申し込みです。
手順は以下のとおりです。
- インターネットで受験の手引きを取り寄せる
- 受験の手引きが届いたら必要書類を準備する
- 受験ルートにより異なる必要書類を、職場に確認しながら揃える
- 払込用紙で受験手数料を支払う
- 申し込み期限までに必要書類を簡易書留で送付する
過去に受験し、確定した証明書を提出済みの方は、インターネットで申し込み可能です。
手順は「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」のホームページで以下の内容を入力するだけでOKです。
- メールアドレス
- 過去に受験した際の「試験回」と「受験番号」
- 顔写真データ(スマホでの撮影でOK)
- クレジットカード情報(コンビニでの支払いも選択可能)
申し込みが完了すると、12月頃に受験票が手元に届きます。
1分で登録OK
ケアきょう求人・転職の無料相談2024年(第36回)介護福祉士国家試験に向けてまずやること
介護福祉士国家試験に向けてまずやることは、主に以下の3つです。
- 前回の試験からの変更点を振り返る
- 過去の介護福祉士国家試験の出題傾向を把握する
- 効果的な学習計画を立てる
合格のためにはどれも大切なことなので、ぜひ参考にしてください。
2023年(第35回)介護福祉士国家試験からの変更点を振り返る
2023年(第35回)介護福祉士国家試験から、以下のような点が変更されました。
- 科目の出題基準
- 科目の出題数
- 試験科目のならび
出題基準に関しては「社会状況や制度改正を踏まえたリーダーシップ、今後より重要度が高まる認知症ケアや地域ケア、介護過程の学習内容の充実度アップなどが見直されてる」といった方向性が示されました。
科目の出題数は「人間関係とコミュニケーション」が6問から8問に増え「コミュニケーション技術」が8問から6問に減りました。
試験科目の並びについては、これまで午前だった「介護の領域」が午後になり、午後にあった「医療的ケア」が午前に変更という内容でした。
2023年(第35回)介護福祉士国家試験の詳しい変更点については、以下の記事を参考にしてください。
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【介護福祉士国家試験】2023年より出題傾向が変わる?今年の出題傾向と受験対策を解説
これまでの介護福祉士国家試験の出題傾向を把握する
介護福祉士国家試験の過去問から、以下のような出題傾向になることが予想されます。
まず日本の現状を踏まえた以下のような内容です。
- 2025年問題(団塊の世代が65歳になる年)
- 高齢者の増加による社会保障費の増大
- 認知症高齢者のさらなる増加 など。
さらに日本の現状に対する対策として、以下のことが出題傾向として考えられます。
- 地域包括ケアシステムについて
- 自分自身を守ることや地域での助け合いの推進
- 分け隔てなく暮らせる共生社会の実現 など。
このように、日本の介護の現場について考えることは、介護福祉士国家試験において重要と言えます。
効果的な学習計画を立てる
介護福祉士の学習計画を立てる上で、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 詰め込み学習はしない
- 自分の得意と不得意を把握する
- 用語学習は早めにすすめる
介護福祉士は、全科目で得点をすることが合格条件です。
過去問を通じて不得意分野を把握しておくことで、科目の取りこぼしを防げます。
学習計画については、以下の動画でも解説しているので、ぜひご覧ください。
▼参考動画
2024年(第36回)介護福祉士国家試験のための効果的な学習方法
介護福祉士国家試験の受験勉強は、以下のようなことを意識することで、効果的な学習になります。
- 毎日コツコツ継続する
- 一問一答を常に持ち歩く
- 過去問を何度も解く
- 予想問題にチャレンジする
- 無料で学べるツールを活用する
意識すれば誰でも簡単に行える方法なので、ぜひ参考にしてください。
では詳しい内容を見ていきましょう。
毎日コツコツ継続する
学習する上で何よりも大切なのは「コツコツ継続」することです。
そんなの当たり前と思うかもしれませんが、当たり前だからこそ最も重要と言えます。
可能であれば毎日継続して、試験日まで勉強しない日を作らないことをおすすめします。
ただ仕事で疲れたり、プライベートな用事で勉強ができない日もあるでしょう。
そんな日でも5分か10分時間を見つけて、介護福祉士の問題に触れることが大切です。
チリも積もれば山となります。
一問一答を常に持ち歩く
介護福祉士を受験する方の多くは、働きながら勉強しているのではないでしょうか。
働きながらだとまとまった時間を確保できず、学習環境を整えるのが難しく感じるかもしれません。
そのため、常に一問一答のハンドブックを持ち運び、スキマ時間はとにかく問題に触れることを心がけましょう。
仕事場であれば、休憩中は必ず30分間は一問一答をすると決めておくことで、仕事の日でも確実に学習時間を確保できます。
休憩中に勉強したことで心に余裕が生まれ、自宅学習にもいい影響をもたらすでしょう。
過去問を何度も解く
過去問を何度も解く学習方法は、介護福祉士国家試験の勉強法として、もっとも効果的です。
なぜなら、ひとつの問題の中に多くの要素が含まれており、効率的に知識を深めることができるからです。
また、問題に慣れるという意味でも、適切な学習方法と言えます。
過去問を使った勉強法の手順は、以下のとおりです。
- 本番と同じように過去問を解く
- 終わったらすぐに答え合わせをする
- 間違った問題や不安な問題は解説を確認する
- 解説見てもわからない場合は参考書をチェックする
以上の流れを繰り返すことで、本番で問題を解く力が養われます。
似たような問題が出ることもあるため、過去問に多く触れて問題の傾向を知ることも大切です。
予想問題にチャレンジする
過去問に慣れてきたら、予想問題にも挑戦してみましょう。
予想問題は、本屋で買えるような出版社が出しているものや、通信講座が提供しているものなどがあります。
予想問題に挑戦する意図は、本番で予想外な問題が出たときの対応を学ぶことです。
過去問を何度も解き続けると、解答自体を覚えてしまい考える力が鈍ってきます。
そのため予想問題に触れて、これまで経験してないような問題に挑戦することが大切になってきます。
過去問を一通り学習し、合格基準以上の点数が取れるようになったら、ぜひ予想問題にもチャレンジしてください。
無料で学べるツールを活用する
今はお金を払わなくても、WebサイトやSNSなどを活用すれば、無料で介護福祉士国家試験の学習コンテンツを見ることができます。
「過去問ドットコム」というサイトを利用すれば、わざわざ過去問題集を購入しなくても、ネット上で無料で過去問に挑戦できます。
ケアきょうでも、SNSやYouTubeで介護福祉士国家試験の学習コンテンツを配信しているので、ぜひ活用してみてください。
2024年(第36回)介護福祉士国家試験1ヶ月前の過ごし方
介護福祉士国家試験が近づくと「勉強は足りているだろうか」「本番で力を出し切れるだろうか」など、不安な気持ちが出てくるかもしれません。
試験の1ヶ月前は、以下のことを意識して本番に向けて心身の状態を整えましょう。
- 健康第一を意識する
- 情報を入れすぎない
- 満点を目指す勉強をしない
それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。
健康第一を意識する
介護福祉士国家試験を受けるにあたって、もっとも大切なことは「健康である」ことです。
せっかくコツコツ勉強しても、本番で体調を崩してしまうと実力を発揮できません。
健康管理のために、以下のことを意識して過ごしてください。
- 夜更かしせず十分な睡眠をとる
- 学習時間を詰め込みすぎない
- あまり人が多いところに行かない(感染症対策)
試験の1ヶ月前から体調管理を徹底して、万全の状態で本番を迎えましょう。
情報を入れすぎない
試験日が近づくと、以下のようなことが気になってきます。
- 今年の試験の難易度はどうか
- 予想合格点は何点になりそうか
- 他の受験者たちの心境(SNSの投稿)
こういったことは気になるかもしれませんが、知ったところで特にメリットはありません。
介護福祉士国家試験に合格するためには、自分がこれまでやってきた学習の成果を最大限発揮することが大切です。
さまざまな情報が飛び交う中でも自分自身に集中して、本番に向けて気持ちを落ち着かせていきましょう。
満点を目指す勉強をしない
試験1ヶ月前になれば、できることは限られてきます。
ここで大切なことは「満点を目指さないこと」です。
人によって得意不得意があるのは当たり前です。
すべての問題に完璧を求めることは、かえって負担になってしまいます。
125点中およそ60%の点数を取ればいいと考えると、125問中50問が不正解でも合格できるということです。
介護福祉士国家試験を受けるのは、合格して資格を取得することで、テストで高い点数を取るためではありません。
完璧主義は捨てて、たとえ合格できなくても来年またチャンスがあると思えれば、心も軽くなるでしょう。
介護福祉士国家試験に関するよくある質問
介護福祉士国家試験に関するよくある質問は、以下の3つです。
- 介護福祉士国家試験は何点とれば合格できますか?
- 介護福祉士国家試験に合格した後は何をすればいいですか?
- 介護福祉士を取得するとどのくらい給料が上がりますか?
それぞれわかりやすく回答しているので、ぜひ参考にしてください。
介護福祉士国家試験は何点とれば合格できますか?
介護福祉士の合格基準は、以下2つのことを満たすことが必要と明記されています。
- 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者
- 1を満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者
125点中およそ75点〜80点を取れば合格できます。
過去の合格点については、記事内の「過去5年間の合格点と合格率」で紹介しているので、参考にしてください。
介護福祉士国家試験に合格した後は何をすればいいですか?
介護福祉士は、試験に合格しただけでは資格を取得できません。
無事試験に合格したら、以下のことをすすめていきます。
- 必要書類を揃える
- 資格の登録申請をする
- 今後のキャリアについて考える
具体的な必要書類や登録の申請方法など、詳しい内容については、以下の動画をご覧ください。
▼参考動画
介護福祉士を取得するとどのくらい給料が上がりますか?
厚生労働省が発表した調査によると、無資格と介護福祉士取得者の給与は、それぞれ以下のような結果になっています。
資格 | 給与 |
---|---|
無資格 | 268,680円 |
初任者研修 | 300,240円 |
実務者研修 | 302,430円 |
介護福祉士 | 331,080円 |
介護福祉士を取得すれば、無資格よりも月給がおよそ6万円高く、年収にすると80万弱アップします。
まとめ
介護福祉士国家試験は、昨年の第35回より出題傾向やスケジュールなどが変更されています。
そのため、2024年(第36回)介護福祉士国家試験を受けるにあたっては、前回の変更点を把握しておくことが大切です。
試験本番に向けては、計画的な学習方法はもちろん大切ですが、それ以上に体調やメンタルの安定がポイントです。
本記事を参考に、無理のない計画的な学習をすすめて、本番で実力を発揮できるよう準備していきましょう。
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