介護ロボットに補助金制度はあるの?対象者や対象機器など最新情報を紹介

注目お役立ちツール
2023/08/26

介護ロボットはコストが高く、導入したくてもできていない介護事業所が多くあります。
公益財団法人 介護労働安定センターの調査でも、80%以上の介護事業所がいまだに介護ロボットを導入できていません。
その理由の半数以上が、導入コストの高さです。

参考:令和2年度介護労働実態調査|公益財団法人 介護労働安定センター

本記事では、介護ロボット導入時に利用できる「補助金制度」について解説します。
補助金制度の利用手順や注意点、対象者や対象機器などをわかりやすく説明するのでぜひご覧ください。

なお介護ロボットに関する詳しい情報を知りたい方は、以下のケアきょう記事が参考になります。

▼関連記事

介護ロボットは何がいいの?メリットや導入する際の問題点も解説

またケアきょうYouTubeでも「介護ロボット」の情報を発信しているので、ぜひご覧ください。

▼関連動画

介護ロボットの補助金制度について

介護ロボットの補助金制度について、以下3つの項目に分けて解説します。

  • 目的と実施主体
  • 補助の対象
  • 補助の内容

それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。

目的と実施主体は?

介護ロボットの補助金制度の正式名称は「地域医療介護総合確保基金」です。
実施主体は「都道府県」で、目的は以下のように明記されています。

介護ロボットを活用した介護事業所の生産性向上の取組を通じて、ケアの質の維持向上や職員の負担軽減等を図ることを目的とする

参考:地域医療介護総合確保基金を利用した介護ロボットの導入支援|厚生労働省

都道府県ごとに内容が若干異なり、「広島県介護ロボット導入支援事業実施要領」では、以下のような目的が記されています
一部抜粋したものを記載

介護ロボットは、介護従事者が継続して就労するための環境整備策として有効であり、介護サービスの質の向上を図るものである。
介護ロボットは高額であるため、介護事業所による購入が可能となるようコスト面で支援を行い、介護環境の改善と介護人材確保に繋げることを目的とする。

参考:広島県介護ロボット導入支援事業実施要領|一般社団法人日本福祉用具供給協会 中国支部 広島県ブロック

介護ロボットの補助金制度は、介護職の負担軽減とサービスの質の向上を目的とした介護ロボット導入を後押しする取り組みと言えるでしょう。

補助対象は?

介護ロボットの補助対象は、以下3つの要件を満たすものです。

要件 内容
①目的要件 ・日常生活支援における以下6つの場面で使用されるもの
1.移乗介護
2.移動支援
3.排泄支援
4.見守り・コミュニケーション
5.入浴支援
6.介護業務支援
・介護職の負担を軽減する効果のある介護ロボットである
②技術的要件 ・以下2つのいずれかの要件を満たす介護ロボットである
1.ロボット技術(※)による優位性を発揮する
※センサー等により外界や自己の状況を認識できる
※認識して得られた情報を解析できる
※解析結果に応じて動作を行える

2.経済産業省が行う以下の事業に採択された介護ロボットである
・ロボット介護機器開発/導入促進事業
・ロボット介護機器開発/標準化事業
・ロボット介護機器開発等推進事業(開発補助)
③市場的要件 ・販売価格が公表されている
・一般に購入できる状態にある
・リース費用も対象とするが期間は当該年度分に限る

参考:広島県介護ロボット導入支援事業実施要領

そのほか、介護ロボットの導入により業務改善が進み、収支の改善が図られた場合には、職員の賃金改善にも還元し、その旨を周知することとされています。

補助内容は?

介護ロボットの補助金制度の内容を、一覧表にまとめたのでご覧ください。

補助内容 詳細
補助額 ・移乗支援(装着型・非装着型):上限100万円
・入浴支援:上限100万円
・上記2種以外:上限30万円
※介護ロボット1機あたり
・見守りセンサーの導入に伴う通信環境整備:上限750万円
※1事業所あたり
補助上限台数 ・必要な台数
(制限は撤廃済み)
補助率 ・都道府県の裁量により設定
・一定の要件を満たす場合は3/4を下限
・それ以外の事業所は1/2を下限
※一定の要件:導入計画書において目標とする人員配置を明確にした上で複数の機器を導入し、職員の負担軽減等を図り人員体制を効率化させる場合

参考:地域医療介護総合確保基金を利用した介護ロボットの導入支援

なお令和3年度に介護ロボットの補助金制度が認められた件数は、2,596件でした。

介護ロボットの補助金制度の利用手順

介護ロボットの補助金制度の利用手順について、以下の項目ごとに解説します。

  • 補助金申請前に準備すること
  • 補助金を申請するために必要な書類
  • 補助金を利用するまでの流れ

事前準備や必要書類の準備などは大変ですが、介護ロボットの補助金制度をスムーズに利用するために重要です。

それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。

補助金申請前に準備すること

介護ロボットの補助金制度を利用したいと思ったら、まずは情報収集を始めましょう。
なぜなら補助金制度の実施主体は都道府県で、自治体ごとに申請期間や手順などが異なるからです。

情報収集する際は「〇〇県 介護ロボット 補助金」と検索すれば、お住まいの地域で利用できる補助金制度の情報がわかります。

ちなみに、広島県の介護ロボット補助金制度に関する最新情報によると、申請期間は「令和5年7月3日(月)~令和5年7月21日(金)」と、およそ3週間ほどしかありません。

参考:令和5年度「ICT・介護ロボット導入支援事業」補助金制度について|広島県

このような情報を事前にキャッチしておかないと、いざ補助金制度を利用したいと思っても、申請期間が過ぎていたり情報収集に時間をとられたりします。
補助金制度の利用を検討している方や興味がある方は、早いうちから情報収集を行い準備しておくことが大切でしょう。

補助金を申請するために必要な書類

介護ロボットの補助金を申請するためには、以下のような書類が必要です。
ここでは広島県を例に、介護ロボットとICT機器導入時のそれぞれの必要書類を紹介します。

介護ロボット導入支援事業 介護事業所ICT導入支援事業
申請書類 ・介護ロボット導入支援事業補助金交付申請書
・介護ロボット導入計画
・介護ロボット導入に係る検討会議の協議録
・LIFEを導入した(する)ことを証する資料
・導入を希望する介護ロボットの見積書の写し
・導入を希望する介護ロボットのカタログ等の写し
・介護事業所ICT導入支援事業補助金交付申請書
・介護事業所ICT導入計画
・介護事業所ICT導入に係る検討会議の協議録
・従業員の勤務体制及び勤務形態一覧
・導入を希望するICT機器の見積書の写し
・導入を希望するICT機器のカタログ等の写し
・ケアプラン標準仕様への対応状況確認書
・LIFE CSV取込機能への対応状況確認書
・LIFEを導入した(する)ことを証する資料
・SECURITY ACTIONを宣言したことを証する資料

参考:ICT・介護ロボット補助概要|広島県

補助金制度を利用する場合は、これらの書類に必要事項を記入の上、各自治体の事務局に提出しなければいけません。

期限ギリギリになると焦ってしまい、書類の不備や記入漏れの危険性があります。
事前の情報収集を行い、余裕を持ったスケジュールで進めていくといいでしょう。

補助金を利用するまでの流れ

介護ロボットの補助金制度を利用するまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 業者から介護ロボット導入の見積もりをしてもらう
  2. お住まいの自治体に補助金交付申請書を提出する(そのほか必要書類も提出)
  3. 申請した自治体にて補助要件に当てはまるか審査を受ける
  4. 審査を通過すれば交付決定の通知を受け取る
  5. 介護ロボットを発注し契約する
  6. 介護ロボット納品後(工事完了後)に支払いをする
  7. 提示された期限までに実績報告書を提出する
  8. 実績報告書の審査完了後に補助金が交付される
  9. 一定期間は使用状況を報告する必要がある

必ず補助金の交付決定通知を受け取ってから、介護ロボットを導入することが重要です。
通知前に発注してしまうと、補助が適用されない可能性があるため注意しましょう。

介護ロボットの補助金制度を利用する際の注意点

介護ロボットの補助金制度を利用する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 対象機器を確認する
  • 現場のニーズとマッチしているか事業所で話し合う
  • 導入したら必ず役に立つとは限らないことを理解しておく

それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。

対象機器を確認する

介護ロボットの補助金制度を利用する前は、必ず対象機器の確認をしましょう。
本記事での「補助対象は?」でも解説しているとおり、以下3つの条件を満たす機器が対象です。

  1. 目的要件
  2. 技術的要件
  3. 市場的要件

とくに技術的要件は、ロボット技術による優位性を発揮したり、経済産業省が行う事業に採択されたりしていることなどが示されているため、詳しく確認しておくことが大切です。

現場のニーズとマッチしているか事業所で話し合う

介護職の負担軽減が目的である介護ロボットの効果を最大限活かすためには、現場のニーズとマッチしていることが重要です。
どれだけ高性能の介護ロボットを導入しても、現場のニーズとズレていれば、逆に負担を増やしてしまう可能性があります。

まずは導入前に、現場職員のニーズをヒアリングしながら、どのような介護ロボットが適しているか検討していくことが必要です。
メーカーの担当者に事前説明をしてもらい、使い方やメリットなどを職員に理解してもらうことも大切になってくるでしょう。

導入したら必ず役に立つとは限らないことを理解しておく

介護ロボットを導入したからといって、現場の不満が完全に解消されるわけではありません。
導入直後は使用意識が高まり、積極的に活用できるかもしれません。
しかし、徐々に使用頻度が減っていき、気付いたら倉庫に眠ってしまう可能性もあるでしょう。

また事前に十分な話し合いをしていても、いざ導入したら思ったより役に立たないと感じる場合もあります。
導入後も自主的に定期的な勉強会を開催し、「役に立った場面」や「不向きなシチュエーション」などの情報を職員間で共有してみてもいいでしょう。

介護ロボット補助金制度の各自治体の事例

介護ロボットの補助金制度に関して、以下の各自治体の事例を紹介します。

  • 東京都
  • 広島県
  • 北海道

それぞれ詳しく解説するので、自分の自治体と照らし合わせながら参考にしてみてください。

東京都の場合

概要は以下のとおりです。

介護従事者の身体的負担の軽減や業務の効率化など、介護環境の改善に資する次世代介護機器の導入、見守り支援機器の導入に伴う通信環境整備等の一体整備に必要な経費の一部を補助します

引用:令和5年度 次世代介護機器導入促進支援事業|公益財団法人 東京都福祉保健財団

また、補助内容については以下の画像を参考にしてください。

引用:令和5年度 次世代介護機器導入促進支援事業

補助申請の手続きや必要書類は自治体によって異なるため、必ず各自治体の募集要項を確認しておくことが大切です。

広島県の場合

概要は以下のとおりです。

介護ロボットは介護従事者の身体的負担の軽減や業務の効率化に資する新たな技術が活用されており、介護従事者が継続して就労するための環境整備策として有効であるとともに、介護サービスの質の向上を図るものである。広島県内の介護事業者が介護ロボットを導入する際にかかる経費の一部を補助する

引用:広島県介護ロボット導入支援事業実施要領

広島県の特徴としては、広島県福祉・介護人材確保等総合支援協議会が実施する「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度」の認証を受けている介護サービス事業所が対象であることです。

魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度」とは?

広島県では、若い世代から進路・就職先として選ばれる福祉・介護業界になるために、業界のイメージアップのために「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま」認証制度の拡大に取り組んでいる。この認証を受けることで働きやすい職場づくりに取り組む法人であることを見える化する。
一部抜粋して紹介

引用:「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま」認証制度とは?|ふくしかいごネットひろしま

魅力ある職場づくりのために、介護ロボットの導入を推奨している前向きな取り組み例のひとつとなっています。

北海道の場合

概要は以下のとおりです。

今後急増する高齢者を支えていくため、介護の現場の負担軽減を図るなど、働きやすい職場環境を整備していく必要があります。介護ロボット・ICT機器は、介護従事者の身体的負担の軽減や業務の効率化に有効であるものの、一般的に高額です。
北海道では、介護ロボット・ICTの普及促進のため、機器を購入する事業所に対して、補助を実施します

引用:「令和5年度(2023年度)介護ロボット導入支援事業費補助金について|北海道

実際に介護ロボットを導入した際は、以下の「導入報告書」を記入し提出しなければいけません。

報告書の内容からもわかるように、介護ロボットの補助金を受けるためには、職員の人員体制や負担軽減のための具体的な取り組みなどを考えることも必要になってきます。

介護ロボット補助金に関するよくある質問

介護ロボットの補助金に関して、以下のような質問がよくあります。

  • 介護ロボットの補助金制度はいつまでに申請すればいい?
  • 介護ロボットにはどんな種類があるの?
  • 介護ロボットはなぜ普及しないの?

それぞれの質問に回答していきます。

介護ロボットの補助金制度はいつまでに申請すればいい?

介護ロボットの補助金制度の申請期間は自治体ごとに異なります。
そのため利用を検討する場合は、お住まいの自治体が実施している「介護ロボット導入の担当窓口」に自ら問い合わせなければいけません。

問い合わせ先は「〇〇県 介護ロボット 補助金」と検索すれば確かめられます。
記事内でも紹介している広島県の場合は、最新の補助金制度の申請期間が「令和5年7月3日(月)~令和5年7月21日(金)」となっており、およそ3週間です。

参考:令和5年度「ICT・介護ロボット導入支援事業」補助金制度について|広島県

申請期間は1ヶ月もないため、早めに情報収集をしておき、申請期間開始とともに申し込みができるくらいの余裕を持つといいでしょう。

介護ロボットにはどんな種類があるの?

介護ロボットの種類は、主に以下の3つに分けられます。

  • 介護支援型
  • 自立支援型
  • 見守り型

また介護ロボットの開発においては、移乗支援や排泄支援などを含む6つの分野を重点的に支援するとされています。

参考:ロボット技術の介護利用における重点分野|厚生労働省

介護ロボットの種類に関しては、以下の記事でわかりやすく解説しています。

▼関連記事

介護ロボットにはどのような種類がある?それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介

介護ロボットはなぜ普及しないの?

介護ロボットが普及しないのは、以下のような理由があるからです。

  • 介護ロボットに関する情報がまだ少ない
  • 工場のような機械的な作業は介護では難しい
  • 高度なロボット技術を使いこなせない
  • 開発側と利用する側の目的にギャップがある
  • 作業効率が下がる場合もある
  • 設置や保管スペースの確保が難しい
  • 導入コストが高い

それぞれの詳しい内容については、以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

▼関連記事

介護ロボットが普及しない理由とは?最新の普及率や導入するまでの問題点を解説

まとめ

介護ロボット導入のためには、補助金制度の活用が有効です。
補助金の申請方法は、各自治体によって異なるため、必ず最寄りの介護ロボット補助金に関する窓口に問い合わせましょう。
もし補助金制度を利用する場合は、事前に職員間で話し合い現場のニーズを把握することで、現状に適した介護ロボットを導入することが重要です。

本記事で紹介している介護ロボットの補助金制度の申請手順や注意点、各自治体の制度の概要などを参考に、介護ロボット導入に活用してみてください。

おすすめ役立ち情報

役立ち情報一覧に戻る

ピックアップ