第35回介護福祉士国家試験 合格点・難易度は?過去問にも挑戦!
「第35回介護福祉士国家試験の合格点や難易度はどうだった?」
「介護福祉士の資格を効果的に活かすためにはどうすればいい?」
今回は、以上のような疑問にお答えしていきます。
また、介護福祉士を取得するメリットや資格を活かした転職方法を紹介します。
さらに第35回介護福祉士国家試験から一部変更になった、出題傾向にしても触れていきます。
ぜひ本記事を参考に、介護福祉士の資格を最大限に活かすきっかけにしてみてください。
またこれから介護福祉士を目指す方にとっては、次の介護福祉士の国家試験にも活かせる内容となっています。
介護福祉士国家試験とは?
まずは介護福祉士国家試験について、かんたんに解説していきます。
介護福祉士の仕事内容やメリットなどを知ることで、実際に現場で働くイメージも湧いてくるので、ぜひ参考にしてみてください。
介護福祉士は「国家資格」!
介護福祉士は、現場の介護職では唯一の国家資格です。
社会福祉士及び介護福祉士法に基づいており、以下のように定義されています。
支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者
要するに、介護を必要とする要介護者への適切な支援と、介護職の人材育成に携わるスペシャリストということです。
ただ介護サービスを提供するのではなく、介護の質の向上や後輩の指導にもかかわっていく点に、国家資格としての意味があるのでしょう。
介護福祉士の仕事内容は?
介護福祉士の仕事内容は、大きくわけて以下の5つです。
仕事の種類 | 仕事内容 |
---|---|
身体介助 | ・食事や排泄、入浴などの介助 ・歩行や寝返りのサポートなど |
生活援助 | ・掃除や洗濯など日常生活での身の回りの支援 ・各種手続きのサポートや買い物代行など |
相談業務 | ・悩みや不安を聞くことによるメンタル面のサポート ・福祉用具の選定や介護の注意点に対するアドバイス |
レクリエーション | ・ラジオ体操や脳トレなどを一緒に実施 ・お花見や誕生日会などのイベントの企画や運営 |
マネジメント | ・介護のリーダー職として人員配置やシフトの管理 ・勉強会や研修による職員への指導や教育 |
介護福祉士の仕事内容は、介護の現場ですること以外にも、レクリエーションの運営や職員への教育など多岐にわたります。
介護福祉士を取るメリットは?
介護福祉士を取得することで、仕事の幅が広がることはもちろん、キャリアや収入面でも以下のようなメリットがあります。
- キャリアアップ・スキルアップに役に立つ
- 収入がアップする
- 転職で有利になる
介護福祉士はスキルアップを証明し、その結果収入アップにつながるだけでなく、多くの介護施設から必要とされるため、転職でも有利になるでしょう。
介護福祉士のメリットについては「介護福祉士国家試験に合格すると得られるメリットは!?」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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ケアきょう求人・転職の無料相談介護福祉士国家試験の合格と合格率
続いて、最新の介護福祉士国家試験の受験者数や合格者数などを見ていきましょう。
とくに第35回からは、出題傾向や問題の順番など一部変更点があったため、難しく感じた方もいるかもしれません。
あらためて、第35回介護福祉士国家試験を振り返っていきましょう。
第35回介護福祉士国家試験の受験者数と合格者数
第35回介護福祉士国家試験の受験者数や合格者数、合格率は以下のとおりです。
第35回介護福祉士国家試験 | |
---|---|
受験者数 | 79,151人 |
合格者数 | 66,711人 |
合格率 | 84.3% |
出題傾向の変更もある中で、合格率は80%超えと過去最高水準でした。
なお、過去5年間の介護福祉士国家試験の合格率は、以下のとおりです。
介護福祉士国家試験 | 合格率 |
---|---|
第34回 | 72.3% |
第33回 | 71.0% |
第32回 | 69.9% |
第31回 | 73.7% |
第30回 | 70.8% |
介護福祉士は、同じ介護系の資格である介護支援専門員や社会福祉士に比べると、合格率は高い傾向にあります。
これまで資格の勉強をしてこなかった方でも、計画的に学習を進めていけば十分合格できる内容と言えるでしょう。
今年の試験は難しかった?
第35回である今年の試験から、出題傾向が一部変更になり、難しくなるのではという予想がありました。
第35回介護福祉士国家試験を受験した方を対象に行った、試験問題に関するケアきょう独自のアンケートでは、以下のような声が集まりました。
そのほか、受験生のリアルな声を知りたい方は「第35回介護福祉士国家試験(2023年度)の合格点・合格ラインを予想!受験生のリアルな声も」をご覧ください。
介護福祉士国家試験の合格基準は
介護福祉士国家試験の合格基準は、以下のように定義されています。
- 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点をとる(配点は1問1点の125点満点)
- 上記を満たした者のうち、試験科目11科目群すべてにおいて得点がある
参考:社会福祉振興・試験センターホームページ|介護福祉士国家試験合格基準
ここではさらに、介護福祉士国家試験の合格点の出し方と、過去6年間の合格点について紹介します。
過去問で勉強し採点する際に、過去の合格点を参考に採点していくと勉強のモチベーションにつながるでしょう。
筆記試験の合格点の出し方
介護福祉士の合格点の出し方は、先述のとおり「問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点」になります。
具体的なイメージは、以下のとおりです。
- 125点満点の60%は75点
- 問題の難易度(平均点)によって75点が調整
- 75点前後が合格ライン
過去5年で75点を下回ったのは2019年の72点のみで、もっとも高い合格点でも2022年の78点でした。
これまでの合格点を考慮すると、確実に合格を狙う場合は、80点以上を目指すといいでしょう。
過去6年間の介護福祉士国家試験の合格点
過去6年間の介護福祉士国家試験の合格点について、以下のようにまとめました。
実施年 | 合格点(正答率) |
---|---|
2023年(第35回) | 75/125点(60%) |
2022年(第34回) | 78/125点(62.4%) |
2021年(第33回) | 75/125点(60%) |
2020年(第32回) | 77/125点(61.6%) |
2019年(第31回) | 72/125点(57.6%) |
2018年(第30回) | 77/125点(61.6%) |
参考:厚生労働省「介護福祉士国家試験の合格基準及び正答について」
先述の合格率とあわせて考えると、合格点は例年どおりにもかかわらず、第35回の試験は合格率が例年よりも10%高い結果となっています。
これからの日本の介護を担う専門職が増えることは、介護業界にとって明るいニュースと言えるでしょう。
問題の出題基準が変更!不安の中始まる試験
第35回の介護福祉士国家試験は、出題基準が変更になることがあらかじめ発表されており、受験者の多くは不安を抱えてはじまった試験でした。
では具体的にどのような点が変更になったのでしょうか?
ここでは、介護福祉士国家試験の出題基準の変更点や、第35回介護福祉士国家試験の問題と解答について振り返っていきます。
介護福祉士国家試験の試験範囲が変わった!
第35回介護福祉士国家試験の主な変更点は、以下の3つです。
- 出題基準
- 出題数
- 試験科目の順番
出題基準は、介護福祉士の教育内容の見直しが影響しています。
「チームマネジメント能力を養うための教育内容の拡充」や「対象者の生活を地域で支えるための実践力の向上」などが追加され、介護福祉士国家試験の内容も見直されました。
出題数は「人間関係とコミュニケーション」と「コミュニケーション技術」といった、コミュニケーションに関する問題数がそれぞれ増えました。
また試験科目の順番は、これまで午前だった「介護の領域」と、午後の「医療的ケア」が入れ替わる形となりました。
医療的ケアが午前に変更されたことで、アンケートでも「午前のほうが難しかった」という声がありました。
変更点について詳しく知りたい方は、以下のケアきょう動画で解説しているので、ぜひご覧ください。
第35回介護福祉士国家試験の問題と解答解説をチェック
第35回介護福祉士国家試験は、出題基準や試験科目の順番などの変更点があり、次回以降の試験内容の基準となることが考えられます。
そのため、あらためて問題と解答を振り返り、早いうちから試験対策をしておくといいでしょう。
ケアきょうでは、第35回介護福祉士国家試験の全ての問題と解答に、解説をつけて配布しています。
ぜひ「【解答・解説速報】2023(令和4年)第35回介護福祉士国家試験」をご覧いただき、全問題と全解答の解説をチェックしてみてください。
介護福祉士として就職・転職で成功する秘訣は?
介護福祉士を取得するメリットでもお伝えしましたが、資格取得によって転職が有利になります。
なぜなら介護施設の多くは慢性的な人手不足で、可能であれば即戦力として期待できる介護福祉士を採用したいと考えているからです。
ここでは、介護福祉士として転職を成功させる秘訣を紹介します。
ぜひ参考にしていただき、納得のいく転職の実現に活かしてみてください。
また、以下のケアきょうYouTubeでNG転職について解説しているので、ぜひご覧ください。
焦らずしっかりと考えることが大切
転職を失敗する理由として挙げられるのが「1つの職場のみを面接して決めること」です。
複数の職場を見ることなく1つの職場のみで転職活動をすると、他の施設と比較できないため、転職先の良さや不足している部分が把握できません。
たとえば、2社の面接を受けることで、以下のように比較ができます。
項目 | A社 | B社 |
---|---|---|
基本給 | 150,000円 | 200,000円 |
各種手当 | ・夜勤手当:1回8,000円 ・家族手当:1人10,000円 ・介護福祉士手当:15,000円 |
・夜勤手当:1回5,000円 ・家族手当:1人5,000円 ・介護福祉士手当:10,000円 |
賞与 | 年間5ヶ月分 | 年間2.5ヶ月分 |
平均残業/月 | ほぼなし | 10〜20時間 |
年間休日 | 115日 | 107日 |
A社はB社に比べると基本給は低いですが、手当や賞与がB社より高く、年間休日も多くなっています。
このように複数の職場の面接を受けることで、自分が職場に対して、優先的に求めることは何かを考えるきっかけにもなるでしょう。
転職をあえてオススメしないケースも
介護福祉士を取得すると、転職に有利になることは確かですが、だからと言って必ず転職をする必要はありません。
たとえば、以下のような場合は転職をあえておすすめしません。
- 現在の給料に満足している(不満がない)
- 介護福祉士取得により給料がアップする
- 今後のキャリアプランが明確になっている
- 人間関係がよく働きやすい環境である
- 職場に対する不満がほとんどない
そもそも今の職場に不満がないのであれば、転職する必要はありません。
また、介護福祉士の取得により給料が確実にアップする場合は、転職しないほうが無難でしょう。
さらに介護福祉士取得後にリーダー職や管理職、ケアマネジャーなどのキャリア選択が明確に示されている職場であれば、そのまま働き続けるメリットはあります。
介護福祉士を取ったからといって転職したほうがいいわけではありません。
今の職場や働き方、待遇面などを考えたときに、いくつもの不満が浮かび大きなストレスとなっている場合には、転職を検討するといいでしょう。
まずはLINEで相談から始めてみませんか?
ケアきょうでは、LINEを利用した無料の相談窓口を設けており、介護職の方々の以下のような悩みをサポートします。
- お仕事関係や人間関係のお悩み相談
- 自分にあった事業所タイプ診断
- 新しい職場探しの診断
相談に答えてくれる担当者も介護職の経験があり、現役介護職の悩みを理解しているからこそ、気持ちに寄り添った相談が実現できます。
今すぐ転職したいわけではないけど「なんとなく職場に不満がある」「転職してキャリアアップしたい」など考えている方は、ぜひお気軽に活用してみてください。
まとめ
介護福祉士国家試験の合格点や難易度、過去問の傾向などを知ることで、効果的な試験対策ができます。
今回ご紹介した第35回介護福祉士国家試験の場合は、出題基準や一部問題数の増加など、変更点がいくつかありました。
具体的な変更点については、ケアきょうのYouTubeを参考にチェックしておきましょう。
そのほかにも、介護福祉士の取得により転職がしやすくなるメリットがある一方で、無理に転職する必要がないケースもあります。
介護福祉士の取得によりキャリアプランの選択肢が広がる分、あらたな悩みが出てくるかもしれません。
そんなときは焦らずに、自分にとって最善の選択は何かを考えてみましょう。
ぜひ本記事を参考に、介護福祉士国家試験の効果的な対策や、今後のキャリアプランを考えるきっかけにしてみてください。
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