【インタビュー】介護×ファンタジー!?『ばるはら荘』作者に迫る!

介護職あるある
2022/01/20

岡村アユムさん インタビュー

介護施設『ばるはら荘』を舞台にファンタジーの世界で、繰り広げられるドタバタコメディ!入居者はかつて魔王を倒した冒険者たち。でも、介護は意外と本格的!?
そんな、楽しみながら介護を学べる漫画の作者、岡村アユムさんにインタビューいたしました!

ケアきょう
ケアきょう
今回は介護×ファンタジー『ファンタジー老人ホーム ばるはら荘』という漫画の作者岡村アユムさんにインタビューをしていきたいと思います。
本日はよろしくお願いします!
岡村アユム
岡村アユム
よろしくお願いします!
ケアきょう
ケアきょう
岡村さんは、実は介護のお仕事自体はやられていないというのは本当ですか?
岡村アユム
岡村アユム
はい。実は介護の仕事はやっていないです。
元々祖父を自宅介護していたので、介護には元々興味がありました。
最近では祖母と介護サービスを受ける、受けないで大ゲンカしました
ケアきょう
ケアきょう
そうだったのですね!
介護の仕事をされている方が作品を書いていると思っていたので、びっくりしました!

書き始めた背景

ケアきょう
ケアきょう
今回の作品ですが、どういった経緯で書くことになったのですか?
岡村アユム
岡村アユム
そうですね、これは出版社さんからちょうど声がかかったのがきっかけです。
私は元々、他の出版社さんでラブコメの漫画を描いたりしていたのですが、あるイベントで株式会社マッグガーデンさんに作品を持ち込みました。
そしたら後日連絡があって、「今、ファンタジー×介護の企画があって、興味がありませんか?」という話をいただきました。
ちょうどそのときに、祖父が入院していて介護をしていて、すごく興味が沸いたので、「ぜひやらせてください」と書き始めた感じですね。

マッグガーデンさんとしては、私が持ち込みをしたときに「イケてるおじさんが書きたいです」ってお話ししたのを覚えていたらしく、それきっかけらしいですけどね。
イケてるおじさんが書けるなら、おじいさん、おばあさんも書けるよね、という感じで(笑)

キャラクターやストーリー・ネタの着想方法

ケアきょう
ケアきょう
そうなのですね!これは意外でした!
介護のお仕事をしていないという割には、すごくリアリティがあるのですが、これはどうやって描いているのですか?
岡村アユム
岡村アユム
それは、実際に介護のお仕事をしている後輩への取材ですね。もうほんと感謝感謝です。

漫画の作り方としては、最初に題材を決めて、後輩に取材をして、漫画を描いて、後輩に確認してもらって……というかんじで進めています。

題材に関しては、介護職の人が学ぶ順番や、難易度を意識して決めています。
介護を知らない人でも楽しめるようにするために、急にレベルアップさせないというか。
せっかくファンタジーにして、敷居を下げているのに急に難しい介護の話になったら無理じゃないですか

ケアきょう
ケアきょう
確かにそうですね。
そういった部分も後輩の方に取材しているのですか?
岡村アユム
岡村アユム
そうですね。
もう細かい部分まで取材させてもらっています。
もちろん下調べして、質問リストを作って取材しているのですが、そこで分からないことがあったりすると、また取材して……といった感じです。
あと、チェックもしてもらっています。
実際には起こりえないこととか、これやったら訴えられるとか、二人以上いないと危ないから人数追加してください……、というニュアンスの部分の調整もかなりやってもらっているので、ホントに感謝してもしきれないですね

漫画に込めたメッセージ

ケアきょう
ケアきょう
だからこそ、勘違いする人も出るくらいにリアルなのですね!
「ハードルを低くしたい」というお話しが出ていましたが、どのようなメッセージをこの漫画にどのようなメッセージを込めているのですか?
岡村アユム
岡村アユム
まずあまり「重い」テーマにしないことを意識しています!
介護漫画とか医療漫画とかって想像していただくと分かると思うのですが、ちょっとドラマに寄った「辛いこともたくさんあるけど、頑張って立ち向かうぞ!」というようなテーマが多いですよね。

これはこれで、覚悟をもって立ち向かっている人にとっては、受け止めてもらえるかもしれないですけど、接点がない人にとってはどうしても重くなりすぎてしまう。
私は介護のハードルをもっと低くしたいのです。
なんていうか、介護ってハードルが高いじゃないですか。介護ってワードを聞くと、あんまり触れていない人からしたら「ううっ」ってなってしまうというか

ケアきょう
ケアきょう
確かにいいイメージがない、という人も少なくないですね
岡村アユム
岡村アユム
そうですよね。若ければ若いほど、親の介護とかその時が来るまで考えていない、みたいなことがあると思うのです。でも漫画なら受け止めきれるのでは?と思っているのです。

例えば、野球漫画とかを読んでいると、野球を見たときに「あ、これがスクイズ!漫画で見たな」ってわかるじゃないですか。
それを介護でやりたいです。
おじいちゃんおばあちゃんが困っているときに、若い子が、「あ、これ漫画で見た。自分でも手助けできる」とか思ってほしいです。

介護の現場で働く方に一言

ケアきょう
ケアきょう
なるほど!
最後に介護の現場で働く方にメッセージがありましたらお願いします
岡村アユム
岡村アユム
そうですね。
まずは、読んでくださった人がからコメントを頂けて本当に嬉しい。
「勉強になった」とか、「あるあるだと思う」っていうコメントやご意見を頂くと、すごく嬉しいです。
なんというか、「こちらこそすみません」「恐縮です」って感じがします(笑)
ほんとに、感謝の気持ちでいっぱいです。

また、家族としての目線しか知らない自分が、介護業界全体に対してとか、介護職の方に対してとか、偉そうなことは言えないです。
この漫画を通して、少しでも敷居を下げたいし、介護業界が働き続けていける場所・利用者さんにとって生活し続けていける場所になることに少しでも協力出来たら、ホントに嬉しいです!

ケアきょう
ケアきょう
ありがとうございます。
私たちも、介護の業界をより盛り上げていくためには敷居を下げないといけないな、と感じます。
もちろん労働環境だとか、そういったところも改善する必要はあるけれど、実際、敷居が高すぎるという面もあり、世間に誤解されている部分もあるのではないかと。
そういった部分を改善するような、こういった作品はぜひ、引き続き応援させて頂ければと思います!

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