【合格点は?】介護福祉士試験の振り返り!
今回は、いよいよ合格発表が今週末に迫った、今年の介護福祉士試験の振り返りを行っていきたいと思います!
ケアきょうで実施した、受験者の方からのアンケート結果も用いて解説していきます。
介護福祉士国家試験とは
まずは、介護福祉士という資格自体について、おさらいしていきます。
介護福祉士は、介護系の資格の中で唯一の国家資格で、「社会福祉士及び介護福祉士法」で定められている国家試験によって取得が出来ます。
介護福祉士資格を持つことで、転職が有利になったり、資格手当が手に入ったりなどのメリットが多くあるため、1年に1度のチャンスに、毎年およそ7~9万人が挑戦します。
受験するためには、様々なルートがあります。
中でも多くの人が、介護職としての経験3年に加え、実務者研修を修了することで受験が可能になる「実務経験ルート」で受験します。
令和2年度は、新型コロナウイルスの蔓延で開催が危ぶまれましたが、令和3年1月31日に開催されました。
合格発表は3月26日なので、気になっている人も多いのではないでしょうか?
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ケアきょう求人・転職の無料相談合格に必要な事
介護福祉士国家試験の合格に必要なことは、2つあります。
- 合格点をクリアすること
- 11個の科目群全てで、1点は得点していること
合格点は、総得点125点の60%、75点を基準に、その年の問題の難易度によって補正されます。
その年の問題が、標準よりも
難しかったら、合格点は例えば73点に下がる
簡単だったら、合格点は例えば78点に上がる
といった具合です。
これまでの合格点の推移を見てみると、次のようになります。
以前は120点満点でしたが、現在と同じ125点満点になった第29回以降は、75点→77点→72点→77点と推移していっています。
やはり、75点を基準に、難易度に応じて、若干の前後があると考えられそうです。
今年の傾向
では、気になる今年の傾向を見てみます!
ケアきょうが実施したアンケート結果では、このようになっています。
難しかった単元は、午前中の単元「人間と社会」が難しかったという人が非常に多く、続いて、午後の「こころとからだのしくみ」が難しかったという結果になっています。
午前と午後の単元で、落ち着いて問題に取り組むことが出来たかという部分も、非常に大切なポイントだったようです。
また、下記の問題は話題になりました。
問1
人権や福祉の考え方に影響を与えた人物に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- リッチモンド(Richmond, M.)は、『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』をまとめ、現在の社会福祉、介護福祉に影響を及ぼした。
- フロイト(Freud, S.)がまとめた『種の起源』の考え方は、後の「優生思想」につながった。
- マルサス(Malthus, T.)は、人間の無意識の研究を行って、『精神分析学入門』をまとめた。
- ヘレン・ケラー(Keller, H.)は、『看護覚え書』の中で「療養上の世話」を看護の役割として示した。
- ダーウィン(Darwin, C.)は、『人口論』の中で貧困原因を個人の人格の問題とした。
これには、「さすがに知らない」「問題を開いて、いきなりこれ。頭が真っ白になった」という感想を頂きました。
ちなみに、この問題の正答は、
①リッチモンド(Richmond, M.)は、『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』をまとめ、現在の社会福祉、介護福祉に影響を及ぼした。
となります。
また、問45のように、解答割れを起こす問題も多くありました。
問45
入浴の身体への作用を踏まえた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 浮力作用があるため、食後すぐの入浴は避ける。
- 浮力作用があるため、入浴中に関節運動を促す。
- 静水圧作用があるため、入浴後に水分補給をする。
- 静水圧作用があるため、入浴前にトイレに誘導する。
- 温熱作用があるため、お湯につかる時間を短くする。
また、以下の問題では、生活介助に対する内容になっており、「解答に悩んだ」という声が多く聞かれました。
問51
図の洗濯表示の記号の意味として、正しいものを1つ選びなさい。
- 液温は30℃以上とし、洗濯機で洗濯ができる。
- 液温は30℃以上とし、洗濯機で弱い洗濯ができる。
- 液温は30℃以上とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる。
- 液温は30℃を上限とし、洗濯機で弱い洗濯ができる。
- 液温は30℃を上限とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる。
問52
衣服についたバターのしみを取るための処理方法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 水で洗い流す。
- しみに洗剤を浸み込ませて、布の上に置いて叩く。
- 乾かした後、ブラッシングする。
- 氷で冷やしてもむ。
- 歯磨き粉をつけてもむ。
このような問題には、
- 満点を取らせないための工夫である
- 身体介助などだけでなく、日常からの介護も強く求められていく
という、背景があるのかもしれません。
最後に、アンケートに答えて下さった皆さんの、得点の分布がこちらです。
高得点の方が多い印象です。
もしかすると、高い点数の方が、アンケートに回答いただきやすいという、バイアスもあるかもしれません。
ズバリ合格点は?
今回の合格点に関してですが、ケアきょうとしては、今年は平年とほぼ同じくらいの難易度、もしくは若干難しかった程かと考えています。
「過去の試験問題と異なるものが多かった」という意見もありました。
しかし、大きく変わった点はそこまで多くなく、冷静に問題文を読めば、対処することの出来た問題が多かったと思います。
実際、今年の試験の感想をアンケート集計したところ、
- 難しかった:35%
- いつも通りだった:46%
- 簡単だった:19%
という結果となっています、
そのため、今回の合格点は74点くらいなのではと考えています。
もちろん、この数字が当たるかは、神のみぞ知る……、というところではありますが。
皆さんは、どのくらいの点数になると思いますか?
今回は、介護福祉士国家試験についてまとめてみました。
過去問と全く同じ問題は出ないが、過去問を通じて学ぶことが大切だ、ということがよく分かる試験だったのではないでしょうか?
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