介護現場でよく見る 相手に伝わらない𠮟り方と正しい叱り方の違い

業務支援
2022/01/13

相手に伝わらない叱り方

誰もが、ミスをします。
そんな時、適切なアドバイスがあれば、前向きに進むことが出来ます。

しかし、間違った起こり方をしてしまうと、人が辞めていく原因となってしまいます。
そこで、今回は「相手に伝わる正しい叱り方」を紹介していきます。

叱ること自体は悪くはない

部下や新人が入ってきて、指導する立場の方もいるのではないでしょうか?
そういった人の中には、指導することや注意することに、マイナスイメージを持っている方もいるかもしれません。

確かに、指導や注意をすることには罪悪感があります。

しかし、何もしないでいたらどうなるでしょうか?
「何も言われないということは、間違っていないんだ」と、間違った自信をつけてしまうことになるかもしれません。

ですから、しっかりと叱り、注意することは必要です。
怒ることは、また別の話です。

叱ることは、相手がミスを繰り返さないために必要なアドバイスです。
一方、怒るということは、自分のストレスを発散する手段で、相手からしたら意味の分からないことです。
パワハラです。

自分と、相手のために、適切に叱ることが出来るようになると良いですね!

NGな叱り方

では、やってはいけないNGな叱り方を見ていきましょう。
怒鳴っていないから、何でもOKというわけではありませんよ!

バックグラウンド・人格を否定する

1つ目は、バックグラウンド・人格を否定する叱り方です。

「専門学校で何を学んできたの?」
「親はどんな育て方をしてきたんだ」

このような事を、言ってしまっている人はいませんでしょうか?
その人の過去の人生や、環境を否定する権利は、誰にもありません。

また、人格否定も言語道断です。
「お前は使えないやつだな、卑怯だ」
このような言葉は相手を深く傷つける言葉です。絶対に辞めて下さい。

可能性を否定する

2つ目は、可能性を否定する叱り方です。
仕事を覚えることに苦労している人を見て、「あなた、この仕事に向いていないよ」と言うような言葉は絶対に言ってはいけません。

そもそも、人の可能性を見極めることは、そう簡単ではありません。
仕事のスキルの多くは、後天的に身につくものです。

また、人はそういった他人の評価に引きずられてしまうという特性があります。
伸びしろを否定することは、将来性を本当に失わせる要因になります。

能力を否定する

3つ目は、能力を否定する叱り方です。

「こんなこともできないの?」
「こんなの誰でもできることなのにね」

このようなことを言う人は、自分が悦に浸っているだけです。
ただの嫌味な人に見えます。

今後のコミュニケーションに支障をきたす原因になりますから、注意しましょう。

論点がぶれる

4つ目は、論点がぶれる叱り方です。

話を聞いてくれる後輩がいると、気持ちよく喋ってしまうものです。
しかし、指導するべきこと以外に、いろいろな事を注意されたら指導される側としても困ってしまいます。
論点は一つずつ、しっかり話していきましょう。

決めつけをする

5つ目は、決めつけをする叱り方です。

相手の話をあまり聞かずに、決めつけて指導している人はいませんか?
しっかり相手の話を聞きながら指導することで、相手も納得するものです。

納得して、行動が改善されなければ意味がありません。
相手も納得できるように、指導していきましょう!

叱り方の5ステップ

では、正しい叱り方を見ていきましょう。

Step1:叱るタイミングと場所

まずは、叱る場所とタイミングが大切です。

叱られる側のプライドを傷つけないためにも、できれば人前は避けましょう。
そういった配慮をしないと、話に集中できないということもあります。

また、タイミングとしては、できるだけその場その時にすることです。
勿論、余裕がない時や、周囲に人がいる場合なら、別のタイミングでOKです。

Step2:事実の確認

叱るときに、最初から「こういう所が良くないよ。直してね」と言われても困ってしまいます。

まずは、事実を確認しましょう。
「今日の休憩時間、1時間超えているよね?」というように、事実だけを確認しましょう。

間違っても「休憩長引かせて……、やる気ないよね?」という風に言ってはいけません。
それは事実ではなく主観です。
言われた側は「決めつけるなよ」と感じてしまうものです。

Step3:感情の共有

事実確認が終わったら、それに対して自分が何を感じたのか伝えましょう。

例えば、休憩時間が長引いている人がいたら「人手が足りなくて、大変な思いをしたんだ。居てくれないと困るよ」というようにです。

勿論、怒りをぶつけてはいけません。
怒りの根源には、悲しみや焦りといった感情があるはずです。
冷静に対処しましょう。

Step4:望ましい行動の共有

気持ちを伝えたら、次は改善するべき具体的な行動を示しましょう。

抽象的ではだめです。
「頑張れ」と言われても、困ってしまいますよね?

先ほどの例なら「休憩終了時間の5分前に、携帯のアラームを鳴らそう」等が考えられます。

Step5:フォローの実施
そして、最後はフォローしましょう。
良い感情で、送り出しましょう!

ただダメな部分を指摘されたら、凹んでしまいますよね。

「ダメな部分があったけど、出来ることもある!もっと出来るようになろう」という人と
「ああ、叱られた。自分は本当にダメだな……」という人なら、その後、どちらの方が高いパフォーマンスが出るでしょうか?

前者ですよね。

相手への期待や、出来ている部分も褒めてあげましょう!

「介護業界に来てくれる人の質が低い」という声がたまに聞こえますが、伸ばせていないということもあります。
せっかく介護業界に来てくれたのですから、より良い人材に育てていけるようにしましょう!

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