介護職の腰痛問題とは?原因や予防・対処法を解説!

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2022/01/11

7割が腰痛に!介護職の腰痛問題

介護職に就いている方なら、少なからず経験した事があるのが腰痛ではないでしょうか。
ある調査によると、介護職に携わる約7割の方が腰痛に悩んでいるとのことです。

利用者を抱きかかえたり、中腰の姿勢になる事が多く、何かと身体に負担がかかる仕事です。

肉体労働とも言われるほどハードな仕事ですが、女性の労働者が多いことも特徴の一つです。

男性社員もいますが、賃金の安さからかあまり数は多くありません。

特に腰への負担は大きく、どうしても「持ち上げる」「抱き上げる」「支える」などの動作によって腰痛になる人が多いのが現状です。

ここで、全労連の「介護労働実態調査(2018.10.1~2019.1.31)」の結果を踏まえて、介護職員の腰痛に関わるさまざまなことを見ていきましょう。

介護職員の腰痛に関する社会調査報告書

これから紹介する数字は、全国労働組合総連合(以下全労連)が行った「介護労働実態調査報告書」の中から、腰痛に関わる調査結果を元に作成しました。

全国の施設(入所・通所)、居宅介護支援、訪問介護、ヘルパーを対象に行ったものです。

それでは見ていきましょう。

公休が4人に一人予定通り取れていない

公休の取得状況は疲労を回復させ腰痛予防のためにも、重要です。

全労連が全国の介護事業所に行った調査によると、

  • 予定通り公休が取れている:76.5%
  • 月内に取れている:10.0%
  • 翌月へ持ち越すことがある:10.6%
  • ほとんど取れていない:1.9%

という結果でした。

本来は100%であるべきですが、こういった状況は疲労やストレスを蓄積させ、腰痛を発症し症状を悪化させる原因と いえるでしょう。

介護職員の健康状態

上記で行った調査では、現在の健康状態も調査しています。

  • 健康である:50.1%
  • 健康に不安:44.9%
  • 病気がち:5.0%

これを見ると、約半数の人が健康に不安を持っている ことがわかります。

また、さらに疲れ具合を調査したところ

  • 疲れを感じるが次の日までには回復している:37.3%
  • 疲れが翌日に残ることが多い:42.6%
  • 休日でも回復せずいつも疲れている:17.5%
  • 疲れを感じない:2.6%

常に疲れを感じている人の割合が約6割 を超えており、かなりの疲労が蓄積していることがわかります。

こういった要因が腰痛のリスクを高めているのです。

介護職の体調不良は腰痛と肩こりが1位

現在の体調についての調査では

  • 腰痛:53.1%
  • 肩こり:53.1%
  • 倦怠感:31.3%
  • 頭痛:28.4%
  • イライラ感:25.4%

となっています。

多数の項目の中から当てはまるものをすべて選ぶ調査

腰痛と肩こりがトップ という結果でした。
介護職にとって腰痛は深刻な問題となっているのが、ハッキリとわかった調査です。

腰痛原因と予防・対処法

介護職が腰痛になるのには、さまざまな原因があります。
その原因を把握し、予防をすれば自然と身体への負担も軽減されます。

ここでは、腰痛の原因と予防策、また腰痛になってしまってからの対処法を紹介します。

腰痛の原因とは?

何よりも腰痛の原因を探ることが重要です。
原因わからずして予防も対策もありません。

それでは、介護の仕事で腰痛になる原因を一つずつ見ていきましょう。

原因1:作業の姿勢や動作によるもの

利用者の移動、移乗、入浴介助、おむつ交換、清拭、体位変換、排泄介助、更衣介助など、介護職が正しい姿勢をきちんと意識していないと腰への負担が非常に大きく、腰痛の原因となります。

ベッドから車いすへの移乗介助は、正しい姿勢をしっかり意識して行えば腰への負担も少なくなります。不自然な姿勢で介助を行うと自分自身がつらくなってしまうのである程度の技術力が必要です。

原因2:福祉用具や器具などによるもの

福祉用具や機器が、適切な場所や数量を確保されていないと、腰痛のリスクを高めることになります。

また、そういった器具を正しく使用できなければ、自力で行うことになりせっかくの便利器具も意味がありません。
正しく使えるようにしましょう。

原因3:作業をする環境によるもの

利用者の居室やベッド周辺、トイレや浴室などは狭い空間なので、意図せず無理な姿勢になりやすく、変なところへ力が入ってしまうこともあります。
利用者も自分もケガなどのリスクが考えられるので、一人で無理そうな時はふたりで行う方がいいでしょう。

原因4:組織体制によるもの

介護は一人で行うとかなりの負担がかかる仕事です。
周りのスタッフからの協力が得られなかったり、シフト管理が悪い、また人手不足などが重なるとストレスや疲労が溜まり心身に悪影響を及ぼします。

原因5:心理的・社会的なもの

職場の人間関係や利用者との関係、またその家族との関係などがストレスとなり、腰痛が長引いてしまうこともあります。
腰痛があっても他のスタッフへ気を使い休めずに働いた結果、症状が悪化してしまう場合もあります。

腰痛の予防策は?

腰痛の予防として次のことをしてみましょう。

  • 利用者の残存機能を活用すること:介護する側がすべてを行うのではなく、利用者にもできることはしてもらうことで負担を軽減できる
  • 福祉用具を正しく利用すること:スライドボードやリフト、スライディングシートなどの福祉用具をうまく利用し、作業の負担を軽減することで効率化も図れる
  • スタッフ間で協力すること:一人で大変な仕事は無理にせず、他のスタッフの協力を得ることで、利用者も自分も負担を軽減し且つ安全に作業ができる

基本は「一人で無理なことはしないこと」なので、安全に作業ができるよう工夫をしましょう。

腰痛の対処法は?

腰痛になってしまった場合は痛みの程度にもよりますが、コルセットや腰を保護するベルトを使用したり、腰痛予防の体操やエクササイズなどをしましょう。
家で軽くストレッチをするのもいいですね。

また、重要なのが休息をしっかり取ることです。
ただでさえ肉体的にも精神的にもハードな仕事ですから、疲労を溜めたまま仕事をしてはいけません。

腰痛がひどい場合、介護職を休んでもいいの?

介護職に携わるほとんどの人が感じている腰痛ですが、あまりにもひどい場合は仕事を休んでもいいでしょう。

ただ、介護の仕事はシフト制が多く、交代制で休んでいるという状況です。

さらに業務内容も、ほとんどがスタッフそれぞれにその日の役割が決められているため、出てくるはずのスタッフが急に休むと誰かが代わりをしなくてはいけません。
万年人手不足の介護業界では、なおさらです。

それを考えると、腰痛がひどくつらくても休まず結局は仕事に行き無理をしてしまい、症状が悪化してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
腰は身体の中心部なので、動けなくなると何もできなくなってしまい、仕事どころか日常生活にまで影響が及び最悪な状態になることも考えられます。
そうなる前に病院や整骨院など、早めの対処をした方がいいでしょう。

また、介護業務によって腰痛になった場合、労災になるのか?と気になる方のために、仕事で腰痛を発症した場合の労災認定要件を紹介します。

腰痛で労災が認められる場合

上述した通り、介護の仕事は腰痛になる原因が多数あるため、ひどい方は手術をする場合もあります。

そんな腰痛は「労災」になるのか気になりますよね。

労災は「仕事中に負ったケガや疾病、死亡」などを指し、申請して認められれば補償を受けることができます。
厚生労働省では「腰痛の労災認定」に関する認定要件を提示していますので紹介します。

災害性の原因による腰痛

  • 腰の負傷またはその負傷の原因となった急激な力の作用が、仕事中の突発的な出来事によって生じたと明らかに認められること
  • 腰に作用した力が腰痛を発症させ、または腰痛の既往症・基礎疾患を著しく悪化させたと医学的に認められること

災害性の原因によらない腰痛

突発的な出来事が原因ではなく、重量物を取り扱う仕事など腰に過度の負担のかかる仕事に従事する労働者に発症した腰痛で、作業の状態や作業時間などからみて、仕事が原因で発症したと認められるもの
(引用:厚生労働省「腰痛の労災認定」より)

この要件に当てはまり、認められれば「療養補償給付・休業補償給付・障害補償給付・遺族補償給付」のいずれかを受けることが可能です。

これらの認定を受けようとする場合、その時の状況を詳しく労働基準監督署に証明をしなければいけません。

周りのスタッフや会社の協力が必要となります。

また、腰痛の証明もしなければいけませんので、医師の診断も必要です。

このように労災を申請するには、さまざまな手続きが必要となりますが、認められれば補償が受けられますので、気になる方は一度相談をしてみましょう。

介護職員におすすめの腰痛ベルト・コルセット

介護の仕事をしている方は、腰痛持ちが多いので腰にサポートベルトやコルセットをしながら仕事をしている方が非常に多いです。

肉体的にもハードなため、汗をかくことも多く蒸れるのも心配ですよね。

また、今使用しているベルトやコルセットよりも良いものがあれば、乗り換えるのもいいでしょう。

ここでは、介護職員におすすめの腰痛ベルトやコルセットをいくつか紹介します。

理学療法士が開発クロスガード・コルセット

コルセットとしては、腰幅が24cmとかなりワイドなのが特徴的です。

その分、全体がメッシュになっており通気性は抜群!

腰と背部の固定も安定するため、腰痛持ちの方には最適です。

幅が広いので姿勢も良くなり、前かがみや中腰が多い方の腰痛予防にもなります。

サイズはMから5Lまで6サイズあるのが嬉しいポイント。

姿勢を直したい方や腰痛に悩んでいる方にはおすすめです。

詳しくはこちら

yamasaki 腰用サポーターパワフルタイプ メッシュ

腰への負担を軽減したい方におすすめなのが、yamasakiの腰用サポーターパワフルタイプ。

メッシュ素材で通気性が良く蒸れないので、長時間つけていてもスッキリしています。

骨盤や腰椎もしっかり固定でき、スポーツや座りっぱなし、動きっぱなしの仕事にも最適です。

サイズは、Sから5Lまで7サイズもあるのが嬉しいポイント。

価格は3,000円代とあまり高くないのもいいですね。

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TCAX 腰サポーター 伸縮性・メッシュ 通気 幅広 二重ベルト

背部に腰の形に合わせたEVA樹脂のX型バックパネルがあり、背部を広い範囲でサポートが可能です。

腰から背部にかけてバックパネルによって補強されているため、腰を頑丈に支えてくれます。

骨盤から腰部分までしっかり固定してくれるので安定感が抜群です。

フィット感も良く、硬さの異なる素材を使ったスプリングを最適な位置に配置しています。

自由に締め具合が調節でき、動きやすくスポーツや動きの多い仕事でも柔軟に対応可能です。

価格も2,000円代とコスパが良いです。

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柔道整復師が考えた 腰痛ベルト トリプルエス腰痛コルセット

腰痛予防や対策、改善に柔道整復師が考えたのが「トリプルエス腰痛コルセット」です。

人体の動きに配慮した設計で、介護の仕事で掛かる腰への負担を和らげ腰痛を防止します。

人間工学に基づき理想的なカーブで腰椎と骨盤を固定する、3Dランバーと呼ばれるプレートが腰をしっかりサポートし、腰椎を強力に支え身体の動きを妨げません。

デスクワークでまったく動かない方、逆に動きが多く仕事で重いものをよく持つ方におすすめです。

詳しくはこちら

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