【まるわかり】サービス提供責任者(サ責)とは?仕事内容・なり方・対策まで徹底解説!!

介護職仕事紹介
2022/01/11

1. そもそも、サービス提供責任者とは?

そろそろサービス提供責任者になるかもしれない、なりたい」こんな思いを持った介護職の方もいるかと思います。
本記事では、そのサービス提供責任者について、徹底解説します!

1.1. 「仕事内容」について

サービス提供責任者とは介護事業所に在籍し、福祉に関連する業種との連絡・調整を行う仕事になります。関わる業種としてはケアマネージャーやヘルパーが多いです。ケアマネージャーが作成したケアプランを用いて、介護サービスの計画や立案を行い、ヘルパーに対して業務を指示するのが主な内容になります。

仕事内容を分類すると

  • 現場サービス
  • 書類作成
  • 管理業務

の3つに分けられます。

現場サービス 訪問介護員の代行として入る場合が多いです。介護員とは別の視点で利用者に関わるため、介護だけでなくサービスを利用しての反応を本人から直接聞き対応を変化させていく必要があります。
書類作成 利用者から家族から収集した情報を元にケアマネージャーと話し合い訪問介護計画書の内容を調整していきます。完成した書面に対して、利用者本人や家族の同意をもらい随時介護サービスを展開していく流れになります。
管理業務 主にシフト調整の部分で関わります。利用者の生活スケジュールに合わせてヘルパーの出勤日や時間帯を調整していくことになります。

1.2. 「配置基準」について

サービス提供責任者の配置については、指定(介護予防)訪問介護事業所ごとに利用者の数が40人に対して1人以上の者を配置をすることが義務づけられています。
また、常勤職員であり介護業務に従事している必要があります。

1.3. 「やりがい・大変さ」について

利用者のニーズと家族の要望から、必要な介護サービスを考え提供するため相手の気持ちを汲み取る難しさを感じることが多いです。
そのため介護に関する專門的な知識はもちろんですが、家族の気持ちや考えを汲み取るコミュニケーション能力が求められます。
ホームヘルパーが急に休む際には、実際に現場に入り介護業務を行うことになるため現場の経験と緊急時に対応する能力も必要とされます。
臨機応変に対応するといった大変な部分も多いですが、その分やりがいを感じられる仕事になります。

1.4. 「メリット・デメリット」について

メリット サービス提供責任者について配置基準の要件から常勤専従で雇われることが多いため、正社員となりやすい点
デメリット 事業所の管理者として業務に携わるので仕事に対する責任が重くなる点

サービス提供責任者について配置基準の要件から常勤専従で雇われることが多いため、正社員となりやすいのがメリットです。また、ケアマネージャーやヘルパー、その他の医療職と業務上関わる機会があるため、介護分野において幅広い知識や技術を習得できます。

逆にデメリットとしては、事業所の管理者として業務に携わるので仕事に対する責任が重くなります。現場でヘルパーの方がミスをしてしまった場合は謝罪対応をする場面もあります。自身の業務に加えてスタッフの教育や指導も行うこともあるので仕事全体に負担が増える可能性があります。

1.5. 気になる「給与」について

各求人・転職サイトを見てみると年収350万円程度となっています。
ボーナス額に関しては会社ごとに異なるため年収幅に差があるようです。
また、昇給に関しては年齢や経験年数によっても変わってくるため一概には言えませんが、サービス提供責任者になることでポジションを確立し昇給することは多いようです。
全体で見ると、日本人の平均年収である422万円よりは低いですが介護士の平均給与と比べると高い傾向にあります。

1.6. 「雇用形態」は?

雇用形態としては配置基準との兼ね合いで基本的に正社員の求人が多いです。
しかし、契約社員やアルバイト・パートで募集している企業もあるようです。

1.7. 「兼務」は可能?

兼務することは可能です。
サービス提供責任者を主として働きながら管理者や訪問介護員を兼務している方もいます。

2. サービス提供責任者になるには?

2.1. サービス提供責任者という資格はありません。

サービス提供責任者の資格自体は存在しません。
しかし、一定の要件を満たすことでサービス提供責任者として働くことが可能になります。

2.2. 資格要件別!サービス提供責任者への道

実務者研修を修了する方法

教材を取り寄せ自宅で学習する通信講座と指定会場での受講を併用する方法が一般的です。
実務者研修を修了するには450時間もの受講時間が必須となります。
ただし既に取得している資格によって免除があります。
スクールによっては全講座終了後に、学習内容の確認のために修了試験を実施するケースもあります。
試験を行っているかどうかは、受講を希望するスクールに直接問い合わせてみると良いでしょう。

介護福祉士・看護師・准看護師・保健師の資格保有者ならば

  • 介護福祉士
  • 看護師
  • 准看護師
  • 保健師

の資格保有者であれば資格要件を満たしているため、サービス提供責任者として働くことができます。
これらの資格を有していれば現状において実務経験は必要ないようです。

ホームヘルパー1級を取得済みならば

ホームヘルパー1級であれば資格要件を満たしているため、サービス提供責任者として働くことができます。

介護職員基礎研修を修了済みならば

介護職員基礎研修を修了済みであれば資格要件を満たしているため、サービス提供責任者として働くことができます。

介護職員初任者研修(旧:ホームヘルパー2級)を修了し、介護実務経験が3年以上ならば

介護職員初任者研修(旧:ホームヘルパー2級)を修了し、介護実務経験が3年以上であれば資格要件を満たしているため、サービス提供責任者として働くことができます。

3. 実務者研修の研修について

3.1. どんな研修なの?

実務者研修の目的として、様々な利用者に対する基本的な介護技術の習得が挙げられます。
研修内容は介護と医療の2つに分かれます。

介護分野 介護保険を含む社会福祉制度の理解、介護過程や技術の獲得など
医療分野 障害や認知症の知識、経管栄養・喀痰吸引など

そしてこれらの学んだことを活かして、要介護者ひとり一人に合わせた細かな介護サービスの提供できるようになります。 また、他職種と情報のやり取りをするために必要な知識を習得することができます。

3.2. どこで受けられるの?

実務者研修の講座を開設している学校や通信講座で学ぶのが一般的です。
ただし通信講座と言ってもスクリーニングといって通学する必要のある科目もあるため、受講前に確認しておく必要があります。

3.3. 研修にかかる費用と時間は?

費用 10万円~20万円
時間 通学の場合:4ヶ月から6ヶ月程度、通信の場合:1ヶ月

研修にかかる費用の目安としては10万円~20万円が相場のようです。
割引キャンペーンを実施している場合にはここから更に安くことがあります。
研修にかかる時間としては通学の場合だと4ヶ月から6ヶ月程度。
通信の場合だと1ヶ月が目安になります。
時間が限られている社会人の方には通信講座の利用をオススメしています。

4. これでスッキリ!〇〇との違い

4.1. サービス管理責任者との違い

障害福祉サービスの分野で力を発揮するのが、サービス管理責任者と言えます。
サービス管理責任者はサービス提供責任者と名前は似ていますが、業務上対象となる方は別になります。
サービス管理責任者が担当する業務としては、

  • 障がいを持った方へサービスを提供するための個別支援計画書の作成
  • 実際に現場でサービスを提供する従業員に向けた研修会の企画や実施
  • 支援内容に携わる障がい福祉サービス事業所や医療機関などとの連絡や調整

があります。また、これらの業務を

  • 介護
  • 地域生活(身体)
  • 地域生活(知的・精神)
  • 就労

など4つの領域で実践していくことになります。

4.2. ケアマネージャーとの違い

介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行うのがケアマネージャーの役割です。
ケアプランの作成においては、利用者の身体や生活状況から課題を分析する能力が求められます。また、利用者各々が自立した生活を営めるように目標を設定し、その人のレベルに合った適切な支援プログラムを導入することも大切です。

利用者がデイサービスや短期入所を利用する際には、サービスを提供する事業所の情報提供を行います。利用者の目的や希望に合った事業所を紹介し、サービスの導入前後で円滑にすすむよう連携や調整しサポートしていきます。

4.3. 生活相談員との違い

生活相談員の仕事はその名の通り、介護サービスを受ける利用者やその家族から生活で困っていることを聞き出し対処する方法を提案するのが仕事となります。
自身が常駐している施設の空き状況を確認し、どのようなサービスを提供できるのかを具体的に利用者本人や家族に説明します。

サービスの契約後は、利用者がその人らしく生活できているかを常にモニタリングし何か問題が生じた際には早急に対処します。介護員や看護師、理学療法士など多職種と連携し、利用者に合ったサービスを調整できるかが腕の見せどころと言えるでしょう。

5. 実際にサービス提供責任者さんにインタビューしてみた!!

5.1. 1日のスケジュールを教えてください。

  • 08:30 出勤、朝のミーティング
  • 08:50 ご利用者様宅への出発準備
  • 09:00 ご利用者様宅へ訪問 2〜3件
  • 11:30 記録、ケアマネや現場の上司へ状況報告
  • 12:00 職場のスタッフと昼食
  • 13:20 ご利用者様宅への出発準備
  • 13:30 ご利用者様宅へ訪問 2〜3件
  • 17:10 記録、ケアマネや現場の上司へ状況報告

一日の仕事の主な流れとしては、利用者の状態を確認したあと記録を行い、ケアマネや現場の上司に報告を行うといった形になります。

5.2. やりがい・大変さは?

一日のスケジュールを見てもらえば分かる通り、**人と接している時間がとにかく長い仕事です。**人と接しコミュニケーションをとるのが好きな人であれば向いてる仕事だと思います。逆に、内向的なタイプで話すのが苦手なかたは大変かと思います。

介護保険上、加算を取得するために必要な書類も多々ありデスクワークをする時間もあります。自分で考えたプランに沿ってご利用者様を支援していった先で、元気に回復する姿を見れた際にはやりがいを感じることができると思います。

5.3. 今後の目標は?

もともと私は介護福祉士として現場で働いており、その後サービス提供責任者となりました。ケアマネージャーから情報をいただき、利用者に合わせた介護サービスを立案して計画を立てるのがこの仕事の面白いところです。今後は、より深くご利用者様に関わりたいと思っているので通信課程の大学に入り社会福祉士の資格を取得するのが目標です。
福祉に関する制度について学び、より包括的な視点で利用者のケアを行っていきたいと考えています。

6. サービス提供責任者の今後のキャリアアップについて

6.1. 今後、サービス提供責任者はどうなる?

今後、日本の展望としては少子高齢化が加速し高齢者の割合が益々増えることが見込まれます。それにより、**訪問介護サービス施設の数の増加し、サービス提供責任者の需要はどんどん高まっていくことが考えられます。**全国的にもサービス提供責任者の数が少なくまだまだ必要とされているため、要件を満たせば現場において即戦力で働くことができます。

6.2. ヘルパーの進路って?他に何があるの?

訪問介護員(ヘルパー)の経験を積んだあとの進路は多岐に渡ります。
3年以上の実務経験と実務者研修を受けることで、国家資格である介護福祉士の資格取得を目指すことができます。また、実務者研修の修了のみでもサービス提供責任者として働くことができます。

また現場で介護士として働く以外にも、生活相談援助業務の仕事を行いたい場合には介護福祉主事の資格を取り施設に常駐し生活相談員として働くことも可能です。

介護員として働いた経験は決して無駄にはならず次に活かすことができます。

7. まとめ

今回は、サービス提供責任者として働くために必要なことをまとめました。
給与としては日本人の平均年収に近く介護士よりも高い仕事であるため、現場での経験を積んだ介護士の方にとっては良いキャリアアップに繋がるのではないかと思います。
サービス提供責任者となるためには、様々な研修を修了する必要があります。
実際にサービス提供責任者となった際には、現場での仕事では身に付けることができない介護の知識や幅広い視点を習得することができます。
最後に、この記事がサービス提供責任者を志す人の役にたてれば嬉しいです。

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