そういえば貰えた?介護職の慰労金とその配布方法は?

キャリアアップ
2022/01/11

慰労金の目的と仕組み

介護職の慰労金事業がついに受付開始しました。
介護職の皆さんが気になる慰労金について、対象者・支給金額・手続き方法まで、徹底的に説明していきます!

慰労金の目的

慰労金は、医療、介護サービス、障害福祉サービスの現場で働く人達にそれぞれ存在します。
介護職の方へのものは「介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業等及び職員に対する慰労金の支給事業」という正式名称で実施されます。
今回の慰労金を、厚生労働省は、

介護サービス事業所・施設等に勤務する職員は、
1.感染すると重症化するリスクが高い利用者との接触を伴うこと
2.継続して提供することが必要な業務であること
3.介護施設・事業所での集団感染の発生状況を踏まえ、
相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感をもって、業務に従事していることに対し、慰労金を給付する

と説明しています。要するに、感染リスクがあり、クラスターも発生した介護業界で働く皆さんへの感謝の意味を込めた慰労金、ということです。

慰労金の仕組み

今回の慰労金は、都道府県が実施主体となり、国が決めた基本方針を踏まえて実施されます。
今回ご紹介する内容は、国が定めた方針で、最終的には都道府県のHPなどで確認していただければ幸いです。

慰労金の対象者

今回の慰労金は“対象施設に勤める、条件を満たした方”が対象者になります。

慰労金の対象施設

対象施設は、すべての介護サービス事業所となります。
訪問系サービス、通所系サービス、入所施設、のすべてが対象となります。

また、介護予防・生活支援サービス事業の事業所は、緊急事態宣言発令中に市町村からの要請を受けて業務を継続していた事業所は対象となります。
未届けのサ高住や有料は対象外となります。これは、介護サービスを行うにあたっての認可を受けていないためと考えられます。

慰労金を受け取る条件

実際に対象施設に勤めている人に対して、次の条件を満たすことも条件です。

  • Ⅰ,介護サービス事業所・施設等で通算し10日以上勤務した者
  • Ⅱ,「利用者との接触を伴い」かつ「継続して提供することが必要な業務」を行った者

まずは、Ⅰについて解説します。
この10日以上というのは、始期から令和2年6月30日までの間に勤務した日数になります。始期は都道府県ごとに異なり、

  1. 感染者が発生した日、感染者を受け入れた日と、
  2. 緊急事態宣言が発令された日

のいずれか、早い方が始期となります。
始期に関しては、こちらの動画にもまとめていますのでご確認ください。

次にⅡに関して、接触はどの範囲までなのか?ということが気になるところだと思います。
この接触はかなり広く、同じ空間にいた、でも接触となるそうです。そのため、同じ施設内に勤めていれば、事務員や調理スタッフなどでも対象となります。

また、今回の慰労金は、職種や勤務形態は問わず支給されるとのことですので、正社員以外にも、パートやアルバイト、派遣の方も受け取り可能ですし、事務職員、送迎スタッフ、清掃スタッフなどでも、10日以上勤務しているなどの条件を満たしていれば支給対象となります。公務員の方でも、同様に支給対象となります。

しかし、ボランティアの方は対象となりませんので注意が必要です。

補足

  • 夜勤によって日をまたぎ、所定労働時間を超えている場合は2日としてカウントすることが可能です。しかし、同じ日に複数回シフトに入る場合は、1日としてカウントされます。
  • 訪問介護の事務員の方でも、感染症対策に配慮したサービス提供をヘルパーと一体となっていた場合は支給対象となります。
  • 特定福祉用具販売に福祉用具専門相談員も、10日以上、利用者宅を訪問、利用者に接していれば支給対象となります。

慰労金の支給金額は?

今回の慰労金の支給金額は、5万円か20万円となります。基本的には5万円ですが、「感染者、濃厚接触者」に接した場合は20万円となります。以下の条件に当てはまらない人は、5万円が対象となります。
施設・通所系と、訪問系で基準が異なってくるので確認してみましょう。

施設・通所系の場合

施設・通所系の場合は、感染者や濃厚接触者が発生した日から1日でも勤務していることが条件になります。濃厚接触者などがいなくなった後に入職して10日以上勤務しても20万円の対象となります。

訪問系の場合

利用者が、「感染者、濃厚接触者である期間」に、1度でも対応していた場合が条件となります。「元々陽性だったが、回復した人」に対応しても20万円の対象とはなりません。

補足

  • 感染者、濃厚接触者と判断されるのは、①感染症患者:症状が出た日、②濃厚接触者:感染者と接触した日、です。
  • 併設した施設において、感染者、濃厚接触者が出た場合、同一空間を共有していれば20万円の対象となります。こちらは病院と介護事業所においても同様です。

申請方法は?

申請方法は、
①勤務先の介護サービス事業所・施設などに、代理受領を依頼し、
②依頼された事業所、施設等が、まとめて都道府県に申請する
という流れになります。基本的には、施設側から、紙が配布され、必要事項を記入するように言われるかと思います。

もし、配布されなかったとしても、今回の慰労金を職員に渡すかどうかを決定する権利は事業所・施設にはありません。国や都道府県が支給することを決定しているものです。

申請を依頼しても施設が、受け付けてくれない場合は、都道府県の担当窓口に掛け合い、個人で申請するようにしましょう。

また、複数施設に勤めている人は、一つの施設からしか申請できませんので注意が必要です。複数施設から申請、受け取りした場合は返金が求められます。

退職している人は?

10日以上の勤務をしていたなど、対象となる条件を満たしているものの、既に退職してしまっている職員の方はどうなるのでしょうか?

結論から申し上げると、受給対象になります。

申請方法としては、①以前勤めていた施設に代理受領を依頼する方法、②個人で申請する方法があります。
基本的には、以前勤めていた施設に依頼することになるのですが、さまざまな問題で依頼が難しい……という方も少なくないと思います。

そこで行えるのが個人での申請です。こちらは、勤めていた事業所のある都道府県に申請することになります。

個人での申請方法

個人で申請する場合は、お勤め、もしくはお勤めだった事業所のある都道府県に申請する必要があります。
必要なものとしては

  • 本人確認証
  • 振込先金融機関口座確認書類

ですが、施設からの押印が貰えない場合は、都道府県と相談の上、勤務を証明する書類を提出する必要があります。
勤務を証明する書類としては、「雇用契約書、労働契約書、辞令、給与明細、源泉徴収明細、勤務表(出勤表)」があげられます。

いずれにせよ、個人で申請するのは特殊ケースとなりますので、しっかりと該当都道府県の担当の方と相談するようにしましょう。

気になる税金は?

今回の慰労金ですが、給与とは異なり、非課税。つまり税金がかかりません。また、給与とは別扱いになるので、社会保険料の天引きもありません。
これは、本来課税対象だったところを、国会議員の有志が慰労金に税金がかからないように法案を提出したことで実現しました。

他にも、

  • 他人に慰労金を受け取る権利を譲渡できない
  • 借金返済のために、金融機関などが差し押さえることも禁止

となっており、確実に介護職の皆さんに届く仕組みとなっています。

その他Q&A

細かいQ&Aに関しては下記にまとめてみました!
ご参照ください。

Q.いつごろ支給されるの?

A.申請後1ヵ月くらいの時間が必要とのことです。
7月末に申請した方は、8月末~9月に受給することが出来そうです。

Q.慰労金の振り込み手数料がかかるから、事業所が申請を渋っている……

A.今回の慰労金は、介護事業所からの振込手数料に関しても国から支給が行われます。
そのため、事業所への金銭的負担はありません。この旨を施設に伝えましょう!

Q.介護施設の他に医療施設、障害福祉でも勤務してるけど、3か所で慰労金を受け取れますか?

A.今回の慰労金は、すべてのタイプの慰労金共通で1回しか受け取ることが出来ません。
いずれか一つの施設を選んで申請しましょう。
複数の介護施設で勤務している場合も、1回しか受け取ることが出来ません。

Q.派遣で働いているが、慰労金は、施設から受け取るべき?派遣会社から受け取るべき?

A.どちらから受け取っても問題はないですが、申請できるのは介護事業所のみです。
基本的には、派遣先に介護事業所から受け取ることになるかと思います。

Q.介護事業所が、6月末までに閉鎖になった… 慰労金は貰える?

A.対象期間内に10日以上勤務していれば、慰労金の支給対象となります。
個人での申請となりますが、勤務期間の証明などのために、廃止・閉鎖となった事業所の職員や、法人本部などへの確認などが必要となります。
詳しくは都道府県の担当と相談するようにしましょう。

おすすめ役立ち情報

役立ち情報一覧に戻る

ピックアップ