介護職の目標とは?ポイントや具体例、キャリアパスをご紹介!
介護職で目標設定することの重要性
現在、国が全国の介護事業所にキャリアパス制度を導入する事をすすめています。以前の介護業界では年数に応じたキャリアアップの段階や、将来への道筋が分かりにくいという問題点がありました。
更に離職率も高く、慢性的な人材不足に悩まされているという現状もあります。その問題を解決すべく、打ち出されたのが介護業界のキャリアアップ制度です。
経験年数や資格に対応しているキャリアパスは、給与アップの目安にもなります。厚生労働省が行った「平成29年度の介護従事者処遇状況等調査」の結果を見ると分かりやすいでしょう。
また、キャリアパス要件を満たし、職場環境等要件などを満たすことで処遇改善加算を得る事ができます。これは事業所にとっても、働く人にとっても大きなメリットです。
事業所の評価目安になるというだけではなく、働く人にとっても明確な目標が決められているとモチベーションが保てるという大きなメリットがあります。キャリアパス制度によって介護は専門職だという意識を持つことで、より質の良いケアの提供を意識していく事ができます。
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ケアきょう求人・転職の無料相談介護職の目標を決める上で心掛けるべきポイント
キャリアパスでは、経験年数に応じた任せられる業務の段階も具体的に明記されています。例えば経験年数1~2年目は新人、介護の基礎知識を持って上位者の指導の下で定期的な業務が行えることが目安とされています。
これに更に能力や研修への参加、対応する資格なども記載されています。キャリアパスの目標設定の第一のポイントは自分がどの段階に属しているのかを知る事です。
自分の日々の業務の見直しをしながら、次に繋がるように具体的な目標を立てます。基礎的な業務の中でもそれは同じです。
反省や失敗を目標達成に活かすための行動・心得
仕事で失敗する事は誰にでもあることです。しかし、同じ失敗を繰り返さない為に反省し、解決策を見つける努力をするかしないかでは大きな違いがあります。
まずは自分の行動を振り返ってみましょう。介護だけではなく、どの仕事にも言える事ですが、失敗に多い理由の一つは慣れです。
また、業務に追われて急いでいた、焦っていたという気持ちもミスに繋がりやすいので要注意です。自分の中にこれらの気持ちがなかったかどうかという事も振り返りの第一歩になります。
振り返りが出来たら再発防止の為にどうしたらいいのかを考えていきます。ここでも大切な事は「~しないように気をつける」といった抽象的な事ではなく、具体的に考える事です。
自分だけではなく、職場全体で再発防止の意見交換ができれば更に理想的です。職場の先輩、リーダーや上司に相談してみるのもいいでしょう。
事故、事例報告書が導入されている職場であれば、積極的に活用していきましょう。文章にする事で冷静に当時を振り返る事が出来たり、完成した報告書を他の職員が把握する事で再発防止にもなります。
介護職の目標にしやすい資格一覧
キャリアパスの段階や目安となる資格等は事業所により異なります。しかし、介護の資格は介護初任者研修、介護実務者研修、介護福祉士、認定介護福祉士、ケアマネジャー、認定ケアマネジャーと段階を経て取得するようになっています。
キャリアパスは将来への道筋を明確に表していく役割もあるものです。介護の資格は実務経験が必要なものが多いので、キャリアパスを考える時には資格について触れることもポイントです。
初任者研修と実務者研修は介護業務の基礎知識を身につける事を目的とした資格なので実務経験は必要ありません。新人の人はまずはこの2つの資格の取得を目標にするのがおすすめです。
実務者研修を修了し、3年の実務経験を積むと介護福祉士試験の受験資格を得られます。キャリアパスでも5年目~7年目の段階で介護福祉士試験の取得を目安にしてある事業所は沢山あります。
以前は介護福祉士を取得し、そのままケアマネジャー等の資格の取得を目指す人も多くいました。しかし、現在ではその前段階とも言える資格、認定介護福祉士という資格も作られています。
介護福祉士の次に認定介護福祉士、そして実務経験5年を経ると次はケアマネジャーの受験資格が得られます。このケアマネジャーもより質の高い介護を提供していけるように認定ケアマネジャーという上位資格が作られています。
また、この他にも介護関係の資格で言えば認知症ケア専門士、社会福祉士、福祉用具専門相談員など多くの資格が存在しています。自分が将来、どう介護に携わっていきたいのかを一度考えて目標とする資格を決めるといいでしょう。
介護職の目標管理・設定シートの書き方
目標管理シートで書き直しを指摘されている人の多くは、どこかしらが抽象的な表現になってしまっている人がほとんどです。具体的に期間も設けてあるともっと分かりやすくなります。
例えば、新人1年目の職員の人が書いた目標管理シートという設定で説明します。自分が利用者様の病歴、持病、症状などを把握できていないことを課題として、「利用者様の病状、状態を把握できるようにする」と書いてあるとします。
この目標を少し具体的にして、期間を設けると評価をする側にも伝わりやすくなります。利用者様の症状、状態を把握するために何をするのか?→業務の合間にカルテや記録に目を通すようにし、1か月に3人分を読めるようにする。また、分からない病気や症状などはその日の内に調べるといった風な書き方をします。
このように自分の課題を決めたら少しずつ掘り下げていき、いつまでに、なにをしたらいいのかを具体的に書きます。箇条書きにしてから文章にまとめていく方法でもかまいません。
取得したい資格も記入する場合には、介護福祉士やケアマネジャーならば受験は年に1回なので「〇年度の介護福祉士試験を受験する」。介護初任者研修や実務者研修の場合には、「〇月に開講される介護初任者研修を受講する」と書くようにすると具体的になります。
研修に関しても漠然と「積極的に研修に参加する」ではなく、「起居動作に戸惑うことがあるので、起居動作を学べる〇月〇日の研修に参加する」としましょう。ただし、研修や講座に関しては業務との兼ね合いもあるので、事前にリーダーや上司に相談しておく方がいいでしょう。
事業所により書式は異なりますがポイントは同じです。どうなりたいか、の課題に対して自分が具体的にどうしていくのかを明確に表記しましょう。
介護職の自己評価シートの書き方
先ほど説明したように、具体的な目標管理・設定シートが書けたら自己評価シートの記入も簡単になります。業務をスムーズにこなせずに時間作りが難しかった等、理由をまずは見つけましょう。
見つけたら次はなぜその状況になってしまったのか、を探っていきます。例えば業務をスムーズに~という例では、記録を書くのに手間取ることが多かったとします。
それならばまた次の課題、「記録を正確に早く書けるようになる」という事が見つかります。これが次の目標管理・設定シートの記入に役立ちます。
この繰り返しをすることによって職員一人ひとりのレベルアップをはかることも目的の一つです。また、目標管理・設定シートや自己評価シートは自分の評価にも繋がります。
自分の問題点や反省点にしっかり向き合えたかどうか、改善できたかどうか、正直に書きましょう。これもスキルアップの為にはとても大切な事です。
介護職員1~2年目の目標例
新人職員の目標はまず、業務になれること、基礎知識を付けることを主体にして考えていきます。介護初任者研修や介護実務者研修を修了していても授業と現場は大きく違います。
一日の流れを把握し、一つ一つこなしていけるようになる事が最優先の目標です。入社間もない介護職員1年目のデイサービス職員の例を挙げてみます。
「利用者様の名前と顔、情報を把握する」という目標を立てたとします。その為にやるべきことは「毎日自分から利用者様と会話をするように心がけ、本人から情報をきくこと。業務の合間にカルテを読み、半年後には全員の持病も大体把握できるようになる」となります。
その他にも基本的な事業所ごとに異なる業務ですが、利用者様を迎える前にこなしておくべき準備、来所時に行う体温測定や血圧測定などの業務もあります。これらを先輩職員に指示されなくても一人でこなせるようになる事も立派な目標です。
介護職員3~4年目の目標例
経験年数3年目~4年目になってくると基礎的な業務にはもう慣れている頃です。次はもう一つ先のステップへ進むための目標づくりを意識していきます。
経験年数3年が経つ人で、まだ資格を取得していない人は実務者研修や介護福祉士の取得を意識するといいでしょう。介護福祉士を持っている人の次の資格の目安は認定介護福祉士になります。
研修にも積極的に参加し、更に介護の知識を深めていくことを前提とした目標を設定していきます。また、今一度自分の業務を見直し慣れに任せたまま介護を行っていないかどうかも確認する必要があります。
例としては「今年度の介護福祉士試験の合格を目指し、毎日30分ずつテキストをこなす」「〇月〇日の認知症研修に参加し、認知症の種類や症状、対応について学ぶ」などがあります。
日々の業務の見直しからくる目標の例ならば、自分の介助方法の見直しなどがあります。毎日何度も行う移乗動作、起居動作などが慣れに任せてしまっていないかを見直すのもおすすめです。
介護リーダー・ベテランの目標例
リーダーやベテランレベルの職員になると、次は人材を育成する側に回り、職場を管理していく側になります。職務や資格、研修のことだけではなくその事も盛り込んでいくのがポイントです。
例としては、業務改善に関する取り組みや、職員間のコミュニケーションの問題、多職種間連携の問題点などがあります。人材育成ならば「新人教育のマニュアルを見直し、〇か月に1度職員の面談をしながら意見を聞きながらまずは〇〇を一人で出来るようにサポートしていく。」という例があります。
研修もより高度なものになっていくので、研修で学んだことを自分だけではなく職場に反映するためのプログラム作りという事を目標としてあげるのも一つです。また、ベテランになると資格もケアマネージャー試験や社会福祉士試験など難関資格に挑戦できます。
この段階にくると次は役職や施設管理も目指していくことができます。自分の事だけではなく周りの事にも目を向けた目標が立てられるのが理想的です。
介護職の将来像・キャリアパス例を紹介!
よく介護の世界で紹介されるモデル例は、まずは介護初任者研修を修了して介護業界に勤めます。そこで実務経験3年を積んで介護実務者研修を修了します。
3、4年目に介護福祉士を取得し、認定介護福祉士を取得。そして5年目でケアマネージャーを取得して認定ケアマネジャーを取得します。
その後経験を積み、介護リーダー、ベテランの段階の目安になる経験年数8年から10年目になると次は主任やユニットリーダー、管理職への道が見えてきます。そして更に経験年数が増えると、現場を離れて施設の管理や運営をする立場に回ります。
今後もどんどん介護人材の需要は増えていきます。施設を任せられる人材も不足しているのでこういったモデルケースのような例は増えていくと予想されます。
まとめ
キャリアパスに欠かせない目標管理・設定シート、自己評価シート記入のコツはとにかく具体的に書くこと、それにつきます。どのように、どうやって、いつ、これらを忘れないように書きましょう。
自分が将来、どう介護の世界に携わっていきたいのかを考えると目指す資格が決められます。その資格までの道筋や、自分がなりたいと思う介護職員の姿を一度思い描いてみてください。
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