夜勤はしんどいのか?夜勤の仕組みや手当、労働時間等を解説します!

介助術・介助方法
2022/01/11

1. 夜勤はどんな仕組みなの?具体的な数字で詳しく解説!

1.1. 夜勤のシフト体制

2交代制 3交代制
勤務時間 午後5時頃から翌9時頃まで 午後10時頃から午前9時頃まで
休憩時間 2~4時間 1~2時間
仕事内容 夕食の介助から朝食後の排泄介助まで 就寝時間から朝食後の排泄介助まで
備考 実労働時間は、12時間程度になることが多い 実働時間が8時間となることが多いため、午前中に仕事が終わりますが、その日の夜に、夜勤となる場合もあり

夜勤の仕組みは、夕食時間帯または、就寝から朝食後までの勤務を夜勤としています。 2交代制と3交代制を導入している企業がありますが、2交代制が70%以上をしめています。具体的には、日勤・夜勤にわかれている場合(2交代制)と、早出・遅出・夜勤にわかれている場合(3交代制)があります。

「2交代制とは?」

日勤帯の職員と入れ替わる午後5時頃から翌9時頃までの勤務を2交代制としているところが多いです。
休憩時間は、2~4時間と企業によってばらつきがあります。
2交代制の場合、夕食の介助から朝食後の排泄介助までが、夜勤の仕事です。2交代制のほうが、1回の勤務時間は長くなり16時間以上となることもあります。
仮眠などの休憩時間をとるので、勤務時間は16時間程度ですが、実労働時間は、12時間程度になることが多いです。
休憩時間は業務の間にとることになりますので、巡回などの流れを把握し、きっちり休憩できるようにしましょう。

「3交代制とは?」

準夜勤帯や遅出の職員と入れ替わる午後10時頃から午前9時頃までの勤務を3交代制としているところが多いです。
休憩時間は、1~2時間です。こちらは、就寝時間から朝食後の排泄介助までが、夜勤の仕事です。体力的には、就寝時間からの勤務となるため、2交代制よりも楽といえます。

しかし、実働時間が8時間となることが多いため、午前中に仕事が終わりますが、その日の夜に、夜勤となる場合もあります。

なぜ2代交代制が多いの?

2交代制が多い理由として、高齢化率が上昇傾向で、2016年には27.3%と増え続けているため、介護職員の必要数も増えています。
求人や資格取得援助などによって、介護職員は増えてはいますが、離職率も高いため現場における人材不足は常に深刻な問題で、シフト上どうしても2交代制にせざるを得ない状態もあるようです。
また、働く側の意見からすると、長時間の労働となるため、夜勤明けを利用して休みを確保するために、あえて2交代制を希望することもあるようです。
現在、病院では、2交代制が主流となっています。

1.2. 夜勤の人員体制

施設種類によって、夜間帯の人員配置基準が厚生労働省で決められています。施設によって人員加算をしている場合は、基準より多くの夜勤者がいることになります。

  • 有料老人ホームの場合、1名以上
  • 特養の場合、おおよそ25人に1名以上(ユニットの場合2ユニットに1名以上)
  • 老健の場合、20人に1人以上
  • グループホームの場合、1ユニット9人に1人以上
  • 地域密着サービスの場合、1ユニット9人に1人以上

「ワンオペ」と言われている、1人の職員で全ての仕事をする体制の施設が多いことがわかります。
ワンオペの場合、緊急対応などがあると、他のスタッフが来られる体制をとっているところが多いです。
大きな施設になると、利用者人数が増えるため、夜勤者が数名いることになるので、交代で巡回や休憩をしていくこともできます。

1.3. 労働時間

夜勤は、勤務時間が10時間以上と長いことは、お分かりいただけたと思います。
労働基準法では、週平均の労働時間を40時間以内にするように推奨されていますので、その時間を超えていなければ、基準に違反することなく働くことができます。

16字時間以上の長時間労働に?!

1日24時間のうち、夜勤で16時間以上働く場合、日勤で2日勤務した時間に相当します。夜勤から日勤への引継ぎなどで時間がかかると、その分残業になってしまうことになります。
16時間仕事してもいいのか気になる方もいらっしゃると思うので、労働基準法で解説します。
「8時間以上勤務する場合、1時間の休憩が必要」となっています。法律上では、1時間の休憩を取れば違反ではないということになります。
夜勤で働かれる場合は、ある程度シフトがパターン化されている企業が多いので、休憩時間や実労働時間なども質問することをオススメします。

1.4. 夜勤がある日はどんな一日?一日のタイムスケジュール

出勤時間帯によって、夕食から就寝までの介護をおこなうかどうか決まります。2交代制勤務が多いので、夕食の介護から勤務になるということです。

2交代制
  • 出勤
  • 日勤スタッフと情報の共有および業務の引継ぎをします。
  • 夕食準備や食事介助、服薬介助を行います。
  • おむつ交換やトイレ誘導などの排泄介助を行います。
  • 着替えや歯磨きなどの就寝準備を行います。
  • 退勤
  • 日勤スタッフと情報の共有および業務の引継ぎをします。
3交代制
  • 出勤
  • 消灯後は2~3時間に1回程度、巡回を行います。(2~3回)
  • 必要に応じて体位変換やおむつ交換を行います。
  • 不眠時などで、頓服薬を処方されている場合のあるので確認をします。
    ※巡回の合間時間に、介護記録を行ったり、休憩や仮眠をとります。
  • 起床時は、着替えや整容などの起床介助や移動の介助を行います。
  • おむつ交換やトイレ誘導などの排泄介助を行います。
  • 朝食準備や食事介助、服薬介助を行います。
  • 退勤
  • 日勤スタッフと情報の共有および業務の引継ぎをします。

退勤後は、夜勤明けとなり基本的に出勤日で仕事が終わったという扱いです。
労働基準法では、「終業から次の始業までの間に少なくとも11時間の休息のための時間を確保するように努めなければならない」となっていますので、半日程度は、仕事になることはありません。

介護施設などのシフトは、24時間制を採用しているところが、ほとんどのため、週40時間程度のシフトを調整します。
その結果、朝帰ってきて、夜仕事ということが発生する場合がありますので、シフトパターンの確認は、必ず入社時に行ってください。

1.5. 仮眠室はあるの?

仮眠室を確保している施設は、ほぼ無いでしょう。 たいていが職員の休憩室を利用しています。
休憩も順番に行うので、夜食を食べたり、仮眠したりと休憩時間を過ごすことができます。
ワンオペの場合、コールが鳴ると動かなければならないので、ステーション内で休憩や仮眠をするのが現状です。他のユニットなどと協力して休憩を回していることも、現場ではあります。
仮眠時間を十分確保することは、どの企業でも、難しいのが現状です。夜勤前には、十分に睡眠をとるようにしましょう。

2. 夜勤は実際しんどい?メリット・デメリット

しんどい、キツイ!は、働く施設やモチベ―ションによって違ってきますし、スキルアップや収入アップなどのメリットもあります。
メリットとデメリットを詳しく解説していきます。

2.1. 夜勤のメリット

夜勤は、日中より人員が少ないため、仕事の範囲が広くなります。そのため

  • 介護知識を習得するスピードも上がります
  • 金銭面でも、夜勤手当が支給されることが多いですので、収入アップにもなります
  • ある程度、仕事の流れが決まっている夜勤では、自分のペースで仕事ができます
  • 日中にしかできない用事などある場合は、有給休暇を消化することなくできます

夜勤手当によって収入アップする可能性がある

日勤のみで、同じ時間数働くことと比較すると、必ず収入はアップします。
1回あたり、5,000~10,000円程度の夜勤手当がつきます。月3回入った場合、月間にして約15,000~30,000円、年間にして約18万~36万円の夜勤手当がもらえる可能性があります。
雇用形態や給与記載などで、夜勤手当がもともと含まれている場合もありますので、確認しておきましょう。

夜勤明けの日にちを使用して連休を取ることが出来る

介護職は人材不足のために、連休が取りづらい現状が常態化しています。
次の日が公休の場合、夜勤明けの朝から次の日の24時までは、勤務がないことになりますので連休気分をあじわえます。公休日明けのシフト次第では、もっと長い時間お休みすることも可能です。
旅行などの予定がある場合は、シフト希望をだしておくと、有給休暇を使わずに、一泊二日の旅行ができるかもしれません。

いざというときの対応になれる

利用者の急な体調変化など緊急判断を要する場面に遭遇することもあります。特に、終末期の利用者がいる場合、いつ急変してもおかしくない状態です。
救急搬送の判断や、場合によっては心臓マッサージなどが、必要になることもあるかもしれません。
看護師や医師にオンコールして、指示を仰いだり、すぐに駆けつけてもらわなければならないこともあります。
救急搬送になれば、施設長や他の職員が駆けつける体制を取っているところもあります。そういった対応のマニュアルをどこでも用意していますが、実際に経験するのと、マニュアルを読むだけでは、経験値に大きな差がでます。
夜勤を経験しておくと自分の経験値アップにもつながります。

2.2. 夜勤のデメリット

一般的にいわれているのが

  • 体調管理が難しいこと
  • 介護経験の少なさからプレッシャーを感じやすいこと

です。対処法とともに、解説していきます。

体調を崩しやすい

1回の勤務時間が長時間になるため、身心の疲労がでやすいものです。生活リズムをつかみにくくなることもあるでしょう。
夜勤明けに予定を入れて遊びに行くのもストレス発散はできそうですが、毎回外出の予定をすることは、避けてください。
体を休めることも考えて、十分な睡眠をとってください。睡眠をとることで身心を癒し、体調管理がしやすくなります。
それでも、疲労が蓄積されていく場合は、事前にシフト調整してもらうなど、早めの対処をオススメします。

緊急対応への不安を抱えなくてはならない

介護経験が少ない方にとっては、夜勤が不安だと思うかたもいらっしゃるでしょう。
入社して初めての夜勤が一人という状況は考えられませんので、先輩スタッフに相談したり、夜勤の流れをよく把握することで不安軽減につなげましょう。
一人で夜勤を行うようになってからでも、マニュアルで緊急対応の流れを復習したり、介護知識を得ることもできます。
一番不安なのは、「何か起きたらどうしよう」ではないでしょうか。それには、利用者の日々の状態を、よく観察しておくことです。
ちょっとした体調変化に気づくことが、できるようになり、緊急を要する前に対応することも容易になります。

いつも以上に気配りが必要

巡回して、一人ひとりの利用者を目視で確認するときに、顔色や呼吸など細かく確認することが必要です。
そのためには、夜間の利用者状況などを把握しておく必要があります。介護記録などで確認しておきましょう。
夜間におむつ交換や体位変換をする場合、利用者の覚醒具合や無理な体勢になっていないかなど、注意する点は多いです。
これは、日頃から、安全に介護を行なえるよう気配りをしておくことが重要です。
体位変換記録がある場合や、褥瘡の観察が必要な方がいらっしゃる場合は、他の職員と2人以上で確認できない場合は、詳細がわかるように記録しておきましょう。

3. 夜勤専従で給料アップ

夜勤専従は、日中勤務より少ない回数の出勤で、日中のみ介護職をしているよりも、高い給与を得られる可能性が高いです。それに、自由な時間が増えてプライベートを充実させることができます。

3.1. 夜勤専従とは?

文字どおり夜間のみに勤務する働き方のことをいいます。毎日夜勤をするわけではなく、平均週40時が目安になるため、週3回程度の出勤になります。
勤務時間を夜間にすることで、日中を有効に使えるようになり、昼間にしか済ませられない用事や他のパートなどをすることも可能です。
夜勤専従は、他の時間帯よりも多くの求人がそろっており、応募人数が他の時間帯の募集より限られるため、採用してもらえる確率が上がります。

3.2. 夜勤専従は通常勤務より収入が高い!

日勤の時給よりも、夜間割増25%増しになるで、時給がアップします。
夜勤1回当たりの給与を定めているところもあり、勤務時間などにより変動しますが、1回あたり15,000~25,000円です。
求人によっては、夜勤専従手当を別につけているところもあります。

4. 自分に合った夜勤の仕方を知ろう

正社員として、日勤も夜勤もするスタイルと、夜勤専従で働くスタイルの選択ができます。
夜勤の出勤時間や、対応できる勤務時間も検討する必要があるでしょう。
介護経験が十分にある方であれば、ワンオペの夜勤が合っているかもしれませんし、一人夜勤は嫌な方の場合、大きい施設の夜勤を選ぶと複数人で勤務する夜勤が合っていると思います。
施設の種類や利用者人数によっても、仕事内容が変わりますので、どういった特色のある施設なのかリサーチしておくと、自分に合った環境で勤務することができます。

5. まとめ

夜勤について解説してきましたが、夜勤とはどういった流れで仕事をしていくのか、おわかりいただけたのではないでしょうか。
勤務時間や内容のほかにもメリットデメリットもまとめてありますので、これから、夜勤を考えている皆様は、ぜひ参考にして、自分がどういった条件で仕事をしたいかを明確にしてみてください。
出勤時間は要相談となっている求人もありますので、お仕事を探している方は、備考欄まで要確認です。

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