介護職のやりがいは?施設やサービスごとに魅力を紹介!

介護職仕事紹介
2022/01/09

介護職ってどんな仕事?

病気の後遺症や加齢に伴って身の回りのことが自分でできなくなった人への支援が介護の仕事です。

具体的には、排泄介助や入浴、食事などを支援する「身体介護」、掃除や洗濯、買い物など生活全般を支援する「生活援助」があげられます。

介護保険では、利用者の重症度に関係なく、その人らしさや自立支援を目指した介護を基本にしています。

介護職の魅力ややりがいを施設やサービスごとに紹介!

介護保険では、居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスの3つの柱で利用者の生活を支援しています。同じ介護職であっても働き方が異なる部分もあるため、サービスごとの魅力ややりがいを解説します。

居宅サービス

自宅などで生活している利用者に対して提供するサービスになります。介護職が多く活躍しているのは、「訪問介護」「通所介護」「特定施設入所者生活介護」があげられます。

サービスの種類 特徴
訪問介護 在宅で生活している利用者の住んでいるところへ訪問介護員が訪問し、排泄や入浴、食事などの身体介護や掃除や洗濯、買い物などの生活支援を行う。
通所介護 デイサービスとも呼ばれる。 通所介護の事業所へ日中の時間に通って、入浴、食事、排泄などの日常介護、リクリエーションや機能訓練などを受けることができる。
特定施設入所者生活介護 養護老人ホームやケアハウスなど指定を受けている特定施設において、食事、入浴、排泄など日常生活の介護が受けることができる。
短期入所生活介護
短期入所療養介護
ショートステイとも呼ばれる。 在宅生活を送っている利用者に対して、介護者の負担軽減や冠婚葬祭など一時的に介護ができない場合に利用可能。 施設へ短期間入所し、日常生活全般の介護を受けることができる。

訪問介護や通所介護は、サービスを提供する時間が日中のため、仕事と家庭の両立がしやすく、結婚や出産、子育てをしながら仕事を続けている職員は多いです。特定施設入所者生活介護や短期入所生活介護は、施設での介護になるため、夜勤を含めた変則勤務があります。

施設介護サービス

施設へ入所している利用者に対して提供されるサービスになります。現在は、「老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「老人保健施設」「介護医療院」、「介護療養型医療施設(2024年3月にて廃止予定)」があります。

サービスの種類 特徴
老人福祉施設 特別養護老人ホームとも呼ばれる。 介護保険にて原則、要介護3以上の利用者が申し込み可能。 施設へ入所し、食事、入浴、排泄などの日常生活全般の介護、レクリエーションや機能訓練などを受けることができる。
老人保健施設 病院と自宅の中間施設として位置づけられている。 施設へ入所し、食事、入浴、排泄などの日常生活全般の介護、在宅復帰に向けての機能訓練などを受けることができる。
介護医療院 2018年創設。 長期療養、日常生活全般の介護を受けることができる。 医療的ケアと介護の両方を提供しているため、喀痰吸引や経管栄養、終末期ケアの対応が可能。
介護療養型医療施設 病状は安定しているが、長期間の療養が必要な利用者を対象としている。 医療や看護、日常生活全般の介護を受けることができる。2018年「介護医療院」が創設され、2017年廃止予定だったが移行が進まず、2024年3月まで移行期間延長。

施設介護サービスは入所施設のため、24時間の介護を支える形になります。働く職員も夜勤を含めた変則勤務になります。利用者の重症度が高いため、介護技術を磨くにはよい施設です。

地域密着型サービス

住み慣れた家で最期まで暮らせる地域づくりを目指して2008年より始まったサービスになります。地域密着型通所介護や老人福祉施設などもありますが、他のサービスと異なる点では、「小規模多機能型居宅介護」「認知症対応型老人共同生活介護」があげられます。

サービスの種類 特徴
小規模多機能型居宅介護 一つの事業所で「通所」を中心としながら必要に応じて「訪問」「泊まり」を組み合わせてサービスを受けることができる。 一つの事業所で一体的にサービス提供されるため、サービスが変わってもいつもと同じ職員が対応することで安心できる。
認知症対応型老人共同生活介護 認知症と診断を受けた利用者が自分のできることを職員と行いながら自分らしく生活できる入所できる施設。 1ユニット9人で共同生活を送っている。

入所施設や泊まり対応職員が必要になるため、夜勤を含めた変則勤務が多くなります。施設サービスに分類される施設に比べて規模が小さいため、アットホームな感じで仕事ができることはメリットです。一方で働く職員の人数が少ないため、介護職1人にかかる負担が大きい部分もあります。

次に、介護職全般にいえる魅力ややりがいを紹介します。

いつでも始めることができる

介護の仕事は、働きたいと思った時から始められる仕事であり、必要なことは、経験や年齢ではなく、やる気です。経験を積んで、国家資格である介護福祉士を取得することで自分自身が成長できます。

人の役に立つ仕事ができる

介護保険では、それぞれ自立支援を目標に介護を行っています。加齢や病気の後遺症によって自分1人でできなかったことが少し手伝うことで利用者自らできるようになると、自分のことのようにうれしい気持ちになります。またその積み重ねが、人の役に立つ仕事ができるという自信につながります。

求められる人材になれる

無資格、未経験であっても経験を積み、資格を取得していくことで年齢や性別に関係なく、働くことができます。また国家資格である介護福祉士を取得することにより、公平に評価され、求められる人材になれます。

たくさんの魅力に溢れる介護職にも苦労や悩みはある?

介護職に限ったことではありませんが、魅力があれば、苦労や悩みもあります。

人間関係に苦労

どこの職場でも問題になるのが人間関係であり、人と仕事をする上で永遠の悩みです。

特に女性が多い職場のため、気が合うか否か、仕事の早い遅い、考え方の違いによって人間関係に苦労する場面があります。

平成30年度介護労働安定センター「介護労働実態調査」によると、前職を辞めた理由のトップは、「職場の人間関係に問題があった」と報告されています。

人手不足

多くの介護施設は、介護保険で決まっている人員以上の配置をすることが難しく、働いている職員からは慢性的に人手が足りないという不満がでています。

利用者の重症度があがるほど、介護が必要なことが多いため、働く介護職員に負担となっています。

介護ロボットなどの導入も少しずつ行われていますが、人手不足が解消されるまでには至っていないのが現状です。

長期の休みが取りにくい

ゴールデンウィーク、お盆休み、年末年始など、長期間休みが取れる会社がある中で、24時間365日介護が必要な利用者が入所している施設では、長期間の休みを取ることは難しいです。

まったく休みがないわけではありませんが、全員がまとまって休むということはできません。土日祝日も常に休みとは限らないため、人と休みが合わせにくいことも多いです。

介護の現場って実際どんな感じ?キャリアアップはできる?

介護現場では、キャリアパス制度が導入されています。キャリアパス制度では、経験年数に応じて、必要な知識や技術の他、介護力や社会力を身につけていくことを目的としています。

施設側は、介護の質の向上を目的としている一方で、働いている介護職は、知識や技術の向上により仕事のやりがいや昇給などにつながります。

介護職員初任者研修を修了して働き始めた場合、実務経験を積み、介護職員実務者研修を修了し、国家資格である介護福祉士、マネジメントを行う介護支援専門員を取得していくことで着実なキャリアアップが可能になります。

介護保険では、2012年から介護職員処遇改善加算が始まり、現在に至ります。この加算は、介護職員全般の処遇改善が目的です。

一方で、2019年10月より介護職員特定処遇改善加算が創設されました。新しい加算は、技能・経験を持ったリーダー級の職員の処遇改善を目的としています。

介護の仕事は「きつい」「汚い」「給与が安い」3Kといわれていましたが、介護のキャリアップ制度の導入が進むことで、処遇は改善されてきています。

先輩介護士の方々が介護職を選んだ理由を紹介

介護の仕事を始めたきっかけは人それぞれです。

家族の介護をきっかけにして介護職を目指す

同居の祖母は骨折をきっかけに介護が必要になりました。母は朝から夜まで着替えからトイレの手伝いまで行っていました。

子どもだった私の当番は食事の配膳です。母は私たち家族の食事以外に祖母が食べやすい柔らかい煮物、お粥を作っていました。

そのときはただ運ぶだけで何も考えませんでした。私が大きくなるにつれ、祖母は自分のことができなくなっていきましたが、母は最期まで自宅で介護をしていました。

子どもながらに母の背中を見て、私も介護の道に進みたいと思い、専門学校へ進学し、介護福祉士を取得しました。特別養護老人ホームで働き、介護技術の向上を目指して働いています。

30代からの転職で介護をこころざす

大学卒業後、広告代理店の営業職として就職しました。先輩について、営業のスキルの他、プレゼンテーション技術など学ぶことができました。

たまたま障害者向け商品の広告について携わる機会があり、障害があるか否かに関わらず、自分のできることをやる姿に心を奪われ、もっと福祉について知りたいと思い、福祉業界に飛び込みました。

始めたばかりの介護は思うようにいかないことも多いです。しかし、自分のつたない介護に「ありがとう」と声をかけてくれる人が大勢おり、仕事にやりがいを感じています。

介護職の可能性は無限大

高齢化が進み、介護の人材が現在も不足する中、これからさらに人手不足が深刻になるといわれています。

一方で年齢に関係なく、チャレンジできるのが介護職のよいところです。そして介護のキャリアアップ制度が導入され、年齢や性別に関係なく、評価されます。

介護は日々のちょっとした気づきの連続です。今日できなかったことが明日になったらすぐできるようになるわけではありません。

だからこそ、介護職の方々は日々の小さな気づきを大切にし、介護に活かしています。

介護の仕事はここまでと自分で決めてしまうと、それ以上何か気づくことはできませんが、介護の仕事は無限大と考えれば、可能性は広がります。

小さな気づきを積み重ねて、大きな気づきにしていきましょう。

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