ご利用者様の介護記録【大切な理由と書き方】

業務支援
2022/01/09

介護職として、働いていると必ず書かなければいけない「介護記録」。毎日記入するのは大変で、ついつい、手を抜いてしまいそうなところですが、とても大切なものですので、しっかりと書き方をおさらいしませんか?

今回は、介護記録が必要な4つの理由、介護記録の書き方3つのコツ、注意したい2つのポイントを解説していきます!
ぜひ最後まで、チェックしてみてください。

そもそも介護記録とは

そもそも介護記録とは、介護記録とは、介護サービスを行った日時・担当・内容・結果等を実施者が記録すること或いは記録そのものを言います。
広義にはカンファレンス記録・ヒヤリハット・事故記録等も介護記録と表現することがあるようです。
最近は紙媒体だけでなく、タブレットやパソコンの介護ソフトを使って記録する事業所も増えてきていますが、まだまだ紙媒体という施設も多いようです!皆さんの施設ではどうでしょうか?

介護記録の目的

介護記録を書く理由は大きく4つの理由があります。

  1. 職員間の情報共有
  2. 事故や訴訟の際の証拠品
  3. 人事考課、指導の資料
  4. ケアプランの見直し

それぞれに関して説明していきます。

①職員の情報共有

介護サービスは様々な職員が交代で行うことが通常です。
そうすると、複数の職員が適切なケアを行う必要があります。
情報が共有し、利用者がどのような状態にいるのか? 適切な介護サービスは何なのか? どのようなケアが提供されているか?を確認必要があります。その際に記録があれば直接会えなくても、スムーズに、そして抜けもれなく情報共有できます。

②事故や訴訟の際の証拠品

残念ながら介護現場においては不慮の事故や急死等が起こり得ます。
そうなると行政職員や警察の対応をしなければならないことがありますが、求められるのは主に記録です。

その際には、数か月前の内容を聞かれる場合もあり、不確かである記憶では証拠にはなりません。そこで頼りになるのが記録です。記録があれば、どのように対応していたかを証明できるので、自分や同僚の身を守ることが出来るのです。

③人事考課・指導の資料

介護をする人によって、利用者の満足度が変化することがあります。これは単純にソリが合わないということもありますが、行った介護の内容などが原因であることもあります。
介護記録があれば、ケアによる満足度の違いなどを分析することで、適切な指導や人事考課に役立てることが出来ます。

④ケアプランの見直し

どのような介護を行うかを記した、ケアプラン。これは一度作成して終了ではなく、何度も作り直していくものです。しかし、ケアプランを作成する人も四六時中その利用者を見ているのではないため、どのようなケアが必要なのかを適切に判断する材料が必要です。
記録は、そのための判断材料の一つで、提供した介護サービスが適切なものだったのかを確認することが出来ます。

介護記録の書き方

介護記録の内容

介護記録には、①ケアを行った日時と場所、②ケアの内容、③利用者の心身状態、④介護担当者の名前 を記載する必要があります。
各施設によってフォーマットがあると思いますので、その記述例に従えば問題はないかと思います。

介護記録の書き方

介護記録は、同僚、行政の人等さまざまな人が見るものです。そのため、だれが見てもわかる文章を記入する必要があります。そのために必要なコツを紹介します。

①5W1Hを意識する

これは、状況をわかりやすく説明する方法です。
5W1Hとは、「いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように」という英語の頭文字をまとめたものです。毎回網羅する必要はありませんが、意識しながら記録することで、自然とわかりやすく、十分に情報が伝わる文章になります。
また、最初からテンプレートのようなものを用意して、状況に合わせて使い合わせるなども良いかもしれません。

②専門用語や、難しい言葉、略語の使用を避ける

介護職は専門職。そのため専門用語をある程度使用しないとわかりにくいです。しかし、度を過ぎて使用すると、専門知識がない人にとっては理解が出来ない内容になってしまいます。そうすると、記録の目的からそれてしまうので、望ましくありません。

③事実を記入し、想像や推測は書かない

記録を書く際は、事実・根拠のあることを書く必要があります。なぜなら、推測が入った文章が書かれていると、それが事実だと思われてしまうためです。記録を読んだ人が事実と認識した結果、勘違いが発生しては困るので、事実を記入するようにしましょう。

介護記録を書く時の注意点

介護記録を書くときに注意したいことが2つあります。

①侮蔑表現、差別表現を避ける

世間では黒人差別の問題が再認識されていますが、介護現場でも好き嫌い、差別などを表現は排除するべきです。また、その気がなくても、昔からある言葉の中には差別的、侮蔑的ととらえられる表現があります。例えば、「認知症」は「痴呆」などと言われている時代もありましたし、「統合失調症」を「精神分裂症」と呼ばれていた時代もあります。
どのような表現が適切なのか、時流を知って置くことは大切です。

②強い表現を使用しない

基本的にはいませんが、稀に介護記録に、ギスギスした表現で記入してしまう方がいます。介護記録は、記録で合って、個人の日記ではありません。他の方が読んで不快な思いをしない表現を用いることは、最低限守るべきかと思います。

まとめ

今回は、介護記録の目的、書き方のコツ、注意するべきポイントに関してまとめてみました。
介護記録を書くことは大変ですが、とても大切なもの、しっかりと書きたいところです。また、今後、国の方針としてデジタル化を進めようというものがあります。書類仕事である、介護記録の記入もこのデジタル化で負担軽減される可能性が十分にあります。今後も期待して見ていきたいですね。

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