独自調査 介護職員の処遇改善手当の支給額の相場は? 本来もらえた金額は?

業務支援
2022/01/09

処遇改善手当の支給額は?

処遇改善手当は、皆さんの給料を高めてくれる嬉しいものです。
今回は、その処遇改善手当が、計算上いくら貰えているのかを考えていきます。

いくら貰ってる?

介護職の皆さんは実際に、いくら処遇改善手当を貰っているのでしょうか?
以前、ケアきょうで行った「1ヵ月当たり貰っている処遇改善手当」のアンケート結果です。

これを見ると、約50%の人が、月に1万円未満ということが分かります。
また、全体の24%が「貰っていない」というのも大きなポイントですね。
「貰っているかどうか分からない」という方もいました。

もしかしたら、貰っていないと思いつつ、貰っている可能性もありそうです。
また、貰っている人と貰っていない人の差は、とても大きいです。
貰っている人の平均は約1万8,000円となっています。

経験年数ごとのグラフはこちらです。

年数の記載がない人は除外

やはり、経験年数が高い人ほど、多く貰っていることが分かります。

本来貰える額は?

皆さんの平均が分かりましたが、そもそも、この「処遇改善手当」はいくら貰えるのでしょうか?
これは、「介護職員処遇改善加算」という制度を確認すると分かります。

「介護職員処遇改善加算」制度

介護職員処遇改善加算とは、このような制度です。

  • 全てで5つの区分からなる
  • 区分ごとの要件を満たした事業所で働く介護職員の方の
  • 賃金改善を行うための加算

区分ごとに、貰える加算は異なります。
「利用者一人当たりの売上×加算率」を掛けたものが支給されます。

加算率は、事業所と区分によって変わるのですが、区分Ⅰでは、介護職員一人当たり37,000円相当を支給するようになっています。
区分Ⅱでは27,000円、区分Ⅲでは15,000円、となっています。
(区分Ⅳ、Ⅴは、廃止することが決定しています)

この加算は、「そのまま」介護職員に渡す必要があります。

なので、もし全て平等に支給すれば、37,000円が支給されることになります。
また、約70%の事業所が区分Ⅰを取得しているので、施設にはこの位の額が支給されています。

何故その額が貰えない?

では、どうしてこの額より平均が下回っていたり、大きく上回っている人がいるのでしょうか?

実は、処遇改善手当が手元に来るまでは、大きく下記の3つのハードルがあります。

  1. 事業所の区分
  2. 事業所の売上
  3. 事業所の配分ルール

事業所の区分

まず1つ目のハードルは、「事業所は良い区分を取れているか」ということです。

これは事業所の努力が必要です。
ケアきょうのアンケートでは、約80%もの人が、自分の事業所の区分を知らないようでした。

これは、すぐに確認できます。
確認の方法は、以下の記事をご参照ください。

事業所の売上

2つ目のハードルは、「事業所がしっかり売り上げを上げているか」です。

処遇改善加算は、区分ごとの加算率に売り上げを掛けた額が支給されます。
そのため、良い区分の施設に勤めていても、売上が低いと国から入ってくるお金が少なくなってしまいます。

事業所の配分ルール

最後のハードルは、「事業所の配分ルール」です。

国から支給される処遇改善加算ですが、原則全ての職員に支給する必要があります。
他のことに、この加算のお金を使うことは禁止されています。

しかし、配分ルールは完全に事業所に決められているのです。

「均等に支給しなければいけない」
「介護職員全員に支給しなければならない」
などは、決められていません。

そのため極端な話、「全額を一人だけに支給する」ということも可能です。
支給ルールの自由度はかなり高く、支給方法も自由です。

  • ボーナスで支給する
  • 毎月の給与に上乗せする
  • 昇給に組み込む

いずれも可能です。

こうした3つのハードルがあるため、標準よりも少なかったり、または多かったりすることがあります。

自分が支給されているか確認する方法

支給されているかを確認する方法は、2つあります。

1つ目は、説明を聞くことです。
処遇改善加算に関しては、「支給に関して説明しなければいけない」というルールがあります。

ケアきょうのアンケートでは、約53%が、説明を受けていないとのことです。
説明していないということは、義務を果たしていないということになるので、問題になります。

説明を依頼すれば、しっかりと説明をしてくれるはずです。

2つ目は、給与明細を見ることです。

給与明細を見て頂くと、「処遇改善手当」と記載されていることが多いです。
賞与として渡される場合でも、「処遇改善手当」と記載されていることが多いです。

別途、明細を渡してくれる事業所もあるようです。
いくら処遇改善手当として渡されているのか、しっかり確認していきましょう!

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