いつから意味ある?科学的介護を分かりやすくまとめてみた
科学的介護とは?
介護業界のニュースを見たことがある人なら、「科学的介護」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
実は、2021年度から本格的な運用が始まります。
皆さんは「科学的介護」が、どんなものなのかご存じですか?
今回の記事では、出来るだけ分かりやすく紹介していきます!
科学的とは
科学的介護とは、一体何なのでしょうか?
そのために、まずは「科学的」という意味を確認しましょう。
デジタル大辞泉(小学館)の記載によると、
1 考え方や行動のしかたが、論理的、実証的で、系統立っているさま。
2 特に自然科学の方法に合っているさま。
と、あります。
つまり、論理や実験で裏付けをしている状態のことを意味します。
これを踏まえると、「科学的介護」とは「科学的に裏付けられた介護」ということになります。
特に、日本においては「自立支援・重度化防止の効果を最大化させることが出来る、科学的に裏付けられた介護」を指しています。
でも、ちょっと分かりにくいですよね。
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具体的なメリットの例を、いくつか見てみましょう。
ケアの「正解」が見つかりやすくなる
まず一つ目のメリットは、「ケアの『正解』が見つかりやすくなる」ということです。
皆さんは、ケアの内容を考える時に、次のようなことになって、困った経験がありませんか?
ケアの方針を考える会議の際に
「職員の経験上はこうなっている」
「研修では違う方法を紹介していた」
「本やネットには、別の方法が書いてある」
と言うような、いろいろな意見が出てしまった。
そして、結局結論が出ず、一人ひとりが考えるケア方法を実践してしまう……。
こんなケースが発生してしまいます。
科学的介護が確立した未来では、この人は、こういう状態にあるから、このケアプランだと機能改善がスムーズに進む可能性が高いといったことが分かるようになり、いわゆる『正解』が見つかりやすくなります。
「PDCA」がスムーズになる
二つ目のメリットは「『PDCA』をスムーズに行うことが出来るようになる」ことです。
どんなに科学的介護が確立されていても、一つ目のケアプランで、機能改善や目標を達成することが出来るとは限りません。
そこで、何故そのケアプランが上手くいかなかったのかを、考える必要があります。
しかし、ケアプランがうまくいかなかった理由を考えることも、簡単な事ではありません。
PDCAで一番難しいのが、この点です。
しかし、科学的介護が確立していれば、「うまくいっていない原因はここにある可能性が高い」と、客観的分析を行うことが出来るようになるかもしれません。
科学的介護のためのデータベース
次は、実際に科学的介護のために作られた、以下のデータベースを見てみましょう。
- CHASE
- VISIT
- LIFE
CHASEとは?
まず一つ目は、CHASEです。
こちらは、2020年からモデル事業として運用が始まっているデータベースです。
CHASEは、「Care, HeAlth Status & Events」という英語を、短くしたものです。
日本語に意訳すると、「高齢者の状態と、ケアの内容」のデータベースと言う意味です。
高齢者の状態や介護記録、その時に気が付いたことなどを集めるデータベースです。
データを集め分析することで、先ほどのメリット「ケアの正解」や「上手くいかなかった時の原因」を、提示できるようになると考えられています。
2021年度の介護報酬改定からは、CHASEに関して、データの提供とフィードバックを受けることを条件に、新たな加算が加わるようになります。
居宅介護支援を除いた全てのサービスで、加算を受けることが可能になります。
VISITとは?
もう一つ、実はVISITというデータベースがあります。
これは、「monitoring & eValuation for rehabIlitation ServIces for long-Term care」を短くしたものです。
日本語にすると、「長期ケアのリハビリサービスのモニタリングと評価」と言う意味になります。
こちらは、すでに2018年から加算区分が作られているもので、通所・訪問リハビリにおいて利用されています。
リハビリ計画書や、介護記録などのデータを集めたものになっています。
より効果のあるリハビリを、提供できるようにするためのデータベースとなっています。
LIFEとは?
そして、最後にLIFEです。
2021年4月からは、これまでに述べたCHASE、VISITといったデータベースを、一体定期に運用することが推奨されています。
これに合わせて、これまで別々だったCHASE、VISITを総称して「LIFE」と呼ぶようになりました。
LIFEは、「Long-term care Information system For Evidence」の略称で、意訳すると「科学的介護情報システム」となります。
科学的介護は、まだまだ未完成です。
これからデータを集め、分析していくことが大切です。
どんな未来が待っているのか、期待したいと思います!
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