入浴介助でサンダルは履くべき?メリット・デメリットとおすすめのサンダルを紹介
入浴介助でサンダル は履いていますか?
施設によっては、サンダル禁止のところもあるようです。
中には、サンダルではなく長靴を履いて入浴介助する施設もあります。
今回は入浴介助の際にサンダルは履いたほうがいいのか、また履くことによるメリット、デメリット、入浴介助でおすすめのサンダルなどを紹介していきます。
入浴介助でサンダルは履いたほうがいいの?
そもそも入浴介助の際は、サンダルを履いたほうがいいのでしょうか。
ほとんどの施設で入浴介助ではサンダルを履いているにも関わらず、禁止している施設もあります。
それはなぜなのかを解説していきます。
多くの施設ではサンダルを履いている?
入浴介助でサンダルを履く理由は、感染症や怪我の予防など色々なことが考えられます。
また、入浴介助は浴室内だけでなくフロアやお部屋にいる利用者様を誘導したり、衣類など必要物品の準備で、色々な場所に移動する必要があります。
その都度、靴を履くことは手間もかかりますし、サンダルであれば簡単に脱ぎ履きができるという理由もあるでしょう。
総合的に考えて入浴介助の際はサンダルが必要であるため、多くの介護施設では使用を推奨しています。
サンダルを禁止している施設もある?
入浴介助時のサンダルを禁止している施設もあります。
なぜなら、家で入浴するときにサンダルは履かないからということや、利用者様からクレームがあったからという理由があるようです。
脱衣所から浴室に移る際にサンダルを脱いで裸足になるなどサンダルはあくまで、入浴介助前後の移動などに使用し、なるべく濡れないようにするような使い方もあると思います。
機械浴の際は、ストレッチャーで足を踏む危険性があるので、サンダルを履いて介助するのもよいでしょう。
1分で登録OK
ケアきょう求人・転職の無料相談入浴介助でサンダルを履くメリット
前述にもあるように、入浴介助でサンダルを履くメリットは数多くあります。
ここでは、以下の3つのメリットについて解説していきます。
- 感染症の予防
- 職員の怪我予防
- 自分自身の転倒予防
あらためて、入浴介助でサンダルを履く意味を考えてみましょう。
感染症の予防
サンダルを履くことで排泄物が直接足に触れることを防いだり、利用者様が患っている水虫などの感染症の防止になります。
サンダルを履いたからといって、100%感染症を防げるわけではありませんが、裸足で直接浴室の床に触れることがない分リスクは減ります。
また足に傷がある場合は、そこから感染症を引き起こす可能性もあるため、サンダル使用は必須です。
入浴介助でサンダルを履くことは、自分の身を守るという大きなメリットにつながるでしょう。
職員の怪我予防
サンダルを履いて自分の身を守るという点では、怪我の予防にもつながります。
例えば、シャワーキャリーやストレッチャーなどは、利用者様を乗せた状態で本体を動かします。
その時に、万が一車輪で自分の足を踏んでしまうと大怪我になります。
サンダルを履くことで、怪我のリスクを下げることは大きなメリットと言えるでしょう。
自分自身の転倒防止
浴槽内はシャンプーなどで床が滑りやすくなっており、裸足の場合はより注意が必要です。
実際に入浴介助の現場で、足を滑らせて腰を怪我した職員さんがいて、その時も裸足で介助していました。
そのため、サンダルは滑り止めの付いているものを選び、職員自身の転倒を防ぎましょう。
ただ注意していただきたいのが、サンダルは長く使っていると滑り止めが削れていき、逆に滑りやすくなるということです。
転倒防止のために使っているサンダルが、逆に転倒リスクを高めている場合もあるので、定期的に買い換えることも重要です。
入浴介助でサンダルを履くデメリット
反対に、入浴介助でサンダルを履くデメリットは、利用者様に関わる以下の2つです。
- 利用者様を怪我させてしまう
- 利用者様のクレームにつながる
職員の身を守るためのサンダルですが、それが逆に利用者様を傷つける可能性があることを知っておきましょう。
利用者様を怪我させてしまうかも?
サンダルを履いた状態で利用者様の足の指を踏んでしまい、怪我をさせてしまったという事例は実際にあります。
これがもし裸足だったら怪我に至らなかった可能性を考えると、サンダルはデメリットにもなると言えます。
職員自身の感染症や怪我防止などのメリットがある反面、利用者様へのデメリットがありどちらを優先するかは悩ましいところです。
状況に応じてサンダルと裸足を使い分けることで、デメリットを解消することも考えるといいでしょう。
クレームを言われる利用者様もいる?
入浴介助の際にサンダルを履いていると、クレームを言われる利用者様もいます。
お風呂の中でサンダルを履くのはおかしいという理由からです。
介護現場ではサンダルを履いて入浴介助をするのが当たり前になっていますが、利用者様からしたら、浴室内で何かを履いていることが受け入れられない方もいます。
もしサンダルに対してクレームがあった場合は、使用する理由を説明し、それでも納得されない場合は、その方だけでも裸足で対応するなど、臨機応変な対応が必要になるでしょう。
入浴介助でサンダルを履く場合は何がいい?
安全性を重視すると、入浴介助の際はサンダルを履いたほうがいいでしょう。
では、入浴介助に適したサンダルとはどう言ったものでしょうか?
ここでは、入浴介助のためのサンダルを選ぶ際のポイントや、おすすめのサンダルをご紹介します。
基本は滑らないタイプのものを選ぼう
入浴介助で職員が転倒しないためにも、必ず滑らないタイプを選びましょう。
底がゴム製であればほとんどが滑りにくくなっています。
ただ中には滑りやすいものもあり、底が薄いビーチサンダルは注意が必要です。
なぜなら、本来は外で履くものを屋内の浴室で使うため状況が異なるからです。
石鹸やシャンプーで濡れた床は、ビーチサンダルだと逆に滑りやすくなるので、浴室内は裸足になるなど、状況に応じて対応方法を変えてみましょう。
安全面を考慮するとクロックスがおすすめ
サンダルだと、どうしても足の指が出てしまいます。
そのため、シャワーキャリーやストレッチャーで誤って足を踏んで、怪我をするリスクはあります。
怪我の防止という理由で入浴時に何か履くのであれば、クロックスがおすすめです。
クロックスであれば、スリッパのように足の指まで隠してくれるので、安全性は高くなります。
ただクロックスは底がすり減ると、かなり滑りやすくなるので注意が必要です。
滑り止め付きスリッパは価格もお手頃
今はネットで「入浴介助・スリッパ」などで検索すると、入浴介助用の履き物がたくさん出てきます。
クロックス同様に足の指まで隠れるスリッパタイプで、滑り止め付きのものも豊富にあります。
値段も手頃なものだと、1,000円ほどで買えるので、消耗品として定期的に買い換えることも可能です。
施設によっては、半年から1年のスパンで、入浴介助用のスリッパを買い替えるところもあります。
入浴介助でのサンダル使用は臨機応変に
ここまで、入浴介助でサンダルを履くメリットやデメリットを解説してきましたが、実際の入浴介助では必要に応じて使用することをおすすめします。
一つ注意したほうが良いのが、施設の方針でサンダルの禁止の場合は、なぜ禁止されているのかを理解した上で入浴介助することが大切です。
利用者様や介助する自分自身の状況、入浴環境などを見極めた上で、サンダルの必要性を判断していきましょう。
利用者様の状況はどうか?
利用者様の状況に応じてサンダルの使用を考えてみましょう。
例えば、以下のような利用者様は入浴介助時にサンダルが必要です。
- 爪白癬などの水虫を持っている
- 体に傷があり出血の可能性がある
- 入浴介助中に排泄をする可能性がある
など。
特に水虫はうつりやすく、裸足の場合は菌が床にある状態で直接触れることになるので、事前に水虫の有無を確認し、サンダルを履いて感染を予防しましょう。
どのような入浴環境であるか?
浴室の床は滑りにくい作りになっていますが、経年劣化により表面の滑りにくい素材が剥がれていきます。
その場合は、濡れているだけで非常に滑りやすくなっています。
そのため裸足のままだと危険なので、滑り止めがしっかり付いてるサンダルを履くことが効果的です。
また、脱衣所も施設によっては滑り止めの対策が取られてないため、濡れてしまうと非常に危険です。
利用者様は滑り止めマットを使用し、職員はサンダルを履くことで転倒防止に努めましょう。
自分自身の身体状況からも判断するべき?
介助する職員自身の身体状況によっても、サンダルを使用するべきか判断できます。
例えば、介助する職員自身の足に傷がある場合は、必ずサンダルを履きましょう。
裸足で介助すると、傷口から細菌が入り感染症を引き起こす危険性があります。
職員は利用者様と一緒に入浴しているのではなく、あくまで入浴のサポートをしています。
利用者様と職員双方の安全のため、入浴介助でのサンダル使用は必要と言えるでしょう。
現役介護職が経験した入浴介助のアクシンデント
最後に実際に起きた入浴介助でのアクシデントを紹介します。
サンダルを使用した場合と、使用しなかった場合の両方のメリット、デメリットが分かりやすい内容になっているので、ぜひ自分の入浴介助で参考にしてみてください。
アクシデント①
サンダルが滑りやすく転倒
前述の通り、クロックスは底がすり減ると非常に滑りやすく危険です。
しかしそのことを知らずに、いつも通りクロックスを履いて機械浴の介助をしていました。
入浴介助が一通り終わり片付けをしている際に、浴室入口付近の脱衣所の床が濡れていることに気付かず、タオルを片付けようと小走りで脱衣所に向かった時に、濡れた床に足を滑らせ尻餅をついてしまいました。
幸い打撲程度でしたが、クロックスを確認すると底がほとんどなく、スキーのように濡れた床の上を滑れるほどでした。
クロックスに限らず、入浴用のサンダルは定期的な交換をしましょう。
アクシデント②
感染症が原因で水虫に?!
入浴介助の際、機械浴以外は浴室内は裸足です。
水虫の利用者様が何人かいることは聞いていましたが、詳しく把握していませんでした。
そのため、知らず知らずのうちに水虫がうつっていき、徐々に足の指の皮が剥けたり、小さな水疱などができる足白癬の症状が出ました。
その後、薬を塗ることですぐに治りましたが、それ以来水虫の人を把握し、入浴介助後は丁寧に足を洗うことを徹底し、感染することはなくなりました。
アクシデント③
シャワーキャリーで自分の指が……
怪我には至りませんでしたが、シャワーキャリーで足の指を踏みそうになったことがあります。
また、サンダルは履いていましたが、指が見えるタイプだったため、機械浴の際にストレッチャーで自分の足の指を潰しそうになったこともあります。
シャワーキャリーもストレッチャーも利用者様が乗っているため、もし足の指を踏んでしまうと大怪我につながります。
今はシャワーキャリーなどで移動するときはサンダルを使用し、洗身洗髪などをするときなど、浴室内に一緒にいる場合は裸足で対応しています。
まとめ
今回は、入浴介助でのサンダルの必要性について解説してきました。
多くの介護施設では入浴介助の際にサンダルを使用しており、職員の身を守ることが利用者様の安全につながることが分かりました。
また常にサンダルを使用して入浴介助をするのではなく、状況に応じて脱いだり履いたりすることも必要と言えるでしょう。
本記事を参考にして、実際の入浴介助でサンダルを使用するかどうかの判断材料にしてみてはいかがでしょうか。
1分で登録OK
ケアきょう求人・転職の無料相談