福祉用具専門相談員はきついのか?詳しい仕事内容ややりがいを紹介!
介護需要が増える中で、今後ますます重要性が高まることが予想される「福祉用具専門相談員」の仕事。
今回は、そんな福祉用具専門相談員のきつい面をはじめ、やりがいや詳しい仕事内容などを紹介していきます。
これから福祉用具専門相談員として働きたい人にとっては参考になる内容なので、ぜひ最後まで読んでみてください。
福祉用具専門相談員の仕事内容は?
福祉用具専門相談員の仕事はきついのでしょうか?主な仕事内容は以下の5つです。
- 福祉用具のレンタル
- 福祉用具の販売・営業
- 福祉用具に関する事務作業
- ケアマネージャーとの関係構築
- 利用者様家族からの福祉用具に関する相談
またこれらの詳しい仕事内容とともに、1日のスケジュールも紹介していきます。
福祉用具のレンタル
福祉用具のレンタルは、以下の流れで進めていきます。
- ケアマネや家族からの依頼
- 利用者様のアセスメント
- ケアマネと相談後ケアプランに反映
- 福祉用具サービス計画を作成
- 福祉用具の選定と調整
- 利用開始後も定期的なモニタリングを実施
- 改善や変更点あれば、福祉用具の変更も検討する
福祉用具を提供したら終わりではなく、その後のモニタリングなど利用者様と継続的に関わることが必要です。
福祉用具の販売・営業
福祉用具はレンタルだけでなく販売もしています。
基本的な流れとしては、レンタルの場合と同じです。
ただ、入浴や排泄関連の特定福祉用具以外の商品を販売する場合は、改めて商品内容や料金の説明をします。
また、販売以外にも営業の仕事があり、ケアマネージャーに自社の福祉用具事業を知ってもらい新規の利用者様を紹介してもらうといったこともします。
その他、介護保険を使った住宅改修の見積もり計算や、改修当日に立ち会ったりするような仕事もあります。
福祉用具に関する事務作業
福祉用具専門相談員の仕事は、福祉用具に関する各種書類の作成や管理、利用者様負担の請求、保険者への代理請求など、事務作業も多くあります。
メインの書類は「福祉用具サービス計画書」で、利用者様が実際に福祉用具を利用する場合に必須の書類です。
ケアマネージャーの作成したケアプランと整合性を確認しながら作成を進めていきます。
福祉用具の種類の豊富さもあって、杖一つにしても色々種類があり、その分事務作業の負担も増えていると言えるでしょう。
ケアマネージャーとの関係構築
福祉用具専門相談員にとって、ケアマネージャーと信頼関係を築くことは重要です。
営業で新規の利用者様を紹介してもらったり、利用者様それぞれに合った福祉用具の選定のために相談するなど、信頼があってこそ成り立ちます。
具体的な関係構築としては、定期的なあいさつ回りや、最新の福祉用具知識を取り入れておくことで、常に提案できるようにしておきましょう。
利用者家族や支援者からの福祉用具に関する相談
福祉用具を使うのは利用者様だけでなく、家族などの支援する人たちも含まれます。
そういった方々の相談に乗るのも、福祉用具専門相談員の大切な仕事です。
相談内容は、杖や車椅子といった福祉用具の使い方だけでなく、自宅に付ける手すりなどを含めた住宅改修の費用についても相談されることが多いようです。
福祉用具を扱う職業ですが、その福祉用具を使うのは人であり、やはり人と人との信頼関係があってこそ成り立つ仕事と言えます。
普段から利用されている方々が気軽に相談できる関係性や雰囲気作りも大切にするといいでしょう。
1日のスケジュールは?
福祉用具専門相談員の1日のスケジュールは以下の通りです。
(あくまで一例で事業所によって異なります)
時間 | やること |
---|---|
8:30 | 出社、朝礼、本日のスケジュール確認など |
9:00 | 電話対応や福祉用具の積み込み作業 |
10:00 | モニタリングのため利用者様のお宅を訪問 |
11:00 | 新規の利用者様のお宅を訪問 |
12:30 | 昼休憩 |
13:30 | 事務所で事務作業 |
14:00 | 新規の利用者様と面談 |
14:50 | 居宅介護支援事業所でケアマネと会議 |
15:30 | 新しい福祉用具の視察、福祉用具メーカーと意見交換 |
16:30 | モニタリングのため利用者様のお宅を訪問 |
17:00 | 会社に戻って事務作業 |
17:30 | 退社 |
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ケアきょう求人・転職の無料相談福祉用具専門相談員の仕事はきついのか?
福祉用具専門相談員の仕事は「きついなぁ…」と感じることがあります。
その中には肉体的なことから身体的なものまでさまざまです。
ここでは、福祉用具専門相談員の仕事で「きつい…」と感じる場面を紹介していきます。
体力を必要とする場面がある
福祉用具専門相談員は外回りが多く、移動している時間が多いので、基礎体力を必要とする仕事です。
その他にも、ベッドや車椅子など比較的、福祉用具の中でも大きめなものを運ぶこともあるため、肉体労働の面もあります。
重いものを運ぶということもあり、腰痛のリスクは高いと言えるでしょう。
その他にも、十分なスペースがない場所で福祉用具の組み立てをする際、不安定な体勢で作業することになり、それも腰痛の危険性を高めていると言えるでしょう。
覚えることが多い
福祉用具専門相談員は、福祉用具に関する莫大な情報を覚える必要があります。
なぜなら、福祉用具は新しい商品が年々開発されているだけでなく、今ある商品の機能を追加することもあり、常にアップデートを図っているからです。
その他にも、福祉用具に関する安全上の説明義務であったり、介護保険などの制度についても学ぶ必要があります。
仕事をしながら常に自らで学ばなきゃついていけない状況が、人によってはきついと感じる原因になっています。
事務作業が多い
福祉用具や制度について学んだら、今度はそれらを言語化して書類にしていきます。
主な書類で言うと「福祉用具サービス計画書」があり、福祉用具利用前に作成し、利用者様またはご家族に渡します。
その他にも、定期的なモニタリングによる報告書も必要です。
福祉用具専門相談員は外回りをしていることが多く、事務作業は基本的にその日の仕事が終わって事業所に帰ってきてから行います。
そのため、まとまった時間もなく、少ない時間で事務作業もする必要があり、きついと感じる要因となっています。
ノルマが課せられることも
福祉用具専門相談員は営業による「ノルマ」を課せられる場合があります。
例えば以下のようなもの。
- 新規の利用者様の契約件数
- 居宅介護支援事業所のケアマネージャーへの営業回数
- 福祉用具販売キャンペーンの受注件数
など
福祉用具に関しては、他の事業所が扱っているものと大きな違いはありません。
そのため、福祉用具専門相談員の営業力や信頼関係の構築が重要です。
地道な営業活動が成果に繋がるというメリットはありますが、結果を求められるとプレッシャーがきついと感じる人も多いようです。
給与面はどうなのか?
福祉用具専門相談員は、特別な資格もなく誰でも研修を受ければできる仕事ということもあり、給与も高いとは言えません。
例えば、福祉用具専門相談員の東京での求人募集を見てみると、多くの事業所では20〜25万円程度の給与となっています。
地方ではこれより低くなることが予想されます。
そのため、仕事の割に給与が低いという理由で辞める方もいます。
福祉用具専門相談員の業務をする場合は、介護職や看護師など他の職種のサブで行うことで、給与面の課題を解消するという選択もあるでしょう。
福祉用具専門相談員はやりがいのある仕事
これまで、福祉用具専門相談員のきつい面を紹介してきましたが、その反面やりがいも多くある仕事です。
ここでは、「利用者様からの感謝の言葉」や「ノルマの達成」など福祉用具専門相談員のやりがいについて解説していきます。
利用者様の自立支援への貢献
福祉用具の目的は、主に利用者様の自立支援と介護負担の軽減です。
したがって、アセスメントやモニタリングを通じて、利用者様一人一人に合った福祉用具を選定することは、福祉用具専門相談員にとって最も重要な仕事です。
もちろん、福祉用具の選定が利用者様の生活改善を左右するという責任も伴います。
ただ選定した福祉用具の結果、利用者様が自分でできることが増えて生活しやすくなることは、大きな喜びになりやりがいを感じる瞬間でもあります。
利用者様や家族の不安を解消
福祉用具は、利用者様の自立支援をサポートするとともに、生活上の不安を解消する効果もあります。
例えば、寝室からトイレまでの間に手すりを付けることで、それまであった転倒の不安が解消されます。
それは利用者様だけでなく、心配するご家族の不安も解消してくれます。
福祉用具専門相談員が福祉用具によって身体的サポートをすることは、利用者様やご家族のメンタルケアにまで効果をもたらすということです。
福祉用具の選定が、その後の人生を変えると言っても過言ではないでしょう。
利用者様からの感謝の言葉
福祉用具専門相談員は、利用者様に直接的な支援をするわけではないですし、ケアマネージャーやヘルパーのように、頻繁に会うことはありません。
しかし、少ない訪問回数でも、福祉用具によって生活を支援することで信頼関係が生まれ「ありがとう」と感謝の言葉をいただくこともあります。
また、自分が選んだ福祉用具で、利用者様の生活が改善され喜ぶ姿を見ると、自分の選択は間違ってなかったと時間でき大きなやりがいへと繋がるでしょう。
福祉用具は体への支援だけでなく、心の支援も担っていると言えるでしょう。
ノルマの達成
事業所によっては、福祉用具専門相談員に対して販売や営業のノルマを課しているところもあります。
仕事がきついという部分で、ノルマについてはお伝えしましたが、努力してノルマを達成することは大きなやりがいと言えます。
また、営業成績によってインセンティブが貰える場合もあり、頑張った結果が給与に反映されれば、やりがいに繋がっていくでしょう。
きついことだからこそ、その分やりがいも感じやすいと言えるでしょう。
他職種からの信頼
福祉用具専門相談員は、色々な職種の方と関わります。
利用者様を紹介してくれたり、福祉用具の相談などをするケアマネージャーをはじめ、実際に福祉用具を利用する機会がある介護職やリハビリ職などもいます。
そういった方々と利用者様の幸せのために協力する過程で、信頼関係が生まれていきます。
そして福祉用具のスペシャリストとして、さまざまな職種の方々から頼りにされることは大きなやりがいへと繋がるでしょう。
福祉用具専門相談員になるには?
福祉用具専門相談員になるには、どういった資格や経験が必要なのでしょうか?
ここでは、福祉用具専門相談員になるために必要な研修や資格を紹介していきます。
今後、福祉用具専門相談員として働きたいと思っている方には参考になる内容です。
必要な資格は?
福祉用具専門相談員は「福祉用具専門相談員講習」を受講すると働くことができます。
内容は、都道府県指定の事業者が開催する6カリキュラム50時間の講習と修了評価試験です。
また、以下の資格を持っていれば、講習を受けなくても福祉用具専門相談員として働くことができます。
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 保健師
- 看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 義肢装具士
講習については誰でも受講可能で、経験やスキルなどなくても未経験から福祉用具専門相談員になることも可能です。
研修や更新は必要?
資格や講習の中には、ケアマネージャーのように更新が必要なものもあります。
福祉用具専門相談員は、現時点(2022年8月16日現在)では更新研修などはありません。
しかし、「福祉用具専門相談員には常に最新の知識が必要」という理由で、更新制の検討が話し合われています。
更新制にすることで、福祉用具専門相談員の質の担保になるかもしれませんが、時間や経済的負担が増えるだけなのではという懸念もあるでしょう。
慎重な議論をした上での制度化を願います。
こんな人は福祉用具専門相談員に向いてる?
福祉用具専門相談員は、ただ単に福祉用具に詳しければいいというわけではありません。
他人への気遣いや、新たな知識への探究なども必要です。
ここでは、福祉用具専門相談員に向いている人の特徴を紹介していきます。
コミュニケーション能力
福祉用具専門相談員は、利用者様やご家族をはじめ、ケアマネージャーや福祉用具のメーカー担当者など、さまざまな方々と関わる仕事です。
そのため、人とのコミュニケーションが好きな方は向いていると言えます。
また色々な人と信頼関係を築く必要性があることからも、他人への気遣いや思いやりがあることも大切です。
他人と協力して何かを成し遂げたいという人は、福祉用具専門相談員に挑戦してみてもいいでしょう。
観察力
他人の細かい変化や環境の違和感に気づける観察力がある人は、福祉用具専門相談員の素質があるでしょう。
福祉用具を選定する際に、利用者様の状態をよく観察する必要がありますし、モニタリングで変化に気づくことで、その時の最適な福祉用具に変更することにも繋がります。
また、身体的な変化だけでなく、心理的な変化にも敏感に気づくことで、心身ともに適切な福祉用具を選定できます。
観察力は、福祉用具専門相談員にとって重要な要素と言えるでしょう。
好奇心
福祉用具は年々進化した商品が開発されており、最新の情報をキャッチする好奇心が必要な職種です。
新しいことを好奇心を持って意欲的に学べる人は、福祉用具専門相談員に向いていると言えるでしょう。
常に新しい知識を取り入れておくことで、多様なニーズを持つ利用者様に対して、最適な福祉用具を選定できる幅が広がります。
自分自身の学びが、利用者様に還元できることはやりがいにも繋がります。
体力への自信
先述でもありましたが、福祉用具専門相談員は体力の必要な仕事です。
例えば、ベッドや車椅子など大きな福祉用具を搬入することもあり、その際は自ら運ぶこともあります。
そのため、体力に自信があるという方が向いている仕事と言えます。
また重いものを持つ以外にも、外回りが多く色々なところに移動するので、基礎体力も必要です。
普段から体を鍛えていたり運動をされている方は、福祉用具専門相談員として活動的に働くことができるでしょう。
介護への興味
福祉用具のことだけでなく、介護に対して興味を持っている人は、福祉用具専門相談員として活躍できるでしょう。
なぜなら、福祉用具の発展は介護業界の変化とともに進んでおり、福祉用具専門相談員は福祉用具が実際に使われている介護の現状を把握しておくことが重要だからです。
支援する側の負担など、介護の現状を知っておくことで、利用者様一人一人に最適な福祉用具を選定しやすくなります。
実際に働く介護職員と情報交換したり、介護業界の最新ニュースをチェックするなど、今後の動向に注目していきましょう。
福祉用具専門相談員の将来性は?
ここまでお伝えしたとおり、福祉用具専門相談員はきついと言われていますが、やりがいも多くある素晴らしい仕事です。
そして今後も増え続ける介護の需要とともに、福祉用具専門相談員の必要性も高まっていくでしょう。
ここでは、福祉用具専門相談員の将来性について解説していきます。
日本の高齢化はますます加速する?
日本の高齢化率は、令和元年時点で28.4%となっています。
また、後期高齢者である75歳以上は人口の14.7%で、7人に1人の割合です。この割合は今後も伸び続けることが予想されています。
高齢化率が上昇すれば、その分介護を必要とする方も増えていき、その結果、福祉用具の需要も高まっていくでしょう。
そして、現状の介護保険制度において、福祉用具貸与を行う事業所では、福祉用具専門相談員の2名以上の配置が義務化されています。
こういったことから、福祉用具専門相談員が今後も一定の需要を保つことは明らかです。
給与面の改善は?
介護職をはじめケアマネージャーなど、介護業界の職種の給与は年々増加しています。
これは介護の需要が高まっているからと言えます。それに伴い、福祉用具の需要も高まることから、福祉用具専門相談員の給与も増加していくことが予想されます。
ただ、福祉用具専門相談員のみだと効率的に給与アップを図るのは難しいでしょう。
したがって介護福祉士や看護師など、介護や医療の資格と組み合わせながら働くことで、より効率的に給与アップをすることができるでしょう。
AIには難しい仕事?
ITの発展とともにAIが誕生し、人間が行う必要がなくなる仕事があります。
例えば、スーパーのレジや事務受付などです。
一方で福祉用具専門相談員など、介護医療福祉関係の仕事は、AIに仕事を奪われない仕事と言われています。
なぜなら、実際に人間の目で利用者様と面談しないと、その方に合った福祉用具を選ぶことは難しいからです。
逆に、福祉用具専門相談員がきついと言われる理由である多くの事務作業を、AIによって削減できることは、IT化の大きなメリットでもあります。
介護職のキャリアアップのきっかけにも?
先ほど、福祉用具専門相談員は、介護職などの職種と組み合わせることで給与アップを効率的にできるとお伝えしました。
反対に、現在介護職をしている方のキャリアアップの選択肢として注目されています。
例えば、施設で介護職員をされている方が、福祉用具専門相談員としても働くことで仕事の幅が広がります。
また職場によっては、福祉用具専門相談員として働くことで、別に手当を付けてくれる場合もあります。
活動の幅を広げながら出会う人や環境の変化によって、自分自身のキャリアの選択肢も広がっていくでしょう。
在宅介護の需要が追い風に?
介護を必要とする人が増える中で、介護職の人材不足が懸念されています。
仮に今のまま介護職が増えない場合は、2025年に約32万人の介護職が不足するという予測です。
そのため、政府は施設ではなく在宅で介護を受けながら生活できるようにすることや、介護予防の強化を図っています。
すなわち、できるだけ在宅で生活ができるようにすると言うことです。
これによって、自宅での生活をサポートするための福祉用具の需要が増えることが予想されます。
したがって福祉用具専門相談員は、在宅介護の促進が追い風となり、ますます必要性が高まると考えられるでしょう。
まとめ
今回は、福祉用具専門相談員がきついと言われる仕事内容や、その中で感じるやりがいや将来性について解説しました。
福祉用具専門相談員の仕事は、福祉用具に関すること以外にも、多くの事務作業や営業、福祉用具の搬入による体力仕事などきつい面はあります。
しかし、利用者様の生活改善を担っていたり、ケアマネージャーなど他職種から信頼されるなど、多くのやりがいがあります。
また介護需要の増加とともに、福祉用具専門相談員の必要性も高まっています。
AIにはできない仕事であり、今後も福祉用具専門相談員は、さまざまな悩みを持つ利用者様に対して、福祉用具を通じてサポートするやりがいある仕事と言えるでしょう。
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