デイサービスで働く介護職の給料はどれくらい?他の介護施設と比べて低い?

施設タイプ紹介
2022/07/23

デイサービスとは要介護認定を受けている高齢者の方が日帰りで利用する介護施設です。
ご利用者様が在宅で自立をした生活を送ることができる支援を行います。

よくある疑問で「デイサービスって他の介護施設と比べて給料が低いの?」
という声が聞かれます。

そこで、この記事では

  • デイサービスで働く介護職の給料事情
  • デイサービスの介護職員が年収を上げるには
  • デイサービスに向いてる人の特徴

について解説します。

デイサービスで働く介護職の給与事情

デイサービスの給与の実情はどうなっているのでしょうか?

  • 他の介護施設との比較
  • 正社員とパート・アルバイトとの違い
  • 資格と給与の関係
  • 夜勤の有無と給与の関係

について解説していきます。

介護施設ごとの平均給料額

厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、
介護施設ごとの平均給与額は以下の表の通りとなっています。

介護施設毎の平均基本給・給与一覧表(常勤)

施設名 平均基本給額(月給) 平均給与額(月給)
デイサービス 180,540円 280,600円
介護老人福祉施設(特養) 191,530円 350,430円
介護老人保健施設(老健) 177,670円 338,920円
グループホーム 170,640円 287,770円
有料老人ホーム 180,500円 322,020円
訪問介護 186,960円 306,760円
小規模多機能型居宅介護 173,080円 287,980円

参考:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」

基本給とは事業所から支給される手当や賞与を除いた金額であり、給与とは手当などを含む、事業所から受け取る全てを含めた金額です。

正社員とパート・アルバイトの給与比較

デイサービスの正社員(月給・常勤)パート・アルバイト(非常勤・日給・時給)の給与額(総額)については以下の表の通りとなっています。

デイサービスの雇用形態別給与一覧表

給与形態 常勤 非常勤
月給 280,600円 190,480円
日給 210,230円 121,860円
時給 201,180円 109,710円

参考:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」

パート・アルバイトの場合は給与が下がる分、勤務時間やシフト調整に融通がききます。
正社員については勤務時間や日数が固定され責任が多い分、待遇については比較的よくなる特徴があります。

資格保有者の方が平均給与額が高い

介護施設では資格手当を導入している施設も多くあり、資格保有者の方が平均給与額が高い傾向があります。

厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」では、デイサービスに勤める資格保有者の給与平均は以下の表の通りとなっています。

デイサービスに勤務する保有資格毎の平均給与額

保有資格 平均給与額
介護福祉士 294,980円
社会福祉士 328,870円
介護支援専門員(ケアマネ) 338,380円
実務者研修 274,270円
介護職員初任者研修 266,200円
保有資格なし 249,830円

参考:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」

デイサービスの給料が低いのは夜勤がないから

デイサービスが他の介護施設と比べて給料が低い理由として、夜勤がないことが挙げられます。
調査資料を見てもデイサービスと他の介護施設にはそこまで大きな違いがありません。
しかし、特養や老健などの入所施設では夜勤があります。
その際に発生する夜勤手当が給与の違いとなっています。

ちなみに介護施設の夜勤手当の額は大体5,000〜12,900円の間に収まり、平均額は7,740円となっています。
1回5,000円とすると月4回入れば20,000円です。
体への負担がかかる夜勤がない分、給与が低いのは仕方がないかもしれません。

夜勤が苦手な人にはデイサービスの勤務がおすすめ

夜勤が苦手だという人はデイサービスに勤務するのをお勧めします。

夜勤は手当によって収入アップが望める反面、不規則な勤務で体調を崩しやすく、また職員数が少ない時間の勤務のため責任のある勤務です。
体力面、体質的な向き不向きも当然あります。

また自分や家族の体調不良(小さなお子様等)で、急なお休みの可能性が高い人も夜勤だと代わりに勤務できる人を探す必要があります。
日勤のみであるデイサービスであれば比較的調整もしやすいでしょう。

多少の時間帯が早いシフトや遅いシフトも存在するデイサービスもありますが、比較的毎日の生活リズムを崩すことなく働くことができます。

ケアきょうでは介護職の夜勤のメリット・デメリットについて解説した記事があります。
興味のある方はこちらの記事もご覧ください。

デイサービスの介護職が年収を上げるには?

夜勤がなく、他の介護施設より年収が低い傾向があるデイサービスで年収を上げるにはどのようなことをすれば良いんでしょうか。

そこで

  • 経験年数を積む
  • 管理職に就く
  • 初任者研修などの資格を取得する
  • 転職する

の4つの方法を紹介します。
順番に見ていきましょう。

経験年数を積む

職場の給与制度に昇給があるデイサービスであれば、経験年数を積んでいくことが年収を上げるための有効な方法となります。
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、デイサービスで働く介護職の経験年数毎の平均給料額は以下の通りとなっています。

経験年数 平均給料額
1年(勤続1年〜1年11ヶ月) 173,930円
3年(勤続3年〜3年11ヶ月) 171,430円
5年(勤続5年〜5年11ヶ月) 173,830円
8年(勤続8年〜8年11ヶ月) 174,550円
10年(勤続10年〜10年11ヶ月) 197,990円
15年(勤続15年〜15年11ヶ月) 194,690円
20年以上 233,580円

参考:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」

1年目が173,930円に対し、10年目が197,990円、20年以上となると233,580円と上がっていることがわかります。
遠回りかもしれませんが、地道にコツコツと経験を積むことが年収アップに一番確実な方法かもしれません。

管理職に就く

出世を目指し管理職に就くことも年収を上げるのに有効です。
通常の介護職よりも責任のある立場になることで役職手当が支給されたり、基本給そのものが上がるケースもあるでしょう。

厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況調査結果」でもデイサービスの管理職でない場合の平均給与額は274,160円に対し、管理職は34,190円約3万円の差があります。
また、転職するにあたっても管理職の経験は有利に働くでしょう。

とはいえ管理職には誰もがなれるものではありません。
明確な資格などは定められていませんが、十分な経験や介護スキル、マネジメント能力などが必要です。

また、デイサービスに必ず配置される生活相談員になるためには社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員といった資格が必要となってきます。

初任者研修などの資格を取得する

初任者研修などの介護に関わる資格を取得することも年収を上げるためには重要です。
資格手当が支給されたり、給与体系に反映する事業所もあるでしょう。

また、2019年2019年10月から新設された「介護職員等特定処遇改善加算」では
「勤続10年以上の介護福祉士に対して、月8万円相当の処遇改善を実施する」
という方針に基づき運用されています。
このことからも、今後介護職として働く上で資格を取得することは年収アップに大きく関わってくることが予想されます。

現在介護職の資格がないのであれば、まずは初任者研修から受講してみることをおすすめします。
ケアきょうでは初任者研修について詳しく解説した記事があるので興味のある方は見て見てください。

転職をする

他のデイサービスに転職をすることで年収が上がる可能性も十分に考えられます。
デイサービスは数多く存在し、大手が運営している事業所から個人で運営している事業所など様々です。
運営方針や業績などで当然給与体系も違ってきます。

実際に転職しなくても、転職活動にて他の施設の給与事情を知ることができます。
気になる方は一度調べてみてもいいかもしれません。

ケアきょうでも転職相談を行っています。
もし他のデイサービスの給与時事情が知りたい方はコチラへお気軽にご相談ください!
ケアきょう転職相談フォーム

デイサービスに向いている人の特徴

デイサービスに向いている人の特徴として

  1. 人とのコミュニケーションが好き
  2. 人を楽しませるイベントやレクリエーションが好き
  3. 規則正しい生活を送りながら仕事をしたい人

が挙げられます。

①人とのコミュニケーションが好きな人

デイサービスは他の介護施設に比べレクリエーションも多く、自宅で日常生活を送りながら利用するため業務の中のコミュニケーションの割合が高いです。
話し上手、聞き上手なコミュニケーション能力の高い方は、いるだけで重宝されること間違いありません。

②人を楽しませるイベントやレクリエーションが好き

デイサービスは他の介護施設に比べイベントやレクリエーション業務が多いです。
利用者さんを楽しませるために、デイサービスの職員はいつも思考錯誤しています。
もし介護技術が苦手な方も

  • イベントを考えるのが好き
  • ゲームの司会進行、盛り上げるのが得意

などの特技がある方は間違いなく大活躍するでしょう。

③規則正しい生活を送りながら仕事をしたい人

デイサービスは基本的に日勤しかなく、利用時間を過ぎると利用者さんは自宅に帰られるので

  • 規則正しい生活を送りたい人
  • 家庭やプライベートを大切にしながら働きたい人

にとって働きやすい職場となるでしょう。

しかし、先述した通り夜勤がない分、収入が低い傾向があることは覚えておきましょう。

まとめ

デイサービスにて勤務する場合、基本給は他の介護職と大きく変わりはありません。
しかし、手当等を含める給与は夜勤手当がないため低い傾向があります。

しかし、デイサービスでも

  • 経験を積む
  • 管理職につく
  • 初任者研修などの資格を習得する

など、年収を高める手段があることも覚えておきましょう。

デイサービスは行事やレクリエーションが充実しているため

  • 利用者さんとコミュニケーションをとりたい方
  • 利用者さんをとにかく楽しませたい方

にとってもピッタリの職場です。

この記事を読むことで、読者の方々の職場選びの参考になれば幸いです。

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