【介護福祉士試験】効率的な勉強方法や受かるコツを解説!

資格取得
2022/07/21

介護に関係する資格として最もメジャーである介護福祉士
取得することでスキルや技術が身に付くことはもちろん、待遇面でも資格の有無で大きく差が出ることもあります。
そんなメリットの大きい介護福祉士ですが、誰でも簡単に取得できるものではなく、毎年1月に行われる国家試験に合格する必要があります。

そこでこの記事では、介護福祉士試験に関する効率的な勉強方法や、必要な勉強時間などを解説します。

是非とも最後までお読みいただき、試験勉強に役立てていただければと思います。

介護福祉士資格とは?

介護福祉士とは介護に関わる一定の知識や技能を修得していることを証明する、介護の分野での唯一の国家資格です。

介護福祉士の役割として

  • 介護が必要な方に対して必要な介助をする
  • 相談に応じてアドバイスをするなど、介護者の心身を支える

ことが主な仕事となります。

また、家族を介護する方や介護現場で働くヘルパーさんに対して指導やアドバイスをすることも役割の一つとされています。
介護福祉士は介護現場のリーダー的存在として期待されているといっても過言ではないでしょう。

介護福祉士を取得するためには年に1度の試験に合格しなければいけません。
筆記試験は例年1月下旬に、実技試験は3月上旬に実施されています。

なお、2016年度以降に受験資格のある方のほとんどは実技試験が免除される場合が多いです。

よって介護福祉士を取得するには筆記試験に合格することが重要となります。

合格点や合格ラインは?

介護福祉士に合格するには、試験センターから
「介護福祉士筆記試験を125点満点中6割である75点をとる必要がある」
と示されています。
実際には基準である75点に、その年の問題の難易度を加えて補正された点数が合格点となります。

また、問題は11の科目群に分かれており、全ての科目群で得点があることも必要です。
総得点が75点以上でも、11科目のうち一つでも0点があれば不合格となります。

過去の合格点の推移

過去の合格点としては

年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度 令和3年度
合格点 77点 72点 77点 75点

となっています。
合格点が80点を超えることはここ数年みられないので、80点を目標に勉強をするのがよいでしょう。

介護福祉士国家試験の対策方法

介護福祉士国家試験の試験対策として

  • 独学
  • 通信講座
  • 通学

の3通りがあります。

自分に合わない勉強方法を選ぶと不合格になったり、無駄なお金や時間を使うことになります。

読者の皆さんが自分に合った方法を選べるよう、それぞれの試験対策にどのような特徴・メリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

独学

メリット

独学を選ぶメリットとしては費用が最も安いことがあげられます。
かかる費用はテキスト代くらいです。
参考書や問題集などのテキストは高くても3000円程度で、インターネットやアプリなどを使えば無料で勉強することも可能です。

また、自分のペースで勉強時間を決めることができるのも特徴の1つです。
働きながらの受験となると、スケジュール管理がとても大変です。
働いていれば忙しい時期と余裕がある時期が当然でてきます。

そのような時に
「来月は忙しいから、今月まとめて勉強しよう!」
と気軽に調整できるため、生活への負担は最も少なく済むでしょう。

デメリット

独学のデメリットとしては勉強に対するモチベーションの維持が難しいことがあげられます。

自分の意志で机に向かわなければならないので、娯楽等の誘惑に対して打ち勝つ精神力が必要です。

また、わからないことを誰かに聞けないのもデメリットの1つです。
すべて自分で調べなければいけないので、勉強に躓くと尚更モチベーションの管理が難しくなるでしょう。

通信講座

メリット

通信講座のメリットとしては、勉強のプロが立てたスケジュール、内容で効率よく勉強ができることです。

また、わからないことがあればメールやチャットですぐに質問することができるので
「わからなくて一人で抱え込む」
ということは少ないでしょう。

また、スマートフォンやパソコンがあればどこでも勉強することができます。
わずかな隙間時間も利用することができるため、効率よく勉強を進められるでしょう。

デメリット

通信講座のデメリットとしては、独学よりも若干費用が高くなってしまうことです。
講座の内容にもよりますが、一般的に費用として2〜10万円程度するようです。

当然、高額であればサポート内容も充実します。
よって自分に必要なサポートを見極めてから受講する必要があるでしょう。

また独学と同様に勉強に対して一人で取り組むため、モチベーションの管理も難しいという側面があります。

ケアきょうでは介護福祉士の通信講座についてまとめた記事がありますので、興味のある方はコチラへどうぞ。
介護福祉士 通信講座7社を徹底比較!失敗しない予備校選びとは?

通学

メリット

通学のメリットは勉強へのモチベーションが維持しやすいことです。
「介護福祉士合格」という同じ目標を持つ仲間と一緒に勉強するため、独学、通信講座に比べ圧倒的に挫折しにくいでしょう。

また、勉強を進める上で分からないことがあれば、すぐに質問し解決することができます。
圧倒的にサポートが充実しているのが通学のメリットと言えるでしょう。

デメリット

通学のデメリットとしては他の方法に比べ費用が高くなってしまうことです。
短期講座では3万円〜7万円、長期講座では20万円近くすることもあります。

また、通学しなけらばいけないため日程の調整が手間になることがあります。
働きながら合格を目指す方も多いと思うので、仕事と通学の両立は大きな負担になるかもしれません。

※費用が高いことはデメリットにもなりますが、「サンクスコストバイアス」といい、
「高いお金をかけたから勉強して合格しないともったいない!」
という心理状態からモチベーションの向上に役立つことがあります。
「どうしても今年は合格したい!!」
という方はあえてこのデメリットを選んでもいいかもしれません。

介護福祉士国家試験に合格するための勉強方法

続いて、独学で介護福祉士国家試験のための具体的な勉強の仕方について解説します。
流れとしては以下の通りです。

  • 問題集選び
  • 試験の全体像の把握
  • 暗記とテストを繰り返す
  • 模擬試験

限られた時間を有効に使うためにも勉強のポイントを抑えることが重要です。
1つずつ詳しく見ていきましょう。

介護福祉士試験の勉強を始める上では必ず自分に合ったテキスト・問題集を選ぶようにしましょう。

問題集にも

  • 過去問題集
  • 模擬問題集

とがあり、どれが自分にとって使いやすいかを見極める必要があります。

テキストの内容も

  • 文字が多いもの
  • 図解が多いもの
  • 解説が多いもの

など様々あるので実際に書店へ足を運び、購入する前に本を開き中身を確認するようにしましょう。

よくテキストや問題集を何冊も揃える方がいますが、合格者の声を聞くと
「テキスト1冊」「問題集1冊」
と絞って取り組んだ方が効果が高いようです。

ケアきょうではテキストについて詳しく解説している記事があります。
テキスト選びで悩んでいる人はコチラも参照ください。

【介護福祉士試験】受験対策!最高の過去問の参考書は!?受験生必見!

まずは過去問で試験の全体像や傾向を把握する

勉強をする道具が揃ったら、過去問を見て試験の全体像を把握しましょう。

出題される科目は11科目と決まっており、一度全体を見ることで

  • 自分が得意な分野
  • 自分が苦手で重点的に勉強をしなければいけない分野

などを掴むことができます。

ガムシャラに勉強をするのもいいですが、すでに覚えていることを繰り返し勉強しても意味がありません。

勉強は短距離走でなく長距離走、マラソンと一緒です。
長い時間をかけるのなら最初にしっかりと全体像を把握し、効率よく進められるようにしましょう。

暗記とテストを交互に行う

試験の全体像が掴めたら勉強を開始します。
勉強の進め方としては暗記とテストを交互に行うようにしましょう。

人間の記憶には「短期記憶」「長期記憶」の2種類があります。
介護福祉士試験に合格するには、勉強した内容をいかに長期記憶に入れるかが重要です。

そのために有効な方法がインプットとアウトプットを繰り返すことです。

  • 暗記をすることでインプット→短期記憶
  • テストで知識を使うことでアウトプット→長期記憶

と、効率よく頭に入れることができます。

知識は一度覚えるだけでは忘れてしまいがちですが、実際に使うことで忘れにくくなります。
この方法は勉強以外のあらゆる知識を覚えることにも有効ですので、様々な分野で生かしていただけたらと思います。

模擬問題集で力試しをする

ある程度知識が身についたら模擬問題集に挑戦してみましょう。

  • 実際にどのくらいの実力があるのか?
  • 苦手な分野はどこか?

などを知ることができます。

また、模擬問題集を行うことで本番に向けて自分を慣らすことにも繋がります。
模擬問題集の中には実際に会場へ足を運び模擬試験形式で行うもの、自宅で模擬試験形式で行うものなどがあります。
自分の生活に合ったスタイルで力試しをしてみましょう。

​​​​​​介護福祉士国家試験 間違った勉強方法4選

いくら勉強をしても介護福祉士国家試験に落ちてしまう人は一定数います。

そこで、落ちる人に共通する間違った勉強方法

  • 過去問を解かない
  • いきなり暗記しようとする
  • 暗記の方法が非効率

について詳しく見ていきましょう。

その1 過去問をとかない

介護福祉士を受験するにあたって過去問を試験直前までやらない人がいます。

過去問とは試験を作る人が「理解してほしい」というポイントが詰まっています。
つまり実際に出題された内容は重要なポイントであるということです。
よって次の試験にも出る可能性が高いといえます。

もちろん全てがそのまま出題されるわけではありません。
しかし、同じ領域から問題が出される可能性は非常に高いといえます。
効率的に試験勉強を進めたいのであれば、重要なポイントが集まっている過去問は最初から積極的に取り組んだ方がいいでしょう。

その2 いきなり暗記しようとする

テキストを頭から暗記しようとする人がいますが、この方法は効率的とはいえません。
理由としては

  • モチベーションが下がってしまう
  • テストに出ない部分を覚えるのに時間を使ってしまう

があります。

テキストには非常に膨大な量の情報が書いてあります。
全ての情報を細部まで覚えることは、介護職として働く上では確かに役に立つでしょう。
しかしテキストのページがなかなか前に進まず、モチベーションを維持することは非常に困難となります。

テキストの正しい使い方としては

  • 問題を解いて理解できないことを調べるのに使う
  • ある程度勉強してきた時に理解を深めるのに使う
  • 読みものとして楽しむ

という位置付けがいいでしょう。

その3 暗記しかしない

勉強をするときに暗記に多くの時間を使っている方がいますが、この方法は効率がいいとはいえません。

試験を解くには試験範囲を思い出すことが必要になります。
そのためには

  • 理解する
  • 暗記する
  • 問題を踏まえて思い出せるようになる

という手順が必要です。

しかし「暗記する」だけに特化してしまうと思い出す訓練ができておらず、いざ試験で思うように問題を解くことができないかもしれません。

勉強を進める上では暗記だけでなく

  • 問題を解くこと
  • 暗記した内容を他人に説明する

といったことをすると効果的です。

暗記だけをするのは「覚えたつもり」になっていることがあるので注意しましょう。

その4 暗記の方法が非効率

せっかく勉強しているけど暗記の方法が非効率であり、ほとんど身につかないこともあります。
特に多いのが眠気にあらがって勉強を進めるということです。

介護福祉士試験は働きながら受験する方が多いので、勉強時間の捻出に苦労するのは理解できます。

しかし、睡眠時間を削って眠いのを我慢しながら勉強するのは非常に効率が悪いです。
眠るのを我慢することで精一杯になり、集中もできず暗記することはほぼ不可能でしょう。
挙句の果てには翌日の仕事にも悪影響を及ぼすかもしれません。

おすすめの勉強法としては

  • 朝早く起きて勉強する
  • 眠くならないように食事の前に勉強する
  • タイマーなどを用いて集中できるよう工夫する

などがあります。
健康を維持しながら集中して勉強をできるよう工夫していきましょう。

これらの内容はケアきょうの動画でも詳しく解説しています。
興味のある方はコチラへどうぞ!

介護福祉士国家試験取得に要する目安の勉強時間

実際に試験に合格する人はどの程度の勉強時間を確保しているのでしょうか?

  • 1年間の勉強スケジュール
  • 1日の勉強時間
  • 合格者の実際の勉強時間

について見ていきましょう。

1年間の勉強スケジュール

勉強を進めていく上では負担を少なく進めていくことが重要となります。
よって無理な勉強時間の継続は逆効果です。
1日10分、15分でも集中できる時間を作り、コツコツとやっていきましょう。

また「勉強時間に対し成績の伸びが悪い」という方もいますが、成績というのは勉強時間と比例して上がるとは限りません。
停滞期を経て、ある時一気に成績が上がる方がほとんどです。
年間を通して焦らずじっくりと取り組んでいきましょう。

1日の勉強時間は?

合格までに必要なトータル勉強時間は250時間と言われています。
よって250時間を勉強日数で割った時間を目安にするといいでしょう。

  • 3ヶ月前から勉強を始めるのであれば1日2〜3時間
  • 半年前から始めるのであれば1日1時間程度

と考えるといいと思います。

合格者はどれくらい勉強時間をとった?

実際の合格者の勉強時間は、正直なところ人それぞれのようです。
介護職としての仕事内容がそのまま勉強に繋がることもあるので、1ヶ月前から1日30分程度で合格をする人も入れば、3ヶ月前から1日1時間を確保した人もいます。

また勉強法も人それぞれ違い、ケアきょうがインタビューした合格者の声として

  1. テキストの流し読み
  2. テキストの穴埋め問題の口頭での暗記を繰り返す
  3. 試験日が近くなると過去門4〜5年分を最低3回取り組む
  4. 100%を目指さない、60%を目指して取り組む

と地道に努力を重ねた人もいれば
「受験講座を利用し資格試験のプロにポイントを教えてもらい、短時間で合格した」
という人もいます。

とはいえ短い時間で喜べるのは合格した人だけです。
これから試験を受ける人は、地道に勉強時間を確保するのが得策と言えるでしょう。

介護福祉士国家試験に受かるコツとは?

介護福祉士に受かるコツとして

  • 学習計画を立ててコツコツ取り組む
  • モチベーション維持の為の工夫をする
  • 本試験は万全の体調で臨む

があります。
1つずつ見ていきましょう。

学習計画を立ててコツコツ取り組む

合格をするための一番の近道はやはり継続し、コツコツと学習に取り組むことです。
継続するためには計画が重要です。自分に無理のない学習計画を立てていきましょう。

計画を立てる上で注意しなければいけないのが、計画通りにいかない時にモチベーションが下がってしまうことです。
これを「どうにでもなれ効果」といいます。

これを防ぐためには、計画的に「サボる日」を入れておきましょう。そうすることで
「明日はサボる日だから今日は頑張ろう!」
とモチベーションを維持しやすくなります。

繰り返しますが勉強は継続が大事。無理のない学習計画を立てていきましょう。

モチベーション維持の為の工夫をする

勉強を進める際はモチベーションの維持ができるよう工夫しましょう。
方法としては

  • お金をかけて「合格しないとお金が無駄になる!」という状態にする
  • 勉強仲間を作り、お互いに勉強時間や進捗状況を報告しあう
  • モチベーションが低い状況でもできる勉強量にし、徐々にそれを上げていく

などがあります。

人間は常にモチベーションを高い状態にするのは不可能です。
下がる前提で対策を立てていきましょう。

本試験は万全の体調で臨む

試験当日は必ず万全な体調でいるよう調整してください。
前日のお酒は控える前日は早めに寝て余裕を持った時間に起きるなど、基本的なことをしっかりやりましょう。
当日に体調を崩しては今までの苦労が全て水の泡です。何のために頑張ったかわかりません。
120%の実力を出せるように調整をしていきましょう。

まとめ

この記事では介護福祉士の資格についてと合格するためのポイントについて解説しました。
介護福祉士の資格を取ることにも当然意味はありますが、資格をとる上で勉強し、努力を重ねていくことにも自分の成長につながります。
この記事を読んだ皆さんが来年の春以降、介護福祉士として大活躍することを祈っております。

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