【介護職の看取り介護】信頼関係を築くご家族への声掛けの方法とは?

業務支援
2022/07/12

介護施設で看取り介護を行う際、誰もが利用者様を大切にケアしていると思います。
しかし忘れてはいけないのが「ご家族の心のケア」、自分の家族の最期の時が迫ることで不安な気持ちになっています。

とはいえ普段会わない家族と接するのは緊張するもの。
「私の言動で印象が悪くならないかな?」
「クレームになったりしないかな?」
とは誰もが心配になるものです。

そこで、この記事では看取り介護を行う上で、ご家族との信頼関係を築く声掛けの方法について紹介します。

介護施設での看取り介護は増えている

少し前まで看取りは自宅や病院で行うのが一般的でしたが、平成18年に看取り介護加算が導入されてから、看取り介護を行う介護施設は年々増えてきています。
特別養護老人ホームはもとより、介護付き有料老人ホームやグループホーム、老健でも可能となりました。

「人生の最後は住み慣れた場所で看取られたい」
という思いから病院などで最期を迎えるよりも、少しでも住み慣れた場所で最期の瞬間を迎える選択をする方が増えているようです。

家族にって看取りの精神的負担は大きい

看取りは家族にとって大きな精神的負担を与えます。
本人・ご家族が選択する看取りケアですが、高齢であるとはいえ人の死に関わることです。
「本当なら家族の手で世話をしてあげたい」
「残された時間は少しでも一緒にいてあげたい」
など様々な思いが浮かぶでしょう。

実際に看取り介護を行う施設との信頼関係が構築できていない場合、このような不安はさらに大きくなっていくでしょう。
少しでも精神的負担を和らげるためにも、ご家族に対する声かけや心のサポートが重要となります。

介護職員がご家族の為にできる声がけや心のサポート

看取り介護を行う上で、ご家族の精神的負担を和らげるために介護職員はどのようなことができるのでしょうか?

  • 利用者様の入所時
  • 看取り介護前
  • 看取り介護中 安定期
  • 看取り介護中 不安定期・低迷期
  • 看取り期
  • 死亡確認時

の6つの場面に分けて見ていきましょう。

利用者様の入所時

入居時に利用者様が元気な状態であっても、終末期をどのようにしたいかは、ご家族間で話し合うように支援しておきましょう。

書面のみで簡単に済ませてしまうケースも多いですが、いざという時に冷静な判断ができなくなってしまいます。

何事も最初が肝心です。
来るべき時に慌てることがないよう、終末期の過ごし方については丁寧に説明してください。

看取り介護前

看取り介護を始める時期になったら、ご家族に対して改めて今後の説明をします。

  • 今後どのように最期を迎えていくのか
  • 最期を迎えるにあたってどのような選択肢があるのか

などを丁寧に説明しましょう。

これらを決めることは非常に大きな決断であり、即決できるご家族はほとんどいません。

もし近い将来、利用者様に急変が予想される場合は
「考えがまとまるまで、今はこうしましょう」
といった仮の対応で合意をとることが重要となります。

看取り介護中・安定期

ご家族に対し、利用者様の日々の様子はまめに報告・説明をしましょう。
面会などに来ることが難しいご家族もいるので、あらかじめ連絡頻度を決めておくことも重要となります。

また、面会の際に利用者様との接し方に困るご家族もいます。
そのような場合は手を握る、声を掛けるなど具体的な関わり方を実践して見せてあげましょう。

看取り介護中 不安定期・低迷期

利用者様の容態が急変した場合は慌てることなく、各施設のマニュアル通りに落ち着いて対応しましょう。
家族へも現状を落ち着いて伝え、施設に向かってもらえるよう手配する必要があります。

ご家族の利用者様への付き添いが長時間となることも考えられます。
最期の時間を少しでもリラックスして過ごせるよう、椅子や簡易ベットなど必要なものを準備しておきましょう。

看取り期

静かに最期の時を過ごせるよう配慮しましょう。
ご家族の住んでいる場所などによっては、最期の瞬間に間に合わない場合もあります。
そのような時は最期の時間をどのように過ごしたかを丁寧に説明することが必要となります。

死亡確認時

医師により死亡診断がされた後、利用者様の体を拭く、着替えをするなどのエンゼルケアを行います。

希望があればご家族と一緒に行うこともあります。
ご家族、介護職員ともに辛い時ではありますが、この際はご家族の今までの努力を労い、利用者様との思い出を一緒に振り返ってみてはどうでしょうか。

ご家族との信頼関係を築く言葉遣い

看取り介護を行う際、ご家族と適切な信頼関係を築くためには場面にあった言葉遣いをすることが必要です。

また、ご家族と話す際に丁寧な言葉を使うのは当然ですが、それと同様に利用者様にも適切な言葉遣いをすることも重要です。
言葉遣いの基本について見ていきましょう。

敬語が基本

利用者さん・ご家族とのコミュニケーションは敬語が基本です。
敬語は目上の方への敬意を表すだけでなく、思いやりやおもてなしの心として大切な意味があります。
ご利用者様に敬意を表する言葉遣いを意識することで、ご利用者様や家族との信頼関係の構築に繋がります。

3つの敬語をうまく使い分ける

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つがあります。

①尊敬語

尊敬語は相手や第三者を目上の人として敬意や尊敬を表すための言葉遣いです。

例として
「いらっしゃる」「おっしゃる」「召し上がる」などがあります。

②謙譲語

自分・自分側の人間や行動を下げてへりくだることで、間接的に相手、第三者を高める言葉遣いというものです。

例として
「伺う」「申し上げる」「差し上げる」「お持ちする」などがあります。

謙譲語は敬語の中でも最上級の表現ですが、日常的に使用すると堅苦しい印象を受けることがあります。
介護現場で使う場合はかしこまった席で用いるのがいいでしょう。

③丁寧語

丁寧語は自分の言葉を丁寧にして品位を高め、相手への敬意を表す言葉遣いです。

主に2つの使い方があり
丁寧語:文末に「です」「ます」などを添えた丁寧な表現
美化語:物の名前に「お」や「ご」を添える上品で美しい表現
となっています。

日常の中でも最もよく使われる敬語です。

ご家族に使ってはいけない言葉

利用者様に対して一生懸命介護をしても、ご家族に対して間違った言葉を使うことで信頼関係が崩れてしまうこともあります。
そこで、ご家族へ使ってはいけない言葉について見ていきましょう。

適当な返事はNG

ご家族の言葉崖に対して適当な返事をすることは避けましょう
ストレートに失礼です。

例としては
「あーはいはい」
「ちょっと待ってねー」
などがあります。

とはいえ介護現場は忙しいため、このような返事をしてしまう気持ちもわからなくはありません。

どうしても忙しい場合は
少々お待ちいただいてもよろしいですか
と待っていただくお願いをすることをお勧めします。

冷たい言葉も避けるべき

ご家族が利用者様の体調の異変や外傷に気付いた際に
「こんなの大したことないんで」
「よくわかりわかりません」
といった冷たい言葉は避けてください。

もし外傷があった場合にこのような適当な返事をされれば、虐待を疑われることもあるかもしれません。
普段の姿を知らないご家族は、利用者様の変化にとても敏感になり、現状以上に心配してしまうことも珍しくありません。

ちょっとした表現の違いでクレームに繋がることもあります。
ご家族に対しては特に温かみのある言葉を使うよう心掛けましょう

看取り介護の不安の解消法

看取りは、利用者様のご家族に大きな精神的負担がかかります。
しかし、それと同様に介護職員もとても不安になるものです。

大きなストレスを抱えた状態では、ご家族に適切な言葉掛けを行いながら信頼関係を構築するのは難しくなります。
不安を解消していくことが重要です。

看取り介護を行う上での、介護職員の不安の解消法について見ていきましょう。
 

不安なことは相談する

不安なことは一人で抱え込まずに、必ず相談するようにしてください。
看取り介護はチームで行うものです。
あなたが抱えている悩みは他のスタッフも抱えている悩みかもしれません。

誰かに話すことで、解決はしなくても安心することができます。
不安を共有し、チーム一丸となって看取り介護に取り組みましょう。

利用者の幸せな最期のために何ができるのかを考える

看取り介護に対して「利用者様がなくなるまでの世話」というイメージが先行し、前向きに取り組めない介護職の方も存在します。

しかし、看取り介護の本質は「どうすれば利用者様が幸せな最期を迎えられるか」であり、そこに関わることができるのはとても光栄なことです。

考え方を変えることで、看取り介護に対する不安は、少しずつ希望に変わってくるかもしれません。
利用者様のために何ができるのかを、ポジティブに考えていきましょう。

看取り介護の流れを把握する

先が分からないことに対して、人間はとても不安に思うものです。
ましてや、人の命がかかっている看取り介護については、大きな不安を感じると思います。

よって、看取り介護の知識を身につけ、今後の流れを把握することで不安は大きく軽減されるでしょう。

看取り後にスタッフで話す

看取り介護が終わった後は、スタッフ同士で感想を話し合ってみましょう

看取り介護をやるにあたって辛かったことや嬉しかったこと。
利用者様との生前の思い出を話してもいいかもしれません。

話すことで感情が整理され、看取り介護に対する達成感を感じ、また別の利用者様へのサービス向上にも繋がっていくでしょう。

まとめ

看取り介護は介護職と同様にご家族も不安を感じるものです。
せっかく一生懸命介護をしているのに、ちょっとしたご家族とのやり取りがクレームに繋がり、モチベーションが下がることは好ましくないです。

看取り介護はご家族もチームの一員です。
しっかりとした信頼関係を築き、利用者様が幸せな最期を迎えられるように全力を尽くしましょう

また職員の不安を解消することも看取り介護をする上では重要です。
この記事が皆様のより良い介護につながれば幸いです。

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