実務者研修の最短取得期間は?介護福祉士取得までのスケジュールも解説!
介護福祉士を取得したい方や、サービス提供責任者を目指す方にとって必須の資格「実務者研修」。
今回は、この実務者研修の取得にかかる最短期間と、介護福祉士取得までのスケジュールを合わせて解説していきます。
実務者研修の最短取得期間は?
実務者研修の最短取得期間は、2ヶ月ほどとなっています。
(保有資格によって異なります)
無資格の場合は、6ヶ月(450時間)の研修が必要です。
それぞれの内容を詳しく解説していきます。
無資格であれば最短で約6か月
無資格の方が実務者研修を取得できる最短期間は6ヶ月です。
時間にすると450時間の基本的なカリキュラムと、医療的ケアの講義50時間+演習が必要です。
介護福祉士の受験に必須となっているので、余裕を持って取得しておきましょう。
初任者研修取得者なら最短で約2か月で取得できる!
介護職員初任者研修を取得している場合は、2ヶ月ほどで実務者研修の資格を取得できます。
なぜなら、介護職員初任者研修と実務者研修の重複科目に関しては、すでに受講済みとなり免除されるからです。
介護職員初任者研修を取得している場合に、免除される科目と時間は以下の通りです。
- 人間の尊厳と自立(5時間)
- 社会の理解1(5時間)
- 介護の基本1(10時間)
- 生活支援技術1(20時間)
- 生活支援技術2(30時間)
- 認知症の理解1(10時間)
- 障害の理解(10時間)
- こころとからだのしくみ1(20時間)
- 介護過程1(20時間)
合計9科目、130時間の免除になります。
介護職員初任者研修以外にも、介護の資格を持っていることで、実務者研修科目が一部免除になります。
以下、保有資格と免除の対象科目や時間を示した表です。
実務者研修を申し込む際の参考にしてみてください。
科目 | 無資格 | 介護職員基礎研修 | 介護職員初任者研修 | ホームヘルパー1級 | ホームヘルパー2級 |
---|---|---|---|---|---|
人間の尊厳と自立 | 5時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | ★免除 |
社会の理解Ⅰ | 5時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | ★免除 |
社会の理解Ⅱ | 30時間 | ★免除 | 30時間 | ★免除 | 30時間 |
介護の基本Ⅰ | 10時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | ★免除 |
介護の基本Ⅱ | 20時間 | ★免除 | 20時間 | ★免除 | ★免除 |
コミュニケーション技術 | 20時間 | ★免除 | 20時間 | ★免除 | 20時間 |
生活支援技術Ⅰ | 20時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | ★免除 |
生活支援技術Ⅱ | 30時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | ★免除 |
発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | 10時間 |
発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | ★免除 | 20時間 | ★免除 | 20時間 |
認知症の理解Ⅰ | 10時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | 10時間 |
認知症の理解Ⅱ | 20時間 | ★免除 | 20時間 | ★免除 | 20時間 |
障害の理解Ⅰ | 10時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | 10時間 |
障害の理解Ⅱ | 20時間 | ★免除 | 20時間 | ★免除 | 20時間 |
こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | ★免除 |
こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | ★免除 | 60時間 | ★免除 | 60時間 |
介護過程Ⅰ | 20時間 | ★免除 | ★免除 | ★免除 | ★免除 |
介護過程Ⅱ | 25時間 | ★免除 | 25時間 | ★免除 | 25時間 |
介護過程Ⅲ | 45時間 | ★免除 | 45時間 | 45時間 | 45時間 |
医療的ケア | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 |
合計 | 450時間 | 50時間 | 320時間 | 95時間 | 320時間 |
医療的ケアの演習は含まれていません
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ケアきょう求人・転職の無料相談実務者研修とは?
実務者研修は、正式名称で「介護福祉士実務者研修」と言い、介護福祉士の受験要件の一つとなっています。
位置付けとしては、「介護職員初任者研修」の上位資格であり、現場で質の高い安定した介護サービスを提供していくこと、基本的な介護技術と実践スキルを身に付けることを目的に創設されました。
現場で使える医療的ケアも学べるため、介護職として活躍したい方はぜひ取得することをおすすめします。
実務者研修の受講に要件はあるの?
実務者研修の受講に要件はありません。基本的には誰でも受講可能です。
介護業界の特徴としては、学歴や年齢関係なく現場の経験やスキル、資格の有無で給与などの待遇面が決まる事業所も多くあります。
介護職としてスキルアップやキャリアアップを目指す方は、積極的に取得しましょう。
初任者研修と実務者研修 どちらを受講すればいい?
未経験無資格で、これから介護職として働きたい方は、先に初任者研修から取得することをおすすめします。
すぐに実務者研修を受講することは可能ですが、カリキュラムの内容が、すでに介護職として働いてることを前提に組まれています。
したがって、全くの未経験だと少し難しく感じるかもしれません。
実務者研修は初任者研修に比べて、費用も時間もかかります。
先に初任者研修を受講しておけば、その分の費用や科目は免除されるので、初任者研修から取得しても損することはありません。
介護初心者の方は、まず初任者研修から受講するのがいいでしょう。
▼ケアきょう関連動画
実務者研修の受講にはどのくらい費用が掛かるか
実務者研修の受講費用は、保有している介護資格によって金額が異なります。
保有資格別の実務者研修の受講費用相場は、以下の通りです。
- 無資格:10〜15万円ほど
- 介護職員初任者研修:5〜10万円ほど
- 介護職員基礎研修:5万円以下
介護職員基礎研修はすでに廃止されているので、これから実務者研修を受講される場合は、まず介護職員初任者研修を取得する方が多いでしょう。
今回は、この「介護職員初任者研修」をお得に受講する方法を紹介し、結果的に実務者研修の費用を安く抑える手順を理解しておきましょう。
初任者研修の受講費用は6~11万円ほど
初任者研修の受講費用の相場は、6〜11万円ほどです。
決して安い金額ではありません。
そこで、介護職員初任者研修をお得に取得する方法を、以下のケアきょう関連動画で詳しく解説しています。
場合によっては、無料で取得することもできるので、ぜひ参考にしてみてください。
▼ケアきょう関連動画
実務者研修を取得するメリットは?
実務者研修の資格を取得するメリットは、主に以下の3つです。
- 介護福祉士の受験資格になる
- 喀痰吸引と経験栄養可能の資格を取れる
- サービス提供責任者になれる
それでは、各メリットを分かりやすく解説していきます。
メリット1:介護福祉士の受験資格になる
2016年から、介護福祉士の実技試験が廃止されました。
現在は、実務経験ルートで介護福祉士の試験を受ける場合は、実務者研修の受講が必須です。
そのため、介護職の登竜門である介護福祉士を目指す方には、必要な資格であり介護の基礎を学べるというメリットもあります。
メリット2:喀痰吸引と経管栄養が行えるようになる
実務者研修の医療的ケアの講義と演習が修了すれば、あとは実地研修のみで「喀痰吸引等研修」が取得できます。
実務者研修を修了していることで、時間や費用面に関しても削減できるメリットがあります。
医療的ケアができる介護職のニーズが高まる中で、取得して損はないでしょう。
▼ケアきょう関連動画
メリット3:サービス提供責任者になれる
実務者研修を修了すると、訪問介護事業所のサービス提供責任者になれる要件を満たすため、キャリアの選択肢が広がります。
サービス提供責任者について詳しく知りたい方は、以下の参考記事をご覧ください。
▼ケアきょう関連記事
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働きながらでも実務者研修は取得できる?
実務者研修は多くの人が、実際に介護現場で働きながら受講しています。
勤務の調整などで職場に迷惑がかからないか不安な方もいると思いますが、施設としてはぜひ実務者研修を取得してほしいと考えているので、まずは上司に相談してみましょう。
ここでは、多くの人が受講している「通信コース」を紹介します。
多くの人が通信コースで受講している!
実務者研修は、ほとんどの人が通信コースを選択しています。
ただ、通信コースと言っても一部の技能講習があるコースに関しては、スクーリングが必須です。
具体的には、「介護課程Ⅲ」の45時間と「医療的ケアの演習」の時間になります。
ちなみに「医療的ケアの演習」については受講時間の決まりはなく、受講スクールによって異なってきます。
無資格から実務者研修を受ける場合は、450時間のうち、約400時間は自宅学習できるので、働きながらでも余裕を持って学習できます。
さらに、介護職員初任者研修の取得者であれば、270時間ほどの自宅学習になるので、より負担なく学習することが可能です。
働きながらの資格取得は、焦らず自分のペースで学習していきましょう。
介護福祉士受験の為にはいつまでに実務者研修を取得すべき?
今回は、実務者研修を最短期間で取得する方法を紹介していますが、介護福祉士の国家試験を受験する際には、余裕を持って実務者研修を取得しましょう。
「最短2ヶ月で取得できるからギリギリでいいかな?」みたいに思っていると、介護福祉士を受験できないといったことになりかねませんので、注意してください。
ここでは、介護福祉士の受験要件の再確認や、保有資格別の介護福祉士取得までのスケジュールを解説していきます。
介護福祉士の受験要件
介護福祉士の受験要件は、以下の2通りがあります。
- 実務経験3年以上+実務者研修の修了
- 実務経験3年以上+介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修の修了
引用元:介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
実務経験に関しては、介護福祉士を受験する年度末(3月末)までに、実務経験を積めば条件を満たしますが、ギリギリにならないよう早めに自分の実務経験日数を確認しておきましょう。
また、実務者研修を修了してから介護福祉士を受験する場合は、試験と同じ年度の12月までに資格を取得しておく必要があります。
例えば、令和4年度(2023年)の介護福祉士を受験する場合は、令和4年度(2022年)の12月までに実務者研修を取得しておきましょう。
介護福祉士取得までのスケジュール例(無資格の場合)
無資格の場合は、実務者研修の修了に6ヶ月かかります。12月までに取得することを考え、余裕を持って4月には研修を開始しましょう。
そうすれば、10月頃には研修が修了し、残りの3ヶ月を介護福祉士の試験対策に使うことができます。
補足として、介護福祉士の国家試験に、筆記試験と実技試験がありますが、実技試験は一部の福祉系高校の卒業生のみが対象なので、実務経験3年以上+実務者研修のルートで受験する場合は、実技試験が免除になります。
介護福祉士取得までのスケジュール例(初任者研修取得者の場合)
介護福祉士初任者研修を取得している場合は、実務者研修の科目が、約130時間免除になるので、およそ4ヶ月ほど(自宅学習+通学10日間前後)で研修が修了します。
したがって8月までに、実務者研修の受講を開始すれば12月に間に合います。
しかし、介護福祉士の試験対策のために余裕を持ったスケジュールを考えると、遅くても6月頃には研修を開始したほうがいいでしょう。
なお、実務者研修のスケジュールは、地域や開講スクールによって異なるので、あらかじめ確認してから申し込みましょう。
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まとめ
実務者研修の最短取得期間は、無資格であれば6ヶ月、初任者研修取得者であれば4ヶ月ほどです。
介護福祉士を受験する場合は、受験年度の12月までには実務者研修を取得しておく必要があるので、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
「働きながら資格取得は大変そう」と不安になる気持ちは分かりますが、実務者研修のほとんどは自宅学習が可能です。
また、4ヶ月〜6ヶ月と学習期間も長いので、早めに受講し焦らず自分のペースで学習を進めていきましょう。
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