介護職員基礎研修はどんな資格?初任者研修・実務者研修・介護福祉士との違いも解説
かつて介護の資格に「介護職員基礎研修」というものがあったことを知っていますか?
介護福祉士になるための重要な研修でしたが、現在は廃止となっています。
本記事では、介護職員基礎研修の歴史や現行の資格との違いを解説します。
また、介護職員基礎研修の取得者が、次に目指すべき資格やその取得方法も紹介していきます。
介護職員基礎研修はどんな資格?
介護職員基礎研修は、高齢化がますます進んでいく中で、介護職員のサービス向上を図るために、施設、在宅を問わず介護サービスを提供する職員の共通研修として、2006年度に創設された研修です。
研修の修了者は、高齢者の福祉施設や訪問介護員として働けます。
また、もともとはホームヘルパー1級の上位資格であったため、サービス提供責任者として働くことも可能でした。
しかし、2013年度末に「ホームヘルパー1級・2級」と「介護職員基礎研修」は廃止されました。
ホームヘルパー2級は「介護職員初任者研修」に移行し、ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修は「実務者研修」に一本化されました。
介護職員基礎研修が廃止になった理由
では、なぜ「介護職員基礎研修」は廃止となったのでしょうか?
ホームヘルパーの資格とともに廃止になった理由としては、介護福祉士の取得ルートの簡潔化と、介護福祉士の質を一定にする狙いからでした。
以前は、介護の資格が色々存在したため、介護福祉士を目指すルートも複数ありました。
そのため、同じような内容を複数回学ぶという非効率的なことが起きていました。
現在では、介護福祉士を目指す基本ルートとしては、「介護職員初任者研修」→「実務者研修」→「介護福祉士」といった流れで、分かりやすい形となりました。
現在取得可能な介護職として働く際に活躍する資格
現在ある資格の中で、介護職として活躍する際に取得したほうがいい資格は、以下の4つです。
- 介護職員初任者研修
- 介護職員実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
また、その他にも介護に関連する福祉医療の資格4つも紹介します。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 理学療法士
- 作業療法士
それぞれの詳しい解説は、以下の参考動画で解説してるので、興味のある方はチェックしてみてください。
▼ケアきょう関連動画
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ケアきょう求人・転職の無料相談介護職員基礎研修と初任者研修はどう違う?
「介護職員基礎研修」と「初任者研修」の違いは、主に以下の2つです。
- 研修時間
- 研修の内容
具体的には以下のようになっています。
- 介護職員基礎研修:講義と演習360時間、施設での実習140時間の合計500時間をかけて学習
- 初任者研修:講義と演習のみで、約130時間の学習
介護職員基礎研修は、現在の実務者研修にあたるため、研修時間もカリキュラムの種類も、初任者研修に比べて多くなっています。
ちなみに、初任者研修修了者が実務者研修を受ける場合は、重複するカリキュラムは免除され、その分費用も安くなります。
介護職員基礎研修の取得者が実務者研修を取得するには?
介護職員基礎研修の取得者が、実務者研修を取得する場合は、カリキュラムが大幅に免除されます。
介護の資格がない方が、実務者研修を取得する場合は、すべてのカリキュラム450時間と医療的ケアの演習が必要です。
しかし、介護職員基礎研修の取得者であれば、医療的ケアのカリキュラム50時間と医療的ケアの演習のみで受講終了となり、短期間で資格が取得できます。
また、受講カリキュラムが少ない分、費用も安く済みます。
現在、介護職員基礎研修を持っていて、将来的に介護福祉士の資格取得を目指している場合は、実務者研修の取得が必須です。
通常よりも短期間で取れますが、受講の時期は各スクールによってある程度決まっているので、あらかじめ確認して余裕を持って取得しておくことをおすすめします。
実務者研修については、以下のケアきょうYouTubeで詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
▼ケアきょう関連動画
介護職員基礎研修の取得者が介護福祉士を取得するには?
2016年度からの法改正により、介護職員基礎研修を取得した者は、
実務経験3年以上で「喀痰吸引等研修」もしくは「実務者研修(医療的ケア以外は免除)」を受講すれば、介護福祉士を受験できるようになりました。
ここでは、介護職員基礎研修の取得者が介護福祉士を取得するルートを、いくつか紹介していきます。
介護福祉士の資格については、以下のケアきょうYouTubeで詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
▼ケアきょう関連動画
方法1 喀痰吸引等研修を受講する
介護職員基礎研修の取得者は、実務経験3年以上と「喀痰吸引等研修」の受講完了で、介護福祉士を受験可能になります。
喀痰吸引等研修の主な内容は以下の通りです。
- 9つのカリキュラムと演習からなる50時間の講義
- 実際の現場で看護師の指導の下で行う実地研修
喀痰吸引等研修を受講し、医療的ケアができる介護職になれば、現場では貴重な存在です。
そのため、取得していて損はないでしょう。
介護職員基礎研修の取得者で介護福祉士を目指す方は、ぜひ積極的に受講してみてはいかがでしょうか?
詳しい内容は、厚生労働省が発表している「喀痰吸引等研修の概要」をご覧ください。
方法2 実務者研修を受講する
介護職員基礎研修の取得者で、実務経験3年以上の方は「実務者研修」を受講することでも、介護福祉士の受験が可能になります。
実務者研修の主な内容は以下の通りです。
- 20科目のカリキュラムからなる450時間の講義
- 医療的ケアの講義50時間と演習
ただし、先述でお伝えしたとおり、介護職員基礎研修が完了していれば450時間の講義は免除となります。
したがって、医療的ケアの講義と演習を受ければ、実務者研修の資格を取得できます。
時間も短く、費用も抑えられるので、この方法で多くの方が介護福祉士を受験されています。
その他の方法
介護職員基礎研修の取得者が介護福祉士を目指すルートは、実務経験3年と「痰吸引等研修」もしくは「実務者研修」の資格取得が必要ですが、その他にも介護福祉士を目指せるルートがあります。
それが、以下の3つの方法です。
- 「養成施設ルート」
- 「福祉系高等学校ルート」
- 外国人を対象とした「経済連携協定(EPA)ルート」
それぞれの詳しい内容は、以下のケアきょう記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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まとめ
介護職員基礎研修は、2013年度に廃止されましたが、介護職として働く上で重要な資格であったことは間違いないでしょう。
介護職員基礎研修をお持ちの方で、介護福祉士を取得していない方は、ぜひ「喀痰吸引等研修」や「実務者研修」を受講し、介護福祉士の取得を目指すことをおすすめします。
介護職員基礎研修に医療的ケアをプラスすることで、介護資格の最高峰である介護福祉士を取得し、ぜひ介護のプロフェッショナルを目指していきましょう!
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