【介護福祉士監修】高齢者・デイサービスで使いたいレクリエーション20選
デイサービスは高齢者を介護するだけではなく、様々なレクリエーションを用いてお年寄りを楽しませながら機能訓練をする場所です。
しかし、日々の業務の中で
「デイサービスでレクリエーションってどんなことをしたらいいの?」
「お年寄りが楽しい、喜んでくれるようなレクをやりたい!」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
読者のみなさんがデイサービスで楽しくレクリエーションができるよう、この記事では介護福祉士が監修した「高齢者・デイサービスで使いたいレクリエーション20選」を紹介します。
高齢者にレクリエーションをする目的は?
高齢者にレクリエーションをする目的とは、「楽しみながら運動機能、脳機能を活性化すること」です。
デイサービスは「利用者が自立した日常生活を送れるように支援すること」が目的されています。
そのため多くのデイサービスでは機能訓練やリハビリなどが行われているわけですが、お年寄りに対していきなり
「リハビリ!機能訓練!」
と運動を促してもなかなかモチベーションが上がるわけではありません。
そこでレクリエーションを用いることでリラックスした状態で運動ができ、また一緒にデイサービスwを利用している高齢者同士のコミュニケーションにも繋がります。
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ケアきょう求人・転職の無料相談レクリエーションの効果は?
高齢者がレクリエーションを行うことで、運動やリハビリなどが継続しやすいという効果があります。
単調な運動での機能訓練は退屈になりやすく、「体にいい」と理解していても継続は難しいものです。
そこでレクリエーションという「楽しむ要素」「ゲーム的要素」を加えることで高齢者の意欲を刺激することができ、身体機能や脳機能を維持・向上に繋がるような運動が大幅に継続しやすくなります。
私たちがダイエットや筋トレを「やったほうがいい!」とわかっていても継続するのは難しいですが、フットサルやバドミントン、ダンスなど、好きなスポーツなら楽しみながら継続できるのと同様です。
介護職のレクリエーションにまつわる悩み
高齢者にとって様々なメリットがある介護レクですが、運営する介護職員にとって
- 準備の負担が大きい
- 高齢者も介護職もレクに飽きてしまう
という悩みが存在します。
介護レクにまつわる悩みを詳しく見ていきましょう。
準備の負担が大きい
介護レクを行う際、準備に時間がかかる、人手を要するという点が悩みとして挙げられます。
介護職は慢性的に人手が不足している状況でもあり、準備にそこまで時間を取れないケースがあります。
介護レクに必要な物品を制作しなければいけない場合もあるので、その時間を工面するのにも苦労します。
また、大掛かりなゲームなどは道具を揃えるのにも時間を要するため、ついつい準備の楽な、簡単な介護レクに流れてしまいがちです。
高齢者も介護職もレクに飽きてしまう
デイサービスでのレクリエーションがマンネリしてしまい、高齢者や介護職が介護レクに飽きてしまうのも悩みとして挙げられます。
準備の負担が大きいものを避けていった結果、ついつい同じようなレクリエーションを繰り返してしまいます。
その結果、高齢者が飽きてしまったり、介護職も
「毎日同じようなレクリエーションで申し訳ないな…」
と罪悪感を感じてしまいます。
このような日常を繰り返すと職員全体のモチベーションを下げることにもなるので対処したいものです。
脳トレになる介護レクリエーション 5選
続いて、介護職の皆さんが介護レクのレパートリーが増えるよう、脳トレに繋がる介護レクリエーションを紹介します。
脳トレは脳内の血流を促進し、認知症の予防に効果があります。また、答えを出せなくても
「なんだろうなー」
と悩むことでも脳は活性化されるそうです。
5種類の脳トレを紹介するので、状況に合わせて試してください!
ホワイトボードを使った介護レク
ホワイトボードを使った介護レクリエーションは準備が簡単であり、注目を集めやすく多様な介護レクが展開できるのでお勧めです。
- 1つのボードに注目しながら行うことで参加者が一体感を得ることができる
- 耳の不自由な高齢者でもハンデがなく参加できる
などのメリットがあります。
「介護レクの悩み」であげた準備にも時間がかからないので、空いた時間にすぐにできるのも大きなメリットです。
使用する際は「文字を大きく書く」「インク切れにならないようにする」「ホワイトボードが歩行の妨げにならないようにする」など注意しましょう。
漢字を使ったレク
日本人に馴染みのある漢字を使ってもレクリエーションを行うことができます。
ここで紹介するのは 「同じ部首の漢字をなるべくたくさん書く」といった介護レクです。
まず最初に高齢者一人一人に紙とペンを配ってください。
その後「ぎょうにんべん」「きへん」「うかんむり」など、なるべくイメージしやすいような部首を例題としてあげ、高齢者の方々になるべく沢山の数の漢字を書いてもらってください。
手が不自由で書くのが難しい方については職員が代筆してあげましょう。
個人で競ってもいいですし、チーム戦でやっても面白いです。
漢字クイズを行う介護レク
漢字をクイズ形式で行う介護レクリエーションもあります。メジャーなものを2つ紹介します。
①四字熟語の穴埋めクイズ
一石□鳥 (A.一石二鳥)
など簡単なものから
羊頭□肉 (A.羊頭狗肉)
など日常生活で使わないような四文字熟語など、難易度を変えて楽しんでいきましょう。
②難読漢字クイズ
紅娘 (A.てんとうむし)
嬶天下 (A.かかあでんか)
海豹 (A.あざらし)
栗鼠 (A.りす)
など、ホワイトボードに書いてクイズ形式で出題していきましょう。
高齢者だけでなく、介護職までもが熱中してしまう可能性があるので注意が必要です。
しりとりの介護レク
しりとりを用いた介護レクリエーションは準備が入らず、すぐにでも実施できるのでおすすめです。
ただ普通にしりとりを行っても盛り上がるんですが
- 動物縛り
- 植物縛り
など、 お題を絞ることで難易度が向上し脳トレの効果が向上します。
また逆に縛りを全くなくし、普通のしりとりではタブーとされている文章や固有名詞など、どんなことでもOKにするというアイデアもあります。
認知症の方でも参加でき、奇抜なワードに笑いが起こること間違いなしです。
状況に応じて使い分けていきましょう。
また認知症の症状により過去に出たものが覚えられない方もいます。
ホワイトボードなどに出たワードを書いていき、確認できるようにしましょう。
なぞなぞを使った介護レク
子供の時によくやった「なぞなぞ」も介護レクに用いることができます。
Q.上は洪水下は大火事、なーんだ? (A.風呂)
などお馴染みのなぞなぞでもいいのですが
- 季節にちなんだなぞなぞ
- お年寄りが若い頃に経験したニュースに関するなぞなぞ
- 主婦だった方が得意とする料理に関するなぞなぞ
など、バリエーションを広げることで無限に介護レクとして活用することができます。
高齢者の方一人一人が見せ場を作れるよう、幅広いジャンルのなぞなぞを用意しましょう。
工作をする介護レクリエーション 5選
手先を使って工作をする介護レクは脳機能を活性し認知症の予防、残存機能の保持にも繋がります。
また自分で介護レクに関わる物を手作りすることで、そのゲームに対しての思い入れが増し、介護レクに対して意欲的に取り組むことができます。
自分で手作り工作をする介護レクリエーションを5つ紹介します。状況に応じ使い分けて見てください。
紙コップを使った介護レク
手に入りやすい、紙コップを使った介護レク「紙コップすくい」「紙コップ宝探し」を紹介します。
準備するもの
- 紙コップ(10個程度)
- ラップの芯
紙コップすくい
- 机や床などに紙コップをちり散りばめる
- 紙コップをラップの芯で掬いあげ、制限時間内に掬えた数を競う
紙コップ宝探し
- 紙コップ掬いの紙コップにそれぞれ点数を記入しておく
- 紙コップをラップの芯で掬い、合計点数を競う
どちらのゲームも個人で競ってもいいし、チーム毎でやっても盛り上がります。
紙コップの工作から一緒に行うことで、高齢者が介護レクに対しての思い入れも深まるでしょう。
▼細部のやり方についてはこちらの動画をご覧ください。
ペットボトルを使ったレク
いつでも気軽に手に入るペットボトルを工作し、介護レクをすることもできます。
準備するもの
- ペットボトル2本
- ビー玉(2色4個ずつ)
- テープ
やり方
- ビー玉を全てペットボトルに入れます
- 2つのペットボトルの口の部分をテープで止めます
これで工作は完成です。
このビー玉が入ったペットボトルを持ち、1つのペットボトルに1色のビー玉が集まるようにします。
何人かで同時に行い、早くビー玉が集められた方が勝利です。
段ボールを使った介護レク
準備するもの
- 段ボール
- ボール(テニスボール程度の大きさ)×10個程度
- かご
やり方
- 段ボールの4側面を切って深さを浅くします
- 側面の中心にボールより少しだけ大きい穴を開けます
- 穴の大きさによって難易度が変化しますので調節してください
これで介護レクの準備は完了です。 - 出来上がった段ボールにボールを入れ参加者に渡します
- 参加者はスタッフの合図で箱を動かし穴からボールを落とし、ストップウォッチを使い時間を計測していきます
- 全てのボールを落としたら次の人に交代します
- 全員が終わり、全てのボールを落としたタイムが一番早かった人が勝利です
トイレットペーパーを使った介護レク
準備するもの
- トイレットペーパーの芯×10本程度
- 紙コップ(トイレットペーパーと同数)
- 箱(紙コップを重ねずに全て置ける大きさの物)
やり方
- 全ての紙コップの飲み口が下になるように机の上に置きます
- 紙コップの上にトイレットペーパーの芯を立てます。これで準備完了です
- 紙コップ部分を持ち、上のトイレットペーパーの芯が落ちないように1つずつ箱の中に入れていきます
- 時間を測り、一番早かった人が勝ちです
紙コップを入れる箱の距離を遠くすると難しくなります。状況に応じて難易度を調節しましょう。
歌や音楽を使った介護レクリエーション 5選
歌や音楽を使った介護レクリエーションを5つ紹介します。
歌や音楽を用いたレクリエーションには
- 懐かしい歌を思い出すことで脳が活性化され認知症予防になる
- 歌うことにより腹式呼吸が促され、身体機能の維持に繋がる
- 気持ちが安定し、生活の質が向上する
などのメリットがあります。
シーンに合わせて使い分けてみてください。
カラオケを使った介護レク
カラオケを使った介護レクとして曲当てクイズがあります。
- 曲名が出ないように画面などを隠す
- 曲を流す
- 高齢者に当ててもらうという
という簡単な方法です。
マイクを使って唄って貰えば早いような気がしますが、歌を唄うことに抵抗のある方は意外に多いです。
曲当てクイズならば歌の得意、不得意に関わらず参加できるので、一緒に楽しむことができるでしょう。
高齢者の年代に合わせて曲を選び、その曲のエピソードなども聞けるといいですね!
童謡・わらべうた・唱歌を使った介護レク
歌や音楽を使った介護レクの中でも童謡・わらべうた・唱歌は「幅広く、世代に関係なく知られている」というメリットがあります。
よって
- 高齢者全員で合唱する
- 童謡・わらべうた・唱歌を唄う、流しながら手拍子を合わせる
だけでも十分に介護レクが成立します。
また、童謡・わらべうた・唱歌は季節や行事にちなんだ曲が必ずあるので使い勝手がいいのも特徴の一つです。
流行歌・昭和のヒットソングを使った介護レク
流行歌・昭和のヒットソングを使って介護レクを行いたい場合は高齢者の方々に質問をし、その時代に流行っていた曲を聞き出していくことがポイントになります。
- 高齢者の方々にインタビューをする
- 出てきた曲について話し合う
- みんなが知っている曲を全員で唄う
という流れで行うと組み立てやすいです。
また、歌うことだけを目的とせず、出てきた曲に対して
「そんな曲あるんですか?」
「意外ですね!」
と会話を盛り上げるこでも楽しむことができます。
輪唱を使った介護レク
輪唱とは、一つの歌を一斉に唄うのではなく、等間隔毎に間をおいて追いかけるように順番に歌い出していくことです。
カラオケの機械や道具などを使うことなく、手間がかからずシンプルに楽しめる介護レクとなります。
上手く輪唱が成立すると、歌がフレーズ毎にズレていき、歌が追いかけっこしているようになります。
逆に上手く行かなくても笑いに変えることができるので楽しいです。
使用する曲としては「静かな湖畔」「もみじ」「カエルの歌」などが有名ですね。
高齢者全員が馴染みのある曲を選択し、介護レクを楽しみましょう。
音楽を使ったクイズの介護レク
音楽をクイズ形式にして介護レクをすることもできます。カラオケを使った「イントロクイズ」は先ほど記述しましたが、ホワイトボードを使った歌あてクイズなどもお勧めです。
歌あてクイズのやり方は簡単です。歌詞の一部を書いてもいいですし、曲のヒントを書き出していき高齢者に当ててもらう方法もあります。
一つ問題を出してみましょう。
問題 次の3つのヒントから何の曲か当ててください。
- 北島三郎
- 木こり
- ヘイヘイホー
答えは北島三郎さんの「与作」です。
と、このように行っていきます。
高齢者の方に問題を作ってもらっても面白いかもしれませんね!
体操を取り入れた介護レク 5選
最後に、体操を取り入れた介護レクを紹介します。
体操は体を動かすことにより身体機能の維持に大きく繋がっていきます。
今回は5つの体操の種類を紹介し、それぞれの特徴やメリットを解説します。
高齢者の方々の特徴やシーンに合わせて使い分けてみてください。
体操を使った介護レク
体操を使った介護レクでもやはり欠かせないのがラジオ体操です。
国民的体操と呼ばれているラジオ体操は昭和3年から開始し、今のラジオ体操の曲ができたのも昭和26年となっています。
誰もが経験しており、曲が流れると自然と体が動いてしまう方も多いのではないでしょうか。
また、ラジオ体操は座ったままでもできます。
立ったまま行うのが難しい方、車椅子の方にも参加していただけるでしょう。
フラダンスを使った介護レク
一見介護レクとは無関係に思えますが、フランダンスも活用することができます。
「一般社団法人健康フラ・介護フラ協会」という団体もあり、「介護って大変」「リハビリって辛い」そんな介護に対するマイナスイメージをプラスにするため介護フラを行っているようです。
フラダンスはゆっくりとした運動スタイルが特徴的です。
時間をかけて酸素を取り込みながら運動を行うことで心肺機能を向上し、全身を使うことでバランスよく運動機能を高めることができます。
実は、高齢者にとってぴったりの介護レクかもしれませんね!
椅子を使った体操の介護レク
椅子を使った体操の介護レクには
- 足腰が不自由な方は参加でこいる
- 転倒など怪我の心配が少ない
というメリットがあります。
体操の具体例としては
- 座った状態で片足を上げる
- あげた状態からさらに足を上げる
- この動きを5〜10回程度実それぞれの足で行う
という腸骨筋を鍛える運動があります。
高齢者の転倒予防にも繋がる運動です。
他にも、椅子に座ったままできる運動を動画にまとめているので参考にしてください。
ドンパン体操を使った介護レク
ドンドン パンパン ドンパンパン
ドンドン パンパン ドンパンパン
ドドパパ ドドパパ ドンパンパン
で有名なドンパン節ですが、ドンパン体操とはその名の通り、「ドンドンパンパン」と音を鳴らしながら体操をする介護レクです。
「ドンドン」では手のひらで膝を叩き、「パンパン」では手のひらを叩きます。
歌を歌いながら高齢者の方々と一緒に繰り返しましょう。
意外に運動量が多く、楽しい上に健康にいいのでお勧めです。
リズム体操を使った介護レク
高齢者のリズム体操を使った介護レクは認知症予防にうってつけです。
無音の中で普通に体を動かすよりも、リズムに合わせて体操をする方がより脳に大きな刺激となります。
リズム体操といっても難しいことをする必要はありません。
音楽に合わせて手拍子をしたり、足踏みをするだけでも立派なリズム体操となります。
「幸せなら手を叩こう」
の曲などが簡単でわかりやすいですね。
簡単だけど効果はバッチリです。
是非とも普段の介護レクに取り入れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
介護レクは引き出しを多く持っておくことが重要ですが、それ以上に柔軟に工夫することも大切です。
「何をしたらいいかとわからない!」
と思っていては何も始まりません。
介護レクが上手な人というのはどんなことでもレクリエーションに変えてしまいます。
そんな夢のようなレベルになるためには沢山の知識、経験が不可欠です。
様々な介護レクを実践してみましょう!
この記事が読者のみなさんの充実した介護レクに役立てばと思います。
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