介護福祉士試験に受かりたい! 合格率やおすすめテキストを紹介!落ちた原因も徹底分析

資格取得
2021/12/29

平成29年度に「社会福祉士及び介護福祉士法」が改正され、介護福祉士の受験要件が大きく変更されました。大きく分けて

  • 養成施設ルート
  • 実務経験ルート
  • 福祉系高校ルート

がありますが、経過措置に該当する方を除き、どのルートを選んでも筆記試験に合格しなければならなくなりました。介護の仕事をするうえで登龍門的な位置付けとも言える介護福祉士ですが、志願者の多くが仕事・育児・家事等をこなしながらのチャレンジとなります。疑問や不安も色々と出てくると思いますが、「敵を知り己を知れば百戦殆からず」です。
今回は介護福祉士試験の合格率や水準から始まり、筆記試験を乗り切るための勉強法や心構え・おすすめのテキスト、問題集、通信講座等についてお話していきます。

1. まずは介護福祉士試験の過去のデータをチェック!

1.1. 実は合格率が上がってきている!

厚生労働省の合格率推移によると、初回(平成元年)の23.2%から始まり、以降は変動を繰り返しながらも概ね40~60%代に落ち着いていました。 しかし、29年の制度改正を境に合格率が70%代まで上昇しています。 特に実務経験ルートにおいては3年の実務経験さえあれば筆記試験を受けることができたため「記念受験」「事業所で言われたからとりあえず受験」が蔓延っていましたが、改正以降はその前提として研修受講が必須となり、受験に際して費用的・時間的な負担が発生することとなりました。
介護職の不人気という社会的背景も加わり、諸説はあるものの、そこまでして介護福祉士を取得しようと思わない層が増え、受験するのはそれなりの覚悟を持った方に絞られたという事情も合格率上昇に繋がったとのではないかと言われています。要件や受験プロセスの違いがあるため一律に論じることはできませんが、合格率が2~3%程度の難関資格と比較すると、以前にも増して合格を目指しやすい試験になったと言えるかもしれません。

1.2. 合格水準はどのくらい?

筆記試験の合格基準

ア. 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
イ. アを満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。

  • 人間の尊厳と自立、介護の基本
  • 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
  • 社会の理解
  • 生活支援技術
  • 介護過程
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解
  • こころとからだのしくみ
  • 医療的ケア
  • 総合問題

配点は、1問1点の125点満点である。

合格基準

課題の総得点の60%程度を基準として、課題の難易度で補正した点数以上の得点の者を実技試験の合格者とする。

とされています。(社会福祉振興・試験センターHPより抜粋)
実務的な常識の範囲で判断できる分野は問題ないものの、概論や制度的な部分になると途端に苦手意識を持つ受験者が多いですが、得意分野で大量得点すれば乗り切れるという性質の試験ではなく、各分野で平均的に得点することが求められる試験であるということです。全体にわたってバランス良く学習を進めていく必要があるとも言えます。

2. 実際、どのように勉強すればいいの?

2.1. どのような勉強法があるのか?

介護福祉士に限らず「勉強法」で調べると、

  • テキストを3回読むだけで合格
  • 問題集だけやれば合格
  • 魔法のノート作りで合格

等、様々な方法論が出てきますが、「これが絶対に正しい」というものはありません。土壇場の集中力で乗り切るのが得意・毎日コツコツと続けるのが得意等、人それぞれに合ったスタイルがあります。自身の性格やライフスタイル・試験までの期間等を総合的に考え、「やっていてしんどくない・知識を吸収できている・問題が解けている」感覚を持てる方法を選ぶのが最善と言えるでしょう。 以下に代表的な勉強方法とそのメリット・デメリットを挙げますので、参考にして頂ければと思います。

ひたすらテキストを読む

  • メリット
    出題内容は概ねテキストの基礎から多少の応用になりますので、網羅的に理解できれば非常に有利になります。少なくともこの試験はマニアックな知識を競う場ではないので、一部の人しか知り得ないような難解な問題・賛否が分かれるような問題は切り捨てて他でフォローできれば問題ありません。
  • デメリット
    大抵のテキストには出題傾向や簡易の練習(問題)ページが設けられていますが、あくまでも多数ある中の抜粋です。出題形式や傾向を把握して問題に慣れ、時間配分を掴むには少々心許ないかもしれません。

ひたすら問題集を解く

  • メリット
    「とりあえずやってみる→間違えた・分からなかった部分を見直す」というプロセスが機能すれば、出題形式や傾向を把握するのに役立ちますし、 結果的にテキストの内容も理解することに繋げられます。
  • デメリット
    「確信を持って正解できる」「何となく正解した」「全く分からなかった」等の分類をしながら進めないと、問題文と答えの丸暗記になり、違う文言で聞かれると分からなくなる危険性があります。

テキストや用語を書き写す

  • メリット
    それらをビジュアル的に頭に叩き込むことができますので、あるキーワードから導き出されることをイメージとして結びつけることができます。
  • デメリット
    記憶・理解するよりも「書き写す」という作業になってしまう恐れがあります。綺麗に仕上がったノート等をみるといかにも勉強した気になりますが、それで満足してしまわないよう注意が必要です。

テキストを読み、問題集を解く

  • メリット
    最たる王道パターンと言えるかもしれません。両者をバランス良くこなせれば、総合的な力を身につけることができます。
  • デメリット
    ある程度の計画性を持って取り組まないと、あれもしなければ・これもしなければとなってしまい、全く手付かずの単元が出てくる危険性があります。上記の合格水準を鑑み、バランス良く学習できるようしっかりとスケジュールを立てましょう。

2.2. おすすめテキスト

以下、amazonランキングで好レビューの多いテキストです。

わかる!受かる!介護福祉士国家試験合格テキスト:介護福祉士国家試験受験対策研究会

「キーワードや出題頻度、チェックポイント、解説などにより効率よく学べるテキストに構成されている。この一冊で約2ヶ月間、自分のペースで勉強し、無事に合格しました。」(レビュー抜粋)

みんなが欲しかった! 介護福祉士の教科書年:TAC介護福祉士受験対策研究会

「漫画シリーズの様に色使いが工夫されており、理解が早く出来る様に作られたテキストだと感じました。参考書の1冊として大事に使いたいと思います。感謝です!!」(レビュー抜粋)

見て覚える! 介護福祉士国試ナビ:いとう総研資格取得支援センター

「要点が分かりやすく、使いやすいです。カラーでとても見易い。紙質も良い。購入してよかったです。」(レビュー抜粋)

2.3. おすすめ問題集・過去問

以下、amazonランキングで好レビューの多い問題集・過去問です。

介護福祉士国家試験過去問解説集:介護福祉士国家試験受験対策研究会

「年度別に問題が分類されているので年度事の出題傾向が解りやすく覚えるべきポイントも解りやすく解説されている。」(レビュー抜粋)

みんなが欲しかった! 介護福祉士の問題集:TAC介護福祉士受験対策研究会

「毎日、やっておりますが教科書と共にこちらのシリーズに決定ですね。頑張ることはやっぱり必要ですが、しっかりと編集して下さり感謝です。」(レビュー抜粋)

らくらく暗記マスター 介護福祉士国家試験:暗記マスター編集委員会

「サイズが小さいので、仕事の合間に読めて良い」(レビュー抜粋)

2.4. 独学に自信がない人向け!おすすめの通信講座

講座名 料金・説明
ヒューマンアカデミー通信講座 『たのまな』 48,000円
→基礎知識を講義DVDでサクサクと習得。本番さながらの模擬試験で実力アップ。今年こそ「介護福祉士」に絶対合格!
三幸福祉カレッジ 筆記通信コース:33,000円 WEB学習コース(eラーニング):25,000円
→最新の出題傾向を徹底分析・圧倒的な合格率・実務者研修と同時申し込みで介護福祉士受験対策講座が20%割引
生涯学習のユーキャン 49,800円~
→保有資格で選べる3コース!お仕事しながら学ぶ方にぴったりの教材
日建学院(介護福祉士 短期必勝Web) 30,000円
→効果的な短期学習と全国統一模擬試験のセット講座で、介護福祉士(筆記)試験突破を目指す!

以上、おすすめのテキスト・問題集・通信講座ですが、評判の良いものが必ず自分にとっても良いとは限りません。可能であれば立ち読みや試し読みをしたうえで、自分の知識レベルやスタイルに合っているか・最後までやり切ることができそうかを吟味することが望ましいです。
試験において求められる知識レベルは前述の通りですので、それらを押さえることで十分に合格水準に達することができます。特に熱心な方や高得点をあげたい方は非常に深い部分まで掘り下げて勉強し、深みにはまって先に進めなくなるケースがありますが、目先の試験合格という意味では浅く広く、でも確実にというスタンスで勉強を進めるのが無難と言えます。

3. 万が一、落ちてしまったら?試験に失敗する原因を分析し、来年に役立てよう!

3.1. 当日の雰囲気に飲まれた

試験は非日常的な空間・時間であり、緊張感が漂っています。実際は似たり寄ったりの人間が集まっているにすぎないのですが、周りがすごく賢そうに見えてしまい、本当はできるのに雰囲気に飲まれて力を発揮できない方がいます。「ここまで頑張ったのだから、受からなければおかしい」というレベルまで準備し、堂々とした心構えで受験しましょう。

3.2. 普段と違うことをした

全く土地勘のない場所が試験会場になり、余計な神経を使うことがあります。**それはある程度仕方ないとしても、目覚ましにと普段飲まないコーヒーを飲んでトイレが近くなる・前日に徹夜して本番で眠気に襲われる等、良かれと思ってしたことが仇になることもあります。**大切な日だからこそ、いつも通りが大切なのです。

3.3. テキストが合っていない・読み込めていない

あまりにも基礎的な部分しか載っていなかった・背伸びをして難しそうな物に手を出し、結局何も分かっていなかった等、自身の知識レベルに見合わないテキストを選択していないかを見直す必要があります。また、全てを網羅した良質なテキストを使っていたとしても、それが頭に入っていなければ意味がありません。

3.4. 解いた過去問の数が少ない

試験は限られた時間の中で大量の問題を解かなければなりません。一つの問題に時間を取られすぎて後の問題は適当に解答した・何となく解けそうだったが出題のニュアンスが異なったため確信を得られなかった等の状況がなかったか振り返る必要があります。事前に出題形式や傾向を理解し、適切な時間配分ができるぐらいになっておきましょう。

3.5. 計画性が無い

試験日時は何カ月も前から告知され、抜き打ちで実施されるものではありません。旅行をする際、事前に行き先や予算・ルートや交通機関を調べるのと同じように、試験日をゴールに設定し、現状の知識レベルやライフスタイル等を鑑みてスケジュールを配分しなければなりません。

3.6. ヤル気がない

「事業所から受けろと言われたから」「就職で有利らしいからとりあえず」等、受動的な動機や必要性を感じないまま受験しても、当然ヤル気が起こらないでしょう。最も根本的な部分ですので、本当に取得したいのかどうかを自問自答してみましょう。

4. まとめ

未だに介護福祉士は社会的評価の低さや取得労力に対する見返り(実用性・人事考課・給与等)の少なさが指摘されています。しかし、取得したということは少なくとも必要な知識や技術を持っていることの証明となり、取得していない人に何を言われようとも「取った・取っていない」で言うと、間違いなく取った者勝ちの世界なのです。就職・転職の際に必須或いは優遇条件として扱われることが多く、持っていて損になることはありません。
また、次なるステップ候補とされることの多いケアマネージャーですが、受験要件が実務経験+国家資格(介護福祉士を含む)となりましたので、そのような意味でも必須の資格になったと言えます。最後になりますが、資格取得はゴールではなく、資格保持者としてのスタートです。落ちてしまった方は新たなスタートラインに立てるように、合格した方は新たなステップに向けて進んでいく気持ちが必要です。皆様が常に努力し、成長していける人材となられるよう祈っております。

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