介護職の6割以上が「ちゃん付け」に不快感!言葉のハラスメント実態アンケート

介護職あるある
2025/12/15

ケアきょうは介護現場における「言葉のハラスメント」について、介護職はどう思っているのか?読者アンケートを実施しました。

特に親しみを込めて使われがちな「ちゃん付け」などの呼び方や、不快に感じた際の対応、そして現場で感じているハラスメントの実態について、37名の介護職員から貴重なご意見をいただきました。

Q1.職場での「ちゃん付け」どう感じる?6割以上が「不快」

職場で「〇〇ちゃん」など「ちゃん付け」で呼ばれる、またはそう呼ばれているのを見たことがあるかについて、その印象を尋ねました。

回答 割合
とても不快 16%
やや不快 46%
特に気にならない 24%
むしろ親しみとして受け取れる 14%
100%

とても不快」(16%)と「やや不快」(46%)を合わせると、およそ6割の人が職場での「ちゃん付け」に不快感を示していることがわかりました。

  • 「友達でもないのに、何故?と思います」といったコメントに見られるように、職場というビジネスの場において、品格や適切な距離感が損なわれることへの抵抗感が強いようです。
  • 一方で、「親しみとして受け取れる」(14%)という意見もあり、お互いの関係性によっては許容されるケースもあることが伺えます。

Q2.不快に感じた時の対応は?4割近くが「我慢する」

もし自分が「呼ばれ方」や「言われた言葉」に不快さを感じた場合、どのように対応するのが現実的だと思うか尋ねました。

回答 割合
まずは本人にやめてほしいと伝える 27%
上司や管理者に相談する 27%
相談できずに我慢してしまうと思う 38%
その他 / よくわからない 8%
100%

最も多かった回答は「相談できずに我慢してしまうと思う」で、およそ4割に上りました。

  • 「人員が足りないので、やめてしまうと困る」といった切実な事情から、人間関係の悪化を恐れて泣き寝入りを選択せざるを得ない現場の構造的な課題が浮き彫りになりました。
  • 一方、「本人に伝える」「上司に相談する」という具体的な行動を選ぶ回答もそれぞれ27%あり、解決に向けて声を上げたいという意識も同程度存在することがわかります。

Q3.介護現場の「言葉のハラスメント」自由記述に寄せられた声

介護の現場での“言葉のハラスメント”について、具体的な事例やご意見を自由記述でいただきました。

利用者への不適切な呼び方・言葉遣い

利用者さまをお年寄り扱いした物言い(お爺ちゃん、お婆ちゃん。あだ名など)人の尊厳を傷つけてると思います
利用者様に対しては絶対的にダメなことだと思います
親ほどの年齢の女性入居者に子どもに対するような口の利き方をする
職員が利用者さんの事を『〇〇ちゃん』『かわいい』と言うのがすごく嫌です

職員間のハラスメント事例

あるスタッフが好きな職員は下の名前、嫌いな職員は名字呼びと明確にわけていて不快です

管理者層の葛藤と構造的問題

管理者です。必要だから指導や指示したことでもハラスメントと取られることがあり、言葉には十分気をつけますが、言われた本人が不快と捉え、管理者のさらに上の上司に言えばそれがまかり通るのがなんとも辛いです
直ぐに腹を立てる性格の人には、気に入らない人に言われたら何でもハラスメントになる

利用者からのハラスメント

介護者から利用者へ、利用者から介護者へなどお互いに生じるので、限度を超えたら管理者・責任者に伝えている。利用者からのハラスメント発言は気にしないのが1番かな…

まとめ:尊厳あるケアは言葉から

今回のアンケートから、介護現場における「言葉のハラスメント」は、単に「ちゃん付け」の是非に留まらず、利用者への尊厳を欠いた言葉遣い職員間のいじめにも近い行為、そして指導・注意との線引きの難しさなど、多岐にわたる課題として存在していることが確認されました。

約4割の職員が「我慢してしまう」という結果は、ハラスメントが個人ではなく、組織全体で取り組むべき問題であることを示唆しています。

利用者様への「優しく愛情ある話し方」が求められる現場だからこそ、まずは職員同士がお互いを尊重し、「さん付け」を基本とした適切な接遇を心掛けることが、全ての尊厳あるケアの第一歩となるでしょう。

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