【徹底解説】介護福祉士国家試験の「パート合格制度」とは?新しくなる受験免除の仕組みと活用法

資格取得
2025/11/18
働きながら介護福祉士の資格を取りたいけれど、毎年全科目を勉強し直すのは大変……
もし不合格になったら、また膨大な範囲をゼロから勉強し直さなければならない……

多忙な介護職として働く介護職の皆さんにとって、国家試験の重圧は計り知れないものです。
しかし、このような受験の負担を大幅に軽減できる、画期的な制度が導入されます。

2025年度(令和7年度)の第38回試験から、介護福祉士国家試験に「パート合格制度」という新しい仕組みが導入されます。
これは、試験の一部科目群に合格すれば、最大2年間そのパートの受験が免除されるという、働きながら学ぶ人を応援するための制度です。

この記事では、介護福祉士国家試験の実施基幹である社会福祉振興・試験センターが公表した情報に基づき、
パート合格制度」の具体的な仕組みから、私たち介護職がこの制度をどう活用すべきかまで、徹底的に、そしてわかりやすく解説します。

この新しい制度を正しく理解し、効率的かつ戦略的に介護福祉士合格を目指しましょう。

そもそも「介護福祉士国家試験のパート合格制度」とは?

まずは新しい制度の仕組みを理解することが、今後の学習計画を立てる上で最も重要です。

定義:合格した科目群の受験が最大2年間免除される仕組み

これまでの介護福祉士国家試験は、筆記試験全体で合格基準点を満たさなければ、翌年は全ての科目を再受験する必要がありました。
一度不合格になると、得意な科目も苦手な科目も関係なく、膨大な試験範囲を全て学び直さなければならないという大きな負担がありました。

パート合格制度は、この従来の仕組みを根本から変えます。

科目群の分割

試験科目をA・B・Cの3つのパート(科目群)に分けます。

部分合格の認定

筆記試験全体の合格基準に達しなかった場合でも、このA・B・Cの各パートで定められた基準を満たせば、そのパートは「パート合格」として認定されます。

受験免除

パート合格した部分は、その合格した年から翌々年までの2回、受験が免除されます。

この制度は、「一発合格か、全科目再受験か」という二極の選択肢しかなかった状況を改善し、合格までの道のりを細分化することで、受験生に優しい環境を提供することを目的としています。

制度の導入背景と対象者

この制度は、厚生労働省と社会福祉振興・試験センターが、「介護福祉士を目指す者の学習負担を軽減し、資格取得を促進するため」に導入を決定したものです。
特に、実務経験を積みながら受験を目指す多忙な介護職の方々にとって、大きな恩恵をもたらすことが期待されています。

対象者

介護福祉士国家試験の筆記試験を受験する全ての方が対象となります。
(例:実務経験ルート、養成施設ルートなど、受験資格に基づいて筆記試験を受ける方)

【補足】実技試験の免除との違い

実務者研修を修了した者」は、実技試験が免除されますが、これはパート合格制度とは全く別の仕組みです。
パート合格制度は、筆記試験の科目群を免除するための制度であることを理解しておきましょう。
実務者研修を修了していても、筆記試験を受ける場合はこの制度が適用されます。

パート合格の仕組み:3つのパートと免除ルールを理解する

具体的にどの科目がどのパートに分かれ、どう判定されるのかを詳しく見ていきましょう。

試験科目がA・B・Cの3つの「パート」に分割される

従来の介護福祉士国家試験は、合計13科目で構成されていました。
この13科目が、性質や関連性の近い科目ごとに以下の3つのパートに分類されます。

具体的な科目名は、試験センターの発表に基づき変更になる可能性があります

パート 構成される主な科目群(例) 特徴
A
パート
人間の尊厳と自立、介護の基本、社会の理解、医療的ケア(一部)など 介護の理念、社会制度、倫理観など、基礎・理念的な分野
B
パート
こころとからだのしくみ、コミュニケーション技術、生活支援技術など 人体の構造、心理、具体的な介護技術や利用者との関わりに関する分野
C
パート
介護過程、総合問題、認知症の理解、障害の理解など 応用的な知識、多職種連携、事例問題など、実践力・判断力が問われる分野

試験当日は、この3つのパート全ての問題を解きますが、採点・判定の段階でパートごとに合否が判定されます。

パート合格の判定基準

パート合格は、総得点での合否とは別個に判定されます。

判定方法

各パートに含まれる問題の総得点に対し、概ね60%程度の正答率が求められると想定されます。

重要な点

🔴 総得点不合格でもパート合格は成立

筆記試験全体では不合格だったとしても、あるパートの成績が基準を上回っていれば、そのパートは合格と認定されます。

🔴 足切り点も考慮

従来の試験と同様に、各科目群(パート内)で著しく低い点数(例:0点)を取った場合は、総得点に関わらず不合格となる「足切り」のルールがパートごとにも適用される可能性があります。

この判定基準によって、受験生は「得意なパートで確実に合格を取り、翌年に免除してもらう」という戦略を立てられるようになります。

免除される期間は「2年間」

パート合格の効力、つまり受験が免除される期間は、合格した試験が行われた年(第1回目)から、翌々年に行われる試験(第3回目)までの2年間です。

2025年度(第38回)にAパートに合格した場合、2026年度(第39回)と2027年度(第40回)の試験では、Aパートの受験が免除されます。

この2年間の猶予は、多忙な介護職にとって非常に大きな意味を持ちます。
特に苦手なパートの対策に集中するためには、十分な時間です。
ただし、有効期限を過ぎるとそのパートも再受験が必要になるため、計画的な受験が求められます。

パート合格制度の賢い活用方法とメリット

この制度は、単に「免除される」だけでなく、受験戦略そのものを大きく変える可能性があります。
今後受験を考えている方はぜひ以下の内容を頭にいれて、学習の計画をたてましょう。
またこれまで何度もチャレンジしている方は今度こそ介護福祉士国家試験をとるチャンスかもしれません。

メリット①

学習範囲を絞って効率アップ

最大のメリットは、「不合格だったパートや、苦手な部分だけに集中して学習できる」という点です。

例えば、1年目にBパート(こころとからだのしくみ等)が不合格になったとします。
これまでは、翌年またA・B・C全てのパートを勉強し直さなければなりませんでした。
しかし、パート合格制度があれば、

翌年はAパートとCパートの免除を使い、Bパートの苦手な分野だけを集中的に勉強する

ということが可能になります。
これにより、膨大な学習範囲による精神的な負担が減り、勉強の質と集中力が格段に向上します。

メリット②

戦略的な受験計画が可能に

この制度を意図的に活用し、「数年をかけて合格を目指す」という今までにない受験計画を立てることができます。

【戦略例:1年目集中戦略】
1年目
敢えて得意なAパートとCパートに注力し、確実にこの2つをパート合格させる。

2年目
苦手なBパートのみの学習に集中する。
免除のA・Cパートは受験せず、Bパートのみを受験し合格を目指す。

→ この戦略で、実質2年間で合格を勝ち取れます。

これは、仕事が特に忙しい年や、家庭の事情で勉強時間が確保しにくい年に非常に有効な資格の取得の方法です。

事例で見る再受験の流れ

具体的なケースで流れを確認してみましょう。

受験年 判定 免除パート 再受験するパート 備考
1年目 A:合 / B:不合 / C:合 なし 全パート受験 AとCがパート合格に
2年目 A:免除 / B:合 / C:免除 A, C Bのみ受験 Bパートに合格し、全パート合格となり、この年に最終合格!
1年目 A:期限切れ / B:不合 / C:期限切れ なし A, B, C Bパートが不合格だったため、AとCの免除も終了
全パート再受験が必要に

【重要】パートの「再合格」による免除期間の延長

もし2年目になっても、まだAパートの勉強はしておきたい、という場合は、免除パートをあえて受験することも可能です。

2年目にA・B・C全てを再受験し、A・Cが再び合格、Bが不合格だった場合、AとCの免除期間は2年目から翌々年まで(つまり4年目まで)延長されます。

このように、得意なパートを毎年受験することで、免除期間を常に最新の状態に保つという活用もできます。

新制度の注意点と押さえておくべきポイント

パート合格制度は非常に魅力的ですが、誤解や見落としがあると、かえって合格が遠のく可能性もあります。
以下の注意点を必ず押さえておきましょう。

パート合格 ≠ 最終合格

最も重要な点です。
「パート合格したから、もう大丈夫」ではありません

介護福祉士として登録・就業するためには、全てのパート(A・B・C)に最終的に合格し、かつ実技試験の免除要件(実務者研修修了等)を満たすことが必要です。

最終合格を目指す上で、パート合格は「途中経過の免除証」であることを忘れず、不合格となったパートの学習を最優先で行いましょう。

免除期間の延長には「再受験・再合格」が必要

パート合格の有効期限は「2年間」です。

もし3年目に最終合格を目指す場合、1年目に合格したパートの免除は切れてしまうため、再び全科目を勉強し直す必要が生じます。

戦略的な学習
2年目での合格を強く意識し、免除パートに頼りすぎるのではなく、不合格パートの克服に全力を注ぐことが、時間と費用を節約する最も賢い方法です。

受験手数料は毎回必要

パート合格により、受験科目は減るかもしれませんが、受験の申込みと手数料は毎回必要になる可能性が高いです。

現在の介護福祉士試験の受験手数料は決して安くはありません。
免除パートが増えたとしても、受験手数料が大幅に減額される仕組みは今のところ公表されていません。

詳細は試験センターの発表をご確認ください

つまり、複数回受験すればするほど、受験料の総額はかさみます。
経済的な負担を避けるためにも、やはり最短(1回または2回)での最終合格を目指すことが最良です。

まとめ:パート合格制度で資格取得を確実にする

パート合格制度は、介護福祉士を目指す全ての人、特に多忙な介護職の方にとって、「失敗を恐れずに挑戦できる」大きなメリットをもたらす画期的な新制度です。

この制度の最大のポイント

負担の軽減

一度合格したパートは2年間免除。
再受験の際の学習範囲を大幅に絞れる。

効率化

苦手な分野の対策に時間を集中でき、質の高い学習が可能になる。

戦略性

複数年を視野に入れた計画的な受験が可能になる。

2025年度からのこの新制度をしっかりと理解し、自分の学習スタイルや仕事の状況に合わせて、戦略的な学習計画を立ててください。

パート合格制度を武器に、あなたの介護福祉士資格取得への挑戦をケアきょうは全力で応援しています。

学習に役立つ資料を配布しています。
ダウンロードはこちらから

おすすめ役立ち情報

役立ち情報一覧に戻る

ピックアップ