2025年10月、全国的に最低賃金が引き上げられました。
物価高騰が続く中、この賃上げが介護業界にどのような影響を与えているのでしょうか。

ケアきょうが介護職を対象に実施したアンケートから、最低賃金の上昇に対する認識や、業界の待遇改善に期待する声が見えてきました。

2025年10月最低賃金上昇に関するアンケート

2025年10月から最低賃金が順次引き上げられることを知っていましたか？

今回の最低賃金引き上げで、あなたの給与に影響がありそうですか？

最低賃金の引き上げについて、61%が「知っていた」と回答。
しかし、自身の給与への影響については「特に変わらない」（56%）が過半数を占め、「分からない」（36%）という回答も多く、期待感が薄い現状がうかがえます。

介護職の待遇改善に期待する声

最低賃金の引き上げが直接給与に反映されないと感じる介護職が多い中、待遇改善について様々な意見が寄せられました。

給与・手当の改善

夜勤が無くても他業種と同等かそれ以上の年収になること

土日、夜勤、盆正月も無い勤務体制で働いているので、一般会社員よりも高い給与待遇を望む

基本給を増やせるように、加算ではなく介護報酬の本体を増やしてほしい

処遇改善と働く環境、生活の保障

制度への不満

処遇改善手当や資格手当などが基本給に含まれないので分かりにくい

処遇改善も上の人たちだけが儲かる仕組みがおかしい

うちの会社では、処遇改善手当が事務職にまで分配されるのが納得行かない。常勤でも急な休みが多い職員もいる為、時間割にして配布して欲しい

自民党総裁選である候補者が介護職の給与を上げると言っていたが信用できない。今までも政治家はメディアに対して同じような事を言ってきたが実行されない

労働環境の改善

サービス残業多すぎ。夜勤明けで出勤多すぎ。あれもこれも何でも職員に求め過ぎで雑多な仕事に追われて精神を病む

給料と人員を増やしてほしい。給料が一般企業より少し多めにしてほしい

給料が安い

介護補助とかも給料を上げて欲しい

まとめ

今回のアンケートから、最低賃金の上昇が介護職の給与に直接的な影響を与えていると感じている人は少ないことがわかりました。
多くの介護職は、処遇改善加算や手当の分配方法、基本給の低さといった、業界の構造的な問題に不満を抱えているようです。

寄せられた意見からは、専門職として他業種と同等以上の給与水準や、国が主導して介護報酬そのものを引き上げる、といった根本的な解決を求める声が多数を占めています。

このアンケート結果は、最低賃金の引き上げだけでは介護職の待遇改善には不十分であり、働く人々のモチベーション向上には、業界全体の抜本的な改革が必要であることを示唆しています。