ケアマネ試験26回の合格ラインは?次回27回の予想合格ラインや勉強法も解説

資格取得
2024/10/01

ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)を受験しようと考えており、以下のような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。

前回の第26回ケアマネ試験の合格ラインは?
次回の第27回ケアマネ試験の予想合格ラインは?
ケアマネ試験に合格するための勉強法は?

ケアマネ試験の概要についても、あらためて確認しておきたい方もいるでしょう。

本記事では、ケアマネ試験の概要過去の試験の合格ラインや受験者数次回27回ケアマネ試験の予想合格ラインなどを紹介します。

今後ケアマネ試験を受ける方にとって参考になる内容なので、ぜひ参考にしてください。

ケアマネ試験の概要

ケアマネ試験について、以下3つの項目別に解説します。

  • ケアマネジャーとは?
  • ケアマネ試験の受験資格
  • ケアマネ試験の申し込みから資格取得までの流れ

それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

ケアマネジャーとは?

ケアマネ試験について解説する前に、そもそもケアマネジャーとは何をする仕事か確認しましょう。

厚生労働省の定義では、介護支援専門員(ケアマネジャー)については以下のように明文化されています。

介護支援専門員とは、要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う者とされています。

引用元:介護支援専門員(ケアマネジャー)|厚生労働省

簡単に言うと、介護が必要な高齢者に必要なサービスを提案し、間接的にご利用者の生活を支える仕事です。

ケアマネジャーについては、以下のケアきょうYouTubeで詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

▼関連動画

ケアマネ試験の受験資格

ケアマネ試験の受験資格は、以下のいずれかを満たしていることが条件です。

  • 規定の国家資格(介護福祉士や看護師、医師など)に基づく業務に5年(900日以上)従事していること
  • 相談援助業務に5年(900日以上)従事していること

もし介護未経験からケアマネジャーを目指す場合は、介護福祉士の取得に3年かかり、ケアマネ試験の受験に5年かかるため、最短でも8年はかかります。

簡単に受験資格を満たせるわけではないため、焦らずに経験を積みながら将来的なキャリアアップの選択肢としてケアマネジャーを目指しましょう。

ケアマネ試験の申し込みから資格取得までの流れ

ケアマネ試験の申し込みから合格までの流れを見ていきましょう。
日程や受講料などもあわせて解説します。

  1. 受験申込書を入手する
  2. 受験料を払い申し込みをする
  3. 受験票が届き日程や試験会場を確認する
  4. ケアマネ試験を受験する
  5. ケアマネ試験に合格する
  6. 実務研修を受講する
  7. 研修終了後にケアマネ登録をする
  8. 資格証が届いたらケアマネとして働ける

東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイトによると、2024年のケアマネ試験に関しては、申し込み期間や試験日、受講料などは以下のとおりです。

項目 内容
申し込み期間 2024年6月3日(月)~6月30日(日)
試験日程 2024年10月13日(日)
受講料 12,400円

参考:令和6年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験|東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイト

申し込み期間が1ヶ月間もないため、受験申込書や実務経験証明書などは早めに準備をして、余裕を持って申し込みましょう。

ケアマネ試験の過去の合格ラインと次回試験の予想

ケアマネ試験の過去の合格ラインと次回試験の予想など、以下3つの項目別に解説します。

  • 第26回ケアマネ試験の合格ラインと受験者数
  • 過去5年間の合格ライン・合格率
  • 第27回ケアマネ試験の予想合格ライン

それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。

第26回ケアマネ試験の合格ラインと受験者数

前回行われた第26回ケアマネ試験の受験者数と合格者数、合格率や合格ラインは以下のとおりです。

項目 内容
受験者数 56,494人
合格者数 11,844人
合格率 21.0%
合格ライン ・介護支援分野:17点(25問中)
・保健医療福祉サービス分野:24点(35問中)

参考:第26回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について|厚生労働省参考:令和5年度(第26回)東京都介護支援専門員実務研修受講試験に係る正答番号及び合格基準の公表について|東京都福祉局

合格ラインは毎年異なり、正答率70%を基準とし、問題の難易度で補正した点数となります。

なおケアマネ試験に合格するためには、すべての項目で点数を取らなければいけません

過去5年間の合格ライン・合格率

続いて過去5年間のケアマネ試験の合格ラインや合格率を見ていきましょう。

ケアマネ試験 合格率 合格ライン
令和4年度(第25回) 19.0% ・介護支援分野:18点(25問中)
・保健医療福祉サービス分野:26点(35問中)
令和3年度(第24回) 23.3% ・介護支援分野:14点
・保健医療福祉サービス分野:25点
令和2年度(第23回) 17.7% ・介護支援分野:13点
・保健医療福祉サービス分野:22点
令和元年度(第22回) 19.5% ・介護支援分野:16点
・保健医療福祉サービス分野:25点
平成30年度(第21回) 10.1% ・介護支援分野:13点
・保健医療福祉サービス分野:22点

参考:介護支援専門員の試験情|東京都福祉局

介護支援分野は、最低でも15点以上の正解が求められるでしょう。
保健医療福祉サービス分野も、合格するためには少なくても25点は取っておきたいところです。

第27回ケアマネ試験の予想合格ライン

それでは、次回令和6年度に行われる第27回ケアマネ試験の合格ラインを予想していきましょう。

過去5年間の合格ラインの平均点から見えた合格ラインは、以下のとおりです。

介護支援分野の予想合格ライン 15点以上
保健医療福祉サービス分野の予想合格ライン 24点以上

ケアマネ試験は、その年の受験者のレベルや試験の難易度によって変動するため、正確な合格ラインは予想しにくいですが、以下の点数を取れば合格はかなり近づくでしょう。

  • 介護支援分野:18点
  • 保健医療福祉サービス分野:26点

上記の点数を目指すために、本記事の「ケアマネ試験に向けた効果的な勉強法3選」を参考に、受験勉強を進めてみてください。

ケアマネ試験の合格率はなぜ低い?

ケアマネ試験の合格率が低い理由は、主に以下の3つです。

  • 問題が五肢複択式
  • 主な勉強法は独学
  • 受験資格を得るまでが長期間

それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

問題が五肢複択式

ケアマネ試験は五肢複択式で、問題の難易度が高くなっているため、合格率が低い可能性があります。

五肢複択式は「5つの答えの中から正しいものを複数選ぶ解答方式」で、医師の国家試験に採用されています。

同じ介護系の資格である介護福祉士国家試験の場合、五肢択一方式が採用されているため正解率は20%です。

しかし、五肢複択式は組み合わせの数が増えるため、確実に得点を稼ぐためには広い知識量が必要になってくるでしょう。

主な勉強法は独学

ケアマネ試験を受ける方の多くは、独学で勉強していることが、合格率の低さに影響しているかもしれません。

独学の場合、効果的な学習方法や試験対策などがわからず、なんとなく勉強する形になり、試験本番で力を発揮しにくい可能性があります。

ケアマネ試験は、合格ラインも正答率70%が基準となっており、介護福祉士や社会福祉士の正答率60%より合格のハードルが高いため、より高い理解度が求められます。

独学で勉強する場合でも、自分なりに工夫し効果的な勉強方法を実践しつつ、しっかりと勉強時間を確保することが大切になってくるでしょう。

受験資格を得るまでが長期間

ケアマネ試験は、受験資格を得るまでの期間が非常に長いのが特徴です。

主な福祉系資格の受験資格を得るまでの期間と比較してみましょう。

資格 受験資格を得るまでの期間
介護福祉士 ・実務経験3年
(実務者研修の受講終了)
社会福祉士 ・福祉系大学4年
・福祉専門学校2年+相談援助2年
など
介護支援専門員(ケアマネジャー) ・規定の国家資格(介護福祉士や看護師など)に基づく実務経験5年
・または相談援助の実務経験5年

ケアマネ試験は、介護や福祉、医療などの経験がゼロの状態から目指す場合、最低でも8年かかります。

受験資格を得るまでの期間が長いだけでなく、その間も仕事をしていることで勉強時間を確保しにくいことも合格率の低さに影響しているかもしれません。

ケアマネ試験に向けた効果的な勉強法3選

ケアマネ試験に向けた効果的な勉強法は、以下の3つです。

  • 通信講座を活用する
  • 過去問を繰り返し解く
  • 無料の動画講義を視聴する

具体的な勉強方法を紹介するので、独学で何から始めればいいかわからない方は、ぜひ参考にしてください。

通信講座を活用する

独学で勉強するのは苦手でやる気が出ないという方には、通信講座がおすすめです。

通信講座を活用すれば、強制的に勉強時間を確保できるだけでなく、学習スケジュールを立てやすいといったメリットがあります。

また通信講座から出題される模擬試験を受けられるため、自分自身の理解度も把握できます。

費用がかかるというデメリットはあるものの、自分で学習スケジュールを立てるのが苦手な人にはおすすめの学習法です。

過去問を繰り返し解く

独学で勉強する場合は、「過去問を繰り返し解く」勉強法がおすすめです。

過去問は実際に出題された問題のため、本番と同じ状況を想定しながら勉強できるだけでなく、解説部分も理解することで本番に必要な知識を養えます。

具体的には、過去5年分の過去問を繰り返し解きながら、自分の苦手分野を把握しましょう。
理解度が低いと感じる問題に関しては、参考書を活用し復習することが大切です。

まとまった時間を確保しにくい方は、「一問一答」のようなハンドブックでスキマ時間を活用するのもおすすめです。

無料の動画講義を視聴する

インターネットの無料動画コンテンツを活用するのも、効果的な学習法のひとつです。

最近は、ネット上で試験対策の動画や過去問の解説動画を配信したりしているコンテンツが数多くあります。

ケアきょうYouTubeでも、ケアマネ試験に向けた効果的な学習方法や試験対策動画を配信しているので、ぜひお気軽にご活用ください。

ケアきょうの模擬試験解説を視聴する(無料)

ケアマネ試験合格後のキャリアプランを紹介

ケアマネ試験合格後のキャリアプランとして、以下3つの仕事を紹介します。

  • 居宅ケアマネ
  • 施設ケアマネ
  • 介護職兼ケアマネ

筆者でありケアマネ経験のある私の経験も含めて紹介するので、ケアマネとしてのキャリアを考える際の参考にしてください。

ケアマネの仕事に関しては、以下のケアきょうYouTubeを参考にしてください。

▼関連動画

居宅ケアマネ

居宅ケアマネは、自宅で生活している要介護高齢者に対して、必要な介護サービスを受けるための支援を行う仕事です。

主な仕事はケアプランという介護サービス計画書の作成やご利用者の経過支援などですが、介護サービスの給付管理、介護報酬の請求などを行う場合もあります。

居宅ケアマネは、基本的に居宅介護支援事業所で働くことになり、平日勤務で土日祝休みといったスケジュールが一般的です。

居宅ケアマネの詳しい仕事内容が知りたい方は、ケアきょうYouTubeで実際に居宅ケアマネをしている方にインタビューした動画があるので、ぜひご覧ください。

▼関連動画

施設ケアマネ

施設ケアマネは、施設で生活するご利用者を対象に、ケアプランの作成やモニタリング、相談援助などを行う仕事です。

居宅ケアマネよりも対象利用者の人数は増えますが、自宅に訪問する必要はないため、基本的に施設内での業務がメインです。

勤務時間は朝から夕方までの定時ですが、勤務スケジュールはシフト制で土日祝関係なく出勤するのが一般的です。

私も施設ケアマネの経験がありますが、施設の事務所で働くことになるため、ケアマネ業務以外の事務作業(経理や介護職のマネジメント業務など)を手伝うこともありました。

介護職兼ケアマネ

介護施設で働く場合、介護職をしながらケアマネをするといったケースもあります。

私も実際に有料老人ホームやグループホームなどで、介護職兼ケアマネをした経験があり、以下のような条件で働いていました。

  • 基本的には介護職がメイン(夜勤もする)
  • 20日勤務の場合4〜5日はケアマネ業務
  • 担当するご利用者は10名前後
  • メインのケアマネとの協働作業
  • ケアマネ手当として数万円の支給あり

介護職とケアマネを両方するため、一見大変そうに思えますが、担当利用者の人数は少なくケアマネ業務の時間も確保してもらえたので、負担なく続けられました。

介護職をしながらケアマネ業務を行うことで、処遇改善手当をもらいながらケアマネとしての経験を積めるメリットは、一石二鳥であると感じました。

まとめ

ケアマネ試験の合格ラインは、正答率70%を基準とし、その年の問題の難易度によって補正した点数となります。

過去5年間の試験結果を見ると、介護支援分野は15点以上、保健医療福祉サービス分野は24点以上が、平均的な合格ラインです。

前回の第26回ケアマネ試験は、合格率も20%を超えており、比較的合格ラインが高い結果でした。

直近3年は合格率と合格ラインが高い傾向にあるため、次回27回のケアマネ試験に合格するためには、計画的な学習による豊富な知識量が必要になってくるでしょう。

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