利用者さんに寄り添った介護ができる理想の職場とは?現役介護職のリアルな意見を紹介【ケアきょう調査】

介護職あるある
2024/04/07

利用者さんに寄り添った介護ができる理想の職場とは?

今回はこのテーマについて、ケアきょう独自で介護職の方々にアンケートを実施しました。

利用者さんに寄り添う介護」とは、いったいどのような介護なのでしょうか?
本コラムでは、アンケート結果や介護職の方々のリアルな意見を参考に、「利用者さんに寄り添った介護ができる理想の職場」について考えていきます。

今回行ったアンケートの概要は以下のとおりです。

  • 調査期間:2024年2月26日~3月2日
  • 調査方法:ケアきょうユーザーへの調査
  • 対象者:介護職278名

さっそくアンケート結果や現役介護職のリアルな意見を見ていきましょう。

寄り添った介護ができる、介護職にとっての理想の職場は?

寄り添った介護ができる、介護職にとっての理想の職場は?」という質問に対する回答結果は、以下のとおりです。

回答内容 割合
職員同士の人間関係が良い 73%
給与が高い 7%
手当や福利厚生が充実している 6%
資格取得を支援してくれる 3%
お休みが多い 3%
残業時間が少ない 2%
その他 7%

上記の回答結果から、利用者さんに寄り添った介護をするためには、職員同士の人間関係の良さが重要と言えます。

そのほか、給与や福利厚生などの待遇面が充実していることで職員の働き方満足度が向上し、利用者さんに寄り添う余裕が生まれる可能性も考えられます。

ムカつく職員がいることで、仕事がスムーズに進まないことがありますか?

ムカつく職員がいることで、仕事がスムーズに進まないことがありますか?」という質問に対する回答は、以下のような結果でした。

回答内容 割合
よくある 6%
そこそこある 40%
あまりない 37%
まったくない 17%

およそ半数の介護職の方々が、ムカつく職員がいることで仕事に支障が出ているようです。

利用者さんに寄り添った介護を実現するためには、職員同士の信頼関係が構築されていることが大切です。

「なぜその職員に対してムカつくのか」ということを明確にするために、職員同士で話し合いの場を持ちましょう。
仕事をスムーズに進められることは、寄り添う介護の実現に重要なことです。

利用者さんに寄り添った介護をするために大切だと思うことを教えてください

利用者さんに寄り添った介護をするために大切だと思うこと」について、介護職の方々から以下のような意見が挙がりました。

この質問は自由記述式でしたが、アンケートに参加してくださった方の85%が記述してくださり、貴重なご意見を多く頂きました。すべての意見を紹介したいところですが膨大な数になるため、今回はいくつかピックアップして紹介させていただきます。

環境が1番大事だと思います。
環境といっても建物だけでなく一緒に働くスタッフも。そして同じ介護の志を持った人と働くこと。
1人で孤独に介護をするのは辛い。自分がいくら利用者のことを考えたとしても、周りから愚痴を吐かれたらメンタルがもたない。上司が介護とは何かについて語れる人間であることが大切。
職員一人ひとりが目標を持ちながら、みんなでチームとしての目標に向かって介護をしていくことが必要。
利用者さんへの対応も大事だと思いますが、給与面の充実や人間関係が良好であること、休みが取りやすくリフレッシュできる環境が必要だと思います。
介護職員が疲弊してしまうと余裕がなくなってしまうと思います。
介護職員の心のゆとりだと思います。
職員同士の関係だったり給与や休日の多さも大切ではあったりしますが、働いているときにどれだけ心にゆとりを持てるかでそこで続けられるかどうかで、利用者さんに寄り添う介護ができるか決まってくるのかなと思います。
介護職員への尊厳も考慮していただきたい。企業である以上利益も大切だが、単なる労働力として扱うのはどうかと思う。
利用者さんに寄り添うためには、毎日人員が多くないとできないと思います。日々の業務に追われて、寄り添う時間の余裕が無いと思います。
人間関係も大切ですが、心に余裕を持つために、手当や福利厚生も大事だと思います。
あとは、職員が施設の掲げる理念や目標に対して、みんなで目指そうと思う気持ちも大切。
今の施設は、みんな考えや仕事に対する考えがバラバラで、適当な介護をしてる人がいたり、きちんとした指導が行われていないと感じたりすることがあります。
利用者さんの話を傾聴し、職員はたまにうなずきながら、話をしてあげることが大切。
「一生懸命あなたの話を聞いてますよ」ということが伝わる姿勢が大事だと思う。そこから信頼関係もできてくると思います。
職員一人ひとりのスキルも大事ですが、事業所としてのモラルや秩序、あるいは経営者の意欲やガバナンス力、統率力が職員全体の意識を引き上げ引き挙げ、事業所の介護の質を上げていくものだと思います。
人間関係の良さから生まれるチームワークや介護に関する知識が必要だと思います。間違った知識のまま利用者さんに寄り添うと、不穏にさせてしまう可能性があります。
介護福祉士の資格を持つこと、ミーティングや研修は全スタッフが参加すること、ヒヤリハットや事故が起きた時は改善案を全スタッフで考えることなどが大切です。
コミュニケーションを通して、利用者さんが今何をしたいのか、何に困ってるのかを一緒に考えてあげることが大切。利用者さん本人は、遠慮してなかなか言い出せなかったり、うまく言えなかったりすることもあるので、普段の会話などを大切にすることが必要。
私はとにかく利用者さんと目があったら、寄り添い声をかけるようにしています。

利用者さんに寄り添った介護をするためには、さまざまなことを改善する必要性があります。とくに介護業界の最大の課題である「人手不足」は、寄り添う介護の実現の大きな壁となっています。

まとめ

アンケート結果や現役介護職の意見から見えてきた「利用者さんに寄り添った介護ができる理想の職場」とは?

今回はケアきょう独自の「利用者さんに寄り添った介護ができる理想の職場」のアンケート結果とともに、寄り添う介護の実現について解説しました。

現役介護職の方々から大変多くの意見をいただき、「利用者さんに寄り添った介護ができる理想の職場」の答えがより明確になってきました。

これまでのアンケート結果や介護職の方々からの貴重なご意見から「利用者さんに寄り添った介護ができる理想の職場」を実現するためには、以下のようなことが必要であることが見えてきました。

  • 人手不足の解消
  • 給与や休日など待遇面の改善
  • 職員同士が意見交換しやすい環境
  • 利用者さんについて話し合う機会
  • 介護スキル向上ための勉強会

上記のようなことは、職員の心の余裕ややりがいにつながり、利用者さんに寄り添った介護を実現する土台になっていきます。

利用者さんに寄り添った介護をするためには、今現在行っている介護を変えるのではなく、介護をする職員の環境を改善することが大切です。

ぜひ本コラムを参考に、「利用者さんに寄り添った介護ができる理想の職場」とは何かを考えるきっかけにしてみてください。

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