准看護師の介護施設での仕事内容とは?待遇面やおすすめの勤務先なども紹介
准看護師で、以下のような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか?
准看護師の資格を持っていて、病院やクリニックのような医療機関ではなく、介護施設への就職に興味がある方もいるでしょう。
本記事では、准看護師の介護施設での仕事内容や待遇面など、介護施設で働きたい准看護師の方に役立つ情報を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
准看護師とは?
准看護師とは、医師や歯科医師、看護師の指示のもと、看護や診療の補助をおこなう専門職のことです。
なお看護師とは異なる資格で、以下のような違いがあります。
看護師 | 准看護師 | |
---|---|---|
養成施設等への入学要件 | 高校卒業 | 中学卒業 |
教育期間 | 3年以上 | 2年以上 |
必要単位または時間 | 102単位以上 | 1,890時間以上 |
免許の発行 | 厚生労働大臣 | 都道府県知事 |
業務内容 | 傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする | 医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定すること(傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助)を行うことを業とする |
就業者数 | 約128万人 | 約28万人 |
参考:令和2年衛生行政報告例|厚生労働省参考:准看護師について|公益社団法人日本看護協会
1分で登録OK
ケアきょう求人・転職の無料相談准看護師になるには?
准看護師になるには、都道府県が実施する試験に合格して免許を取得する必要があります。
准看護師になるルートは、主に以下の2パターンです。
中学卒業の場合 | 高校卒業以上の場合 |
---|---|
①准看護師養成所に2年間通う (または高校衛生看護科に3年間通う) ②准看護師試験を受ける ③准看護師を取得する ④准看護師として就職する |
①准看護師養成所に2年間通う ②准看護師試験を受ける ③准看護師を取得する ④准看護師として就職する |
どちらも基本的なルートは同じですが、中学卒業の場合で高卒資格も欲しい方は、高校衛生看護科に3年間通う選択肢もあります。
准看護師養成所に関しては、以下の日本准看護師連絡協議会のサイトで全国の准看護師学校養成所一覧を確認できます。
→日本准看護師連絡協議会の全国の准看護師学校養成所一覧を見る
准看護師の介護施設での仕事内容とは?
准看護師の介護施設での仕事内容は、主に以下の3つです。
- 健康管理や療養
- 医師の指導による医療業務
- 利用者様への生活支援
病院看護師との違いについても触れながら、それぞれの仕事内容を詳しく紹介します。
健康管理や療養
介護施設で働く准看護師の主な仕事は、以下のような利用者様の健康管理や療養です。
仕事内容 | 詳細 |
---|---|
健康管理 | ・体温や血圧などのバイタルチェック ・体調不良者の状況を医師に報告 ・爪切りや耳掃除 |
療養 | ・軟膏の塗布や湿布の貼用 ・軽微な怪我の処置 ・経管栄養の準備や観察 |
介護施設は治療を目的とした施設ではないため、健康管理や療養では、日常生活におけるサポートがメインになります。
複雑な業務が多いわけではありませんが、利用者様との日々のかかわりの中で感じる変化などに気を配りながら、健康管理や療養を行うことが大切です。
医師の指導による医療業務
看護師は医師の指導により、以下のような医療業務を行えます。
- 投薬
- 点滴
- 採血
- 床ずれ処置
- 尿道カテーテルの挿入など
ただし准看護師の場合は、自分の判断でこのような業務を行えないと規定されているため、あくまで医師や看護師の指示があって行えるという形です。
介護施設では体調不良者に対する点滴や床ずれの処置などが多く、注射による投薬や採血などの機会は多くないのが特徴です。
利用者様への生活支援
介護施設によっては、排泄介助や食事介助など、看護師も利用者様への生活支援に携わることがあります。
介護老人保健施設やデイサービスなどは、介護職と看護師が協力して生活支援を行っている施設もあります。
そのため入社時に、看護師も介護職と同様に、介護に関する研修を受ける場合もあるでしょう。
看護師として入社したはずなのに、介護業務もやらされるのは納得いかないという方もいるかもしれません。
看護師として介護施設に入社する方は、事前に業務内容を確認しておくといいでしょう。
病院看護師との違いは?
介護施設は基本的に生活支援がメインのため、病院と比べると医療的ケアが少ないのが特徴です。
そのため、病院勤務を経験した看護師からすると、医療面での業務負担が軽く感じるでしょう。
ただし、介護施設の医療職は看護師のみの場合が多く、緊急時は病院のように医師の指示のもとで動くよりも先に、看護師が判断しなければいけない場面も出てきます。
そのほか、病院では食事の提供や入浴のお世話なども看護師がやることが多いですが、介護施設では基本的に生活支援を介護職が行います。
看護師が生活支援をするケースもありますが限定的なため、介護施設は医療的ケアに集中できる環境です。
准看護師が活躍できるおすすめの介護施設
准看護師が活躍できるおすすめの介護施設は、以下の5つです。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- デイサービス(通所介護)
それぞれの介護施設の特徴を紹介するので、自分にあった施設を探す際の参考にしてください。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームの正式名称は、介護老人福祉施設といい、入居基準が要介護3以上の方に定められています。
主に食事や入浴、余暇支援などの日常生活支援の介護サービスが中心の施設です。
医療的ケアの必要性が高い利用者様は少なく、日々の健康管理や療養が看護師の主な仕事です。
ただし、要介護度が高い利用者様が多いため、施設によっては経管栄養や痰吸引などの医療的ケアをする場面が増えることもあります。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、要介護高齢者が在宅復帰することを目的にする施設のため、生活支援だけでなくリハビリの提供も充実している施設です。
医師が配置されており、看護師も特養に比べると多く配置されています。
医療的ケアを提供するケースも多く、介護施設の中でも看護師をはじめとした医療職の必要性が高いのも特徴です。
有料老人ホーム
有料老人ホームには、以下3つのタイプがあり、主に日常生活上の支援を行うための施設です。
- 介護付き
- 住宅型
- 健康型
看護師の方が働く場合は、介護付き有料老人ホームになります。
主な仕事内容は、特別養護老人ホームと同じように、利用者様の健康管理や療養がメインです。
要介護の方だけでなく要支援の方も生活しているため、施設によっては医療的ケアの必要性はかなり低い場合もあるでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、住宅扱いとなるため、通常は介護や医療のサービスは行われません。
基本サービスとしては、利用者様の安否確認や生活相談などがメインになります。
ただ中には、介護職や看護師を常駐させたり、訪問介護や看護と連携し、介護や医療のサービスを提供する施設もあります。
看護師で夜勤をするようなサ高住もあるため、自分が希望する働き方ができる施設を探してみるといいでしょう。
デイサービス(通所介護)
デイサービスとは介護施設に日帰りで通い、食事や入浴、レクリエーションなどの介護サービスを受けられる施設です。
デイサービスは、要介護高齢者の社会的な孤立を防いだり、自宅で介護する家族の負担を減らしたりすることを目的としています。
デイサービスでの看護師の主な仕事は、健康管理や服薬管理、簡単な怪我の処置などの医療的ケアです。
介護施設で働く准看護師のスケジュール
介護施設で働く准看護師の1日のスケジュールは、以下のとおりです。
(今回は特別養護老人ホームを例に紹介します)
時間 | 仕事内容 |
---|---|
9:00 | 出勤、ミーティング、申し送りなど |
9:30 | 利用者様の健康チェック |
10:00 | 入浴前後の対応(バイタル測定や処置など) |
11:30 | 経管栄養の準備やインシュリン注射など |
12:00 | 食事介助のサポート |
13:00 | 休憩 |
14:00 | 体調不良者の対応やカンファレンスへの参加など |
15:30 | 入浴前後の対応(バイタル測定や処置など) |
17:00 | 経管栄養の準備やインシュリン注射など |
18:00 | 記録チェック後、退勤 |
体調不良者や緊急対応が必要な方がいない場合は、基本的にこのようなスケジュールになります。
准看護師が介護施設で働くメリット
准看護師が介護施設で働くメリットは、以下の3つです。
- 夜勤がない
- 病院に比べて負担が少ない
- 経験やスキルがなくても働きやすい
それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。
夜勤がない
ほとんどの介護施設は、看護師の夜勤勤務がなく日勤のみのため、夜勤をしたくない方にとっておすすめの職場です。
たとえば、子どもが小さく今は夜勤が難しいという方にとって、夜勤のない介護施設は働きやすい環境と言えます。
ただし施設によっては、日勤のみでも夜間緊急時の呼び出し対応をしなければいけない場合もあるため、働く前に必ず業務内容を確認しておきましょう。
夜勤がやりたいという方もいるかもしれないため、夜勤の有無に関しても事前に確認しておくことが大切です。
病院に比べて負担が少ない
介護施設は病院と比べると、医療的ケアが少なく介護職による生活支援がメインのため、看護師にとっては体力的負担が少ないのが特徴です。
また残業も比較的少なく夜勤もないため、長時間労働になりにくい環境も魅力的です。
利用者様の多くは何かしらの疾患を抱えていますが、治療はせず施設で生活していくことが主な目的になっています。
健康管理が主な仕事である介護施設では、病院に比べると看護師の負担は少ないと言えるでしょう。
経験やスキルがなくても働きやすい
介護施設は病院と比べると医療的ケアを必要とする利用者様が少なく、経験やスキルがあまりない看護師の方でも働きやすくなっています。
また複雑な医療行為が少ないことから、ブランクがある看護師の方にとっても、仕事復帰しやすい環境です。
准看護師の資格を取ったばかりで、いきなり病院で働くのは不安という方は、まず介護施設から働きはじめるのもいいかもしれません。
准看護師が介護施設で働くデメリット
准看護師が介護施設で働くデメリットについては、以下の3つが挙げられます。
- 病院に比べると給料が少ない
- スキルアップしにくい
- 介護業務をすることもある
各デメリットの詳しい内容を見ていきましょう。
病院に比べると給料が少ない
厚生労働省のデータによると、看護師の平均給料は介護事業所と病院を含むすべての職場で、以下のようになっています。
勤務場所 | 平均月給 |
---|---|
介護事業所 | 約37.3万円 |
病院を含むすべての職場 | 約40.1万円(35〜39歳) |
参考:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省参考:看護師の年齢階級別平均賃金|厚生労働省
病院の場合は、夜勤があったり看護主任といったキャリアアップの選択肢もあったりするため、給料が上がりやすい環境とも言えます。
介護施設は病院に比べると給料は減りますが、業務負担が軽くなる点はメリットです。
スキルアップしにくい
介護施設は健康管理や簡単な処置など、単純な医療的ケアが多いため、看護師としてスキルアップしにくい環境です。
看護師としてさまざまな医療的ケアを経験して、スキルアップしたい方には介護施設は向いていないでしょう。
ただ経験やスキルがない方にとっては働きやすい環境ではあるため、まずは介護施設で看護師としての経験を積んでから病院に転職するということも選択肢もあります。
介護業務をすることもある
介護施設の多くは療養や治療を目的にしておらず、あくまで日常生活上の支援がメインです。
そのため、看護師も介護職と同じように、食事や排泄介助などの介護業務を行う場合もあります。
施設によっては、せっかく准看護師の資格を取って看護業務をするために入社しても、オムツ交換やシーツ交換などの生活支援ばかりをやらされるケースもあります。
介護業務は行わず医療的ケアのみをしたい方は、介護施設よりも病院やクリニックなどの医療機関への就職がおすすめです。
まとめ
准看護師の介護施設での仕事内容は、健康管理や療養以外にも、食事や排泄介助など利用者様の生活支援を行う場合もあります。
病院の看護師と比べると医療的ケアが少ないため、経験が少ない方やブランクのある方でも働きやすいのが特徴です。
准看護師を取得したばかりの方は、まず介護施設から働き始めて経験やスキルを積んでいくのもいいでしょう。
1分で登録OK
ケアきょう求人・転職の無料相談