医療法人と社会福祉法人はどちらが給料いいの?働くメリットや転職のポイントも解説

キャリアアップ
2024/02/21

介護職で転職を考える際に、以下のような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか?

医療法人と社会福祉法人はどちらが給料いいの?
医療法人と社会福祉法人それぞれのメリットは?
ブラック施設を見極める方法はあるの?

本記事では、医療法人と社会福祉法人の給料の違いやメリットなどを解説します。
また、入社前にブラック施設を見極める方法も紹介します。

介護職で医療法人や社会福祉法人に転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

医療法人と社会福祉法人の給料はどっちが高い?

厚生労働省のデータによると、医療法人よりも社会福祉法人の給料のほうが高いという結果が出ています。
ただデータはあくまで平均値のため、実際は法人の経営状況や働く施設によって異なります。

それぞれの給料について、より詳しい内容を見ていきましょう。

参考:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結|厚生労働省

医療法人の給料

厚生労働省のデータによると、医療法人で働く介護職の平均給与は「319,040円」でした。

医療法人は病院やクリニックなどの医療機関をメインで運営していることが多く、介護施設よりも医療機関の経営状態が給与に反映しやすい法人です。

そのため、転職前に医療法人の給料を確認したい場合は、求人情報以外にメインで運営している病院やクリニックの状況を見るといいでしょう。

患者数が多く地域で愛されている法人であれば、経営状態が安定している可能性が高く、介護職の給料にも還元されていることが期待できます。

法人の経営状況を確認する方法は本記事の『経営状況を確認する』を参考にしてください。

社会福祉法人の給料

厚生労働省のデータによると、社会福祉法人で働く介護職の平均給与は「335,060円」でした。

医療法人よりも給料が高い要因として、以下のことが挙げられます。

  • 福祉がメインの事業である
  • 介護職に利益が還元されやすい
  • 平均給与の高い特養を運営できる
  • 公益事業や収益事業も行える

医療法人の場合は、メインである医療機関の職員に利益が還元されやすいため、社会福祉法人に比べると、介護職の給料は低いことが予想されます。

また社会福祉法人は、貸ビルや駐車場の運営といった収益事業が可能です。
収益事業で得た利益は福祉事業に還元されるため。
福祉以外の収益によって介護職の給料も変わってくるでしょう。

医療法人と社会福祉法人は給料以外に何が違う?

医療法人と社会福祉法人は、給料以外にも事業の目的や運営できる施設など、さまざまな点が異なります。

ここではそれぞれの特徴について、詳しい内容を見ていきましょう。

医療法人と社会福祉法人の違いについては、以下の記事でも解説しているのであわせてご覧ください。

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「医療法人」と「社会福祉法人」の違いは?待遇面や働き方などそれぞれの特徴を解説

医療法人の特徴

医療法人は、医療法に基づき医療サービスを提供し、地域の医療ニーズを満たすことを事業の目的として設立された組織です。

医療の提供を目的としているため、理事長は医師または歯科医師でなければいけません。

代表的な運営施設は、病院やクリニックなどが該当します。
介護施設であれば、医療的ケアやリハビリが充実している介護老人保健施設が挙げられます。

介護老人保険施設の働き方については、ケアきょうYouTubeでも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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社会福祉法人の特徴

社会福祉法人は、社会福祉法に基づき、地域における福祉のニーズを満たすことを目的として設立された組織です。

社会福祉事業は、以下2つの種類に分けられる点が大きな特徴です。

第一種社会福祉事業 第二種社会福祉事業
介護老人福祉施設や児童養護施設など デイサービスや保育園など

医療法人と大きく異なる点として、特別養護老人ホームの運営ができることです。
特養はもっとも代表的な介護施設で、地域の高齢者福祉を支える大きな役割を担っています。

特別養護老人ホームでの働き方については、ケアきょうYouTubeでも紹介しているので、ぜひご覧ください。

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医療法人で働くメリット

  • 介護だけでなく医療に関する知識やスキルも身につく
  • 専門職が多くチームケアを学びやすい
  • 医療機関が併設しており緊急時の対応を任せやすい

介護だけでなく医療に関する知識やスキルも身につく

医療法人は病院やクリニックをメインに運営しているため、介護職でも医療的ケアに触れる機会が多くあります。
クリニックが併設されているような介護施設も多く、介護職が病院受診に付き添いやすい環境が整っています。

病院やクリニックの医療職が主催する社内研修や勉強会などもあり、医療法人は医療に関する知識やスキルを学びやすい環境です。

医療法人で培った医療的ケアに関する知識やスキルは、他の施設に転職した際も活かせるので、学んでおいて損はないでしょう。

専門職が多くチームケアを学びやすい

医療法人には、以下のようなさまざまな資格を持った職種の方が在籍しています。

  • 医師
  • 看護師
  • 管理栄養士
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 薬剤師
  • 介護福祉士
  • 社会福祉士
  • 介護支援専門員

社会福祉法人よりも専門職の種類は豊富で、連携が非常に重要視されているため、チームケアを学びやすい環境です。

医療も介護も多職種連携で情報共有しながら、ケアを進めていくことが大切です。
当然介護職にも、介護の専門職として専門的な意見を求められます。

医療がメインだから介護はサブという考えではなく、介護の専門職としてしっかりと意見を述べることで、チームケアの重要性を肌で感じられるでしょう。

医療機関が併設しており緊急時の対応を任せやすい

医療法人が運営する介護施設の場合、病院やクリニックが併設している場合もあります。
万が一利用者様に急変があっても、同じ法人内の医療機関が対応してくれるので、任せやすいでしょう。

同法人の介護施設で医療機関であれば利用者様の情報共有がしやすいため、コミュニケーションもスムーズに進められます。

社会福祉法人の場合は、法人外の医療機関とやり取りをする必要があるため、連絡体制が整わずコミュニケーションがうまくいかない可能性があるでしょう。

社会福祉法人で働くメリット

  • 遠方への転勤の可能性が低い
  • 研修制度や福利厚生が充実している
  • 介護の基礎スキルがしっかりと身につく

遠方への転勤の可能性が低い

社会福祉法人は施設がある地域に根ざした運営をしているため、遠方への転勤の可能性がほとんどありません
他県に転勤したくない方や、同じ施設で長く働きたい方にとっては魅力的です。

ただし、中には社会福祉法人でも県外に施設を展開している場合もあるため、不安な方は入社前に転勤の可能性について確認することをおすすめします。
なお法人のホームページを確認すれば運営している施設が確認できるので、転勤の有無についてはある程度予想できるでしょう。

研修制度や福利厚生が充実している

社会福祉法人は、研修制度や福利厚生が充実しているため、スキルアップや働きやすさなどを求める方におすすめです。
たとえば、未経験で介護職をはじめた方であれば、無料で介護資格を取得できる資格取得支援のような制度もあります。

また社内だけでなく、外部も含めたさまざまな研修を受けられるため、スキルアップの機会が多くあるのも魅力です。
研修や資格取得を通じて、介護職としてキャリアアップやスキルアップしたい方は、社会福祉法人で働いてみるのもいいでしょう。

介護の基礎スキルがしっかりと身につく

社会福祉法人は、地域の福祉を支える重要な役割をになっています。
そのため、法人全体が介護に対する向上心も強い傾向です。
介護を基礎からしっかり学び、スキルを身につけたい方にとっては魅力的な法人と言えます。

社会福祉法人の代表的な介護施設である特別養護老人ホームは、利用者様の入居条件が要介護3以上です。
平均介護度が高いため、排泄や移乗介助など、基本的な身体介護を行う機会が多くあります
基礎スキルを身につけながら、介護職としてレベルアップしたい方にとって、社会福祉法人はおすすめです。

ブラック施設を見極める7つのポイント

医療法人と社会福祉法人の給料や特徴の違いはわかったけど、ブラックな施設がないか不安という方に対して、以下7つの「ブラック施設を見極めるポイント」を紹介します。

ブラック施設を見極めるポイント
  1. 求人情報を確認する
  2. 口コミをチェックする
  3. 経営状況を確認する
  4. 就業条件をチェックする
  5. 事前に職場見学をする
  6. 面接官の雰囲気を確認する
  7. 契約書の内容をチェックする

それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。

7つのポイントについては、ケアきょうYouTubeでも紹介しています。ぜひご覧ください。

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1.求人情報を確認する

仕事を探す際にまず目にするのが、ハローワークや求人サイトで目にする求人情報です。
ブラックであるかどうかを見極める際は、以下のことに注意して情報を確認しましょう。

  • 求人情報が出る頻度
  • 給与情報の記載方法
  • 「急募」や「やる気ある人募集」などの言葉

求人が頻繁に出るような法人は、人の入れ替わりが激しく、ブラックな環境の可能性があります。

給与の記載内容があいまいだったり、「急募」や「やる気ある人募集」などの言葉があったりすると、とにかく人を集めたいだけの求人情報かもしれません。

2.口コミをチェックする

ネットの口コミサイトやSNSなどの投稿を参考に、転職先の情報を得ることも大切です。
また、施設名をネット検索することで、過去の違法行為や虐待事件などの情報が出てきます。

ただし、口コミは施設に対して恨みを持っている方が投稿している場合が多く、マイナスな情報だけをピックアップしている恐れもあります。
あまり口コミはなくても、入社してみるといい職場だったということもあるため、あくまで口コミは参考程度にしましょう。

3.経営状況を確認する

求人情報や口コミで印象がよくても、経営状況がよくなければ職員に安定した給料を還元できません
職場環境はよくても給料が低い場合もあるため、経営状況を確認することも大切です。

医療法人や社会福祉法人の施設の経営状況については、「WAM NET」や「独立行政法人 福祉医療機構」で、財務諸表を確認して、売上や利益を確認できます。

職場に関する詳しい情報が知りたい方は「ケアきょうLINE」まで相談していただければ、対応させていただきます。

4.就業条件をチェックする

入社前には、必ず以下のような就業条件を確認しておきましょう。

  • 勤務する職種
  • 施設の形態や規模
  • 勤務シフト
  • 年間休日数
  • 異動の有無など

ブラックな施設であれば、面接の時点で確認しておかないと、入社後に求人情報と違う勤務シフトで働くことになる恐れもあります。

就業条件はこちらから積極的に確認して、納得した上で働きはじめましょう。

5.事前に職場見学をする

職場見学は、職場の雰囲気を実際に感じられる貴重な時間です。
以下の点に注意して、施設を見学しましょう。

  • 職員の挨拶や表情
  • 利用者様の生活風景
  • 施設内の清掃状況

職員に笑顔や挨拶がなかったり、利用者様が職員に対して遠慮しがちな姿が見られると危険です。
職員が高圧的な態度で介護しており、利用者様が萎縮している恐れがあります。

また施設内の清掃が行き届いてない場合は、職場環境が悪く慢性的な人手不足の可能性が考えられます。

6.面接官の雰囲気を確認する

面接官の雰囲気を確認することで、ブラックな施設を見極める判断材料になります。
たとえば、以下のような雰囲気である場合は入社しないほうがいいでしょう。

  • 面接官が高圧的で怖い
  • 採用にやる気が感じられない
  • 質問に対して丁寧に答えてくれない

面接官は施設の管理職クラスがやる場合が多く、高圧的な態度をとっている場合は、日常的にパワハラをしている可能性があります。

また給料や福利厚生など条件面の質問に対して、丁寧に答えてくれない場合は、魅力がなくあまり教えたくないと思っているかもしれません。

7.契約書の内容をチェックする

きちんとした法人であれば、内定した時点で就業条件を記載した通知書を送ってくれるはずです。
給与条件や勤務シフトなど、詳しい就業条件が明確に記載されているものが手元に届くでしょう。

入社前に通知書や契約書が渡されなかった場合、働きはじめてから就業条件を変えられる恐れがあります。
必ず働き始める前に、明確な就業条件が記載された契約書をもらいましょう

なお面接で即採用し「来週から来れる?」と言い、すぐに働かせようとする職場は、かなりの人手不足でブラック施設の恐れがあるため注意してください。

まとめ

医療法人と社会福祉法人の給料は、厚生労働省のデータだと、社会福祉法人のほうが多くなっています。
しかし、給料に関しては法人の経営状況や規模などによって異なるため、転職時は運営する施設ごとに条件面を確認してください。

転職先を考える際は、求人情報だけでなく施設の雰囲気や面接官の態度など、さまざまな面を確認しながら自分にあった職場を見つけましょう。

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