【勘違い】実は若手指導が下手な介護施設の共通点

介護職あるある
2022/01/31

指導が下手な施設の特徴

今回は、実は若手指導が下手な介護施設の共通点をご紹介していきます。ケアきょうには「新人・若手指導」に関するお悩みも多く届いています。そういったお話を聞いていると上手くできていそうなのにできていない、ということが度々あります。

そういった施設がどんな特徴をしているのか?今回まとめてみました。
また、どうしてこのような状況になってしまっているのか、その理由や解決策、までご紹介するので最後までご確認下さい。

①実はパワハラ!?

まず一つ目の特徴は指導していると思ったら、パワハラをしていたです。
マンツーマンで指導をしているという施設でたびたび頂く問題です。
「新人1人に先輩1人を付けて業務を教えさせていると安心していたが、ふたを開けてみたら、先輩がずっといじめていた」とのこと。これでは指導ではなく、ただのパワハラです。
マンツーマンだとなかなか気が付きにくい側面もありますが、気をつけましょう

②OJTのはき違え

2つ目はOJTとアピールするも、何も指導せずに現場に立たせるだけです。
社員教育では有名なワードOJT。On the Job Training の頭文字をとった言葉で、日本語に直すと実地訓練、といったとこです。
実際に現場に立たせて仕事をさせながら、教育する、という方法の教育方法です。

これ自体に問題はないのですが、何も指導せずに現場に立たせる、ということがあるそうです。
中には、最初から戦力として数えられ、ミスをすれば怒られるということもありました。

事前の研修や、仕事中に先輩のアドバイスがあって初めてOJTとして成り立ちます。
指導などがないと、新人や若手は、なにも指導がなく不安の中働くほかなく、我流で実務をこなすことになり、教育としてうまくいきません。
OJTをするなら、先輩たちがしっかりと仕事を教えるようにしましょう。

③言ってることがみんな違う

3つ目は、皆面倒を見てくれるが、みんな違うことを教えるです。
これは、とてもありがちで、とてももったいないことです。施設に勤める方たちは、とてもやさしいのに、若手からしたらとても迷惑!というパターンです。

例えばこんな感じです。
A先輩とB先輩がいたとします。ある日A先輩に、移乗の指導を受け、その方法は完璧に覚えることが出来ました。
しかし次の日B先輩の目の前で教わった方法をしてみたら、烈火のごとく怒られた

皆さんも見たことがあるのではないでしょうか?
これでは、新人も「え?どっちが正しいの?」と混乱してしまうものです。

④業務マニュアルが歴史書

実は若手指導が下手な施設の特徴4つ目は、業務マニュアルはあるが、10年以上前に作られたものです。
一応はしっかり作成しているのだが、過去の遺物といってもいいマニュアルで勉強するほかない、ということがありました。
介護の世界でも、介護に対する考えや、介助の方法などドンドンと変化しています。
新しい施設や、古い施設でも運営者が勉強をしている場合、業務マニュアルなどは常に新しくなっていくものです。

しかし、古い施設の一部には10年以上前に作られた業務マニュアルをずっと利用している施設もあります。
マニュアルが古ければ、それで学ぶ職員の介護も古いものになります。
全てが悪いわけではありませんが、色々な外部研修などに参加した若手職員たちは、不信感を抱くようになってしまいます。

⑤意味ある?研修

最後の特徴は、外部講師の研修を受けるが、施設でやると怒られるです。

これを初めて聞いたときは驚きました。
施設に行ってきなさい、と外部研修を受け、自信満々で帰ってきたところ、翌日教わったことを施設でやると、「わかってない」「やり方が違う」と怒鳴られたという方がいました。

利用者のシチュエーションが異なるから怒られた、という可能性もありますが、研修内容を理解した上で、外部研修に行かせる必要があります。
研修に行かせるなら、その内容を施設で一度は受け入れるなどしないと意味がないですね。

意外と難しい若手の教育

ここまで実は若手指導が下手の施設の特徴を見てきましたが、若手指導は本当に難しいもの。
なぜ若手指導が難しいのかいくつか原因をまとめてみました。

理由(1)人員不足で時間が取れないから

若手指導が難しい理由1つ目は、人員不足で教育する時間が取れないです。
若手指導がしっかりしている施設の多くは、人員にある程度の余裕があったり、どうにか工夫して時間を作っている印象です。
仕事に入ったばかりの若手が、不安にならないよう配慮があると、うまく教育ができるようになりますが、なかなか難しいようです。

理由(2)若手のバックボーンが多様だから

2つ目の理由は、若手のバックボーンが多様だからです。
介護業界に入ってくる人には様々な人がいます。
学歴もバラバラなら、学んできたこともバラバラです。福祉系学校で先に介護について知識がある方もいれば、まったくの素人という方もいます。
そういった人たちに同じ教育をしても、捉え方が異なってきます。
最終的には同じレベルの人に育てる必要があり、個人に合わせた教育は大変難しいものがあります。

理由(3)介護業界の「標準」がそもそもまだ確立していない

3つ目の理由は、介護業界の「標準」がそもそもまだ確立していないです。
介護業界には、「この方法でやれば完全に正解」というものが確立していません。
介助の方法ひとつとっても「標準」というものが明確に定められていないのです。
そのため、介護事業所側としても、マニュアルなどは独自で作成する必要があり、現場で工夫をする必要があり教育の難易度が上がっています。

どうすればよいのか?

では、どうすればよいのでしょうか?
今回は2つの解決策をご紹介します

(1)人員が足りなくなる前に新人を入れる

1つ目は、人員が足りなくなる前に新人を入れるです。
前述した通り、人手不足な状況で新人・若手指導を行うことは難しいです。
新人指導は短くても1ヵ月程度、できれば3か月から半年程度は余裕のある状況で指導していただけると未経験者でもそれなりの形になるのではないでしょうか?

(2)指導する人をその施設のリーダー級にする

2つ目に、指導する人をその施設のリーダー級にするです。
こちらも前述した原因から考えられます。
介護業界の標準が、いきなり作られることはありませんから、最低限事業所の中の標準を教える必要があります。
そういった面で考えると、その事業所の介護に一番詳しいリーダーが教えることがよさそうです。
もちろん、リーダーは忙しいですから、同じレベルで介護ができる方が他に居たら、その人を人選しましょう。

まとめ

今回は実は若手指導が下手な介護施設の共通点に関してまとめてみました。
介護業界は人手不足、今後多くの新人を受け入れる必要があります。
しかしながら、まだまだ、受け入れ態勢が完璧に整っているとは言えない状況です。
整えるためには、うまくいっている施設の特徴を抑え、うまくいっていない施設の特徴をマネしないことが大切です。

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