ケアきょう調査!辛い夏の入浴介助に関するアンケート結果を発表

介護職あるある
2023/08/03

今回はケアきょうで行った「夏の入浴介助に関するアンケート結果」を発表します。
アンケートでは「熱中症対策」や「困ったこと」などについて、介護職のリアルな声もいただきました。
ぜひ、ご自分の入浴介助と照らし合わせながらご覧ください。

アンケートの概要は以下のとおりです。

  • 調査期間:2023年6月28日~7月5日
  • 調査方法:ケアきょう公式LINEとケアきょう公式メルマガ登録者を対象に実施
  • 対象者:介護職210名

質問①:入浴介助の暑さは辛いですか?

アンケート結果

回答内容 割合
辛い 92%
辛くない 8%

介護職の9割以上が、入浴介助の暑さに対して辛いと感じているようです。

科学技術情報発信・流通総合システムが発表した「入浴介助における身体的・精神的負担に関する調査」でも、浴室が暑いと回答した人の割合が多いという結果でした。

また同調査では、脱衣室が狭いという環境面の理由による負担があることもわかりました。
狭いからこそ熱がこもりやすく、より暑さも感じられるでしょう。

参考:入浴介助における身体的・精神的負担に関する調査|科学技術情報発信・流通総合システム

質問②:1日にどのくらいの時間、入浴介助をしていますか?

アンケート結果

回答内容 割合
30分未満 1%
30分~60分未満 7%
60分~120分未満 36%
120分~180分未満 34%
180分~240分未満 15%
240分以上 7%

上記の結果から、多くの介護職が1〜3時間の入浴介助をしていることがわかります。
1日8時間労働の場合、3分の1は入浴介助に費やしており、中には1日のうち半分は入浴介助をしている方もいます。

科学技術情報発信・流通総合システムの「入浴介助における身体的・精神的負担に関する調査」からもわかるように、多くの方が人材不足を感じています。
それが介護職一人当たりの入浴介助の時間が長くなっている要因になっているでしょう。

質問③:入浴介助で熱中症になった方、なりかけた方を見たことはありますか?

アンケート結果

回答内容 割合
見たことがあるし、自分がなったことがある 21%
見たことはあるが、自分がなったことはない 23%
見たことがないが、自分がなったことがある 13%
見たことがないし、自分がなったこともない 43%

およそ6割の介護職が、入浴介助により熱中症になった、もしくはなりかけたという場面に遭遇しています。

介護職は利用者の熱中症対策には敏感です。
しかしそれ以上に、利用者を守る立場である自分の健康管理にも気を遣うことが大切です。

質問④:現在、マスクやゴーグルを着用したまま入浴拒否介助をしていますか?

アンケート結果

回答内容 割合
マスクもゴーグルも着用している 6%
マスクのみ着用している 87%
どちらも着用していない 7%

暑さが長時間続く入浴介助でも、多くの介護職がマスクを着用している現状がわかります。

日本医師会でも継続的な感染症対策のため、入浴介助時のマスクを推奨しています。
ただし入浴介助が一人の介護職に偏りすぎない配慮が必要でしょう。

参考:新型コロナウイルス感染症の 正しい感染予防及び対策方法|岐阜県揖斐郡医師会

質問⑤:熱中症対策で行っていることはなんですか?

アンケート結果(複数回答可)

回答内容 回答人数 全体に対する割合
水分補給 201人 95%
塩分摂取 72人 34%
部屋を冷やす 61人 29%
自分に水をかける 23人 10%
脱衣所担当と
入浴室担当を交代で行う
22人 10%

熱中症対策の基本である水分補給は、ほとんどの介護職が意識できているようです。

そのほかにも、以下のような回答がありました。

首に保冷剤をまく(ネッククーラー)
水分補給をしたいが浴室に飲み物を持って行ったらダメという風潮がある
マスクにミニファンを付ける
首にクールリングを付ける
手拭いで保冷剤を包んで首に巻く
タオルが冷たくなるスプレーを使う
エアコンを付けているが全く効かない
出勤前にポカリを薄めたものをコップ2杯飲んでくる
髪型をツーブロックにしている

やはり体を冷やすことと水分補給が重要ですね。
中には、マスクにミニファンをつけたり髪型を変えたりするなど個性的な意見も。
ぜひご自分の入浴介助時の参考にしてみてください。

質問⑥:入浴介助で現状困っていることは何ですか?

アンケート結果(複数回答可)

回答内容 回答人数 全体に対する割合
熱中症対策 140人 66%
入浴拒否 105人 50%
腰痛が辛い 100人 47%
肌の乾燥 28人 13%

冒頭のアンケート結果でも、9割以上の介護職の方が入浴介助の暑さは辛いと回答されているように、多くの介護職が熱中症対策に困っているのが現状です。

そのほか以下のような回答もあったのでご覧ください。

病院勤務で要介護4以上の方がほとんど。多いときは1回に20人ほど入浴介助するため、体調悪くても時間内に終わらせなきゃという思いが強く休憩できない。何年もかけて冷風扇や扇風機を設置してもらったが、コロナ対応で常に不織布マスクと高性能マスクの二重マスクのため汗だくになるし呼吸はしづらくキツイ
福祉用具が揃っていない
訪問介護のため衣類が濡れた時の対策が必要
日焼け止めやまつ毛美容液が汗と一緒に流れて目が痛い
なるべくゆっくりお風呂に入ってほしい気持ちはあるが、時間が限られている
皮膚が弱くて拘縮が酷い利用者は衣服の着脱で皮膚が剥離する危険がある
要介護度の高い利用者の事故を防ぐこと
自分の汗が目に入り目が沁みる。拭きたくても拭けないため見えづらくなる
職員がヘトヘトになって利用者を介助後すぐ次の業務に入る。入浴介助後そのまま休憩になるよう法定化してほしいくらい。着替えても汗だくで汗疹もできて本当に大変
特浴のせいなのか肩や背筋も痛める
アトピー体質で手荒れがひどいので、手指が切れて痛い上に汗で身体がかゆい
利用者の処置が長引きや入浴拒否など入浴介助に時間がかかり、毎回利用者の昼食時間になってしまう
初めて対応する利用者の薬やストマーなどの情報がなく介助してる途中にわかることが多い。確認に時間がかかり困る
人員不足のため常勤職員が入れずパートに任されている。週2回の入浴がままならなず清拭対応になっている
人手不足で入浴介助の交代ができない。1日中入浴介助することもある
利用者にこちらの声かけが通じない。自分の世界に入ってしまい動いてくれない
着替える所が狭く車椅子が置きにくい
整形外科病院での入浴介助のため、入浴の声かけに行くとリハビリ中でいないことがある
汗をかきすぎて皮膚がピリピリと痛い
暑すぎて倒れないかという不安の中で介助を行っており、かなり体が堪えている
リハビリ病棟での介助のため、極力自分でできることはしていただく必要がある。しかし度が過ぎると「全然手伝ってもらえない」というクレームに繋がりコミュニケーションが難しいと感じる

さまざまな回答があり、入浴介助をする介護職の方々は共感できる部分もあるでしょう。

まとめ

今回はケアきょうが行った「夏の入浴介助に関するアンケート結果」を発表しました。

介護現場では感染症が落ち着いてきてもマスクを着用しているのが現状です。
そんな中での真夏の入浴介助はかなり辛いでしょう。

そのため水分補給や室温調節など、基本的な熱中症対策が重要になります。
また一人の介護職に負担が偏りすぎない配慮が大切です。

本記事のアンケート結果を、ぜひご自分の入浴介助に役立ててみてください。

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