介護医療院って何?いまさら聞けない基礎情報
介護業界で働いていても、実は他の事業所タイプは知らない……というご相談をたびたびいただきます。
そこで、いろいろなタイプの事業所の情報をまとめていきたいと思います!
今回は、介護医療院に関してご紹介していきます。
介護医療院ってどんなところ?
施設の概要
介護医療院とは、2017年度に廃止することが決定した「介護療養型医療施設」の主な転換先として、新しくできた要介護者向けの介護施設です。
通所の介護サービス以外にも「日常的な医学管理」「看取りやターミナルケア」といった、医療的ケアを行える施設という点が特徴です。
また、既存の介護療養型医療施設は、移行期間として2024年3月までは存在しています。
サービス内容
介護医療院で提供されるサービスを見てみます。
先ほども話した通り「介護サービス」と「医療サービス」が提供されています。
介護サービスとしては
- 食事・排泄・入浴の介助、レクリエーション、機能訓練、その他日常生活上の世話
といったものがあり、
医療サービスとしては
- 点滴、在宅酸素、褥瘡のケア、注射など薬の処方、看取り
といったものがあります。
もともと介護療養型医療施設は、病院色が強かったのですが、新設された介護医療院は「生活の場」としての意識が強く出ている施設です。
タイプ
介護医療院は、介護医療院Ⅰ型・Ⅱ型の2つのタイプがあります。
- Ⅰ型は比較的重度の方が入居し医療的ケアを提供する病院色の強いもの
- Ⅱ型は入居者の家庭復帰をリハビリなどでサポートする老健に近いものになっています。
そのため入居者は、Ⅰ型の方が重い病気を抱えている方が多くなることが想定されています。
Ⅰ型はさらに、療養機能強化型A、Bという2タイプが存在します。
これは、より重度な方を受け入れ、リハビリに励んでいるというものです。
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ケアきょう求人・転職の無料相談働くメリット・デメリット
働くメリットとデメリットを見ていきましょう。
まずはメリットに関しては、
- 医師が24時間常駐しており、急変には安心感がある
- 看護師など立場の違う関係者が多く、特養などでは学びにくいことも学べる
- 新しく、まだ多くないレアな施設で経験が詰める
デメリットとしては
- ターミナルケアを行う必要があり、人によっては難しい
- 厚生労働省としてまだ平均給料などを把握できていないので相場が分からない
といったところです。
介護医療院が出来た背景
介護医療院ができるまでには紆余曲折がありました。
療養型病床群が始まり
始まりは1993年、27年前にさかのぼります。
その当時、病院に長期入院している高齢患者のうち、家族の介護が難しくやむなく入院している状態、通称「社会的入院」が問題視されていました。
本来、治療が必要ない人を入院させているので、
- 医療費が増大する
- 救急患者を受け入れられない
という問題が出てきていました。
この社会的入院をなくすために1993年に創設されたのが「療養型病床群」です。
これは、長期入院による医療提供が必要な患者が入る施設で、介護をメインにしたものではありません。
この当時はまだ介護保険が存在していなかったため、医療分野で背負っていた状態でした。
介護療養型医療施設に再編
その後、2000年に介護保険制度がスタートし「介護療養型医療施設」が創設されます。
この中に、1993年に作られた「療養型病床群」が再編されていきます。
この時、医療の必要性に応じて「医療療養病床」と「介護療養病床」に分けられました。
介護療養型老健
しかし実際には、医療の必要度合いは、この2つでほとんど差がない状態になっていました。
これを受け、今度は「医療は医療機関で、介護は介護施設で」と区分する方針が決定、介護療養病床は廃止することとなりました。
2006年に入居していた人の受け皿として、介護療養型老健を創設し、介護療養病床から介護療養型老健への転換を進めていましたが、これもうまく転換が進みませんでした。
そして、次の受け皿として創設されたのが介護医療院ということになっています。
現状
介護医療院は、2018年に創設されたため、まだまだ数は多くなく全国で343施設という状況です。
これは、経営側としては「施設経営の見通しが立たない」ということが最大の理由とみられています。
厚生労働省は、今後も介護療養病床から介護医療院への転換をさらに推し進める方針にあり、今後に注目です。
以上、「介護医療院」に関してご紹介しました。
新しいタイプの施設で、現在急激に増えている施設タイプになります。
看取りも積極的に行う施設もあるようなので、ターミナルケアなどに興味がある方にとっては良いかもしれませんね!
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