認知症の利用者にやってはいけない介護職としての対応方法
認知症利用者にやってはいけない対応
介護のお仕事において、認知症とは切っても切れない関係にあるかと思います。
また、今後認知症の研修を無資格介護職への義務にするなど、認知症対応へのニーズの高まりを国も認めています。
今回は、その認知症を持っている利用者に対して、介護職の皆さんからお伺いした「やってはいけない」対応をご紹介していきます。
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そもそも、認知症とは何なのでしょうか?
認知症は病気の名前ではなく、病気によって起こる症状や状態の総称を意味しています。
病気によって、脳の神経細胞が変化したり失われることで発症します。
原因となる病気によっても症状は異なってきますが、いわゆる「老化による物忘れ」とは症状も異なるものです。
例えば、物忘れの仕方をとっても、物忘れなら、体験したことの一部を忘れヒントで思い出すこともあります。
しかし、認知症では、体験そのものを忘れ思い出すことは稀です。
他にも、症状が進行する点、判断力が低下する点、日常生活に支障をきたす点などが、物忘れとは異なる点と言えるかと思います。
代表的な認知症としては、
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 血管性認知症
があり、これらで認知症のうち、85%を占めていると言われています。
それぞれ、特徴として
アルツハイマーなら、物忘れ、もの取られ妄想、徘徊、取り繕い
レビー小体型なら、パーキンソン病、幻視・妄想、自律神経症状、うつ
血管性認知症なら、手足のしびれや麻痺、感情のコントロールができない
といったものがあります。
もちろん、人によって症状はまちまちなので絶対的なものではないですが、知っておいて損はありません。
やってはいけないこと
それでは、やってはいけないことを見ていきましょう!
①否定する、叱る
まず1つ目は、否定する、叱るです。
認知症の利用者さんから、自分の子供かのように接してこられたり、利用者さんが不適切な行動をとってしまうことがあったりしませんか?
そういった場合、頭ごなしに否定したり、叱ったりすることに意味はありません。
かえって、本人を困惑させたり、本人の羞恥心やプライドを傷つけてしまったりすることになります。
認知症の症状が進行しても、本人の羞恥心やプライドは変わりません。
その点を理解して、尊厳を守ることが重要です。
プライドを傷つけ、行動を抑制することになってしまっては問題です。
②どうせ忘れるからと嘘をつく
やってはいけない2つ目のことは、どうせ忘れるからと嘘をつく ことです。
介護の現場において、認知症を持つ利用者さんに対して、嘘をついて対応することは必要になることもあると思います。
ですが、やはりなるべく嘘をつくべきではないかな、とも思います。
というのも、認知症の方でも、全ての短期的な記憶を忘れているのかというと、そんなことはないということも多々お聞きします。
もし覚えていた場合に、「この人達は嘘つきだ」と思われては、その後の関係が悪くなってしまいます。
また、いわゆる問題行動をする方も、何かしらの理由があるはずです。
その原因を特定して、解決してあげることで、そういった行動も減っていくと言われています。
③さっきも聞いたと返事をする
やってはいけない3つ目は、さっきも聞いたと返事をすることです。
認知症の方で、「自分が認知症である」ということを理解していることがあります。
そういった方のことを想像してみてください。
忘れていってしまう恐怖
大切な事を忘れたのでは?と思う恐怖
同じことを何度も言って迷惑をかけているのでは?という罪悪感
こういったものに、相当悩んでいるのではないでしょうか?
そんな人たちに、「さっきも聞いたな」と言うのはどうでしょうか?
心に傷を負ってもおかしくないですし、事実うつ病になる方もいらっしゃいます。
ですから、何度同じことを言われても、何度でも同じ対応をしていくことがとても大切です。
④子ども扱いする
やってはいけない4つ目は、子ども扱いすることです。
認知症の方は、先ほども言った通り、自尊心やプライドを失っているわけではありません。
認知症になって、出来ないことが増えているご自身が一番辛い思いをしているはずです。
尊厳を持った態度で接するようにしましょう。
⑤行動を制限する
やってはいけない5つ目は、行動を制限することです。
行動を過度に制限することは、虐待とも捉えられることがあるので、行わないことが基本です。
例えば、認知症の方のいわゆる「徘徊」は、周囲にとって意味が分からない行動です。
しかし、本人にとっては何かしらの意味がある、とも言われています。
もちろん、コロナの拡大もありますし、介護施設の都合上、どうしても外出の抑制する必要はあります。
ですから、出来る限り本人の行動を制限するのではなく、どうしてその行動をするのかを把握し、対応できるようにすることを心がけましょう!
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