ホントに高い?介護業界の離職率の高さと退職の理由は?管理者の対策が必要!?

介護職あるある
2022/01/31

「介護業界は離職率が高い」という話を聞いたことがありませんか?

実際、離職率は低くはなさそうですよね。
しかし、その数字がどの程度のものなのか、知っていますでしょうか?

今回は、どの程度離職率が高いのか。そして、その原因と改善方法をお伝えしていきます。

介護職の離職率は?

まずは、そもそも離職率とは何なのかを確認しましょう。

離職率の定義は「ある期間における、退職者数÷その期間の初めにいた職員数」のことです。

例えば、50人の職員がいたとします。1年後、3人が入職し、5人が辞めたとします。
すると、退職者数=5人、はじめは50人いたので
5÷50=10%

つまり、離職率は10%となります。

ある期間の途中で入職してきた人は除外されるのがポイントです。

実際の、介護職の離職率を見ていきましょう。
介護労働安定センターの調査結果は、このようになっています。

介護職種 離職率
介護職員 16.0%
訪問介護員 13.6%
サービス提供責任者 12.6%

全産業での平均離職率は、平成30年は14.6%となっています。
厚生労働省の調査より
この数字を見ると、確かに、介護職員の離職率は平均を上回っているように思えます。
コロナの影響を受けていない、平成30年のデータはこのようになっています。

サービス・産業 離職率
宿泊業、飲食サービス業 26.9%
生活関連サービス業、娯楽業 23.9%
教育、学習支援業 16.6%
医療、福祉 15.5%

 

データを見ると、介護業界の離職率は、一般的に言われているほど「高すぎる」「きわめて高い」というわけではありません。
実際、年々介護職の人数が増えていることからも、そのことが分かるかと思います。

過去に、離職率が20%以上あった時期もあるので、その影響があるようですね。

こちらの表の通り、徐々に離職率は低下傾向にあります。
だからと言って、全く問題が無いということではありません。

なぜ辞めてしまうのか?

介護職が、辞めてしまう原因は何なのでしょうか?
今回は、ケアきょうに届いた理由の中から紹介していきます。

離職理由 3位:資格を取得し、給料を上げるため

ケアマネや介護福祉士、社会福祉士といったような、介護系の資格の中でも評価されやすいものを取得したタイミングで、転職する方が多いです。

理由としては、このような声がありました。

介護支援専門員の資格を取得し研修も終了したが、事業所が運営する居宅介護支援事業所のケアマネは充足していたので転職する
資格手当が多い施設に転職したくて、辞めた
元々、入りたい施設は資格がないと入ることが出来なかった。資格を得たので挑戦してみた!
元々、介護福祉士を取得したら転職するつもりでいた。何とか合格できたので転職した

基本的に、ポジティブな理由が多いです。

離職理由 2位:不規則な勤務体系で体調を崩してしまった

介護の仕事は、シフト制です。
高齢者の方を見守るために、24時間誰かが施設にいる必要があります。

そうすると、早番・遅番・日勤・夜勤と様々なシフトになってしまいます。

夜勤は、月に4〜5回ということが多いようですが、人手が足りていない施設においては、多くなってしまいます。

実際に伺った話では、このようなものがありました。

夜勤専従でもないのに、月に10回以上夜勤に入る必要があった

これは極端なパターンですが、体質上、夜勤が苦手という人も少なくありません。
「昔は余裕だったが、年齢的にしんどくなってきた……」という声を聞くこともあります。

離職理由 1位:人間関係

介護の仕事は、個人で完結する仕事ではなく、様々な人間関係があります。

例えば「上司と部下」「同僚同士」「利用者さんと職員」「ご家族と職員」など、様々な人間関係があります。
色々な人間関係があると、トラブルはどうしても起きてしまいます。

介護の仕事だけではありませんが、こういった人間関係に悩む人はたくさんいます。
仕事に対する考えが違ったり、見下したりしてしまう人がいたり、本当に大変です。

しかし、逆に「人間関係が良い!だから辞めたくない」と仰っている方もいました。
施設によって、大きく変わるようですね。

どう改善していく?

これまで見てきた通り、介護業界の離職問題は簡単なものでありません。
どうすれば改善できるのか、その方法を2つ見てみましょう。

介護職の負担を減らす

1つ目は、介護職の負担を減らすことです。

国が推し進めようとしていることですが、介護職の業務負荷を減らすことが、第一に考えられます。
人口が減り、要介護者が増えるとされる将来に備えるためには、とにかく人を増やそうとしても限界が来てしまいます。

そのため、適切な介護を少ない人数で行えるようにする必要があります。

例えば、このようなことです。

  • 介助以外の仕事を減らす
  • ITの利用

もちろん、すべてが正しいわけではありませんし、まだまだ上手く行っていないことはありますが、挑戦して修正して、良い方法が普及すると嬉しいです。

給料を上げる

2つ目の対策は、給料を上げることです。

福祉のお仕事と言えども、仕事です。
仕事ですから、労働に対して、正当な対価が支払われるべきです。

現状、介護職の給料のほとんどは、国のお金に頼っています。
だからこそ安定はしていますが、逆に言うと、簡単に給料を上げることが出来ないということになります。

施設によっては、効率化を進めていたり、他の収入源があるとのことで、潤っている施設もあります。
参考にしていくと良いのかもしれません。

もちろん、徐々にではありますが、国としても給料が上がるように施策を打っているので、あまり悲観視することもないかもしれません。

今回は、介護業界の離職率と、その解決法を紹介しました。
なかなか、介護職個人としては難しい部分があるように感じたかもしれません。

個人としてできることは、「職場環境を良くすること」「業務の効率化を図り、負担を減らすこと」くらいかもしれません。
「自分の施設では、こんなことをしている」という良いアイディアがあれば、ぜひ教えてください!

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