【問69~76 | 解説速報】第32回 介護福祉士国家試験

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問69【解説】

問題文

Aちゃん(1歳3か月)は、父親に抱かれて散歩中である。前方から父親の友人がやってきて、父親がにこやかに友人と話をしていると、Aちゃんは父親にしがみつき、父親の顔と父親の友人の顔を交互に見ている。しばらくすると、Aちゃんは緊張が解けた様子で、友人が立ち去るときには少し笑顔を見せた。
Aちゃんの様子を説明する用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 3か月微笑
  2. 社会的参照
  3. クーイング
  4. 自己中心性
  5. 二項関係

解答&解説

答:② 社会的参照

  1. ×
    3か月微笑とは、生後3~4ヶ月になると、誰に対してでも笑顔を見せるようになる微笑反応のことであり、初めは不安そうな素振りを見せていた状況や、年齢を考えると3か月微笑ではないでしょう。

  2. 社会的参照とは、問題が起きた時や、行動を選択しなければいけない場面において、自分だけでは行動の選択がしにくい時、周りの人の表情や態度、反応をみて行動を決定するような現象のことを言います。にこやかに話す父親を見て、同じような行動をとったと考えられ、Aちゃんが笑顔を見せた理由は社会的参照と考えられます。
  3. ×
    クーイングとは生後1か月頃をすぎると徐々に表れる舌を使わない独自の発声方法による「アーアー」「アーウ」といったものです。
  4. ×
    自己中心性とは J.ピアジェが、幼児の精神構造の特徴を表わすために用いた概念であり、自分と他人が区別できないことを指します。
  5. ×
    二項関係とは、情報伝達の発信者と受信者のみが関わる構造の情報伝達のことをいいます。事例では、父親、父親の友人、Aちゃんの3人がいることからこの選択肢は不適切と言えます。
解き方のコツ

乳幼児に関する問題は、試験に出やすい分野となっています。
言葉の意味を理解することが重要です。乳幼児が成長するにあたって、どういった変化が生じるかを知ることが、正解への早道となります。

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問70【解説】

問題文

高齢者の年齢規定に関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 高齢者等の雇用の安定等に関する法律では、高齢者を75歳以上としている。
  2. 「高齢者虐待防止法」では、高齢者を65歳以上としている。
  3. 高齢者の医療に関する法律では、後期高齢者を65歳以上としている。
  4. 道路交通法では、免許証の特例がある高齢者を60歳以上としている。
  5. 老人福祉法では、高齢者を55歳以上としている。

「高齢者虐待防止法」とは,「高齢者虐待の防止、高齢者の擁護者に対する支援等に関する法律」のことである。

解答&解説

答:② 「高齢者虐待防止法」では、高齢者を65歳以上としている。

  1. ×
    この法律において高齢者とは、55歳以上と厚生労働省に定められています。また、本法律は定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定した雇用の確保の促進、高年齢者等の再就職の促進等を目的としています。

  2. 「高齢者虐待防止法」では、高齢者を65歳以上としています。虐待の種類として「身体的虐待」「心理的虐待」「経済的虐待」「介護等放棄」があげられます。
  3. ×
    「高齢者の医療の確保に関する法律」では、後期高齢者の年齢は75歳以上とされています。同法律では「前期高齢者」は「65歳から74歳」となっており、区別して覚えましょう。
  4. ×
    「道路交通法」の免許証の特例は70歳から適用されます。具体的には、免許更新時に講習を受ける義務や、高齢運転者標識の貼り付けの努力義務等があります。
  5. ×
    「老人福祉法」での高齢者は65歳以上とされています。高齢者虐待防止法と同じ年齢となっているので、一緒に覚えられると良いですね。
解き方のコツ

老人福祉法や、道路交通法といった各法律の高齢者の定義は様々であり、選択に迷った人も多い問題となったのではないでしょうか。
高齢者に焦点を当て、表にしてみるのも理解するための1つの手だと思われます。

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問71【解説】

問題文

加齢に伴う嚥下機能の低下の原因に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 舌骨の位置の上昇
  2. 咽頭の位置の上昇
  3. 舌骨上筋の増大
  4. 咽頭挙上の不足
  5. 咳嗽反射の増強

解答&解説

答:④ 咽頭挙上の不足

  1. ×
    加齢と共に嚥下関連筋の筋量舌骨の位置が下がり嚥下機能の低下に繋がる場合はありますが、舌骨の位置の上昇によって嚥下機能の低下が引き起こされるとは考えにくいため、本選択肢は不適切となります。
  2. ×
    選択肢1番と同様に、加齢により咽頭の位置が下がり嚥下機能の低下に繋がるということは考えられますが、上がることによって嚥下機能が低下するとは考えにくいです。
  3. ×
    選択肢1番2番と同様です。舌骨上筋が増大すれば、嚥下機能も改善されると考えられ、この選択肢は不適切となります。

  4. 咽頭挙上とは、舌が勢いよく口蓋(上顎)に向かって押し上がり、喉が上がることをいいます。飲み込みに必要な行為であり、咽頭挙上が不足していると嚥下機能の低下に繋がります。
  5. ×
    咳嗽反射とは、気管・気管支内に入り込む異物を押し出そうとする反射のことであり、この機能が低下すると嚥下機能の低下に繋がりますが、増強された場合は嚥下機能の向上につながるため、不適切となります。
解き方のコツ

嚥下機能の低下が、加齢によりどういった筋力が低下することによって引き起こされやすいかを理解する必要があります。基本的に筋力が増大する場合、また咳嗽反射といった防衛的機能は、嚥下機能の向上させるので、そういった点も覚えておきましょう。

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問72【解説】

問題文

老年期の記憶と注意機能に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 自分の若い頃の記憶では、40歳代の出来事をよく覚えている。
  2. 数字の逆唱課題で答えられる数字の個数は、加齢による影響を受けない。
  3. 複数のことを同時に行う能力は、加齢によって低下する。
  4. 騒がしい場所での作業効率は、若年者より高齢者が高い。
  5. エピソード記憶は、加齢による影響を受けない。

解答&解説

答:③ 複数のことを同時に行う能力は、加齢によって低下する。

  1. ×
    人によって個人差があるため、40歳代の出来事をよく覚えているとは言い切れません。したがって、本選択肢は適切ではありません。
  2. ×
    複数のことを同時に行うために必要な記憶は作動記憶と呼ばれ、加齢により低下する傾向があります。よって、適切ではありません。

  3. 選択肢2番と同様に、作業記憶に関しての説明です。加齢より低下する傾向があり、適切な回答となります。
  4. ×
    若年者よりも高齢者の方が作業をしにくい環境に適しているとは考えにくく、本選択肢は不適切です。
  5. ×
    いつ(時間)、どこで(場所)といった過去のできごとの記憶の事をエピソード記憶と呼び、加齢による記憶能力の低下がみられます。
解き方のコツ

記憶の種類には「短期記憶」「長期記憶」「エピソード記憶」「手続き記憶」「意味記憶」といったものがあり、加齢による影響を受けやすいもの、受けにくいものとわかれています。基本的には記憶は加齢による影響を受けると考えられていますが、「短期記憶」「手続き記憶」は加齢による影響が少ないと言われています。

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問73【解説】

問題文

高齢者において、心不全(heart failure)が進行した時に現れる症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 安静にすることで速やかに息切れが始まる。
  2. 運動によって呼吸苦が軽減する。
  3. チアノーゼ(cyanosis)が生じる。
  4. 呼吸苦は、座位より仰臥位(背臥位)の方が軽減する。
  5. 下肢に限局した浮腫が生じる。

解答&解説

答:③ チアノーゼ(cyanosis)が生じる。

  1. ×
    心不全見られる症状として、坂道や階段での移動といった運動後の息切れがみられます。安静にすることによって息切れが始まるものではありません。
  2. ×
    運動をすることにより、心不全の症状・呼吸の苦しさが増えると考えられます。

  3. 心不全によって心臓の拍動が弱まると、心臓から押し出される血液の量が減ってしまうため、チアノーゼが生じることがあります。他に症状として「動機」「徒労を感じやすくなる」「低血圧」「冷や汗」「意識障害」等が挙げられます。
  4. ×
    座位になることによって、横隔膜が下がり、呼吸面積が広がることにより、呼吸がしやすくなるため、仰臥位(背臥位)よりも座位の方が呼吸苦は軽減しやすくなります。
  5. ×
    体を起こしていると水分は下にいくため、下肢にむくみが生じやすくなります。しかし、限局して生じるわけではありません。
解き方のコツ

病状についての理解度が求められる問題となっていました。心不全の他にも、不整脈、心筋梗塞、心臓弁膜症、狭心症といった、加齢に伴って生じやすい病気を理解することが望ましいですね。

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問74【解説】

問題文

Bさん(82歳,男性)は脳卒中(Stroke)による右片麻痺がある。ほとんどベッド上の生活で、排泄もおむつを使用している。一週間前から咳と鼻汁があり37.2℃の微熱で、元気がなく、いつもより動きが少なかった。食欲も低下して食事を残すようになっていた。今日、おむつの交換をしたときに仙骨部の皮膚があかくなり一部に水疱ができていた。
Bさんの皮膚状態とその対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 圧迫によって血流が悪くなったためである。
  2. 仙骨部にこうしたことが起こるのは、まれである。
  3. 食事量の低下とは無関係である。
  4. 体位交換は、できるだけ避ける。
  5. おむつの交換は、できるだけ控える。

解答&解説

答:① 圧迫によって血流が悪くなったためである。


  1. 褥瘡(床ずれ)になる前段階と考えられます。褥瘡は寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで起きるため、状態がより悪化する前に、対応策を講じる必要があります。
  2. ×
    仰臥位(背臥位)の状態では仙骨部に体重がかかりやすく、赤くなったり褥瘡ができやすい箇所の1つとなっています。
  3. ×
    栄養状態の悪化は、皮膚状態が改善しづらくなったり、血流が悪くなる原因になるため、無関係ではありません。
  4. ×
    同じ個所に体重がかかり続けるのを避けるため、定期的な体位交換を行うことが必要です。
  5. ×
    皮膚状態を良好に保つためには、清潔を保つ必要があります。皮膚が赤くなることによっておむつの交換を避ける必要はないため、この選択肢は誤りとなります。
解き方のコツ

褥瘡や発赤となる原因を理解することが必要です。同じ位置に負荷がかかり続けたり、低栄養状態だと皮膚状態は悪化しやすい傾向にあります。また、その対応策や介護福祉職が出来ることも把握しておきましょう。

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問75【解説】

問題文

次のうち、高齢者の栄養状態を良好に維持するための対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 歯科健康診査を受ける。
  2. 複数の薬剤を併用する。
  3. 外出を控える。
  4. 一人で食事する。
  5. たんぱく質を制限する。

解答&解説

答:① 歯科健康診査を受ける。


  1. 歯科健康診査による栄養指導は、高齢者の栄養状態を良好に維持するための対応として適切です。
  2. ×
    複数の薬剤を併用することが、栄養状態が良好となることに直接結びつくものではありません。生活習慣や食生活が重要であり、選択としては不適切です。
  3. ×
    外出を控えることと、栄養状態とは直接的な関係は薄いと考えられます。外出することは適度な運動、良好な精神状態を保つのにも繋がり、栄養状態を良好にするきっかけにもなりえます。
  4. ×
    一人で食事をする(個食)は好きなものを選びがちであり、栄養に偏りが生じやすいと考えられています。食事の楽しさを得るためにも、家族や友人等と複数人で食事をすることが望ましいでしょう。
  5. ×
    たんぱく質を制限することが、栄養状態を良好にするとは考えにくいため、本選択肢は不適切です。
解き方のコツ

栄養状態をより良くするためには、食事を採る環境を考える必要、そしてそれを客観的に診察してもらう必要があります。栄養状態は自分自身では把握しにくいので、周りの人たちが関わってくるものだと考えても良いでしょう。

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問76【解説】

問題文

糖尿病(diabetes mellitus)のある高齢者が転倒して、骨折(fracture)した。入院治療後に再び自宅治療を続けるための専門職の役割として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 看護師は、糖尿病(diabetes mellitus)の薬の処方箋を交付する。
  2. 理学療法士は、糖尿病(diabetes mellitus)の食事メニューを考える。
  3. 管理栄養士は、自宅で料理ができるような作業訓練をする。
  4. 訪問介護員(ホームヘルパー)は、居宅サービス計画を立案する。
  5. 介護支援専門員(ケアマネジャー)は、訪問リハビリテーションの利用を提案する。

解答&解説

答:⑤ 介護支援専門員(ケアマネジャー)は、訪問リハビリテーションの利用を提案する。

  1. ×
    薬の処方箋を交付するのは、医師の役割であるため誤りです。
  2. ×
    糖尿病の食事メニューを考えるのは、管理栄養士の役割であるため誤りです。
  3. ×
    自宅で料理ができるような作業訓練は、作業療法士の役割であるため誤りです。
  4. ×
    居宅サービス計画の立案は、ケアマネージャーの役割であるため誤りです。

  5. 介護支援専門員が訪問リハビリテーションの利用を提案します。
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