【問61~68 | 解説速報】第32回介護福祉士国家試験

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問61【解説】

問題文

介護過程の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者の価値観を変える。
  2. 利用者の療養上の世話をする。
  3. 利用者の経済的負担を軽減する。
  4. 利用者の望んでいる、よりよい生活を実現する。
  5. 利用者の生活習慣を改善する。

解答&解説

答:④ 利用者の望んでいる、よりよい生活を実現する。

  1. ×
    利用者の価値観は尊重される必要があり、変えることを目標にすることは望ましくありません。
  2. ×
    療養上の世話は医療職の領域であり、介護過程の目標としては不適切となります。
  3. ×
    経済的負担を軽減することは、介護過程の目的には含まれません。

  4. 介護過程は、利用者が望んでいる「よりよい生活」「よりよい人生」の実現または継続を支援することです。具体的な目標は、利用者の自己実現を目指し続けること、多職種協働・連携による適切な支援の提供となります。
  5. ×
    よりよい生活を送るためには、生活習慣の改善も必要となる場合もありますが、介護過程の目的しては不適切となります。
解き方のコツ

介護過程の目的は、利用者が望んでいるもの、利用者主体である必要があります。客観的な最善策ではなく、利用者がどうしたいかを主軸に置く必要があります。

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問62【解説】

問題文

介護計画の作成に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 抽出されたニーズを踏まえて目標を設定する。
  2. 内容が明確であれば支援方法の記述は省略する。
  3. 支援方法は「~させる」という使役分で記載する。
  4. 利用者の正しい理解を促すため専門用語を用いる。
  5. 評価の見直しの時期は決めない。

解答&解説

答:① 抽出されたニーズを踏まえて目標を設定する。


  1. 介護計画は、アセスメントによって抽出される「生活全般の解決すべき課題」に対して作成させる必要があります。よって、この選択肢は正しいです。
  2. ×
    内容が明確であっても、支援方法の記述は省略してはいけません。支援計画を見るのは介護福祉職だけではなく、家族や他職種も見る可能性があるため、詳細に記す必要があります。
  3. ×
    介護計画は利用者主体であるため「~させる」といった表現で記述することは望ましくありません。
  4. ×
    誰が見ても分かりやすいように、専門用語は用いらずに分かりやすい表現をすることが求められます。
  5. ×
    評価の見直しの時期・期間を定める必要があります。評価の見直しによって、新たに発生するニーズや、問題への対応が生じる場合があります。
解き方のコツ

介護計画では、問題61と同様に利用者主体であること、そして誰が見ても分かりやすい内容とする必要があります。誰が見ても、というのは利用者を含め、家族や他の職種といった人たちのことで、そういった人たちが不快になったり、理解できない内容は好ましくありません。

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問63【解説】

問題文

介護計画の実施に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 介護福祉職の価値観に沿って実施する。
  2. 実施した状況は客観的に記録する。
  3. 計画の内容は実施の直前に家族に伝える。
  4. 他職種への経過報告は目標の達成後に行う。
  5. 利用者の満足度よりも目標の達成を優先する。

解答&解説

答:② 実施した状況は客観的に記録する。

  1. ×
    介護計画の作成・実施は利用者の価値観に沿って実施する必要があります。

  2. 主観的な記述ではなく、客観的に、分かりやすく記録をすることを心掛ける必要があります。
  3. ×
    計画の内容は、計画策定後に家族に伝えることが望ましいです。
  4. ×
    目標の達成後の報告も必要ですが、介護計画の見直しの必要が出てくる場合もあるため、経過報告は定期的に、または何か利用者の状況に変化があった場合に行う必要があります。
  5. ×
    利用者の満足度・目標の達成のどちらも重要ですが、目標の達成を優先することは望ましくありません。どちらも同じく、よりよい結果を目指していく必要があります。
解き方のコツ

実施した状況は、客観的に記録し、適宜報告、実施する前に家族に伝えるといったことが必要となります。
問題61と問題62と同様に、介護計画がなぜ作成されるのかを理解することが、正解にたどり着く早道となります。

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問64【解説】

次の事例を読んで、問題64,問題65について答えなさい。
〔事例〕
Cさん(75歳,男性,要介護1)は、脳梗塞(cerebral infarction)を発症した。2カ月前から在宅復帰を目的として介護老人保健施設に入所している。次女は遠方から時々面会に来ているが、長女とは音信不通の状態が続いている。
Cさんは現在、右片麻痺で歩行には杖を使用している。担当の理学療法士から,「レクリエーションには積極的に参加するなど意欲はあるが、歩行状態が思うように改善しないと悩んでいた」との報告があった。
その後、歩行訓練やレクリエーションに参加しなくなり、居室のベッドで寝て過ごすことが多くなった。また、時々尿失禁をするようにになった。
Cさんは,「自宅に帰りたいのに、このまま車いすになったらどうしよう」と担当の介護福祉職に打ち明けた。

問題文

Cさんの介護過程の展開に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 長女から入所前の情報を収集する。
  2. 現状を再アセスメントし、生活課題を抽出する。
  3. 自宅に戻った後の介護計画を立案する。
  4. 尿失禁に対応する介護計画の実施を優先する。
  5. 介護計画の最終的な計画は理学療法士が担当する。

解答&解説

答:② 現状を再アセスメントし、生活課題を抽出する。

  1. ×
    長女は音信不通であり、その理由も分からないため、長女からの情報は現実的ではありません。

  2. Cさんの状態が変わってきているため、再アセスメントを行い、新たな生活課題、それに対する介護計画を作成する必要があります。
  3. ×
    自宅に戻りたいという要望はありますが、自宅に戻るために必要な能力・状況を作り出すことが優先される必要があります。
  4. ×
    尿失禁に対応する介護計画を作成することも大切ですが、優先するべきは家のベットで過ごしてしまい、状態が悪化してしまう可能性のある今の状況からに対する介護計画が優先させる必要があり、本選択肢は不適切となります。
  5. ×
    理学療法士による意見も大切ですが、介護計画は関わっている介護福祉職や医療職といった、多職種で作成することが重要です。
解き方のコツ

現実的な手段で、利用者にとって一番優先されなければならないものは何かを問う質問となっていました。作成者主体ではなく、利用者の視点で考えることが重要です。
また、文面から状況を読み解く力も必要となるため、事例問題は様々な種類を勉強することが確実に解くための勉強方法になります。

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問65【解説】

問題文

次の記述のうち、Cさんの短期目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 車いすの使用方法を確認する。
  2. 居室のベッドで安静に過ごす。
  3. 次女との同居を実現する。
  4. 今まで以上に、意欲的に歩行訓練に取り組む。
  5. 居室を出てレクリエーションに参加する。

解答&解説

答:⑤ 居室を出てレクリエーションに参加する。

  1. ×
    「自宅に帰りたいのに、このまま車いすになったらどうしよう」と言っているように、Cさんは車いすを使用したくないため、短期目標とすることは不適切です。
  2. ×
    現状を改善しない限り、身体の機能が更に低下する恐れがあり、居室のベッドで過ごすことを目標にするべきではありません。
  3. ×
    本事例ではCさんと次女ともに、同居の希望に関しての記述がなく、次女も遠方での生活があるため、本選択肢は不適切といえます。
  4. ×
    レクリエーションの参加が減っている中で、その参加を増やすことを目標とすることは望ましくありません。まずは、レクリエーションに参加することを目標とすることが適切だと考えられます。

  5. 短期目標は、生活課題を解決するために何をするか、具体的で身近な表現にする必要があります。ベッドで過ごしがちとなってしまったCさんが、これ以上身体の機能を低下させないためにも、短期目標として設定するのは本選択肢が理想的となります。
解き方のコツ

問題64と同様に利用者にとっての最善を選択する必要があります。
短期目標とは、現実的で達成しやすいものを設定されます。短期目標・長期目標ではどういったものが考えられるのかを学習する必要がありますね。

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問66【解説】

次の事例を読んで、問題66,問題67について答えなさい。
〔事例〕
Dさん(77歳,男性,要介護2)は、妻と二人で暮らしている。定年まで、高校の体育の教師で野球部の監督をしていた。起居動作に問題はないが、認知症(dementia)と診断されたため、現在、通所介護(デイサービス)を週3回利用している。通所介護(デイサービス)では、短期目標「役割を持ち,意欲的に生活する(3カ月)」と設定し、体操を指導する役割をお願いしていた。
実施1カ月が経過した頃、テレビで高校野球を見たDさんは暗い表情で,「生徒を全国大会に連れて行けなかったのは私の責任だ」と嘆いていた。この日は、担当の介護福祉職が体操の指導をお願いしても,「今すぐ行かなければ」と断った。

問題文

Dさんが体操の指導を断った理由の解釈として、最も可能性が高いものを1つ選びなさい。

  1. 介護福祉職に依頼されたため。
  2. 妻に会いに自宅に帰りたいため。
  3. 高校野球のことが気になっているため。
  4. 立ち上がり動作が不安定なため。
  5. 体育の授業を行うため。

解答&解説

答:③ 高校野球のことが気になっているため。

  1. ×
    今までは体操を依頼するとその役割をこなしてくれていたため、可能性としては低いと考えられます。
  2. ×
    その可能性も考えられますが、テレビで高校野球を見た後の出来事で、今回は妻に会いたいために帰りたいとは考えにくいです。

  3. 自身が野球部の監督をしていたこと、テレビで高校野球を見た後に「生徒を全国大会に連れて行けなかったのは私の責任だ」と言っている事から、この選択の可能性が一番高いです。
  4. ×
    起居動作(立ち上がりや、座るなどの行為)に問題はないと書かれているので、この可能性は考えにくいです。
  5. ×
    定年までは体育教師をされていましたが、選択肢2番と同様に、高校野球を見た後の出来事のため、この可能性も低いといえます。
解き方のコツ

問題文から、利用者が何を考えているかを解く問題でした。事例を読み解く能力が重要となるため、様々な事例問題を解いていくことが正解の鍵となります。
また、言葉の意味を把握することも重要です。「起居動作」の意味が分かれば、選択肢の幅が減った問題でもあり、そういった点も把握することが解決への一歩にもなります。

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問67【解説】

問題文

その後も体操の指導を継続していたDさんは、参加者から体操の順番が違うと指摘されて指導の意欲を失い、一人でいることが多くなった。しかし、体操の時間になると遠くからその様子を眺めていた。
Dさんが今後も現在の役割を継続するために、優先して取り組むべき課題として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 体操に対する関心を取り戻すこと。
  2. 体操の内容を変更すること。
  3. 体操を指導する自信を回復すること。
  4. 体操の正しい順番を学び直すこと。
  5. 指摘した参加者に謝ること。

解答&解説

答:③ 体操を指導する自信を回復すること。

  1. ×
    体操の時間になると、遠くからその様子を見ている事から、関心は失っていないと考えられます。
  2. ×
    体操の内容によって指導の意欲を失ったわけでないため、内容を変更することが現在の役割を継続することに結びつくとは考えにくいです。

  3. 体操の指導を行わなくなった理由は、体操の時間になると遠くから見ているという、参加をしたいという気持ちが見られることから、参加者からの指摘によって自信が無くなったためだと考えられます。したがって、自信を回復することが役割を継続するために重要になります。
  4. ×
    指摘される以前は指導を行えていたため、正しい順番に学び直す事よりも自信を取り戻すことが優先されます。
  5. ×
    指摘した参加者に謝ることも必要かもしれませんが、直接的な解決には至らないため、答えとしては不適切です。
解き方のコツ

状況から、利用者が体操に関心を持っているか、そしてどうしたいかという気持ちを理解しているかが問われました。
事例問題は自分に当てはめたり、その場を想像してみると解きやすくなるものもあります。

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問68【解説】

問題文

Eさん(70歳,女性,要介護1)は、夫,長男と共に農業をしていた。半年前に脳梗塞(cerebral infarction)で左片麻痺になった。現在は介護老人保健施設に入所し、リハビリテーションに取り組んでいる。介護福祉職が居室を訪れたとき、Eさんが,「料理は苦手なの」「そろそろ夏野菜の収穫の時期ね。収穫は楽しいし、採れたての野菜を近所に配るとみんな喜ぶのよ」と言った。その後,「夫には家事に専念しなさいと言われているから…」とうつむいて言った。
介護福祉職は介護福祉職間のカンファレンス(conference)でEさんの思いを共有した。Eさんの思いとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 農業に関わっていきたい。
  2. 家事に専念したい。
  3. 後継者の育成に関わりたい。
  4. 家でのんびりしたい。
  5. 料理の自信をつけたい。

解答&解説

答:① 消費生活センター


  1. 農業に関して楽しいと言っていること、夫から家事に専念してほしいと言われ落ち込んでいる様子から、Eさんは農業に関わっていきたいと思っていると考えられます。
  2. ×
    家事に専念するように言っているのは夫であり、そのように言われたことに関してうつむいている様子から、Eさんの思いとしては不適切だと考えられます。
  3. ×
    事例からは、後継者の育成に関しての発言はなく、答えとしては不適切です。
  4. ×
    選択肢3番と同様に、事例からは家でのんびりしたいという思いは分からず、不適切であると考えられます。
  5. ×
    料理が苦手であること、また料理をしたいという発言はないため、Eさんは料理の自信をつけたいと思っているとは考えにくいです。
解き方のコツ

発言や、発言をした際の表情や動作によって利用者の心理を理解することが求められた問題でした。
他の事例問題同様、自分に当てはめてみると分かりやすいかもしれません。
また、事例に載っておらず、判断ができない選択肢の取捨選択も問題を解くためには重要な要素となってきます。

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