介護の職場はストレスだらけ?ストレスチェック法や解消法を完全解説!

ストレス・メンタル対策
2021/12/29

1. 介護士の職場はストレスだらけ? ストレス要因一覧

1.1. スタッフとの人間関係

介護の職場といえば、とにかく女性の世界!女性が多く、その半数以上がパートのおばさんです。人手不足のこのご時世、無資格・未経験の方でも採用される業界です。おばさんといえば、とにかく噂話が大好き。そんなおばさんたちとうまくやらなきゃならない職場です。
チームプレーも多い介護の仕事で、人間関係は重要です。自分が急に休みを取りたいとき、代わりを自分で探さなければならない施設もあります。人間関係でうまくいかないと、仕事もやりづらくなります。男性はとにかく力仕事や面倒ごとを頼まれやすい環境です。

1.2. 他職種との連携

利用者さんのケアを第一に考えるなら、一人の利用者さんを支えるのに、多職種との連携は必須です。施設内に必ず配置されている看護師はもちろん、リハビリを行う理学療法士、ケアプランを立てるケアマネージャー、送迎等にお会いするご利用者さんのご家族のちょっとした立ち話の相談に乗ることも…。
上司や部下といった上下の関係だけでなく、利用者さんのその日、その時に変わる状態の変化を逐一共有しながらケアを行っていかなくてはなりません。
個人的な判断だけでは、ケアを続けていくことは難しいのです。

1.3. 経営理念や経営方法

職場の経営理念や経営方法について、あなたはどれくらいご存知でしょうか?
大規模展開している施設で見受けられがちなのは、設備は整っているけれど、介護の質が良くないということです。
ホームページに記載されている研修や教育は一部の正社員のみで、現場に近ければ近いほど、学びの機会が与えられず支援の質が低い、なんてこともあります。

1.4. 夜勤や長時間労働

施設の従業員は、パートの主婦が多いので、「旦那や子供がいるから」という理由で、夜勤や夕食後までの業務を避けたがる人は多いです。土日祝日も含め、日勤以外の仕事は時間に制約のない独り身に偏りやすい傾向があります。
介護といえども業務内容は利用者さんに携わる直接的なケアだけでなく、その日の利用者の様子を残す業務日報の記載、シーツやタオルの洗濯準備など多岐にわたります。サービス残業が当たり前なところはざらです。

1.5. 身体的負担

とにかく利用者さんをケアするには、まずは自分の健康と体力が一番!入浴介助にシーツ交換、車いすへの移乗に車いすを押しての移動。まったくすべてが体力勝負!体の使い方にも気を使わないと、自分の腰さえやられます。

1.6. 低賃金

給与体系もしっかりしてない施設が大多数!長年勤めても、給与の上がり幅がほとんどありません。
また、資格手当でいくらと設定している法人も多いですが、どうやったら責任者になれるのか等、昇級基準があいまいです。
査定方法がしっかりしている法人がまだまだ少ない!そのため、給料を上げる方法が見込めません。

2. あなたのストレスは溜まっている?おすすめのストレスチェック方法

2.1. 厚生労働省が「ストレスチェック」制度化

厚生労働省では、平成27年12月から、常時50名以上雇用している事業所に対し、年に1回ストレスチェックとその結果に基づく面接等を義務付けています。
ストレスチェックをきっかけに、自己サインに個人と周囲が気付き皆で働きやすい環境づくりをしていこう、という狙いがあります。

2.2. ストレスチェックサイトでストレスチェックしよう

さあ、チェックしてみましょう!
私のおススメのストレスチェックサイトをご紹介します!
厚生労働省発!5分でできる!自分のストレスがグラフでわかります。

3. ストレスを解消したい!ストレス解消方法

3.1. 介護職の一人ひとりの介護の考え方が異なることを理解する

利用者さんをケアする方法に、答えなんかありません。ケアさせていただく職員個々人の価値観や見方によって、ケアの方針は決まっていきます。
職員だって人間です。一人一人の生まれた場所も違えば、育った環境ももちろん違います。
価値観は違って当たり前。その違いに着目して異を唱えるのではなく、違う価値観を認め合い、理解しあいながら、ケアの方針を深めていけるといいですよね。

3.2. 今の環境がスキルアップの場ととらえる

厳しい意見を言う職員や、変わった意見を言う職員もいると思います。
その意見はどんな理由からきているのかを考えたことはありますか。
経験に基づいた何かが隠れているかもしれません。他者の良いところはぜひ真似してみましょう。スキルアップできるチャンスかもしれません。

3.3. 仕事は仕事と割り切る

いままでいろいろと前向きに捉える話をしてきましたが、職員も人間同士です。どうしても相容れない!というタイプの人と一緒にお仕事しなくてはいけないときもあると思います。
そんな時は、少し大人になって、「仕事は仕事!」と割り切ってしまいましょう。私の先輩に、「お給料は我慢料と思って、割り切っている」という先輩がいましたよ。

3.4. 自分に合ったリラックス法を見つけて実行する

福祉の仕事は、人対人の「感情労働」とも言われています。
自分の心のコンディションを常に整え、利用者さんと向き合っていかなければならないお仕事です。ストレスは溜まって当然です。自分のストレスケアに気を配るのもお忘れなく。
スポーツ、食事、友人とのおしゃべりなどなど…。趣味は大切です。ストレスをため込まないよう、自分に合ったリラックス方法をいくつか見つけてみることをお勧めします。

3.5. ツイッターやブログなど、介護で頑張る人の声を聞く

施設の中で孤軍奮闘!なんて、寂しいですよね。そんな時は、自分同様、頑張っている相手からパワーをもらいましょう!
介護職に奮闘されていてパワーのもらえるおすすすめのサイトを紹介します!

3.6. 掲示板や質問サイトで相談してみる

悩みは一人で抱え込まず、ぜひ外に出してみましょう!
現役介護職員の仲間が、相談に乗ってくれます。一人じゃない!を感じてください。
ぜひこの「ケアきょう」でもコメントなど頂ければと思います!

4. こんな職場はやめるべき!要注意の介護施設の特徴

4.1. 労働基準法を守らない

施設によくあるのは、「一日に何時間ものサービス残業が常態化している」といったことや、「休憩時間がない」といった話です。
残業代を申請したけど承認して貰えなかったとか、会社の業務命令で研修に行ったのに、研修は勤務時間にならないと言われ、研修費用や研修の宿泊費用が自腹だったという話もあります。

4.2. 違法な医療行為を強制される

介護職は看護職と違い、医療行為を行うことは禁止されています。
あるアンケートによると、実に介護職員のうち9割の職員が、医療行為を行った経験があると回答しています。
看護を行う職員の不足により、介護職員も一部の医療行為をせざるを得ない環境になっています。
医療行為は下記に定める内容です。こんなのも医療行為だったの?!と思われる方もいるかもしれません。利用者さんの命を預かる仕事の一助を担っていることを忘れないようにしたいですね。
医療行為として定められる項目

  • 湿布を張る
  • 軟膏を塗る
  • 目薬をさす
  • 爪をきる
  • 褥瘡部のガーゼ交換
  • 座薬
  • 血圧測定から判断する
  • 浣腸
  • 摘便
  • 痰吸引
  • 酸素吸入の準備、管理
  • 点滴の抜針
  • 人工肛門の管理
  • インシュリン注射
  • 導尿
  • 利用者の口に直接薬をいれる

4.3. 夜勤が月に10日以上ある

夜勤が月に10日以上ある場合は、継続することで、身体的にも精神的にも消耗していきます。
夜勤専属ならまだしも、日勤も夜勤も行う働き方の場合は、無理なく働き続けられる日数にするべきです。

4.4. 職場内でいじめやハラスメント起きている

介護職は女性の多い職場です。
女性同士では特に、気が強いパートのおばさんが施設に必ず一人はいて、噂話や陰口が絶えません。
一度輪の中に入ることに失敗すると、そのあと関係修復がしづらく、認めてもらうのにも時間がかかります。
また、施設内だと何人かの職員とともに働くことが多いですが、居宅への訪問となると、利用者さんやその家族と家の中にいる状態になります。
その際、大声で怒鳴る等のパワハラや、セクハラといったハラスメントを受けやすい状況にあります。
介護職員の実に70%以上が、なんらかのハラスメントにあった経験がある、と回答しているアンケートもあります。
出典:みんなの介護

4.5. 常勤の雇用を行おうとしない

施設職員の配置基準として、常勤も雇うべき人数が決まっています。
つまりどの施設も常勤雇用に対し、積極的に雇用すべきなのです。もしも常勤が不足しているにも関わらず、常勤雇用を行おうとしない施設があるとすれば、それはブラック企業といえます。
配置基準を満たさずに、福祉施設を運営することはできないのです。

5. 転職する解決方法もある!おすすめの転職サイト

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6. どんな介護施設が良い職場になるの?転職先を選ぶポイント

6.1. 医療法人、社会福祉法人が経営している

自分の雇用されている施設の経営母体を、ちゃんと確認していますか?
経営母体のおススメは、地域に長年ある医療法人や社会福祉法人です。
経営母体が医療だと、医療的ケアの多い高齢者施設では連携しやすい環境です。急病時も医師が往診に来てくれたりして、医師の判断を仰ぎやすいです。
また、社会福祉法人も福祉的目線でケア志向が強く、質が高い場合が多いです。
経営母体が企業だと、経営路線に走りやすく、ケアの質が低い場合があり、福祉のノウハウも少ないです。

6.2. 介護職員処遇改善加算をつけている

介護職員処遇改善加算とは、介護職員人材確保のために政府が「加算」という形で財源投入し、他業種と同じだけ稼げるようにサポートしよう、というものです。
一般的に介護職員の給料は他業種に勤めるサラリーマンよりも平均約10万円少ないと言われています。介護職員一人あたり約3万~10万ほどの加算がつくとも言われています。
この加算は、一度施設への入金となりますが、その後どのような形でいくら給与として分配されるかは、各事業所の給与体系に寄ります。
給与明細にしっかり「介護職員処遇改善加算」が記載されていれば、職員に対して分配してくれている施設です。

6.3. 施設内や器具が清潔

施設内では、認知症ゆえに失禁、失便などがあります。
それらを毎日清潔に消毒し、清掃し、清潔感を保っている施設は、ケアも行き届いている場合が多いです。施設の清潔感がケアの質を物語っているといってもいいでしょう。
面接の際、必ず現場見学を申し出ると良いです。大抵の施設は見学もスムーズに行わせてくれます。
利用者さんと触れ合う職員の様子や、施設の清潔感をチェックすると、その施設のケアの質が分かって良いです。

6.4. スタッフがベテランから若手までバランスよく存在する

一部の世代のみが固まっている会社は、考え方が偏りがちです。
多世代が同時にかかわることにより、支援の視点も広がり、ケアの質も深まります。
基本的には女性が多い職場ですが、男女比率、年齢層も聞いてみると、働くときのイメージがしやすく、参考になると思います。

6.5. 管理責任者が介護現場を経験している、又は理解している

管理者=経営者のスタイルの施設もありますが、それだと経営面に視点が強く、利用者を増やすことや新規出店、不必要なものの経費削減に意識が行きがちです。
一人一人の利用者様の日々のケアこそが大切。それを理解している管理者、現場の大変さを体感している責任者だと、話しやすくいいと思います。

7. 転職先を決めたら円満に退職しよう

7.1. 退職の旨は早めに、礼儀正しく伝えよう

退職を決めたら、会社には最後に感謝を伝えましょう。
どんな会社であれ、今まで働かせていただいた会社、お給料をいただいた会社です。
大変だったことも、人として成長させてもらえたと前向きに考えましょう。終わりよければすべてよしです。

7.2. 退職の流れ

  1. 上司に相談
  2. 上司に許可がもらえたら、チームに伝えていく
  3. 仕事の伝達
  4. 退職

以上が大まかな流れです。

退職の相談を、まず同僚に話す人もいますが、それはしないほうが良いです。
自ら上司に伝える前に上司の耳に入れば、上司の気を悪くしますし、周囲のチーム員が騒ぐことで、あなたの退職の理由が、こじれた形で伝わる可能性もあります。
自分が任された業務を抱えていれば、業務の引継ぎを行う際、上司への相談はもちろん行いますし、上司のフォローは必須です。
辞める最終日までの働きづらさが少しでも少なくなるよう、退職を伝える際はまずは上司からスムーズに、感情的にならずに気持ちを伝え、上司の指示を仰ぎながら退職への手続きを進めましょう。

8. まとめ

ここまで書いてきたことでお伝えしたいことは、介護職は、人対人の「感情労働」であることです。
自分の価値観や感情をその場でぶつけるのではなく、冷静に考え、多職種とも協議し、ケアを行っていかなければならない仕事なのです。
日々自分の感情をコントロールし続ける仕事だからこそ、ストレスは溜まっていきがちです。だからこそ、自分のストレスケアは、仕事を続けていくうえで最重要課題と言えます。自分を大切にできる人こそ、他者を大切にできる人なのです。自分のリフレッシュ方法は、必ず作っておきましょう。

また、介護の仕事は、決して楽な仕事ではありません。
しかし、日々「ありがとう」と感謝の言葉を利用者さんからいただける、やりがいある仕事です。
日々利用者さんと接するからこそ得られる喜び。日々、利用者さんを通して自分の内面とも向き合うお仕事です。
自分のストレスとも上手に付き合い、働きながら人間力を磨いてみてくださいね!

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