75%が経験!介護事故の原因と減らす3つの方法

業務支援
2022/01/14

今回は、介護事故を減らす方法をご紹介していきます。

ゼロにすることは非常に難しい事故ですが、できるだけなくしたいもの。
今回、ケアきょうの電話相談などでお聞きした事故を減らす方法をまとめましたのでご紹介します!

介護事故の実態

2018年~2019年に行った、全国労働組合連合会の「介護労働実態調査」によると、介護施設で働く約75%の職員が業務中に何かしらの事故を経験していることが反映しました。

事故の内容としては、
1位:目の届かないところでの転倒・転落/誤嚥(63.7%)
2位:利用者同士のトラブル(24.3%)
3位:介助中の事故(23.1%)
4位:誤嚥など薬にかかわる事故(18.9%)
となっていました。

多くの施設で人員不足が問題になっている現状では、目の届かない場所での事故が多い模様です。

考えられる原因

「介護労働実態調査」には、介護職が考える事故原因として

  • 現場の忙しさ・人員不足(78.7%)
  • 知識や技術の未熟さ(37.3%)
  • 職種内・職種間の連絡・連携の不備(31.5%)

との回答が見られました。

実際に介護賞の方も、人員不足が大きな問題だと考えているようです。
また、逆に言えば、こちらの原因として考えられているものを解決していけば事故を減らすことに繋がります。

事故を減らすための工夫

工夫は大きく3分類7個の方法がありそうです。

一つ目の分類が、環境を変える方法
二つ目の分類が、少ない人数で対応する方法
三つ目の分類が、事故から学ぶ方法
です。

①環境を変える方法

環境を変える方法では、三つ紹介していきます。

人員を増やす

一つ目が人員を増やすです。
人員を増やすといっても、「採用しろ」という話ではありません。
採用できればそれが一番ですが、それが出来ていない現状で頑張るほかありません。

方法としては、無駄な時間を減らすが良いかと思います。
厳密には、無駄な時間ではないですが、実際に介護をする以外の時間を削ろうということです。

例えば、

  • 会議の時間が長引きすぎるので、時間制限する
  • 介護記録をある程度フォーマット化する

などの工夫です。

特に会議の時間は何も考えずにいるとドンドン長引いてしまいます。
先に、何を話すのか決めておく、発言する人は準備をしてからくる、などの工夫をすれば、所要な時間は短くて済むかと思います。

人員配置を工夫する

シフトの組み方や配置を工夫することでも事故を防ぐことに繋がるかと思います。
連携が取りやすい人同士を組ませる、初心者同士を組ませない、初心者には仲のいい利用者を担当させるなどの工夫です。

この方法は、すでにやっている施設さんも多いかもしれませんね。

職員が連携しやすい環境を作る

介護現場では、人間関係が悪くなっていることもあります。
そうすると、なかなか連携がうまく取れないものです。

この人間関係は、ある程度仕方がないところもありますが、管理者次第では、良い人間関係になっていることもあります。
攻撃しがちな人に注意したり、会話の輪に入れていない新人や中途の方を輪にいれるなどの工夫は必要になってくるかと思います。

また、職員としても

  • 声を掛け合うようにする
  • 気になったことはメモや付箋に残して共有するようにする

等の仕組みを作ることで少しずつ連携しやすくなっていくこともあります。

②少ない人数で工夫する方法

少ない人数で工夫するには、選択と集中を行いましょう!

アンケートでお伺いした方法は2つありました

注意するべき人に注目する

全員に注目するべきですが、なかなか難しいこともあるかと思います。
そういった際は、注意するべき人に特に注意するようにするといいかと思います。

例えば、

  • 利用を開始されてすぐの人
  • 体調が悪そうな人
  • よく転倒する人

等です。

限りある資源を効率的に使用するためにも、特に注意が必要な人ははっきりさせた方がいいかもしれません。

経験の浅い職員の教育を行う

経験の浅い職員は、不安でいっぱいです。
また、自己流で介助を行う可能性があり、事故が起こるリスクが高まります。

教育は、「教えたからOK」ではなく、しっかりとできるようにすることです。
時間がかかるかもしれませんが、戦力になってもらうためにも、しっかりとした教育が必要になります。
事故を防ぐためにも、改めて教育をしっかり行いましょう

③事故から学ぶ

小さな事故が起きてしまった場合、そこで隠すことなく、そこからしっかりと確認するようにしましょう。

ヒヤリハットの事例を共有する

こちらは、ほぼすべての施設で行われていることでした!
いわゆる「ハインリッヒの法則」にのっとり小さな事故からもしっかり学ぼうというものです。

「ハインリッヒの法則」はアメリカの損害保険に勤める方が見つけた法則で、1件の重大な事故には29件の軽い事故があり、その裏には300件のヒヤリハットが存在するというものです。

日々の業務の中で、ヒヤッとしたことを共有し、対策を立てることで事故を減らすことができる、というものです。

会議ばかりしていても問題ですが、しっかりとヒヤリハットから事故を防ぐ工夫も大切です。

事故が起きたときに隠さない、決めつけない

こちらは、先ほどのヒヤリハットの共有にもつながることです。
小さな事故が起きたときに、それを隠すようなことがないようにしましょう。

事故が起きてしまったことは仕方がないことです。
それをどう対処するかで未来は大きく変わります。
その原因をしっかり見極めることで、次の事故が防げます。

また、事故が起きたときに「決めつけ」をするのは非常に危険です。
ドーナツ事件でも「決めつけ」がきっかけで長年にわたる事故が起きてしまった、というお話しもお伺いしました。
しっかりと原因を見極めるまでは、「決めつけ」をしないようにしましょう。

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