介護老人保健施設って何?【いまさら聞けない基礎情報】
介護業界で働いていても、実は他の事業所タイプは知らない……というご相談もたびたびいただきます。
そこで、いろいろなタイプの事業所の情報をまとめていきたいと思います!
今回は、「老健」こと「介護老人保健施設」をご紹介していきます。
老健ってどんなところ?
正式名称
老健といいますが正式には「介護老人保健施設」が正式名称です。
施設の概要
老健は施設型の介護事業所タイプです。
運営しているのは、病院や社会福祉法人などになります。
病院・医療法人が運営している施設だと、病院の隣の建物に入っているということもあります。
一言で、どんな施設なのか説明するとすれば、病院と家をつなぐ中間施設になります。
特養とは異なり、施設から出ていくことが目標となる施設になります。
病気やけがなどで、入院していた方がいきなり家に戻ることは難しい、不安ということがあります。
入所によって体力が衰えていたり、リハビリが必要、ということがあるからです
そういったケースの方が、こちらの老人保健施設に数か月ほど入所します。
1~3か月ほど入所している間に、リハビリ・住居の環境を整える、といったことを行い家やサ高住などに戻る、という使い方になります。
また、家に戻った後に、ショートステイとして老健に一時的に戻りリハビリなどを行う、ということもあります
入所要件
入所の条件は
- 原則65歳以上で要介護1以上
とされており、主な対象者は
- 介護に加え、自宅復帰のためのリハビリが必要な人
とされています。
入居する人は要介護1~3程度と言われていますが、最近では4~5といった方も受け入れが進んでいるとのことです。
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ケアきょう求人・転職の無料相談老健の理念と役割
理念と役割
全国老人保健施設協会では、5つの理念と役割を定めています。
- 包括的ケアサービス施設
- リハビリテーション施設
- 在宅復帰施設
- 在宅生活支援施設
- 地域に根差した施設
これらを見ることで、より老健に対する理解が深まるのではないでしょうか?
包括的ケアサービス施設
老健には、医師や看護師、介護職、リハビリ職などいろいろな職員がいます。
これらの職員がチームとなり、一側面だけでなくいろいろな側面から、その利用者にあった包括的なケアを行おう、という理念が一つあります。
リハビリテーション施設
体力や基本的動作能力の獲得、家庭環境の調整などを行い、集中的なリハビリを行う施設ですよ、といっています。
在宅復帰施設
家に帰るための施設といっています。
特養とは異なり、施設で最期まで看取るということを重点的には想定されておらず、出来るだけ早期にご自宅に帰ってもらうための努力をしていく施設です。
看取りを行う施設もありますが、あくまで目標は家に帰すことです。
在宅生活支援施設
実際に家に帰った人も、その後のフォローを行い、生活できるよう支援しようということです。
デイケアや、訪問リハビリなどで機能を維持させたりすることもあります。
地域に根差した施設
地域に根差した、さまざまな役割を果たしていく施設といっています。
市町村や、他事情所と連携し、地域と一体となったケアを行うよう理念を掲げています。
このため、施設ごとによって、多少方針が変わってくることも考えられるでしょう
老健に働きを良くあらわした図を全国老人保健施設は開示しています。
生活機能が衰えてきたら、老健施設が強力な支援を行い、生活機能を回復させ在宅に戻す。在宅時においても、通所のリハビリを行い生活機能を維持向上させる。
何かの拍子に生活機能が落ちたら、再び施設でケアやリハビリを行い家に戻す。
こういったことを繰り返していき、最期の時までできるだけ元気でいてもらおう。
そういった老健の理念や役割が良く分かる図かと思います。
老健の種類
老健は平成30年度から機能別に5つに分類されました。
- 超強化型
- 在宅強化型
- 加算型
- 基本型
- その他型
これは、老健に求められる「在宅復帰、在宅療養支援」における10個の指標をどれくらいクリアしているかによって分類されます。
指標の中には、
- 在宅復帰率が高いか?
- ベッド回転されているか?
- 専門職は何人いるのか?
等があります。
この指標の中には、「要介護4または5の割合」という項目や、「喀痰吸引の実施割合、経管栄養の実施割合」といった項目もあるため、国としては、少し重い症状の方も受け入れ、回復させることを目指していることがうかがえます。
超強化型ほど、充実したリハビリが必要で、しっかりと家に帰す施設、といえます。
給料
気になる老健の給料ですが、特養に次いで良い、と言われています。
厚生労働省が発表しているデータを見てみますと、基本給+手当+ボーナスを合わせた金額では、月額31万3,750円となっています。
年額に直すと380万円程度の年収となっています。
もちろん地域や事業所、経験年数で変わってくるものですが、比較的良い額がもらえるというのは間違いないと考えてよいのではないでしょうか?
今回は、老健の基礎情報をご紹介しました。
教科書的な内容ではありますが、改めて確認してみるとどうでしょうか?
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