グループホームの管理者になるには?資格要件、仕事内容など詳しく解説!

介護職仕事紹介
2022/11/20

これからグループホームで働く事を検討しているみなさん、

「グループホームではどんな職種が働いているの?」
「ゆくゆく管理者を目指すにはどうしたらいいの?」

と疑問や不安を感じたことはありますか?

せっかく働くのなら、スキルアップや役職も目指していきたいですよね。
今回は、グループホームで働く職種の人員配置や、管理者になる為の資格要件、仕事内容、お給料事情などまとめましたので、ぜひご参照ください。

そもそもグループホームではどんな職種がある?

グループホームには一般の介護職員の他に、一定の条件をクリアした人がなれる職種があります。
それぞれ人員配置が決められています。

一つずつ解説していきます。

グループホーム管理者

施設長ホーム長とも呼ばれ、グループホームの管理業務を行う責任者です。
経営や人材管理も行います。
ほとんどは日勤業務ですが、施設によっては夜勤に従事する事もあります。

ユニットごとに1人必要です。

  • 認知症の介護現場で3年以上の経験があること
  • 厚生労働大臣が定める管理者研修を修了していること
  • 常勤の職員であること

の条件を満たすと管理者になれます。

グループホーム代表者

グループホーム全体を管理する責任者です。
グループホームは認知症の高齢者が利用する施設です。
代表者になるためには、次の条件をクリアする必要があります。

  • 認知症の介護現場での経験があること
  • 保険医療サービスや福祉サービスを提供する事業に携わっていた経験があること
  • さらに厚生労働大臣が定める認知症介護サービス事業者開設者研修を修了すること

です。

管理業務を行う立場ですが、現場での経験値や知識が求められます。

介護職員

利用者に対して入浴や食事、排泄介助などの介護サービスを提供します。
認知症の方を介護するため、認知症についての知識や介護の経験が求められます。

ユニットごとに、日勤帯で利用者3人に対しスタッフ1人、夜間・深夜帯では1人の配置が決められています。
夜勤ではスタッフが1人になる時間帯がある事業所もあります。

介護職が複数人在籍している場合は、1人以上が常勤職員である必要があります。
実際の介護現場では、管理者が現場の介護職を兼務している事業所も多いようです。

計画作成担当者

利用者のケアプランの作成や管理を行い、ケアマネージャーの役割を担います。

ユニットごとに1人以上の配置が必要で、2ユニットある事業所では2人の配置が必要です。
その内1人は介護支援専門員(ケアマネージャー)であることが求められます。
実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了している事、専門的にその職務に就いている事、などの条件を満たすとなることができます。

管理者は他の職種を兼務することも

ユニットに常勤専属1名が配置される管理者ですが、管理業務に支障をきたさない範囲であれば、グループホーム内の介護業務などの他の職務や、同じ敷地内にある介護事業所などでの職務を兼務することが認められています

グループホームは小規模な事業所でありスタッフの数も少ないため、管理者が計画作成担当者や介護職員を兼務する場合が多いようです。
管理業務以外もあって大変だという話もあります。

しかし、言い換えると、介護業務をはじめ介護支援専門員の業務や、人材管理、事業所の経営など様々な分野の仕事ができるということです。
複数の職務の視点から考えることで視野が広がるようになりますし、利用者に関わることを一貫して見ることができます。
認知症高齢者への対応を身につけるには最適な職業でしょう。

施設によって人員配置は大きく異なる

人員配置について、最低限の基準は設けられていますが、実際にどれほどの人数を配置しているかは施設によって異なります。
場所によっては配置基準を超える人材を確保している事業所もあります。

人員が豊富な事業所は、その分利用者に対応する時間が確保されるため、質の良いサービスを提供することができます。
気になる事業所があれば、従業員の人数を確認してみましょう。

グループホーム管理者の主な4つの仕事

上記でも少し触れましたが、実際に管理者はどのような仕事があるのでしょうか。
これから管理者を目指したい人にとっても気になる部分ですよね。
1つ1つ解説しますのでご参照ください。

①グループホームの運営管理

グループホームの運営管理を行います。
例えば、以下のことが挙げられます。

  • 遵守するべき法令などを把握する
  • 管轄の市町村へ、必要な届出を作成して提出する
  • 管轄の市町村などからの指導、監査の対応や書類管理をする
  • 施設の運営方針や理念に沿ったサービス提供ができているか把握する
  • 第三者評価を受けるための調整をする
  • 相談や苦情に関する体制の構築と対応
  • 外部に向けた広報活動を実施する

②人事・労務管理

グループホームで働く職員の人員管理やシフト管理などを行います。
例えば、以下のことが挙げられます。

  • 人員基準を守るため、職員の採用や教育を管理する
  • 求人に対する応募者との連絡や面接対応をする
  • 応募者への事業所や仕事内容、シフトなどの説明
  • 採用や退職に関する管理
  • 職員の能力や希望に応じた人員配置をする
  • 働きやすい環境を作るために、労働時間や残業時間、有給休暇の取得状況を把握する
  • 職員の体調管理や、職場の雰囲気を把握しトラブルを防げるように管理する

③経営・収支管理

グループホームが安定して経営できるように、経営方針や収支を管理します。
例えば、以下のことが挙げられます。

  • 利用者を確保するために、外部に営業活動を行う
  • 利用希望者やご家族との面談や事業所の説明、契約をする
  • 基準に沿った介護報酬の請求と入金管理
  • 利用者への請求や入金管理
  • 介護報酬の加算取得を検討し、条件を満たす取り組みを実施する
  • 家賃や食費、共益費、人件費などの経費支払い管理
  • 財務諸表などで収支の状況を把握し、経費削減の取り組みを行う

④介護サービスの管理

利用者が安心してグループホームで過ごすことができるよう、介護サービスの管理を行います。
例えば、以下のことが挙げられます。

  • 利用者の既往歴や現病歴などの体調や状態を把握する
  • 提供されているケアプランが利用者に適しているか、それに沿った介護サービスが提供されているかを確認する
  • 入居時や退去時、また状況に応じて利用者やご家族と面談を行う
  • 基準を超える人員を確保し、適した人材を配置する
  • 職員がスキルアップ、キャリアアップできるための研修や勉強会を実施する

グループホーム管理者の勤務時間は?

グループホームの管理者の勤務時間帯は、9:00〜18:00となっていることが多いようです。
管理者は、市町村の機関と連携し連絡を取ることが多い為、日中の時間帯である方が都合がいいのです。

他の職務を兼務している場合は、その仕事内容に合わせた勤務時間帯となります。
事業所によっては介護業務で夜勤をすることもあるようです。

グループホーム管理者のお給料事情

グループホームの管理者の求人は多くありません。
なぜなら、事業所の運営や経営にも責任を持つ立場である為、外部から募集することは少ないからです。
通常のスタッフとして経験を積んだ後に、キャリアアップを目指すパターンが多いのです。

それでも、グループホームの管理者を目指したい方はいると思います。
管理者求人では、どのくらいのお給料になっているのでしょうか。

他の施設の管理者よりは給与が少ない

グループホームの管理者求人では、だいたい月収30〜40万年収360〜500万となっていました。
もちろん、事業所ごとに異なるので、気になる事業所があれば確認してみましょう。

管理者の平均給与はグループホームで35万4,420円特別養護老人ホームで41万7,430円介護老人保健施設で40万3,780円通所介護事業所で34万1,190円となっています。

厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果 p145」

他の施設と比較すると、平均給与がやや少ない傾向にありますが、グループホームの評価向上や経費節約、収益増加ができると収入アップを期待できます。

グループホーム管理者になるには

グループホームの管理者になるには、どのような資格が必要で、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
目指したい方には気になる部分ですよね。
詳しく紹介します。

管理者の資格要件

グループホームの管理者になるためには、以下の資格の取得が求められます。

  • 介護福祉士の資格
  • 介護支援専門員の資格
  • 計画作成担当者やコア以後支援専門員としての経験

さらに上記の資格の他に、2つの任用要件があります。

  • 介護施設等における認知症介護の経験が3年以上あること
  • 認知症対応型サービス事業管理者研修等の定められた研修を修了していること

以上の資格、要件をクリアすると管理者になることができます。

管理者に求められるスキルは?

資格や任用要件の他にも、管理者を担うためには様々なスキルが求められます。
例えば、以下のような事が挙げられます。

  • 管理者は職員を通してグループホームの介護サービスを遂行する必要があります。
    なので、職員の育成や教える能力が求められます。
  • 利用者やご家族の望む生活をサポートするために、ニーズを引き出すコミュニケーション能力が求められます。
    職員の体調やメンタル管理にも必要な能力です。
  • グループホーム運営のために必要な法令や介護保険制度の理解
  • 業務を把握し、適切な業務の割り振りをしたり、フォローをする能力
  • 認知症ケアに関する知識や技術が求められます。
    職員からの相談を受ける立場にもなります。
  • 利用者確保のための営業スキルが必要です。
    外部との関わりも積極的に行えると良いでしょう。

グループホーム管理者の求人はある?

数は多くないですが、求人を出している事業所もあります。
通常は、事業所内でのスキルアップで管理者になる場合が多いですが、「人員補充のため」だったり「事業所内に新しい雰囲気を持ってきたい」などの理由で求人が出るようです。

グループホームの管理者求人を探したい場合は、介護業界に詳しい転職サービスや人材紹介会社を使って探すのがオススメです。

グループホーム管理者にはどんな人が向いている?

グループホームの管理者に向いている人はどんな人なのでしょうか?

管理者を目指したい方はぜひチェックをしてみてください。
自分の特技を活かして仕事ができるかもしれません。

リーダーシップがある人

リーダーシップを取れる方は管理者に向いているでしょう。
認知症介護の現場であり、利用者の体調などで現場は変化し続けます。
何かあった時は臨機応変に対応し、現場の職員に指示をだす事が求められます。
事故や怪我といった緊急時にも冷静に素早く決断し、責任を持って行動できる人は向いています。

また、グループホームにはそれぞれの理念やビジョンがあります。
この理念をしっかりと理解し、職員にも理念や会社の方向性を噛み砕いて伝え、事業計画を進めていく事も大切です。

ケアきょうのYouTubeで管理職についてのまとめ動画があるため、ぜひ合わせてご参照ください。

スタッフの育成・指導が得意な人

管理者は、管理者にしかできない仕事があるため、そのほかの業務を職員に委ねる必要があります。
そのため、グループホームとして上質な介護サービスを提供していくためには、職員1人1人に対して教育・指導を行う必要があります。

今までの経験上、介護業務などを自分で対応することはできると思います。
それを他の人にもわかりやすく伝える事ができる人は管理者に向いています。

臨機応変に対応できる人

何が起こるかわからない介護現場では、臨機応変に対応する事が求められます。
いつもの方法に捉われがちですが、普段と状況が異なったとしても、「何のために、何が行われればいいのか」が分かっていれば、方法を変えても問題なく実行ができます。
根拠を持って、柔軟な視点を持って対応できる人は向いています。

営業力のある人

意外かもしれせんが、営業力のある人も向いています。

グループホームは利用者がいてこそ収入があります。
自分の事業所がどんな事に力をいれてサービスを行っているのか、宣伝する事が大切です。

利用者やご家族だけでなく、市区町村の関係機関や医療機関から利用者を紹介される場合もあります。
外部機関と広くコミュニケーションが取れる営業力は強い武器となるでしょう。

責任ある役職なだけにやりがいは大きい!

先ほども少し触れましたが、グループホームの管理者は事業所の経営や人員管理など多くの事を担い、責任ある役職です。
管理業務の他に、他の職務を兼務したり、職員の教育や仕事のフォローなど多忙と言えます。

しかし、管理業務を担うということは、自分の采配で介護現場の問題を改善に繋げられる可能性があります。
利用者が自由に生活できるようにサポートしたい、職員も含めてレクで楽しみながら活気づけたいなど、ご自身の描くグループホームの理想に近づけることもできます。

また、管理者として人員配置や業務の割り振りを行ったり、事業所全体での仕事の流れを掴み、職員のフォローをすることでマネジメント能力を鍛える事ができます。
ご自身の経験だけでなく、職員の能力を引き出せるような関わりをしたり、業務を効率的に進める事を考える力をつけると、グループホームの評判や収入を上げることにも繋がります。

まとめ

グループホームの管理者についてまとめてきましたがどうでしたでしょうか。
本格的に目指してみたい!と思った方もいらっしゃるでしょうか?

人の上に立つ役職であるため、責任は大きいです。
しかし、他の職員と一緒に試行錯誤しながら成長する経験は、いち介護職では得られない新たなスキル獲得に繋がるでしょう。
事業所で一丸となって出した成果は、あなたの評価にもなるためやりがいは大きいと思います。
この記事が参考になれば幸いです。

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