介護福祉士が介護の現場以外でできる仕事は?経験を活かせる職業を解説!

介護職仕事紹介
2022/08/17

介護職に関わる唯一の国家資格である介護福祉士
介護現場のスペシャリスト、リーダー的存在として活躍を期待される資格です。

しかし、介護福祉士を取得した人の中には
「この知識と経験を活かし、介護現場以外にできることが無いだろうか?」
「介護業界以外にもできる仕事は何だろう?」
という声も寄せられます。

そこでこの記事では

  • 介護福祉士の仕事内容について
  • 介護福祉士の資格を現場以外で活かせる仕事
  • 介護福祉士におすすめの他業界の仕事
  • 介護福祉士の業界内の転職について

紹介しています。

ぜひ最後までご覧ください!

介護福祉士の仕事内容

介護福祉士とは1987年に制定された「社会福祉士及び介護福祉法」によって定められた国家資格です。

  • 専門知識と技術を活かし、利用者さんの身体・精神上のケアを行う。
  • 現場の介護スタッフに対する教育指導を行う。

といった役割を求められています。

介護職として働く上で介護福祉士が必ず必要な業務というのは基本的には存在しません 。
しかし介護福祉士を保有していると経験や知識、技術がしっかりしていると評価され、介護現場でもリーダー職等を任される方も多いです。

また事業所側としては加算の対象になったり介護スキルのある証明になる事情もあるので、取得を勧める事業所も多くあります。

介護福祉士の仕事内容についてはケアきょうの動画でも詳しく紹介しております。
興味のある方はこちらをどうぞ。

介護福祉士の資格や経験を活かせる仕事

介護福祉士の資格を活かせるのは介護現場ではなく、介護に関わる様々な場所でも活躍することができます。

ここでは

  • 介護福祉士養成学校の教員
  • 福祉系高校の教員
  • 初任者研修の講師
  • 実務者研修の講師
  • サービス提供責任者
  • 福祉用具専門相談員
  • ケアマネージャー

を紹介します。

介護福祉士養成施設の教員

介護福祉士養成施設とは、介護福祉士を養成する学校です。
厚生労働省の出した「介護福祉士養成施設一覧」では、全国に480施設以上の養成施設があるとされています。
学校の種類としては大学や専門学校、短大など様々です。

教員になるには社会福祉士介護福祉士養成施設規定に定められており

1.介護福祉士、医師、保健師、助産師、看護師又は社会福祉士の資格を取得した後、5年以上の実務経験を有する者
2.大学院、大学、短期大学又は高等専門学校において、教授、准教授、助教授又は講師として、その担当する教育に関し教授する資格を有する者
3.専修学校の専門課程の教員として、その担当する教育に関し3年以上の経験を有する者

のいずれかに該当すれば教員として働くことが可能です。
よって介護福祉士の資格を持ち、5年以上の実務経験があれば教員として働くことが可能です。

しかし教員として活躍するには現場経験以外にも専任教員課程を修了するなど、細やかな規定があるので注意しましょう。

福祉系高校の教員

福祉系高校とは文部科学省、又は厚生労働大臣から指定された介護福祉士養成教育を実施する高等学校です。

文部科学省「福祉系高等学校の教員要件」から介護福祉士から目指せる「介護福祉基礎等の科目の教員」の要件として

介護福祉基礎、コミュニケーション技術、生活支援技術、介護過程、介護総合演習又は介護実習を教授する教員のうち1人は、
(1)介護福祉士の資格を有する者であって資格の取得後5年以上の実務経験を有する者、又は、
(2)介護福祉士の資格を有する者であって文部科学大臣及び厚生労働大臣が別に定める基準を満たす研修を修了したものその他これらに準ずるものとして文部科学大臣が別に定める者を置くこととする。

とされています。

初任者研修の講師

介護職員初任者研修は、在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修です。
介護福祉士の資格を取得し5年以上の実務経験を積むことで、初任者研修の講師となることも可能となります。

しかし、東京都介護職員養成研修事業者指定要領では以下の科目については必要要件が違うので注意しましょう。

  • 介護、福祉サービスの理解と医療との連携
  • 介護、福祉サービスの理解と医療との連携
  • 老化の理解:高齢者と健康
  • 認知症の理解:医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理
  • 障害の理解:​​障害の基礎的理解
  • 障害の理解:​​障害の医学的側面、生活障害、心理・行動の特徴、かかわり支援等の基礎的知識

実務者研修の講師

実務者研修とは初心者向けの「介護職員初任者研修」から、ランクアップした内容を習得する資格です。
また国家資格である「介護福祉士」へのキャリアアップのためにも必須な資格となります。
こちらも介護福祉士としての実務経験が5年以上あれば講師になることが可能です。

しかし実務者研修のなかに

  • 介護課程3
  • 医療ケア(喀痰吸引、経管栄養等)

の講師となるには以下の条件が加わるので注意しましょう。

介護課程3

  • 専任教員の資格要件を満たしている
  • 実務者研修教員講習会、実習指導者講習会を修了

医療的ケア

  • 実務経験5年以上の看護師(医師、保健師、助産師又は看護師)で医療的ケア教員講習会を修了した方

サービス提供責任者

サービス提供責任者とは訪問介護サービス運営の責任者となります。
ケアマネージャーが作成したケアプランに基づき訪問介護計画書を作成し、計画通りにサービスが提供されるようコーディネートを行います。

介護福祉士の資格を保有していればサービス提供責任者になることができます。
他にも以下の資格、経験のいずれかを有していればサービス提供責任者になることが可能です。

  • 介護福祉士
  • 実務者研修修了者
  • 介護職員初任者研修修了者であって、3年以上介護等の業務に従事した経験を有するもの
  • (旧課程)介護職員基礎研修課程修了者
  • (旧課程)ホームヘルパー1級課程修了者
  • (旧課程)ホームヘルパー2級課程修了者であって、3年以上介護等の業務に従事した経験を有するもの

福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員とは福祉用具に関するアドバイスを行う専門家です。
福祉用具専門相談員指定講習を受講し、修了試験に合格することで資格を取得できますが

  • 介護福祉士
  • 社会福祉士
  • 保健師
  • 看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 義肢装具士

の資格は保有しているだけで、福祉用具相談員として認められます。

ケアマネージャー

ケアマネージャーとは要支援・要介護の認定を受けた方が適切な介護サービスを受けられるように介護サービス計画を作成する専門職です。
公的資格が必要な職種でもあります。

ケアマネージャーになるには年に一度の介護支援専門員研修受講試験に合格する必要があります。
受験資格としては介護福祉士としての現場経験が5年以上必要など、他にも細かく定められています。

試験に合格後は87時間の研修を受講することでケアマネとして登録されますが、この実務研修を受けるのには6万円ほどかかります。
また登録後も5年ごとに更新をし、その際2万円から4万円ほどの費用が必要になります。
「なんとなく取得しとこうかな」と思ってる人は今後も考えて取得を検討しましょう。

ケアきょうではケアマネージャー以外にも介護福祉士がキャリアアップするための資格をまとめた動画があります。
興味のある方はこちらをどうぞ!

介護福祉士におすすめの他業界の仕事

介護福祉士の転職は介護業界だけだとは限りません。
知識や経験を活かして活躍できる職場は他にもあります。

そんな介護福祉士にお勧めな他業界の仕事を

  • 保育士・保育補助
  • 社会福祉士
  • 事務職
  • 営業職
  • 接客・販売職

の5つを紹介します。

保育士・保育補助

介護福祉士と同様に人と深く関わる仕事として保育士・保育補助の仕事があります。
0歳から小学校になるまでの子供を預かり、保護者に代わって保育を行う専門職です。

介護福祉士で培った観察力や臨機応変にケアを変えていく対応力など、保育の現場でも必ず役に立つでしょう。
保育業界から介護業界にくる人も実際にいます。

保育士になるには年2回行われる「保育士国家試験」の受験が必要です。
この試験は介護福祉士の資格があれば一部が免除されます。

とはいえ合格率は低いので、しっかりと準備する必要があります。
保育士資格がなくても保育補助として勤務することは可能です。

社会福祉士

社会福祉士とは「社会福祉士及び介護福祉士法」で位置付けられた社会福祉業務に関わる国家資格です。
ソーシャルワーカー」とも言われています。

仕事内容としては身体、又は精神上に障害がある人等に福祉に関する相談を受け、助言や指導を行い、福祉サービスや健康医療サービスを提供する関係者と連携し援助を行っていきます。

取得するには国家試験に合格しなければいけません。
難易度は高いですが、取得すれば現場以外で働ける「生活相談員」の資格要件を満たすことのできる資格です。
介護福祉士としての現場経験も十分に活かせる仕事といえるでしょう。

事務職

事務職とは書類の作成やファイリング、電話対応、来客対応などを行う仕事です。

介護福祉士として現場で働いて
「体がきつい」
「腰が痛い」
など悩みのある方にとって、デスクワークが中心となるため体力的にも働きやすい職場といえるでしょう。

また介護事務という介護事業所での事務職もあり、そこで働けば介護現場で得た知識、経験を活かすことができます。

営業職

営業職とは商品やサービスを紹介し、購入契約を進めていく仕事となります。
一見介護職とは全く違うジャンルと感じますが

  • 介護現場で身につけたコミュニケーションスキル、接遇スキル
  • 厳しい現場で培った体力

など、営業において十分に活躍する要素があります。

介護と関連性の高い商品やサービスの営業を選ぶことで自分の経験を活かすこともでき、転職の成功にも繋がりやすくなります。

接客・販売職

接客・販売職はアパレルショップや飲食店などで接客や販売を行う仕事です。
無資格・未経験から働きやすいのと、店舗も種類が豊富にあるため自分の好きな求人を探しやすいメリットがあります。

介護職として培った傾聴スキルや接遇スキル、コミュニケーションスキルなどが販売・接客においても十分活かすことができます。

介護福祉士の業界内での転職

介護福祉士は他の業界でも活躍できる要素がある資格です。
しかし、転職するなら同じ介護業界が最も資格を活かせる職場でしょう。

続いて、介護福祉士が業界内で転職を進めるに当たっての気をつけるポイントを解説していきます。

施設によって働き方は異なる

介護業界は施設によって働き方は大きく異なります。
働く時間帯をとっても特別養護老人ホームや老健などの入所施設では24時間シフトです。
その中でも夜勤専門で働く人もいれば、早番から遅番の全てのシフトで働く人、日勤のみで働くパートさんなど様々です。

訪問介護をとっても週40時間働く人もいれば1日1時間で週1日など、プライベートを優先して働く人もいます。
職務内容も排泄介助や入浴介助などの身体介助を一日中行う肉体的にハードな施設もあれば、デイサービスでレクリエーションを中心に活動したり、グループホームや訪問介護で家事援助を中心に行う事業所もあります。

同じ種類の施設でも事業所によって働く風土は全く変わってきます。
サービス残業が常態化している施設もあれば、きっちりと労務管理を行っている施設があるのも事実です。

もし今の職場で悩み介護業界以外の職場で働くことを考えている人も、一度介護業界内で転職活動を行い、他の施設を調べてみるといいかもしれません。

介護現場で経験を積むことで給料アップを目指す

もし今よりも良い給料を目指したいのであれば、介護現場で経験を積むことも重要です。
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員全体の経験年数毎の平均給料額は以下の通りとなっています。

経験年数 平均給料額
1年(勤続1年〜1年11ヶ月) 169,000円
3年(勤続3年〜3年11ヶ月) 169,640円
5年(勤続5年〜5年11ヶ月) 173,050円
8年(勤続8年〜8年11ヶ月) 182,040円
10年(勤続10年〜10年11ヶ月) 185,320円
15年(勤続15年〜15年11ヶ月) 197,590円
20年以上 227,190円

厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果

この表からも年数を重ねることで、徐々に給料が上がっていることがわかります。

介護福祉士の求人件数はかなり多い!

現在介護福祉士の求人数はとても多いため、求職者にとってとても有利な状況となっています。

厚生労働省が出している「一般職業紹介状用(令和2年11月分)について」によると介護サービス職の有効求人倍率は3.88倍です。

有効求人倍率とは求職者1人に対して何件の企業の求人があるかを示す指標です。
つまり介護職1名の求職者に対し3.88件の事業所が求めていることとなります。

さらに介護福祉士となれば介護事業所からすれば喉から手が出るほど欲しい人材です。
さらに多くの求人が集まっていることでしょう。

まとめ

介護福祉士という資格は介護の現場で重宝される資格です。
しかし、介護業界の現場以外の仕事や他業界の仕事でも十分に活躍できる要素があります。
介護の現場で身につけたスキルを考え、自分に合ったキャリアを選ぶようにしましょう。

とはいえ介護福祉士という資格が一番活かせる仕事はやはり介護業界となります。
もし今働いている職場で悩みのある方は是非、ケアきょうの転職サポートをご活用ください。

ケアきょうでは転職に失敗しないための動画も公開しております。
興味のある方はこちらも見てみてくださいね。

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