つらい夜勤を乗り切る!介護夜勤前の過ごし方をご紹介
介護の仕事は職種や施設の形態によっては夜勤をする必要があります。
長時間夜勤の場合は、16時間といった長丁場になることも。
そのため、夜勤前の過ごし方が、夜勤中のパフォーマンスに大きく影響します。
そこで今回は、夜勤をする介護職のために以下のようなことをまとめてみました。
- 夜勤前後の快適な過ごし方
- 眠い夜勤を乗り切る仮眠方法
- 夜勤前の最適な食事方法 など
夜勤をする介護職の方には参考になる内容になっていますので、ぜひ読んでいただき夜勤のパフォーマンス向上につなげてみてください。
生活リズムを崩さない介護夜勤前後の過ごし方
ここでは、夜勤の前日と当日、そして夜勤明けに、生活リズムを崩さないための過ごし方を解説していきます。
夜勤前後のベストな過ごし方を習慣化することで、介護職として長く健康に働いていきましょう。
介護夜勤前日の過ごし方
夜勤前日は、特に過ごし方を変える必要はありませんが、元々夜ふかしが癖になってる人は、0時までには寝るようにしましょう。
なぜなら、夜しっかり寝ることが疲労回復には効果的だからです。
介護夜勤当日の過ごし方
夜勤当日も、普段と変わらず起きるようにしましょう。
よくあるのが、夜勤当日は、昼過ぎまで寝るという過ごし方です。
たしかに睡眠時間が増えることで、夜勤中に眠くはなりにくいですが、その後の生活リズムの乱れに影響するので、普段どおりに起きるほうが結果的に疲れにくくなります。
仮眠を取るのであれば、午後に短時間休むといいでしょう。
(仮眠については次の項で詳しく解説しています)
介護夜勤明けの過ごし方
夜勤明けは気分が高揚しており(いわゆるナチュラルハイ状態)、寝ずに遊びに行ったり、家の用事を済ませたい気持ちになる人もいるでしょう。
ただ油断は禁物です。
長時間の労働で体には相当疲労が溜まっています。
2、3時間ほどの仮眠を取ったり、座ってリラックスするなど、負担の少ない過ごし方を心がけましょう。
夜勤明けにたくさん寝るのはOK?
夜勤明けに帰って、そのまま長時間寝るという方もいますが、おすすめしません。
その後もまた日勤があり、生活リズムを戻す必要があるので、寝るのであれば遅くても夕方までには起きて、そこからは普段どおり過ごし、また夜になったら寝ることで生活リズムを戻しておきましょう。
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ケアきょう求人・転職の無料相談介護夜勤前の仮眠方法
夜勤は本来は眠ってる時間に働くことになるので、どうしても体調を崩すリスクは出てきます。
それなら、夜勤前にたくさん寝て、寝だめをすればいいのでしょうか?
ここでは、夜勤前の効果的な仮眠方法を紹介していきます。
たった10分でも効果がある
では、仮眠時間はどのくらいが良いのでしょうか?
まずは仮眠するタイミングですが、起床から8時間後が効果的と言われています。
例えば、6時に起床したら14時ごろに仮眠を取るのが良いでしょう。
次に、仮眠時間ですが、可能であれば2時間は取るようにしましょう。
なぜなら、人間の眠りには「眠りに入るまでの時間」「深い眠りの時間」「浅い眠りの時間」といった睡眠のサイクルがあるからです。
これは一般的に2時間あると言われています。
人間が快適に目を覚ますためには、浅い眠りのときに目を覚ますのが理想です。
ただ現実的に、睡眠時間を2時間取るのは難しい場合があります。
でも安心してください。仮眠時間は10分でも効果があると言われています。
航空整備士を対象とした研究では、仮眠時間が10分程度でも、パフォーマンステストの反応時間が早くなるという結果が出ています。
【参考動画】
どんな場所・どんな時間でも寝れる!最強の仮眠方法
短時間しか睡眠が取れないからこそ知っておきたいのが、どうすればうまく寝れるのか?ということです。
今回は、アメリカ海軍で使用されているという、最強の仮眠方法をご紹介します。
この訓練を積めば、どんな場所、どんな時間でも2分で寝ることができるそうです。
方法は簡単で、ポイントは以下の2つになります。
- 肉体的にリラックスする
- 精神的にリラックスする
- ゆっくりと深呼吸をして、顔の筋肉をリラックスさせる
(額や顎、目の周りの緊張をほぐしていく) - 体をリラックスさせる
(肩から順番に足先までリラックスさせる)
- 身体をリラックスさせた状態で、気持ちの良いイメージをする
(ハンモックに揺られているイメージ)
(芝生に寝そべって日向ぼっこをするイメージをする)
【参考動画】
こういった形で、普段からリラックスして過ごす習慣をつけることで、短時間でも効率的に身体を休めることができます。
介護夜勤前の食事方法
夜勤前の過ごし方として睡眠と同じくらい大切なのが、「食事」になります。
ここでは、夜勤前の食事のポイントを解説していきます。
夜勤前に食べ過ぎない
夜勤前には食べ過ぎに注意しましょう。なぜなら満腹は疲労感につながるからです。
インスリンレベルが急激に上がり、そこからまた下がることで疲労感を強く感じてしまいます。夜勤前は、腹八分目以下での食事を心がけましょう。
また食事の内容にも注意が必要です。特に、消化の悪いものは避けた方がいいでしょう。
- 天ぷらや唐揚げなどのフライもの
- きのこや海藻類
- ごぼうやレンコン
- ケーキ、ナッツ類など
では、反対に消化の良い食べ物はなんでしょうか?
- 豆腐類
- うどん
- 芋類
- 白身魚
- バナナ
- 鶏ささみなど
何も食べないのは良くないですが、ある程度空腹感を持たせることが疲労を溜めないためにも大切になってきます。
仮眠直前の食事は避ける
夜勤の前に仮眠をする場合であれば、仮眠直前の食事は避けましょう。
理由は、体が消化吸収に集中することで、脳や身体を休めることができなくなります。その結果として、睡眠の質が下がってしまいます。
仮眠を取るのであれば、最低でも仮眠の3時間前には食事を済ませておきましょう。
もちろん消火の良いものを選び、仮眠の効果を最大化することも忘れないでください。
夜勤前に仮眠できなかったら
夜勤前には忙しくて、どうしても仮眠が取れない場合もあります。寝ないまま夜勤を迎えて、眠いまま仕事をすることがあるかもしれません。
そういった時のために、夜勤中の効果的な仮眠方法や睡魔対策をご紹介します。
仮眠は夜勤中に取るのが最も効果的!
夜勤中の仮眠方法として、少しでも時間があるなら、横になって休むなど有効活用しましょう。
たとえ10分〜15分程度でも、疲労を抑える効果や、集中力の維持につながります。
ワンオペ夜勤で熟睡することができない場合は、目をつぶるだけでも身体を休める効果があると言われています。
なので、休めるときは短時間でも上手に休み、夜勤の山場である朝方の睡魔が襲う時間に備えておきましょう。
夜勤中にできる睡魔対策
どんなに仮眠を取ったとしても、やはり人間なので夜勤中に眠くなることはあります。
ここでは、睡魔対策のためにできる夜勤中の過ごし方をご紹介します。
身体を動かす
人は体温が下がると副交感神経が優位になり眠くなります。
なので、身体を動かし体温を上げて、交感神経を活性化させることで眠気を吹き飛ばしましょう。
休むときはしっかり休むことが大切です。
なぜなら、朝の着替えや排泄、起床介助の時になれば身体を動かさなきゃいけないので、自然と目は覚めてきます。
介助が始まれば目は覚めるということを理解しておけば、その他の時間の過ごし方も変わってくるでしょう。
顔を洗う
瞬間的な効果しかありませんが、顔を洗うことで心身ともにリフレッシュできます。
眠くてどうしようもない時は冷たい水で顔を洗い、自分自身に気合いを入れてあげましょう。
ちなみに顔だけでなく、首の周りも水をかけてあげると、気持ちよく目が覚めやすくなるので試してみてください。
歯を磨く
歯磨きは眠気対策に効果的です。
理由は、歯茎が刺激されると、脳内の眠気につながる睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が減ると言われています。
したがって、夜勤中に眠くなった時は、歯磨きをすることでメラトニンの分泌が現象し頭がスッキリします。
他の夜勤スタッフと会話する
2人以上の夜勤体制の場合は、他のスタッフと会話することで眠気を抑えることができます。
会話をすると、脳が活性化して頭が冴えてきます。
ワンオペ夜勤の場合は、歌を歌うなど声を出すことで眠気が解消するので試してみましょう。
エナジードリンクを飲む
レッドブルやモンスターエナジーなどのエナジードリンクも眠気覚ましには効果的です。
ただ、効果は1,2時間ほどと言われているので、どうしても起きなきゃいけない時などの最終手段としましょう。
また、頻繁に飲んでいると効果が薄まったり、カフェインの多量摂取は健康には良くないので、あくまで眠気覚ましの最後の砦ということは認識しておいてください。
【参考動画】
体調を整える夜勤明けの快適な過ごし方
夜勤明けで疲れているのに眠れない場合は、以下の2つの方法が効果的です。
- 消化のいい軽い食事をする
- シャワーを浴びる(入浴をする)
- 食事をすることで副交感神経が優位になるため、リラックスモードに入り眠くなります。
脂ものなど消化の悪いものは胃もたれの原因になるので、少量のご飯と味噌汁、ホットミルクとバナナといった軽い食事をして眠気を誘いましょう。
- シャワーを浴びたり入浴することで体温を上げることができます。
体温が上がると、その後自然に下げようとします。
眠気は体温が下がることで強くなるので、シャワーや入浴は快適な睡眠に効果的と言えます。
その他、カーテンを閉めて眠りやすくするなど、快適な睡眠環境を整えて効果的に疲労を解消していきましょう。
やってはいけない夜勤前後の過ごし方
ここでは夜勤前後にやってはいけない過ごし方をご紹介します。
長時間夜勤をできるだけ負担少なく乗り越え、その後の疲労を残さないためにも、夜勤前後のNG行動を知っておきましょう。
夜勤前に避けるべき行動
夜勤前に避けるべき行動として、「無理に寝ようとすること」です。
夜勤前は仮眠を取るのが効果的ですが、だからと言って無理に寝ようとすると、それがかえってストレスとなり、上手く寝れなかったときにストレスになります。
夜勤前は無理に寝ようとせず、リラックスしながら過ごし、眠気が来たら寝るようにしましょう。
夜勤後に避けるべき行動
夜勤後は気分がハイになっているので、そのまま起きていたいという人もいるでしょうが、長時間の業務で身体は悲鳴をあげています。
翌日以降の体調管理のためにも、まずは休むことを優先しましょう。
休む際のポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
- 快適に眠れる環境を整える
- 長く寝過ぎない
- 入浴はシャワーだけにする
こちらの詳しい解説は、ケアきょうのYouTubeチャンネルでも解説してるので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
【参考動画】
どうしても夜勤がツラい時は
どうしても夜勤が辛いと感じる時は、夜勤以外の選択肢も視野に入れましょう。
ここでは、夜勤のメリットやデメリット、夜勤以外の選択肢を知ることで、あなたに合った働き方を見つけましょう。
また、夜勤の環境を整備することで、夜勤の負担を軽くする方法も解説していきます。
夜勤のメリット
介護夜勤には、日勤にはない多くのメリットがあります。ここでは、代表的なメリットを5つご紹介します。
夜勤手当がつく
夜勤をする最大のメリットは「夜勤手当がもらえること」です。
夜勤手当の相場は、1回5,000円〜10,000円ほどの施設が多いです。
つまり、夜勤を月に5回すると、5,000円×5回で25,000円の手当を貰えます。
年間にすると、30万円もプラスになるので、収入アップに夜勤は効果的と言えます。
昼間の自由時間が増える
介護夜勤の多くが、夕方から翌日の朝9時ごろまでというシフトで組まれています。
さらに、夜勤明けの翌日は休みになるケースがほとんどで、夜勤入りと明けの時間を合計すると、2日以上の昼間の時間を自由に過ごすことができます。
連休が取りにくい介護業界では、夜勤を上手く利用することで昼間の自由時間を増やすことができます。
何もなければ仕事量は少ない
介護の夜勤は、食事介助、就寝介助、排泄介助、見守り、起床介助が主な業務になります。
もちろん、ご利用者様の急変や体調不良などがあれば、その分業務量も増えますが、基本的には就寝時間となり、日勤よりは業務量は少ないです。
ナースコールも少なく穏やかな夜勤であれば、負担も少なくゆっくりと夜を過ごすことができます。
通勤ラッシュにあわない
夜勤の場合は、出勤が夕方で帰宅が午前中になるので、通勤ラッシュにあうことはありません。
通勤によるストレスを避けたい人には、夜勤はおすすめと言えるでしょう。
ただ、これから帰宅する人を目にしながら会社に向かうのは、それはそれでツラいときもあります。
それでも、夜勤明けで帰れるときの爽快感は格別で病みつきになりますよ。
求人の選択肢が増える
介護業界は慢性的な人手不足と言われており、その中でも夜勤の人材確保には苦労しています。
そのため、夜勤専従の求人募集をしている施設も多く、夜勤ができる介護士さんは貴重な存在と言えるでしょう。
夜勤ができることで、働く施設や働き方の選択肢も広がるので、より条件の良い求人に出会える可能性が高まります。
夜勤は長時間で大変なこともありますが、キャリアの幅を広げる意味でも経験しておくといいでしょう。
夜勤のデメリット
介護夜勤には、もちろんデメリットもあります。ここでは代表的なデメリットを3つ紹介していきます。
メリットとのバランスを考えながら、あなたに合った働き方を見つけていきましょう。
生活リズムが崩れやすくなる
人間は本来、夜に寝ることで効率的に身体を回復します。
しかし、夜勤をすることで夜に寝ることができず、疲労が蓄積されやすくなります。
また、日勤もしながらの夜勤となると、生活のリズムが崩れやすく、体調管理にも気を付けなければなりません。
本記事でも紹介したように、夜勤前後にリラックスして身体を休めることで、夜勤の疲れを少しでも軽減していきましょう。
急変などがあっても自分1人で対応しなきゃいけない
1人夜勤の場合は、利用者様に急変があった場合に1人で対応する必要があります。
介護の夜勤は、相手が疾患を持った高齢者のため、いつ急変しても不思議ではありません。
夜間に入る場合は、急変時の初期対応の方法を、必ず事前確認にしておき、何かあってもすぐに対応できるよう準備しておきましょう。
1人にかかる介助量が増える
夜勤スタッフの人数は、日勤スタッフの3分の1ほどになります。
そのため、業務量は少ないと言っても、1人にかかる仕事量が多いので、昼間より忙しいと感じる場合もあります。
例えば、オムツ交換やトイレ介助の回数が多い場合は、瞬間的ではありますが忙しくなり慌てやすくなります。
少ない人数で対応しなければいけない夜勤の場合、利用者様のリスク要因や仕事の優先度を確認して、当日になって慌てないよう準備しておきましょう。
【参考動画】
夜勤の環境を整備する
夜勤時に効率的に休むためには、夜勤の環境整備も大切になります。
ただ、調査によると、仮眠室がない施設は全体の37%にもなり、ゆっくりと休めるスペースがないのは夜勤者にとって大きな問題です。
また、1人夜勤の場合は休憩時間も取れていない可能性があります。
1人夜勤の場合、常にナースコールや利用者様の対応をしないといけません。
本来、休憩とは何もしない時間のことであり、業務をする必要があるのであれば休憩とは言えません。
こういった夜勤の労働環境を整備することは、長時間夜勤を続けていくために非常に重要になってきます。
【参考動画】
夜勤のない働き方を考える
どうしても夜勤がツラいと感じる場合は無理せず、夜勤のない働き方も検討しましょう。
例えば、デイサービスや訪問介護、日勤だけの介護派遣など、介護職には夜勤をしない働き方も用意されています。
まとめ
今回の内容のまとめです。
- 夜勤前は寝過ぎない
- 夜勤当日の起床8時間後の仮眠が効果的
- 仮眠は2時間程度が良い
- 眠れなくてもリラックスして過ごすことが大切
- 消化の良いものを食べて胃の負担を減らす
- 夜勤中も横になる時間を作るよう心がける
- 夜勤明けも寝過ぎず仮眠程度にして夜しっかり寝る
- 夜勤にはメリットもデメリットもある
- どうしても夜勤がツラい時は夜勤以外の働き方を検討する
介護の夜勤は長時間のため、事前の体調管理をはじめ、夜勤後の過ごし方も大切になってきます。
仮眠に関しては、無理に寝ようすると逆に寝れなくなり、結果的にストレスの原因となる可能性があります。
夜勤前後は、消化の良いものを適度に食べて、あまり食べすぎないようにしましょう。
また、夜勤中もできるだけ横になり、リラックスできる時間を作りましょう。
ただ、どうしても夜勤が合わない場合は無理をせず、夜勤以外の働き方も検討しながら自分自身の体調管理を優先していただくことをおすすめします。
介護職の働き方で相談したいことがあれば、「ケアきょう」までご連絡いただければ、喜んで対応させていただきます。
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