デイサービスを拒否する理由とは?対応方法や楽しく通ってもらうためのポイントを紹介
デイサービスで働く介護職で、以下のような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか?
本記事では、デイサービスで働く介護職に向けて、利用者様がデイサービスを拒否する理由や、拒否する際の対応方法などを解説します。
デイサービスに通う利用者様のご家族も参考になる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
利用者様がデイサービスを拒否する5つの理由
利用者様がデイサービスを拒否する理由は、以下5つです。
- 初めてでわからない
- 集団行動が好きではない
- デイサービスがあわない
- 外出するのが面倒くさい
- 介護が必要な自分を認めたくない
それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。
初めてでわからない
デイサービスの利用が初めての場合、「どんなところだろう?」「どんな人がいるのだろう?」と不安な気持ちになるのは自然なことです。
認知症の方であれば、デイサービスという場所や通う目的などを認識するのが難しい場合もあり、より不安感は増すでしょう。
介護職はデイサービスに通う利用者様に対して、まずは不安を抱いていることに共感することが大切です。
その上で、不安を少しでも感じさせないような関わりが必要になってくるでしょう。
集団行動が好きではない
他人とのコミュニケーションや集団行動が苦手であれば、デイサービスに限らず施設に通うこと自体を嫌がるでしょう。
ひとり時間が好きな方であれば、デイサービスに通うことは苦痛でしかありません。
ご家族からすると自宅にいるよりも、デイサービスをきっかけに外出して他人との関わりを持ってほしいと思うでしょう。
ただ精神的苦痛が伴う場合は、利用者様にとって負担に感じるだけです。
集団行動が苦手な場合は、少人数のデイサービスを勧めてみたり、短時間からはじめて徐々に信頼関係を築いていくなどの工夫が必要です。
デイサービスが合わない
他の利用者様や働くスタッフなどとの人間関係が合わないため拒否するケースもあります。
はじめは問題なく通っていたが、徐々に嫌がるようになった場合は、この理由が考えられます。
そのほか、デイサービスのサービス内容が合わないこともあるでしょう。
たとえば、ひとりで黙々と作業したいのに、カラオケや体操などの集団レクばかりで、思っていた環境と違うというパターンです。
その方に合ったサービスが提供できるのであれば、できる限り個別でレクやリハビリなどの対応を考えてみるといいかもしれません。
外出するのが面倒くさい
自宅で過ごす時間が好きで、外出自体が面倒だと思う方にとって、デイサービスに通うのは億劫に感じるでしょう。
外出するためには朝起きて服を着替えて、身なりを整えることも必要です。
集団行動が苦手だったり、デイサービスに対して興味がなかったりといったことも拒否する原因として考えられます。
年齢とともに体力が低下し「外出すると疲れるから」という理由で、デイサービスに行きたがらない方もいるでしょう。
こういった方には、一度通っていただきデイサービスを体験してもらうことで考えが変わる可能性があります。
まずはデイサービスに通うという、はじめの一歩をサポートする関わりが大切です。
介護が必要な自分を認めたくない
これまで身の回りのことを自分でやってきた方にとっては、デイサービスに通って他人のお世話になる自分を認めたくない場合もあるでしょう。
デイサービスに通うこと自体は否定的ではなくても、他人に迷惑をかけたくないと感じる方もいるかもしれません。
デイサービスをはじめとした介護施設に通うと、他の利用者様に見られながら介護を受ける機会もあり、自尊心が傷つく可能性もあります。
自宅で家族に介護されるのとは違い、他人のお世話になることに最初はどうしても抵抗感を感じます。
このような方には、できることは自分でやっていただけるような関わりが大切になってくるでしょう。
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ケアきょう求人・転職の無料相談デイサービスを拒否する場合の対応方法
利用者様がデイサービスを拒否する場合の対応方法は、以下の5つが効果的です。
- 利用の目的を丁寧に説明する
- 短時間から通ってもらう
- 家族に同行してもらう
- 担当のケアマネジャーに相談する
- 他の介護サービスを検討する
デイサービスに楽しく通っていただくためのポイントです。
ぜひ参考にして現場で活用してみてください。
利用の目的を丁寧に説明する
利用者様がデイサービスを拒否したときは、本人の生活習慣や健康面の改善など、デイサービスに通う目的を丁寧に伝えることが大切です。
ただデイサービスに通いましょうというだけでは、納得できずに気持ちよくデイサービスに通えません。
また自分が通うことでスタッフに協力し、デイサービスにいる他の方をサポートする役割を持つということを自覚していただくのも効果的です。
「あなたがデイサービスに通い〇〇さんのお手伝いをしてほしい」といったような、社会的な役割を持てる場所であることを伝え、利用をすすめる方法もあります。
短時間から通ってもらう
デイサービスが初めての方や慣れていない方には、まず短時間からでもいいので通ってもらうことが大切です。
たとえば、いきなり長時間通うのが難しそうな場合は、午前中だけ通ったり昼から1時間だけ通ったりといった具合に、少しずつ慣れてもらいましょう。
介護サービス自体が初めての場合は、人と会うことに慣れるため、訪問介護や訪問リハのような短時間のサービスからはじめてみる方法もあります。
無理やり通ってもらっても、利用者様本人がつらいだけです。
デイサービスに通うことの目的を認識したり、施設内での役割を持ったりしながら、徐々に利用時間を増やしていけば問題ありません。
家族に同行してもらう
利用者様がデイサービスに慣れるまでは、家族に同行してもらうことも検討しましょう。
ただデイサービスの利用目的には、家族の休息も含まれます。
そのため、家族に同行してもらうと負担が増えるだけではと思う方もいるでしょう。
利用者様がデイサービスに慣れて通えるようにならなければ、家族の負担が減ることもありません。
はじめのうちは家族に負担をかけるかもしれませんが、職員から丁寧に説明をして協力を依頼しましょう。
家族がいることで、安心して他の利用者様とコミュニケーションを取れたり、レクリエーションに参加できたりといい効果が期待できます。
担当のケアマネジャーに相談する
利用者様がデイサービスを拒否する場合、担当のケアマネジャーに相談することも検討しましょう。
利用者様と介護サービスをつなぐケアマネジャーだからこそ知っている情報があり、そこに拒否する原因が隠れているかもしれません。
たとえば、苦手な利用者のタイプがわかったり、デイサービスの雰囲気が好みと違うなど、利用者様本人の潜在ニーズを把握するきっかけになります。
デイサービスの職員と担当のケアマネジャーが連携することは、利用者様が気持ちよくデイサービスを利用するために重要なことです。
他の介護サービスを検討する
さまざまな方法で対応してもデイサービスを拒否する場合は、別の介護サービスに変更することも検討したほうがいいでしょう。
たとえば、どうしても入浴介助だけは必要という場合は訪問入浴介護を利用したり、リハビリが必要な場合は訪問リハビリを利用したりといった選択ができます。
他のサービスを利用する中で介護サービスや他人とのかかわりに慣れて、時間の経過とともにデイサービスの利用に抵抗がなくなる可能性もあります。
介護サービスの変更は施設の職員や家族だけでは難しいため、必ず担当のケアマネジャーに相談しましょう。
デイサービスを利用するメリット
デイサービスを利用するメリットを紹介します。
- 規則正しい生活が送れる
- さまざまな人と交流できる
- 安全な入浴ができる
- 心身機能の維持につながる
- 家族の介護負担を軽減できる
介護職がメリットを把握することで、拒否する利用者様に楽しく通っていただく方法を考えやすくなります。
ぜひお役立てください。
規則正しい生活が送れる
デイサービスのスケジュールは、朝9時頃から夕方16時頃までの利用が一般的です。
そのため、デイサービスに通うことが規則正しい生活につながります。
デイサービスに通うことで、日中は他人との関わりを持ち、リハビリやレクリエーションを通じて活動的に過ごすことが可能です。
入浴によるリフレッシュ効果も期待できます。
昼間にしっかり活動し、入浴により清潔を保持できれば、良質な睡眠にもつながるでしょう。
さまざまな人と交流できる
デイサービスに通えば、そこにいるさまざまな方と交流できます。
他人との交流機会により社会と接点を持つことで、孤独感や寂しさを解消してくれる効果が期待できます。
とくにひとり暮らしの方や昼間は家族が家にいない方にとって、デイサービスでの他人とのかかわりは、コミュニケーションが取れる貴重な時間です。
他人と交流することは認知機能の低下にもつながるため、認知症の予防にもつながるでしょう。
安全な入浴ができる
デイサービスでは介護の専門スタッフのもと、安全な入浴ができる点が大きなメリットです。
自宅で入浴する場合、浴室が狭かったり家族のサポートが不十分だったりすると、入浴自体が億劫になるでしょう。
ヒートショックや転倒など、入浴中は事故のリスクも高まります。
デイサービスに通えば、入浴しやすい環境や職員見守りのもと、さまざまなリスクを回避しながら入浴できます。
自宅での介助負担も減るため、同居する家族にとっても大きなメリットと言えるでしょう。
心身機能の維持につながる
デイサービスでは、入浴やレクリエーション以外にも、生活機能訓練や口腔機能訓練などのリハビリも行っています。
そのため、デイサービスに通うことで身体機能の維持につながります。
また自宅でのひきこもりを予防し孤立感を解消することで、利用者様に精神的な安定をもたらす効果も期待できるでしょう。
デイサービスに通うことは、心身の健康を維持するためにも非常に効果的です。
家族の介護負担を軽減できる
デイサービスは朝から夕方まで、以下のような基本サービスを提供します。
- 食事の提供
- 入浴や排泄のサポート
- レクリエーションやリハビリ
自宅で過ごす場合は、これらのサービスを家族が行わなければいけません。
認知症の場合だと、コミュニケーションがうまくいかず、家族のストレスにもつながります。
デイサービスを利用すれば、その間は家族が自分の時間を確保でき、心身に余裕が生まれます。
デイサービスは利用者様だけでなく、家族の方にとっても大きな支えとなっていくでしょう。
デイサービスに関するよくある質問
デイサービスに関するよくある質問は、以下の3つです。
- 施設側が利用拒否できる理由は何ですか?
- デイサービスで働く介護職はどのような仕事をしますか?
- デイサービスの介護職の給料はいくらですか?
それぞれわかりやすく回答しています。ぜひご覧ください。
施設側が利用拒否できる理由は何ですか?
施設側がサービスの利用を拒否できるのは、以下のような場合です。
- 当該事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合
- 利用申込者の居住地が当該事業所の通常の事業の実施地域外にある場合
- その他、利用申込者に対し自ら適切な介護サービスを提供することが困難な場合
デイサービスで働く介護職はどのような仕事をしますか?
デイサービスで働く介護職は、以下のような仕事をしています。
- 利用者様の送迎
- 食事の準備や提供
- 排泄や入浴介助
- 外出時の移動支援
- レクリエーションの計画と実施
ぜひケアきょうYouTubeも参考にしてください。
▼関連動画
デイサービスの介護職の給料はいくらですか?
厚生労働省の調査によると、デイサービスの介護職の給料は以下のとおりです。
雇用形態 | 平均月給 | 介護職全体の平均 |
---|---|---|
常勤 | 275,620円 | 317,540円 |
非常勤 | 168,170円 | 209,540円 |
デイサービスは夜勤があるような生活型の施設と違い、日勤のみということもあり介護職全体の平均よりもやや低い結果となっています。
参考:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省
デイサービスで働く介護職の給料については、以下の記事でも詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
▼関連記事
デイサービスで働く介護職の給料はどれくらい?他の介護施設と比べて低い?
まとめ
利用者様がデイサービスを拒否する理由はいろいろあります。
ただ行きたくないというだけでなく、サービスや人があわない場合や利用者様自身のプライドが関係している場合など人によってさまざまです。
拒否するから無理だろうと諦めるのではなく、利用者様が「なぜ拒否するのか?」という疑問を持ち、原因を考えることが大切です。
本記事で紹介しているデイサービスを拒否する方への対応方法を参考に、利用者様が気持ちよく通えるデイサービスについて考えるきっかけにしてみてください。
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