介護業界で人間関係が必要な意外な理由と業務効率を上げるコツ【自分のため】
業務効率を上げる人間関係のコツ
介護現場の人間関係、上手く行っていますか?
また、人間関係が良い職場の方が働きやすく、業務効率も良い印象がないでしょうか?
実際、その方が働きやすいのですが、なぜ人間関係が良い職場の方が業務効率が良いのでしょうか?
今回は、その理由やコツを紹介していきます。
人間関係を悪くするようなことを自分がしていないかを振り返ったり、社内で共有していただけると嬉しいです!
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実は人間関係は、業務効率を向上させるのに有効だと言われています。
これは、実際に工場の生産性について研究した「ホーソン実験」で明らかになりました。
当初、研究者たちは、生産性を上げる要因として「作業所の環境」「労働日数」や「休憩時間」など、労働条件が生産性に効く要因なのではないか、と仮説を立てていたそうです。
そこで実験として、5人の従業員を実験対象にして、温度・湿度や明るさなどを変えていって、生産性がどのように変化するのかを観測したそうです。
しかし結果としては、どのようなことをしても生産性は上がり続けたとのことです。
物理的な労働条件の改悪があっても、生産性は上がったとのことです。
なぜでしょうか?
実は実験中、対象の従業員と研究者は定期的に面談を行い、物理的な労働条件以外の条件を少しずつ改善していました。
これによって、従業員は「改善してくれたのだから、頑張らなくちゃ!」という気持ちが生まれ、生産性が上がり続けたということです。
この結果から、業務生産性の向上のためには人間関係が非常に重要で、「この人たちと働きたい」と感じられるような職場では、生産性が高くなるということが分かっています。
この実験には続きがあり、上司や部下という公的な集団よりも、社内で自然と生まれた私的な集団の方が、生産性に影響を与えていることが分かりました。
つまり、介護の現場に置き換えて言い換えると、上司との関係よりも、特に介護職間の人間関係こそが、業務効率を向上させるにおいては非常に重要と言えます。
また、「自分の利益ばかりを追求していると、しっぺ返しにあう」という法則もあります。
介護職に言い換えると、自分だけが仕事を楽に行おう、あるいは自分だけが高く評価されようとする考えを持っていると、結局自分を苦しめるということです。
これを説明しているのは、哲学者ハーディンという人で「共有地の悲劇」という概念の中で、次のように説明しています。
あるところに、羊毛を得るために、羊を放牧している農民たちがいました。
農民たちは、みな牧草が生い茂った共有地で、羊に食事をさせています。
ここで農民一人の立場に立って考えると、共有地に自分の羊をできるだけ多く食事をさせればさせるほど、羊は育って羊毛も増え、自分の収入も増えます。
実際にこれをやっていくとどうなるのでしょうか?
他の人たちも、我も我もと同じように、共有地に羊を放牧していきます。
すると最終的に共有地の牧草はすべて羊に食べられ、枯れ果て、羊が飼えなくなります。
すなわち、最初の農民一人が自己利益だけを追求し出すとこのような悲劇が始まります。
つまり、自分のことだけを考えて、利益を得よう、楽をしようと考えると、結局全員同じことを考えていき、地獄を見てしまう……ということです。
チームケアが大切な介護施設でも、皆が少しずつサボっていくと、誰かにしわ寄せがいったりして、全体の雰囲気も悪くなりますよね。
このように、人間関係こそが業務効率を上げるカギになり、自分が楽になることばかりを追求しては、しっぺ返しにあってしまうということが分かります。
人間関係を良くする3つの習慣
人間関係がとても大切だということが分かりましたが、どうすれば人間関係を良くすることが出来るのでしょうか?
今回は、人間関係を良くするための3つの習慣をご紹介していきます。
良い行いは積極的に褒めよう!
まず一つ目は、積極的に褒めようということです。
私たち人間は、他人からの評価によって態度が変わっていく、という特性があります。
心理学用語では「オペランド条件付け」と言われるものです。
褒められたり、意見や働きが認められると、自分の意見や考えに自信を持てるようになる。
そして、仕事にも積極的になり、やる気が出て生産性が向上する。
反対に、否定されると自分の考えや意見に自信が無くなり、別の意見や考えを持つようになる。
と言うものです。
良い人間関係を作るには、良い行いをしたときにしっかりと褒めるようにしましょう!
ギブアンドテイクをしよう!
2つ目は、ギブアンドテイクを心がけようと言うことです。
皆さんは、「情けは人のためならず」という言葉をご存じですか?
人のことを助けることは、結局自分に返ってくる、という意味のことわざです。
たかが、ことわざと思うかもしれませんが、実は「互恵性」という心理用語もあります。
互恵性とは、簡単に言い換えると「ギブアンドテイクの法則」といったところです。
相手が何かをしてくれると、自然とこちらも何かをしてあげたくなる。すると、相手もまた何か協力してくれる、という良いサイクルが生まれます。
逆に、敵意を向けられると、こちらも敵意を向けてしまい、敵意を向け合う悪いスパイラルが生まれてしまいます。
これは、人間の特性です。
相手から提供されるばかりではなく、こちらからも提供することを忘れずに行っていきましょう!
思い切って予言をしよう!
3つ目は、思い切って予言をしようと言うことです。
皆さんは「予言」と聞くと、胡散臭いことのように感じますよね。
しかし今回の予言は、ノスタルダムスの大予言のようなものではなく、身近で流れる「あの人はどうせこうなる」「あの人は成功する」というような「予言」のことです。
心理学者たちは、この「予言」が叶うこと、そしてそのプロセスを説明しています。
ピグマリオン効果実験というもので、「予言」は叶うと証明されています。
これは小学生にIQテストを行い、その結果とは無関係に「この生徒たちはIQが高いので、今後成績が伸びます」と告げます。
その後、IQテストを実施すると「成績が伸びる」と言われていない生徒に比べ、「成績が伸びる」と言われた生徒の成績は本当に成績が伸びたと言います。
これは、なぜ起こったのでしょうか?
答えは、『人間は「予言」を叶えようとしてしまうから』です。
予言や期待を聞かされると、その内容が良い意味でも悪い意味でも、「本当にそうなのかな?」「やっぱりそうなるのか」と考えて、予言を叶えるように行動し、叶うのです。
ですから、新人が来た時には、良い「予言」をしてあげることや、サポートしてあげることが大切です。
絶対に「あの子はダメな気がする」と言うようなことは、本人にも、周囲にも言わないようにしてあげてください。
今回は、「業務効率を上げる人間関係のコツ」を紹介しました。
人間関係はとても難しいものですが、人間関係が良いと、業務効率も上がり過ごしやすくなります。
- 良い行いは積極的に褒めよう!
- ギブアンドテイクをしよう!
- 思い切って予言をしよう!
この3つのコツを意識して、人間関係・業務効率をどんどん良くしていきましょう!
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